遠い音楽   作:冴月

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結構な頻度で以前までの話を改稿してたりするので、もし宜しければそちらもどうぞ!

次話からは本筋に戻ります。


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     ☆☆

 バイトを終えたたえが遅れて合流してきた。

 若干疲れた様子のたえだったが早速曲が半分できたと伝えると一転。「聞きたい!」とすぐさま答えてきた。

 たえに歌詞ノートを渡す。有咲に合図を送り、メロディを流す。

 香澄は、もはや染み付いている歌詞をメロディに乗せて口ずさんでみた。

 

「……踏み出すキミを待ち続けてる、ドキドキときどきときめいてる」

 

 びっくりするくらいしっくりくる。まるで、自分ではない誰かが作った歌を歌っているよう。

 有咲達が作り出したスコアと、香澄の編み出したリリックが調和し、変化し、音楽(ユメ)へと成り上がってゆく。

 

「……In the name of BanG_Dream! Yes! BanG_Dream!」

 

 気持ちよくなり、つい、声を上げて歌ってしまう。急な大きな声に「にゃっ!」と声を上げたザンジとバル。それによってはっと我に返った香澄は、顔を赤くしながら頭を搔いた。

 

「……すごい。凄い凄い凄い!」

 

 たえが興奮した様子である。体の前で握り拳を作り、それをぶんぶん振りながら言う。

 

「凄い感動した! すっごくドキドキした!」

 

 香澄の手を握ってくる。その状態のまま、今度は有咲に顔を向けた。

 

「有咲も凄い! 私、出てきたメロディを弾いただけなのに、ここまでまとめちゃうなんて!」

 

 近くに座る有咲の手も握る。香澄と有咲、その手をギュッと握りながら、たえは笑った。

 そんな様子のたえに驚きつつも、有咲は答える。

 

「……なんつーか、おたえのメロディ聞いてたら、自然と思いついたって言うか。特に悩まないで、スラスラと纏められたって言うか」

 

 不思議な事もあるものだ、と思った。香澄自身も、最初こそ言葉選びに悩んだものの、途中からはスラスラ言葉がでてきたのだ。寧ろ、この言葉しかない! と言った感じで、言葉選びをしていた気さえする。

 運命とか、奇跡とか。そういったものなのだろうか。それだったら、すっごいドキドキする!

 トクン、トクンと鼓動が聞こえ、呆然としている香澄を余所におたえと有咲の話は進む。

 

「それじゃあ、この曲をこれから練習するの?」

「うん。まだ2番は出来てないけど……とりあえずまとまってはいるし」

「そっか」

 

 たえがスナッパーを取り出す。すぐさまピックも取り出し、ジャーンとギターを鳴らした。

 

「じゃあ、これから香澄は特訓だね」

「と、特訓?」

 

 たえに話しかけられ、飛んでいた香澄の意識が戻ってきた。

 既にギターを構えていたおたえに少々驚きつつも、香澄はなんとか聞き返す。

 

「うん。キラキラ星くらいならいいけど、きちんとした曲を弾くってなると難しいよ?」

 

 そういうものなのか。たえは路上とかでいとも簡単そうに行っていたが、曰くそこまで辿り着くにはなかなか練習したという。最初の内は、どちらかが必ず疎かになってしまったとの事。

 

「まぁ、でも香澄なら大丈夫かも」

「大丈夫って?」

「うーん……よく分からないけど、キラキラしてるし」

「キラキラ……?」

 

 キラキラしてる。なんか、喜んでいいのかわからなかったが、とりあえず賛辞として香澄は受け取っておくことにした。

 

「んじゃまぁ話はこれくらいにして、そろそろ練習するか」

 

 有咲がパンと手を叩く。たえと香澄は、「おー!」と、返事をして、練習に取り掛かった。

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