「提督、今日の出撃の報告だけど――」
「提督さん!夕立頑張ったっぽい!ほめてほめて〜」
午前の出撃を終えて、第一艦隊の副官時雨が執務室に報告に来た。夕立はまあ……、いつものことだ。
通信で事前に連絡を受けていた通り、今回のMVPは夕立が取ったらしい。
「ぽいっ〜♪」
わしゃわしゃと夕立の頭を少し強めに撫でていると、衣服の上からでもわかる膨らみが腹部にあたり……ってダメだって。これは夕立が頑張ってくれたご褒美なんだから。色即是空心頭滅却……。
「むぅ……。提督……その、僕も――」
そうやって俺が煩悩と戦っていると、時雨が横か何かを求めるようにじっと見つめてくる。
「時雨、どうかしたか?」
「……ううん、何でもないよ」
気になって訊いてみると時雨は首を横に振る。その姿はどこか何かにがっかりしているように見えた。
ひとしきり撫で終えたあと、夕立の頭から手を離すと彼女は捨てられた子犬のような目で見上げてきた。
「うぅ……、もう終わりっぽい?」
もっと褒めてやりたいのはやまやまだが、これも報告にあった通り夕立は中破、時雨は小破している。そんな状態のままこうしているわけにもいくまい。
「先に入渠してきなさい。ほら、時雨も」
「は〜い……」
「ほら行くよ夕立」
「わわっ、待って〜!」
部屋を出ていった時雨の背中を夕立も慌てて追いかけていき、部屋には俺と今日の秘書艦の村雨だけが残された。
「半裸の夕立に抱きつかれる気分はどうだった?」
「変なこと聞くなよ……」
やけに含みのある言い方につい反応してしまう。しかし割と聞かれたくない質問で、俺は目を逸らしながらごまかすのが精一杯だった。
俺を問い詰める村雨の口元は愉しそうに歪んでいるが、その目は全く笑っていない。
「なあ、怒ってる?」
「全ッ然怒ってないわよ♪」
嘘だ!!
俺は大きくため息を吐きながら村雨の頭に手を伸ばす。これで勘違いだったらかっこ悪すぎるな……。
「はぁ……、これでいいか」
「んっ//。……なんでこういうときだけ察しがいいのかしらね」
村雨は僅かに目を伏せながら、俺の手の動きにあわせて頭部を揺らしている。
「だけとはなんだ。これでもかなり気を配ってるつもりだぞ」
「はいはい、あとで時雨姉さんにもしてあげてね」
言われなくたって、もともとそのつもりだっての。
× × ×
「それじゃあ報告だけど――」
「っとその前に」ナデナデ
「?……!?」
「いつも夕立のフォローありがとな。お疲れ様」
「……まったく。君は本当に……」
書き溜めすると言ったな。あれは嘘だ。マジすみませんPCがなかったんです……。スマホで書いてるのでかなり短いです。
ps 先日スーパーで『春雨』の二文字を見たとき、綺麗に二度見しました。これはもう咄嗟に買わなかった私の精神力の強さを自賛するしかないね。