白露日和   作:夜咲ひつぎ

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引っ越しやら何やらでここ数日ほんとに忙しかった……。それでも書く時間は多少あったのですがワードがいまだ使える状況になく、ワードないならハーメルンのフォーム使えばいいじゃないと気付いたのがつい昨日でした。本当に申し訳ない。
5/28追記 また下書きのまま投稿してたので若干継ぎ接ぎしました。


白露日和

「それにしても改まって用ってなんだろね?」

 

 今日の執務を終えると、白露型姉妹の部屋に呼ばれていた俺は秘書艦の白露とともにその足で彼女たちの部屋に向かっていた。……まあ、どちらかというと白露が主役なんだけど。

 

「さあな」

 

 表情に出ないように笑いをかみ殺しながら、惚けるように肩を竦める。

 今日は四月五日。当の本人が気づかないというのもおかしなものだな。

 部屋の前まで行くと数度扉をノックして、許可を待たずにノブを回す。 

 

「連れてきたぞ」

「え?」

 

 座卓に置かれた料理の数々。そして俺の発言を白露が訝しがったのも束の間、室内に轟音が鳴り響いた。

 

「白露姉さん」

「「「「「誕生日おめでとう!!」」」」っぽい!」

「へっ!?えっと、これはどういう……?」

 

 けたたましいクラッカーの音に気圧されて、白露は呆然としてその場で立ち尽くしている。

 春雨はそんな白露の手を引いて部屋の中に招き入れた。

 

「どうって、今日は白露姉さんの進水日ですよ?」

「白露の誕生日パーティーっぽい!」

「っ~~!!あぁもう、可愛い妹達め!大好きだ!!」

 

 妹たちのサプライズに感極まったのか、白露は近くにいた時雨と村雨を腕いっぱいに抱きしめた。

 

「ちょっと姉さん、苦しい……」

「でも時雨姉さん嬉しそうな顔してるわよ?」

「それは……まあ、ね」

 

 時雨は少し目線をそらして、誤魔化すように横髪を弄ぶ。そんな彼女をよそにして、位置が離れていた夕立は白露の後ろから跳びかかり背中に抱き着いた。春雨はその様子を楽しそうに見つめている。

 

「夕立も白露のこと大好きっぽい!」

「はい!頼れるお姉ちゃんです!」

「夕立、春雨……。二人も大好きだぁ!!」

「……普段は村雨の方がお姉さんらしいけどね」

「そんなこと言って、こないだ――」

「わぁ!!村雨だめ!」

「ふふっ♪」

 

 空いていた座布団の上に腰を下ろし、仲睦まじい彼女たちを眺めていた。

 こんな風に姉妹仲、あるいは艦娘同士の仲がいいのを見るのはやはり嬉しいものだ。

 

「本当にありがとう!いっちばんいい日になったよ!」

 

 一度席に座ると落ち着きを取り戻したのか、白露は改めてそう言った。

 その目尻がうっすらと湿っていることを、きっとみんな気づいていただろうけど、誰も何も言わなかった。

 

「そういうのはまだ早いわよ?」

 

 しかしまだ終わりではない。たった一夜だけのパーティーだが、まだまだ始まったばかりだ。

 時雨たちが取り出したのは形様々な小包みで、それを順に白露に渡していく。

 

「はい姉さん僕たちからこれ」

「プレゼントっぽい!」

「日頃の感謝です!」

「受け取ってくれると嬉しいわ」

「みんな……」

 

 そして何も持ってきていない俺。……いや、ちゃんと進水日は覚えていたしプレゼントも買おうとしたんだ。でもな……。

 

「でまあ、俺も用意しようと思ったんだが何故か時雨たちに止められてな」

「え、なんで?」

「なんでも、替わりに次の休日を空けておけとか」

 

 流石に何を求められてるかわからないほど鈍くはない。せいぜい労わせてもらおう。

 

「あっ……」

 

 振り向いた白露に、時雨たちは楽し気に微笑みかける。俺には彼女たちが『いってらっしゃい』と、そう言っているように見えた。

 

「ま、そういうわけだ。こんなことで代わりになるかはわかないが、週末どっか行こうか」

「うんっ!」

 

 とはいえ何も贈らないのもあれなので、そのときにまた何か贈ろうか。

 どうか彼女にとってその日が一番いい日になりますように。

 

 




ps 今日は四月五日。いいね?
ps2 タイトル回収して最終回?もう少し続きます。
 実はmf大賞に応募したいと考えておりまして、とりあえず今思いついてるアイデアを文章化したらいったん区切りつけてそっちに取り掛かります。勝手ですがどうかご了承ください。多分気分転換にでもまたこっち書くと思いますけどね……。
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