過度な期待はしないでください。
あと部屋を明るくして画面から30㎝は離れて見やがってください。
ポケットの中のケンカ
これは少し昔の話、
僕こと、南冬悟が頭沸いてるんじゃないかと思うほどにラブラブな両親の元から姉達が住む街へ行く頃の話だ。
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「えっ?冗談でしょ!?
僕まだ5歳だよ!?」
「男の子には旅をさせろって言うじゃない♪」
「母よ、それはもっと年齢が上になってからだと思うが・・・」
「そこは、ほら、冬悟大人びてるから。」
「いやいや関係ないよ!
5歳児に旅をさせる親なんて少なくとも日本じゃ聞かないよ!」
「ここはホノルルだがな。」
「父よ、今は茶々入れないでくれないか・・・。」
「まあ、細かいことは僕の兄で冬悟の叔父あたるやつに頼んでおいてあるから、
それに幼い頃に日本にいないと日本の子とカルチャーギャップが生じそうだからな。」
「あんたら両親との間にもカルチャーギャップを感じるのは気のせいか?」
「もう冬悟ったら照れ屋なのね♪」
「ダメだ、この親
早くなんとかしないと。」
「こらこら母さんに何てことを言うんだ。」
「あなたに対してもだよ!」
――――――――――――
大概の人間は自分が置かれてる状況が幸せだったり、絶妙なバランスで保たれていたりする事を自覚しないものだと思う。
見解の相違や感じ方が違う人もいるだろうが、少なくとも『僕』はそう思ってる。
何が言いたいかって?
それはだな。
僕がそのバランスを崩しうる、語弊なんかじゃなく正真正銘の異物なんじゃないかと思ったんだよ。
だってものすごく睨まれてるんだもん・・・。
「あのさ、お姉ちゃ「お前に姉と呼ばれる覚えはない!!」
「だったら千秋さん。」
「名前で呼ぶな!」
「・・・じゃあ姫。」
「その名で呼ぶな!このバカ野郎!!」
「なあなあ春香、千秋はどうして冬悟のやつにあんな感じなんだ?」
「それがよくわからないのよ・・・。」
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始まりは僕が姉達が住むマンション?に着いた最初の日、何か手伝う事がないかと聞いた事からなのかもしれない。
僕は夏奈ねーとは違い、何でもないことを面白くする才能など持ち合わせてはいない。
故にそつなく、手伝いをこなした。
とはいえ5歳の幼子というものは身体的能力によりやれることは限られている。
だからこそ前世の知識、見識を動員してやれることはやったのだ。
それにより、今まで会ったことがなかった一番上の姉に誉められた。
正直、嬉しかった。だが、それはある1人に対しては間違いだったと気がつかせられた、いや気がついた時にはすでに遅かった。
涙目で怒ったような、寂しいような、表現しきれない表情を見て僕は間違いだったと気がついた。
僕は前世では成人といえる年齢までは普通に生きていたし、子供というものはある程度理解しているつもりだった。
とはいえ最近は肉体の年齢に引っ張られている感じもするが。
・・・だったら開き直ろう。
上手くやるのではなく、子供らしく、幼子らしく、弟らしくあろうと千秋姉さんに話しかけることにしたのだ。
まあ、最初の結果はあれなんだが・・・
次はどうするか・・・?
――――――――――――
「次はどうしたらいいんだろう・・・?」
「なんだー、悩み事ならこの頼りがいがある姉に相談してみるかー?」
「いや、遠慮します。」
「そこは遠慮するな!」
「だって夏奈ねーに相談するとどうなるか予想できないし・・・。」
「なんだとー!」
「・・・やっぱり、相談する。」
「おぉ♪
そうでしょう、そうでしょう、
私は頼りがいがあるでしょう♪」
「夏奈ねーにそれは期待してない。」
「今日あったばかりなのにひどい・・・。」
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夏奈ねーは僕の相談事の内容を聞き、腕組みをしながら目をつぶり何かを考えていた。
その閉じられていた瞼が開かれ、僕に目線合わせながら、答え合わせとでも言える問答が始まる。
「なるほどな、
要するにだ、
お前は千秋のポジションを無意識に脅かしてしまったんだな。」
「そんなつもりはなかったんだけどね・・・。」
「うむ、そうだな。
お前千秋と料理対決しなさいよ。」
「は・・・?ナニイッテルノカナー?」
次姉の突拍子もない提案に僕は思考停止寸前になった。
だから口調がおかしくなっても僕は悪くないと思う。
「だから料理対決。」
「言っとくけど僕5歳だよ?」
「知ってるよ。」
この愚姉は包丁もマトモに使えない幼子の何を作らせようというのだろうか?
ともあれ料理対決()の幕が切って落とされる。
今回は過去話の前編というか、出来てた部分を見切り発車してしまいました。
正直な話、5歳には出来ることは本当に簡単なことだけですが、
冬悟君はどうなるんでしょうかね?