火継ぎの魔術師   作:フロム崇拝者

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第三高校より第一高校の描写が長い...


入学編-2

寄り道で軽く昼御飯を食べた3人は、このまま一条家に行くと言う将輝、ジョージと家へ帰る蓮火に別れた。蓮火は家へ着くと鞄から鍵を取り出しツーロック仕様の鍵を開け、家へ入る。

 

「ただいま...」

 

その声に反応するものは何も無い。現在の祿陸家は蓮火ただ1人である。彼自身、自分が何者なのかよく分かっていない。ただ彼が覚えているのは『火継ぎの魔術』と、それに関すると思われる『薪の王』と言う単語のみである。

 

「しかし俺が何処かの街に居座る、それも学校に行く事になるなんてね...」

 

何か自嘲する様な物言いだが、彼は物心ついた時から1人であり、自分の見聞を広める為に直ぐに流浪の旅へと出た。それを考えれば、自分が何処か一つの場所に留まり続けるという事に戸惑いを感じていたのかもしれない。

 

「勉強すっか...」

 

リビングのローテーブルに勉強用具と参考書を出すと床に座る。出した参考書は現代魔法に関する術式構造研究について書かれた物であり、明らかに高校1年生が履修する範囲では無い事は確かだ。

 

実の事を言うと、彼はジョージによって現代魔法の基礎に関する理解は完全に出来ている。だが、それを見た将輝によって彼は騙されていた。『基礎に関する理解は高校1年生の範囲より前だ』と。

 

どう言う事かはっきり言ってしまえば、彼は現代魔法に関して余りにも知らない為、自分がやっている範囲が履修範囲を超えている事に気付かないのである。

 

「...あ"ー!ダメだ分かんねー!」

 

始めてからおよそ30分でノートを投げた。頭からは煙が上がっている様子が容易に想像出来る。

 

「もうやだ...」

 

蓮火はそう言うと勉強を切り上げる。冷蔵庫からおにぎりを数個取り出して温めると食べる。すると吹いた。

 

「うげ。塩と砂糖間違えてんじゃん...」

 

砂糖味のおにぎり全てを食べ終えると、締まらない様子で地下の鍛錬場へ入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

南窓から部屋に暖かな光が入る。その窓際の椅子に腰を掛けた淑女が本を片手に電話をしていた。

 

「どうです達也?」

『相変わらず気が早いですね。まだ始まってすらいませんよ』

「あらそう?」

『今から来ますか?深雪の新入生答辞には間に合うかもしれませんよ?』

「あなた、私が来れない事を承知で言っているのかしら?」

『そう言えばそうですね』

 

やはり自分の息子は冗談がきつい。だが、そう言う一面を見せる様になったのも2年前のあの出来事からだ。彼女はそう思うと再び電話へと話しかける。

 

「そう言えば達也、貴方の方はどうかしら?」

『流石に有力な情報はありませんね...最後に得た【新ソ連の佐渡侵攻】での目撃情報以来、有力な物はないです』

「そう...それと真夜から一つ、情報が来てたわ」

『叔母様からですか...どんな物です?』

「【彼】の使う魔法についての有力な文献を見つけたらしいわよ」

『本当ですか!?』

 

久しく聞かなかった息子の焦る様な声に、彼女は笑みを浮かべる。

 

「それを渡したいから帰りに本家まで来て欲しいと」

『分かりました。こちらが終わり次第、本家まで行ってきます。そろそろ式が始まるそうなので』

「そう、深雪をお願いね?」

『分かってますよ、お母様』

 

電話が切れると、再び手に持った本を開く。机に置かれた栞には、家族3人の笑った姿が捉えられていた。




次は未定。書けたら出す。
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