剛毅「・・・此れで全部か?」
零「うん。其れで全部」
剛毅の問に零は頷く。試験が終わったあと零は卒業式や入学の準備(入学手続きや入学料の納付、引っ越し準備等)をしていた。
そして4月4日の入寮日。零は剛毅の車に乗り、学校敷地内の駐車場に居た。
剛毅「・・・そうか。そう言えばお前は予定があると言っていたな。寮の事とかに関しては俺がやっておく。お前は予定通り工廠に行ってくると良い」
剛毅は「寮の鍵を受け取ってくる」と告げて車の鍵を閉めて学校の方に歩いていく。零は剛毅に後を頼んで地図を取り出し、工廠が有ると書かれた方向に歩き出した。
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零「済みません」
学校の地図を見ながら零は工廠と書かれた建物の中に入る。中には青色の作業服を着た妖精達が居り、零の方を向くと零の足元に集まり始める。
赤髪の妖精「ダレー?」
青髪の妖精「ケンガクシャ?」
金髪の妖精「シンニュウシャ?」
零「あ、いえ。今日入寮してきた秋里 零と言います」
金髪の妖精「アキサト レイ? ア,キタイノシンニュウセイノ1人デスネ!!」
緑髪の妖精「キタイノシンニュウセイダー」
妖精達がはしゃぎながら零の足元に集まり始める。零が責任者は誰かと訊ねようとすると奥から青色の作業服を着た男性が零の方に向かって歩いてきていた。見た目は50歳くらいで少し太っている。黒髪で眼鏡を掛けており、手にはハンマーを持っている。
「・・・お前が秋里 零か」
零「は、はい」
大地「・・・そうか。 ・・・・・・良く来たな!! 俺は此所の工廠の最高責任者で工廠長の萩原 大地だ!!妖精や生徒からは親分と呼ばれている!! 宜しくな秋里!!」
ガッハッハッと大笑いしながら零の背中を叩く大地。零が「い、痛い」と返すと大地は叩くのを止めて「スマンスマン」と謝る。
大地「A級合格者なんだろ? とっとと建造するとしよう!
おい!
青髪の妖精「シゴトデスカ! ガッテン オヤブン!」
赤髪の妖精「ヒサシブリノケンゾータイムノオジカンデス!!」
緑髪の妖精「ワレワレノギジュツノミセバデス!!」
金髪の妖精「イマコソワレワレノギジュツガミライヲキリヒラクトキ!!」
そう笑い合いながら妖精達と共に奥に向かって歩いていく。零は未だ痛む背中を擦りながら「苦手なタイプだ」と呟いて大地の後を追った。
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大地「じゃあ説明するぞ。建造は此の燃料、鋼材、弾薬、ボーキサイトを使う。此れ等資材をドックに入れて其所にあるボタンを押せば此の扉に赤い光の文字で建造中と時間が表示される。
此のドックは妖精特別製でな。駆逐艦の艦娘しか建造されない様になっとる」
歩く事数分後。零は建造ドックと書かれた場所の黒い扉の前で零は説明を聞いていた。零の前には建造に使う資材の名前が書かれたドラム缶が置かれている。
零「資材はどの位使えば良いんでしょうか」
大地「あ? あぁ、妖精に言や勝手に入れてくれるさ。まぁオール30って言ってみな」
大地の言われた通りに妖精にオール30と伝える。すると妖精達が集まり扉を開け、ドックと書かれた場所にドラム缶を数人で1つずつ持って運び込む。
そして数分後、運び終えたのか扉が閉まり、黄色の光で【建造可能】と表示される。
大地「では秋里。其処のボタンを押せ」
大地の指示に従いボタンを押す。するとドックと書かれた扉に赤い光に変わり、【建造中 第1ドック00:17:58 第2ドック00:17:59 第3ドック00:19:57】と表示された。
大地「此れで建造は終わりだ。お前の艦娘は約20分後に建造完了する。其れまで家族と話でもしてな」
大地の言葉に零は「分かりました」と告げて工廠を後にした。
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零「父さん」
剛毅「零か。終わったのか?」
零「あ、うん。終わったよ。また後で工廠に行くけど」
剛毅の問に答える。剛毅はそうか、と呟いた。
剛毅「荷物は全部出している。手続きも全て終わっている。教科書も部屋の本棚に並べておいた。・・・俺は明日は仕事があるので此れで帰る」
零「・・・分かった」
剛毅の言葉に零は頷く。
剛毅「・・・此所の学校はバイトは禁止だったな。故に毎月学費や寮費とは別に小遣いを銀行に入れておく。此れは今月分の小遣いだ」
そう言って零に十万円を渡す。零は御礼を告げて財布に仕舞った。
剛毅「困った事や嫌な事があったら言ってこい」
零「分かった」
剛毅「怪我や風邪、事故には気を付けろ」
零「うん」
剛毅「あと何時でも帰ってこい。連絡してくれていれば母さん――夕佳と共に御飯を作っておく」
零「夏休みとか長期休暇には帰るね」
剛毅「あと――」
零「大丈夫だよ父さん」
少し苦笑しながら零は剛毅を見る。零は剛毅の仕事を知らないがかなり多忙らしく自分の子供達と休日以外で関わる時間が少ない。其のためか剛毅は何処か心配性なのだ。
剛毅「そうか。・・・ではな。あと
そう言って停めていた車に乗り込みエンジンを掛け、剛毅は車を運転して帰っていった。零は父が最後に言った言葉が気になったがまぁ後で分かるかなと考え、工廠の方にまた歩き出した。
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零「済みません」
大地「うん?秋里か? 荷出しとかは終わったのか?」
零「あ、はい。父がやってくれたらしいので」
大地に告げると大地は「そうか」と頷いて扉を見る。扉の時間は【00:00:12】と成っていた。
大地「まぁ、そろそろ良い時間ではあったな。残り時間が0に成ったら中から艦娘が出てくるから挨拶でも考えときな」
そう言って零の左前に立つ。零は背を伸ばして終了を待つ。そして時間が【00:00:00】と成り、【建造中】の文字が【建造終了】へと変わる。文字が変わって数秒経つと扉が開き、中から3人の少女が出て来た。
最初に出て来た少女の容姿は少しタレ目気味な目尻に茶色の瞳。膝くらいまである長い茶髪をポニーテール状にまとめている。次に出て来た少女は金色の瞳に膝まである長く癖っぽい金髪を後ろで2つに纏めた少女。最後に出て来た少女は腰まである銀髪にブルーグレイの瞳をした少女である。
零「・・・此の娘達が」
大地「そう。お前さんの艦娘達だ」
零はコホンと軽く咳払いをして少し笑顔を浮かべる。少女達は何度か目を擦りながら歩き、零の前に立つ。
?「貴方が・・・
零「・・・そう、なるかな。俺は秋里 零。まぁ好きに呼んでくれて構わない。君達は?」
「あたし? あたし、文月っていうの。よろしくぅ~」
「ボク?ボクは皐月だよ。よろしくなっ!」
「私は響だよ。その活躍ぶりから不死鳥の通り名もあるよ」
そう言って笑顔で手を差し出してくる文月、皐月、響の3人。零は「宜しく」と告げて少女達の手を順番に握った。