遠い音楽   作:冴月

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期間が空いてしまって申し訳ないです!


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「それじゃあ、大成功を祝って……かんぱーい!」

「「「かんぱーい!」」」

 

 商店街が終わったその夜。お祭り騒ぎも段々と終息していった数時間後 後、香澄達は有咲の蔵で打ち上げを行っていた。

 みんなでお菓子やジュースを持ち寄ったり、ライブを見ていた有咲のおばあちゃんが腕を奮ってくれた料理が、蔵のテーブルに所狭しと並んでいる。 香澄

 私達は、各々好きなジュースを手に取りつつ、よだれが垂れそうな程の料理を舌づつみを打ち始めた。

 たわいない雑談をする事数十分後。雑談のテーマは、さっきのライブの感想に移って行った。

 

「ほんっ……と! 凄い楽しかった!」

 

 有咲のおばちゃんが作ってくれたおにぎりを食べながら言う。ライブで疲れた体にしょっぱい塩味が染み渡ってとても美味しかった。ちなみに中身は鮭だ。

 

「うん! みんなの音が重なり合って、すっごくドキドキした! ぐわーんってかんじ!」

 

 何故かあった野菜スティックのキュウリを、ポリポリとかじりながらたえは言った。

 

「また、やりたいな……。みんなと一緒に、キラキラしたい!」

 

 りみがチョコレートを頬張る。幸せそうな笑みが零れていた。

 

「……わ、私も! ……楽しかった」

 

 有咲が、少し恥ずかしそうに言う。そんな有咲にキュンとしてしまい、香澄とたえは無言で有咲を抱きしめた。

 

「ちょ!? お前ら!!」

 

 有咲が変な声を上げる。そんな様子を、りみは笑顔でみまもっていた。

 

 ……暫くすると、有咲のおばあちゃんが蔵に降りてきた。手にはビデオカメラを持っており、徐ろにパソコンの近くにそれを置いた。

 

「有咲、頼まれてたもの持ってきたよ」

 

「ん。ありがとう、ばあちゃん」

 

 それだけ渡すと、有咲のおばあちゃんは「楽しんで言ってね」と一言いって蔵を上がって行った。

 有咲はビデオからメモリを抜き取り、パソコンに入れた。

 

「有咲ちゃん、それなに?」

 

 りみが言う。香澄達がパソコンに寄ると、その画面には見覚えのある景色が映っている。

 

「……商店街ライブだ!」

 

 たえが声を上げる。賑やかな歓声、重なる掛け声。パソコンには、香澄達が行った商店街ライブの映像が写っていた。

 

「有咲。もしかして、おばあちゃんがライブ撮って置いてくれたの?」

 

 有咲に聞く。有咲は、映像の音量を弄りながら言った。

 

「うん、私が頼んだんだ。記念すべきポピパの初ライブだし。それに……」

 

 それに? 有咲が言葉に詰まる。ほんのりと顔を赤くし、そっぽを向きながら、有咲は言った。

 

「その……。後で良い思い出になるかなぁ……って」

 

 思わずにっこりと笑顔になってしまう香澄達であった。

 所謂、「暖かい目」をしている私達に気がついたのか、有咲は慌てて手を左右に振る。

 

「ばっ、か、勘違いすんじゃねぇ! 動画撮って、後で反省する為だから思い出とか関係ねぇ!」

 

 必死の訂正、というか抵抗。本当に、素直じゃないんだから有咲は。

 ……そんな有咲に、たえは無言で抱きついた。

 

「有咲はやっぱり友達想いだね」

 

 有咲の顔が真っ赤に染まる。たえから逃れるべくジタバタと抵抗するも、その手でがっちりとホールドされていた。

 次第に、抵抗を諦める有咲。たえに抱きつかれたままの有咲を横目に、香澄は自分の意中を口にした。

 

「……また、ライブしたいな」

 

 香澄の言葉に、みんなが視線を送る。香澄は、言葉を続けた。

 

「また、キラキラドキドキしたい。もっと上手くなって、もっと輝けるようになって! もっともっともっと奏でたい!」

 

 心のままに声を出す。その言葉に、最高の皆はただ頷いた。

 

「……えへへ、なんか照れちゃう」

 

 頬が熱くなるのを感じる。そんな香澄の様子を見て、仲間達は言った。

 

「次のライブをする為に、今度はオリジナルもふやすからな」

「私、ライブ終わってからいいフレーズ浮かびそうなんだ」

「だったら、ドラマーを探さないとね」

 

 ……そうだった! たえの言葉を聞いてハッとする。ドラムがいないバンドなんて、最高なんかじゃない!

 

「……だったら決まりだな。ドラムを探しつつ、各々オリジナルを考える。打ち込みとかは私とりみでやるから……」

 

 有咲がテキパキと仕切る。りみがノートを開く。たえがリズムを探る。

 

 そんな風景が、香澄はとてつもなく幸せだった。

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