#28
前回素直に名前間違ってました……肝心なところの誤字とかカスかな?ほんとすいません……(蛍× 藍○)
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壁越しに聞こえる雨音だけが少女が生きていることを証明している。砂浜で意識を失ってから、気が付くとどことも知れぬ場所に閉じ込められていた。目隠しをされ、手足を縛られているから何も見えないのだ。これから私は刺されて死ぬのか、それとも餓死させられて死ぬのだろうか。少女がプルプル身体を震わせていると、ドアの開く音がした。冷や汗が背中を伝う。
「気分はどうだい、藍ちゃん?」
「最悪……です」
「そうかい、だったら良かった。”時間”まではあと少しだけど、ゆっくりしておいてくれ。それじゃあ」
「前野さんは……どうしてこんな酷いことを……するんですか?」
二人の間に、しばし沈黙が佇んだ。少女は何か不味いことを言ってしまったのだろうか、と肝をキンキンに冷やしていたが前野の”いつもの”優しい溜息でその緊張も解れた。言葉を放つ吐息。
「”魂をね、もう一度取り戻したいんだよ”」
前野は質問する隙も与えず、そのままドアの向こうへと消えてしまった。それは一種の狂気だ。憧憬と現実を二重写しにした男の狂言だった。けれど、どうしてだろうか。少女はなぜか、その言葉に妙に魅入られてしまった。雨音は一段と強まっている。
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その頃、本条は前野の家にいた。警察にも一応届けは出したのだが、そもそも家族じゃない本条が出したことを怪しんでいたので、正直信用ならない。そこで、亜鈴なのだ。前々から少女より存在は聞いていたのだが、なんだかんだで会ったことがなかった。けれど今はそんなことを言ってる場合じゃない。家のチャイムを鳴らすと、はーいと弱々しい声が聞こえてきた。ドアが開くと、出てきたのは頭がボサボサの男。この人が少女の言っていた”亜鈴”なのだろうか。疑いながらも、口を開く。
「あの……”亜鈴さん”で」
「じゃあ、アンタが”本条”か」
「はい、今日はアイア……雨宮藍さんの居場所に心覚えあるかなぁ……と」
「知らない……というか、どうせ誘拐されたんだろ?前野さん、部屋の荷物を全部粗大ごみとして出してたし」
”どうせ”。ということは、この男は少女が誘拐されることを予め知っていたのだ。なのに、助けようともせずに放置していたのか。本条は段々、少女が碌な空間に住んでいなかったのではないかと思えてきた。狂気に身を任せた男、狂気を許した男、男、男。本条は色々言ってやりたい言葉があったが、唇を噛んでぎゅっと堪えた。今、この男からの信頼を失くしたら、少女の拉致されているであろう場所が分からなくなる。
「……あの、もういいですか。俺、今引っ越しの準備中なんで」
ドアを閉めようとする亜鈴の手を掴む。眉をしかめて、亜鈴は本条の顔を見た。
「じゃあ最後に一つだけ。”前野さん”が行く場所に心覚えは?」
二人の間に、しばし沈黙が佇んだ。その間、互いが互いを強く睨みあっていた。亜鈴ははぁ……と浅くため息をついた。
「知らない……って言っても、無駄みたいですね。分かりました……言います」
雨音はまた一段と強まっている。
書いたけど投稿忘れていました……(ワンピース61巻無料なので読んでた)
ということで、4分の4始まります