偽りの許嫁でも、本当の許嫁になれるよね?   作:白鷺 夜行

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注意
今回はグロテスクな表現が含まれています。
苦手な方は後半からお読み下さい。
前半 才人の記憶を失った日の話
後半 病室 前回の続き



暗く閉ざされた過去

俺は笑顔が綺麗だったそうだ。

今はそんなことはないんだが・・・。

俺は何で記憶を失ってしまったんだろう?

昔何が・・・?・・・頭が痛くなってきた。

薬飲まなくちゃな。

・・・この薬なんの薬なんだろうな?

まあ、いいか。

 

 

 

「やめて!やめてよ!」

何で?何で母さんは僕を殴るの?

何で・・・何で・・・

母さんは笑ってるの・・・?

姉さんはケガしてるし、父さんは泣いてるのに・・・

何で?

父さんが不倫?してないよ!するわけないよ!!

何でなの?

母さんは父さんを愛してるんじゃなかったの?

何で・・・!何で・・・!!

えっ・・・包丁・・・?

スパッ!!

姉さんの腕に大きな傷が刻まれた。

まさか・・・嘘だよね。

僕の母さんはそんなことしない・・・しないんだ。

・・・そっか。

コイツは、母さんじゃないんだ。

母さんはコイツに殺されちゃったんだ。

待ってて、母さん。今・・・

「仇をとるよ。」

あっ丁度カッターナイフがあった!よし、コイツで・・・

あれ、父さん、何で止めるの?

父さんは母さんを殺されたから泣いてたんでしょう?

邪魔しないでよ。

父さんの指を切る。

痛そう。でも僕は悪くないよ?

僕は正義のために、これからも平和に暮らす為にコイツを

殺すんだから。

姉さんまで邪魔するの?

ああ、何なんだ。皆僕の邪魔をしたいの?

これは皆の為なのに。

・・・?なに震えてんの、オマエ。

母さん殺しといて何が許してくれだ。

願いを聞く?

そうだなぁじゃあ、

「死ね」

カッターナイフを胸に突き刺す。

「才人・・・。殺してくれて、あり、がとう。」

ドサッ。

呆気なかったな。つまんないの。

・・・。

・・・・・・。

・・・?

えっ・・・・・・・・・・。母・・・さん?

えっ何で僕は母さんを?

何で?

何で?

何で?

なんで?

ナンデ?

ナンデ?

ナンデ?

ナンデ?

ナンデ?

ナンデ?

 

「さっ才人?」

「とっ父さん・・・?」

「良かった・・・お前が無事で。本当に良かった!!」

「・・・?才人・・・?お前どうし」

「ああああああああ!あああああ!あああ!!あああああ!!!」

胸が苦しい!やめろ!やめろ!僕を僕を、

「俺を苦しめるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「落ち着け!才人!!誰もお前を傷つけない!」

「嘘だ!嘘だ!」

その日、一人の人間が死に、一人の人間が壊れた。

3週間後

 

「記憶・・・喪失?」

「はい、息子さんはここ3週間以前の記憶をもっていません。」

「そっそんな!」

「しかし全て忘れているわけではなく、思い出を失っているのでこれから思い出をつくってあげて

下さい。」

 

「・・・さん!」

「父さん!!」

「ああ、どうした?才人。」

「腹減った。」

「呑気なやつだな!」

 

 

 

現在

 

もう、2年前か・・・。

「んっ・・・親父?」

「ああ。大丈夫か?」

「うん。俺なら大丈夫。」

「この薬を飲むんだ。」

「うん、ありがと。」

本当は記憶抑制剤なんて飲ませたくないんが・・・。

情けない・・・。

 

「失礼します。」

「ああ、緑葉ちゃん。急にすまないね。才人も聞いてくれ。大事な話がある。」

「二人に許嫁になってほしい。」

「許嫁になれ?俺は別に良いけど。」

「さっ才人君が良いなら・・・。」

「ありがとう。これから頑張ってくれ。」

 

 

「失礼しました。」

「じゃあな才人。安静にしてろよ。」

「うん、緑葉。また学校で。あと親父もありがとう。」

 

 

「緑葉ちゃん。少しいいかな?」

「?はっはい。」

「これから話す事は真実だ。」

「俺のせいで才人は母親を殺し、才人は狂って二重人格になってしまった。」

「今は、薬を飲ませて出ないようにしているが、いつかあの時みたいに、」

「狂うかもしれない。」

「だから、才人を任せたい。これは、君にしかできない事なんだ。」

「僕にしか・・・できない?」

 

緑葉ちゃん、本当にすまない。

しかしそれでも、

「才人には幸せになってほしいんだ。だから・・・!」

「分かりました。任せて下さい。」

ああ、そうだ。昔才人もこんな笑顔だった。

「薬だ。才人が苦しそうな時に飲ませてくれ。」

「分かりました。」

「じゃあ、頼んだよ。」

「はい!任せて下さい。」

才人。幸せにな。

そして、仕事に戻った。

才人には君が必要だよ。緑葉ちゃん。




次回はどうしようか考え中です。
更新遅れるかもです。
次回もお楽しみに!


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