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思い悩みつつ帰路を歩いていると、いつの間にか家の前に着いていた。徹夜でもしていたのだろうか、いつもはしっかり電気を消しているはずの前野の部屋の電気がついていた。少女は不審に思いながらも、珍しいなぁと流してドアを開けた。
「ただいま、です……」
寝ていたらアレなので、なるべく小さな声で。もちろん返事は返ってこない。けれど、妙な違和感があった。肌に感じる空気の冷たさがいつもと違うように思ったのだ。ふと、”あの夜”のことを思い出す。お風呂に閉じ込められ、外に出されていたあの夜。冷たい空気の流れは二階の方から流れてきているように感じた。冷や汗を背中に感じながら、大急ぎで階段を駆け上り、前野の部屋へと急ぐ。本条との関係がゴタゴタしている今、もし”最悪”が起こったなら、そこには一切の”居場所”がなくなってしまう。誰にも受け入れられず、またあの孤児院に戻ることになってしまう。扉に手をかけると、妙に軽かった。開けると、そこには赤い……血。
「……ひっ」
思わず、尻餅をついてしまう。そこには……胸を抑えて倒れている前野の姿があった。気が動転して頭が良く回らなかったが、なんとか冷静な理性を取り戻し、スマホで119のボタンを押した。
「も、もしもし、け、警察ですか」
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通報してから救急車が来るまで、電話の指示に従って必死に少女は応急処置をした。でも救急隊員が部屋に入ってきてから、ふっと糸が切れたみたいに少女も倒れてしまった。目が覚めるともう夜で、前野は緊急治療室での手術を終えて、病室で眠っていた。少女もその横に布団を敷かれて寝かされており、起きた途端に前野の寝姿を見て、ほっと一息ついた。布団を綺麗に折り畳むと、のどの渇きを覚えたので病室の外に出た。
静かな病院はなんだか新鮮で、不思議な感じがした。コツコツと歩いて、近くの自動販売機に寄る。暗闇に浮かぶその姿はどうにも心を安心させるものがあり、改めて前野が生きていたという事実を感じられたような気がした。
自販機の近くに行くと、どこかで見たオレンジ色の髪が見えた。咄嗟に引き返そうとすると、後ろから腕を掴まれた。
「……ごめん、アイアイ」
「……離して」
「……聞いて、アイアイ」
「……離してってば!」
少女が振り払うも、また本条は手を掴んだ。
「聞いて、アイアイ」
「……なんなの」
「……”私が前野翔太をあんな目に合わせたの”」
「……えっ?」
病院の窓から見える空は灰色の雲に覆われていた。
これにて4分の2、終わりです。次は……また来年三月に投稿するか、どうするか……また思いついたら書いときます。
ちなみに私が今推しているCPはひびみくと、あとは……まぁ、ハーメルンでまたそのうち短編出すかも。それではまたそのうちか、来年か……クリスマスに投稿出来たら楽しそう。