艦これ〜少年の物語〜(仮題)   作:レベル

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筆記試験はカットします(零達が受けた筆記試験の内容は1部をそのうち書きます(多分))


第3話 試験②

試験官「――其処まで。筆記用具を置いて解答用紙を裏返しにして下さい」

 

  試験官の終了の合図で零は解答用紙を裏返しにして置く。全員が筆記用具を置き、解答用紙を裏返しにした事を確認し、試験官は問題用紙と解答用紙を集めていく。

 

試験官「其れでは此れで英語の試験を終わります。次は13:00より理科の試験と成りますので其れまでに必ず席についておいて下さい」

 

  試験官はそう告げて部屋から出ていく。試験官が出て行ったあと受験生達は昼食の為に同じ学校の友達と出て行く。

 

直之「終わったな、零。昼食いに行こうぜ!!」

 

  満面の笑みを浮かべて昼食を誘う直之に零は「ハイハイ」と返しつつ席から立ち上がった。

 

 

 

 

 

 

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直之「いや〜、其れにしても今回の筆記試験・・・0点採る奴は居ないんじゃね?」

 

零「確かにね」

 

  試験会場と成っていた部屋とは別の部屋で零達は昼食を取りながら互いに試験の感想を話し合っており、直之の述べた感想に零も同意していた。実際、零自身解いてみて思った事は0点を採る奴は居ないだろうという事である。

 

  国語の試験は古文と現代文、漢文に中学までで習う漢字全てである。漢字や文章の並べ替え、敬語関連、現代仮名遣いに直す、長文読解問題等が出されているが内容としては其処まで難しくはない。零から言わせてみれば漢字の問題はほぼサービス問題である。

 

  次に受けた数学の筆記試験。此方も最初がサービス問題の様なもので、0点を採る受験生は居ないと言えるレベルである。最後の英語の試験の方も単語、長文読解、リスニング等の問題が出ているが苦手な人が居ても0点を採るレベルでは無いと言えた。

 

直之「なぁ、此の筆記試験は本当に人を落とす気有るのか?」

 

  直之の質問に零は「一応合格点は高い方でしょ」と答える。確かに0点を採る人は居ないと言えるレベルだが500点満点中380点を採るというのはかなり難しい方である。

 

  苦手な科目があった場合他の科目で挽回すれば良いのだが苦手な科目が2,3科目あった場合、合格はかなり難しく成ると言えた。

 

零(まぁ、でも父さんが友達から聞いた話で毎年適性検査で落ちる人が多いらしいけどね・・・。今年は適性検査を多くの受験生に受けてもらうために筆記試験はあまり難しくしてないらしいし・・・)

 

  直之に答えながら心の中で父親が言っていた零は事を思い出す。今年の筆記試験はあまり人を落とさない様に作られている事、そして適性検査が多くの受験生を落としている事を。

 

 

直之「まぁ、そりゃそうか。取り敢えず午後の試験も頑張るか!!」

 

零「・・・そうだね。そろそろ時間だし戻ろうか」

 

  席から立ち上がり零達は試験会場の部屋へと歩き出した。

 

 

 

 

 

 

  ――其の後、零達は筆記試験を終えた。そして筆記試験の翌日。零の元に筆記試験の合格通知と適性検査の試験会場の通知が送られてきたのだった(因みに直之にも送られてきた)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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  零達が昼食を取っているのと同時刻。試験会場の建物の会議室と書かれた部屋。薄暗い室内には2人の人物が机を挟んで対面に座っていた。1人は初老の男性、もう1人は30代くらいの女性である。

 

「・・・今回は筆記試験を簡単にしてみたがやはり前年の様に難しい方が良かったのではないか?」

 

  ポツリと男性が呟く。

 

「けどねぇ。私達は人手不足だし何より提督としての適性を持つ人物は少ないからねぇ。少しでも提督としての適性を持つ人物を見付け出す為には仕方無いんじゃないかい? 最近は更にねぇ・・・」

 

  男性の呟きに女性が溜め息混じりに返し、机に3枚の新聞を広げる。男性が新聞に目を通し溜め息を吐く。

 

  新聞の写真には瓦礫の山と成った建物だったと思われる物が映っていた。

 

男性「第8基地、第11基地に第42基地が壊滅し基地に居た提督2人が死亡、1人行方不明、基地に居た艦娘の大半も轟沈とはな・・・」

 

女性「不祥事で逮捕される奴も居るのに最近深海悽艦の動きも活発に成ってる。今の提督の数は少ない。此処は筆記試験を簡単にしてでも直ぐにでも提督としての適性を持つ人物を探すべきよ」

 

  女性の言葉に男性は溜め息を吐く。殉職者や不祥事で提督の数は少なくなる。ならば提督に任命すれば良いのだが残念ながら提督に成るには適性検査を受けて合格しなければならない。そして適性持ちの人物は中々見つからないのだ。

 

今回筆記試験の難易度を下げたのは適性を持つ人物を他人1人でも多く探すためである。

 

女性「其れに前は合格点を400点以上、内容も難しくし過ぎたせいで筆記試験合格者は212人中15人しか居なかったじゃない。

 

  しかも適性検査であの子達が見えた人は6人も居たけど言葉が分かるのは2人で分からないのが4人。他の人は見えない、聞こえないで結局5回試験をやって最終的な合格者は12人だったし」

 

  女性が頭を左右に振りながら溜め息混じりに答える。男性も同じ様に溜め息を吐きながら「それもそうじゃの」と答える。

 

男性「・・・今年は何人適性持ちが居るじゃろうな」

 

女性「出来れば最初から2桁くらい居て欲しいわねぇ」

 

  まぁ、期待しましょうと女性は付け加えて椅子に深く座り直す。男性は頭を左右に振りながら受験生の履歴書を確認するのだった。

 

 




次回は適性検査です

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