――筆記試験から2日後。
零は適性検査会場と書かれた建物で零は入口で身分証明書と筆記試験の合格通知を見せて受付を終わらせたあとスーツを着た男性に待機室と書かれた部屋に案内され、自分の受験番号の書かれた椅子に座った。零が部屋を見渡すと部屋には既に100人以上の受験生が集まっていた。
直之「なぁなぁ零は何点だったんだ?」
零が部屋を見渡した直後、直之が筆記試験の点数を訊ねてくる。零は予想通りかと内心で呟き、溜め息を吐くと筆記試験の合格通知を直之に見せる。
直之「えーと、国語92点、数学90点、英語79点、理科88点、社会96点って事は500点満点中445点か~。凄いな零!!」
心の底から感心した様に直之は笑う。直之は零に通知を返すと自分の通知を零に見せる。零は見なくても別に良いと答えたが直之は俺だけ見せないのは不公平だからと言って零に渡す。渡された零はやれやれと首を軽く左右に振って直之の通知を見る。
零(国語72点、数学78点、英語68点、理科85点、社会79点の500点満点中382点。・・・2日間しか勉強してないのに合格出来る直之の方が本当は凄いんだけどなぁ)
もっと勉強していれば更に点数を採れたのに勿体無いと思いながら通知を直之に返す。暫く2人で話をしていると零を案内したスーツを着た男性が入ってきた。
男性「此れより適性検査の説明させて頂きます。内容は名前を呼ばれた受験生は荷物等を椅子の上に置いて部屋から出て右隣の部屋に行ってもらいます。
行ったあと扉をノックし、自分の名前を言います。すると中に入る様に指示が出されるので中に入って下さい。あとは中に居る試験官の質問に答えて下さい。適性検査の説明は以上です」
受験生達の前に立って開口一番に説明を始める男性。スーツを着た男性は説明を終えたあと直ぐに部屋から出て行き、代わりにスーツを着た女性が受験生を呼びに来た。
零の前に3人の受験生が名を呼ばれ部屋を出て行き、其の内2人が帰って来た。最後に呼ばれた受験生は未だ帰って来ていない。
暫くするとスーツを着てサングラスを掛けた男性が待機室に入ってきて帰って来ていない受験生の荷物を持って室内から出て行った。
直之(どうしたんだろうな?)
零(さぁ?)
直之(おいおい冷たいなぁ)
零(冷たいって言われても名前も知らない人だし)
直之(まぁ、それもそうか)
小声で話し合う2人。其の後、零の名前が呼ばれる。名前を呼ばれた零は指示された通りに待機室から出て右隣の部屋に向かう。
□■□■□■
零(此所か・・・)
検査室と書かれた部屋の扉の前で立ち止まり2、3回深呼吸を繰り返す。そして扉をノックし、自分の名前を告げる。
「どうぞ」
中から男性の声が返ってくる。零は失礼しますと告げて中に入る。部屋の中に入ると零は扉の方を向いて静かに閉めた。
部屋の中は長机が二個並べられ、そこにはスーツを着た20代の男性が座っていた。
零は面接のマナー通りに1礼し、置かれている椅子に向かう。椅子の左側に立ち中学名、氏名を伝えて一礼する。
男性に「どうぞ」と座るように促され、零は「失礼します」と言って席につく。
男性「では検査を始めますが其の前に再三の確認で悪いんですが君のお名前は? あぁ。名前だけで結構です」
零「秋里 零です」
男性「秋里 零君、と。じゃあ検査を始めるけど此の子が見えるかい? もし見えたら返事をしてあげてくれ」
そう告げて男性が机の下から何かを取り出した。
「コンニチハー」
男性が取り出したのは小さい人の形をした不思議な生物。女学生の様な服を着た女性の様な生物だった。
零「えっと・・・今日は?」
「ミエル? ミエテル?」
零「見えてるよ?」
不思議な生物の質問に答える零。すると不思議な生物は「ヤッター」と喜び、机の上でジャンプする。そして零の方に向いて笑顔で手を振る。零も同じ様に手を振った。
此の不思議な生物について聞こうと男性の方を見ると男性は愕然としていた。
男性「此れは驚いた。まさかこんなに直ぐに見えて話せる人が見付かるとは・・・」
そう呟き、男性は懐から携帯電話を取り出し、誰かと話をし始める。男性は何かを伝え終えると電話をきり、懐に仕舞った。
零「あ、あの?」
男性「ん? あ、あぁ。済まないな秋里 零君。検査は終わりだ。君は此の部屋から出て外に呼んである案内人に従って3階のA級合格者待機室に向かってくれ。荷物は後で待機室に届けるから」
零「は、はい」
零は返事をして一礼し、起立して椅子の横で再度一礼をする。そして扉まで向い、男性の方に向き直り、最後に「失礼します」と告げて一礼して部屋を後にした。
□■□■□■
A級合格者待機室と書かれた部屋で待つ事数分後。サングラスを掛けた男性から荷物を受け取り、更に其の数分後に直之が入ってきた。
そして直之と共に待つ事数時間後、部屋には零、直之を含めて10人の受験生が集まって自由に座っており、零達の前には先程適性検査で質問をしてきた男性が立っていた。
男性「えー。先ずは皆様試験お疲れ様でした。此所に居るA級合格者の皆様と此の部屋の直ぐ隣にあるB級合格者待機室に居るB級合格者の皆様は入学試験は合格と成ります」
受験生男子「す、済みません」
男性が合格を祝う中、受験生の1人が手を上げる。
男性「何でしょうか?」
受験生男子「あ、あのA級合格者とかB級合格者って何ですか?」
受験生の質問に男性が「済みません。説明を忘れていました」と謝る。
男性「いえ、本当に済みません。まさか1回目の試験からこんなに合格者が見付かるとは思ってなかったもので」
そう謝りながら説明を忘れていた理由を告げて男性は説明を始める。
男性「先ず、適性検査は艦娘を指揮する提督に成る資格を持つ人物を探す為のものです。
先程皆様が見た子は妖精と言います。提督と成るには先程見せた子が見えなければ成りません。
しかし見える人はとても少なく、会話ができる人は特に希少なんです。其処で見えて会話が出来る人をA級合格者、見える事が出来る人をB級合格者と分けているんです」
受験生女子「分けているって事はA級B級で何か違うんでしょうか?」
男性「A級合格者は提督としての適性が最も高く、特に期待されています。
違いとしては授業内容やA級合格者用の寮に入って貰う事、そしてB級合格者の方は2年時に駆逐艦の艦娘が配属されますが皆様は入寮日に駆逐艦の艦娘が配属されるという違いが有ります。
配属数は此所に居る皆様は入寮日に3人配属されます。また2年時に1人配属させ、3年時には駆逐艦の艦娘が計6人になるように配属されます。一方B級合格者は2年時に初めて艦娘が配属され、3年時には計4人になるように配属されるという違いが有りますね」
男性の台詞に受験生がざわつき始める。
男性「皆様お静かに!! 説明は未だ終わってません!!」
男性が柏手をうち、全員に静かにする様に指示を出す。騒いでいた受験生達は指示に従い全員黙り始める。
男性「――では説明を続けます」
そうして男性は入寮日の日時、A級合格者の受験生は入寮日に工廠と言う場所で駆逐艦の艦娘を3人建造すると説明した。
――其の後、説明が終わると男性は零達に待機する様に指示を出して部屋を出て行った。
待機する事2時間後、男性が戻ってきて零達に寮の地図と鍵、教科書代の用紙を渡された。其の後解散の指示が出され、零達は帰宅したのだった。
艦娘は多分次話に出る
(補足説明)
・筆記試験・・・学力面の調査。提示された点数を採れれば合格となる。合格点は年々下げている(零達の前は400点、その前は450点で合格。最初に行った筆記試験の合格点は490点)
・適性検査の合否判定及びA級B級判定・・・妖精が見えるか否か(見えれば合格)。また見えていた場合会話出来ればA級、出来なければB級
・A級B級の違い
(1)A級の方は提督としての適性が最も高く、戦力として特に期待されているためA級用の寮がある
(2)入寮日に艦娘が配属される。2年時には更に艦娘が配属され4人編成、3年時には6人編成となる(※)
(3)B級にも寮があり、艦娘は2年時に配属され、3年時に4人編成と成る
(4)寮は個室であり、A級の寮はB級の寮よりも広い。またB級よりも学費·寮費が少し安い。
・適性検査・・・提督と成れる人物を探す検査。零達には説明されていないが海軍本部(大本営)の研究者に成るためにも此の検査を受けなければ成らない(大本営の工廠や研究所にも妖精が居るため)
・妖精・・・だいたい一昔前の女学生や水兵の格好をした約二頭身ほどの少女。大きさは数cmから数十cmくらい
※作者は艦娘は人と数えていますので小説内では人でいきます。