Aqours!麻雀大会!!   作:moyurun

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千歌「あり得ないよ、ダイヤちゃん!」

千歌「こんなの絶対おかしいよ! おかしい! あり得ない!」

 

 

梨子「千歌ちゃん、どうしたの?」

 

千歌「梨子ちゃん! あ、向こうの卓はもう終わったんだね!」

 

梨子「あ、うん。鞠莉ちゃんと曜ちゃんが決勝進出だったよ」

 

梨子「それで? どうしたの? そんな大きな声出して」

 

千歌「いやおかしいんだよ。ダイヤさんの点数が減らないの!」

 

ダイヤ「いや、この状況ではそんなおかしいことではありませんわ。まだ南二局ですのよ?」

 

花丸「まぁ、長く麻雀をやっていれば、そういうこともあるかもしれないずらね」

 

善子「ただダイヤが手堅いってだけじゃないの?」

 

千歌「いーや! おかしいね! 東場と南一局含めて全部ロン上がりだけでダイヤちゃんは振ってないなんて、おかしい!」

 

梨子「そ、そんなにおかしいことなの……? 鞠莉ちゃんはどう思う?」

 

鞠莉「まぁ、そこまでおかしいことではないわね。ちょっと違和感を覚えるくらいかな」

 

鞠莉「ちかっち、一回本気でダイヤの点数を減らすように打ってみたら? 案外減らせるかもしれないわよ?」

 

千歌「もう何回もやってるけど……鞠莉ちゃんが言うなら……」

 

ダイヤ「そう言われると、こちらとしては減らしたくなくなりますわね」

 

千歌「いいよ! ツモでもなんでもして、絶対減らしてあげるから!」

 

花丸「じゃあ、南二局いくずら~!」

 

 

 

千歌卓,南二局開始時点

北:千歌  35200

東:花丸  18000

南:善子  21800

西:ダイヤ 25000

 

 

 

梨子(千歌ちゃん、ダイヤちゃんの点数を減らすって、具体的にはどうするつもりなんだろう……)

 

果南(まぁ、普通に考えたらダイヤにロンするか、自分でツモ上がりするかの2択だろうね)

 

ルビィ(流局も一応点数減らせる可能性はあるけど……お姉ちゃんが聴牌してたら意味ないしね)

 

果南(あとはチョンボによる罰符とかだけど……そんなの、ダイヤが一番やりそうにないね)

 

曜(千歌ちゃん……どうするんだろう)

 

鞠莉(お手並み拝見ってところね)

 

梨子(今千歌ちゃんの手牌は……)

 

 

千歌:西西5678六七八④⑤⑥⑧

 

※常用数字が索子 漢数字が萬子 〇囲み数字が筒子です。

 

 

鞠莉(良い手牌ね。萬子か筒子の三面張が狙えるかもしれないから、普通にツモ上がりも行けるんじゃない?)

 

梨子(三面張って上がり牌が3つあることですよね。普通に良さそうですけど)

 

 

花丸「千歌ちゃん、マルは普通に打っていいずら?」

 

善子「私も、別に勝てればダイヤの点数が減ってなかろうとどうでもいいんだけど」

 

千歌「いいよ。これは、私の戦いみたいなものだから」

 

千歌「……」

 

千歌:西西5678六七八④⑤⑥⑧ ツモ③

 

 

梨子(三面張の素材をツモってきた!)

 

梨子(やっぱり、ツモ上がりするのかな)

 

曜(いや、どうかな……)

 

千歌 打⇒③

 

梨子(ツモ切り……!)

 

鞠莉(うーん、花丸と善子の捨て牌が筒子多めだから、筒子に的を絞ったってとこかしら……)

 

千歌 ツモ:3 打⇒⑤

 

果南(そうだね、傍からみれば、染め手を作っているようにも見えなくもない)

 

曜(そして聴牌は……)

 

千歌「……」ツモ:4 打⇒④

 

鞠莉(筋ひっかけ……!)

 

梨子(筋ひっかけって?)

 

鞠莉(リーチ者が両面待ちだったとして、④が当たる待ちってどうなると思う?)

 

梨子(えっと……②③とか、⑤⑥? あっ)

 

鞠莉(そういうこと。④が大丈夫なら、①と⑦も大丈夫だろうと考えるのが『筋』って考え方よ)

 

曜(でも⑦は千歌ちゃんの当たり牌だからね)

 

ルビィ(あ、お姉ちゃんの手牌で⑦が余ってる……!)

 

果南(これは私だったら出しちゃいそうだなぁ)

 

 

善子「リーチ」打⇒①

 

花丸「えぇ~安パイないずら~」

 

鞠莉(①が捨てられた……しかも善子の捨て牌には⑦がすでに捨てられている……)

 

梨子(すごく出そうな状況なのに)

 

ダイヤ「……」打⇒⑧

 

千歌「……っ」

 

梨子(ダイヤちゃんは余った⑦を出さない!)

 

花丸「もう知らないずら!」打⇒②

 

花丸「……ふぅ」

 

 

 

梨子(それから6巡が経った。未だにダイヤちゃんの手牌には浮いた⑦が残っている)

 

梨子(筒子もどんどん切られているのに、⑦だけは出ない……!)

 

花丸「……」打⇒⑦

 

千歌「!!!」

 

鞠莉(出た!)

 

果南(でもこれで上がったら……)

 

梨子(ダイヤちゃんの点数は減らせない……!)

 

曜(これを見逃したら、あとはツモるしかない!)

 

梨子(花丸ちゃんが⑦を切った瞬間、ダイヤちゃんは手牌を手前に倒した)

 

ダイヤ「……あら、それで上がらないんですの?」

 

善子「私は違うわよ」

 

ダイヤ「いえ、千歌さん」

 

梨子(その目は一度たりとも善子ちゃんの方を向いてはいなかった。まるで⑦で待っているのはあなたと言わんばかりに)

 

 

千歌「……ロン。三色ドラ2、7700」

 

花丸「えぇ! 筋ひっかけなんて性格悪いずらぁ~!」

 

ルビィ「花丸ちゃん、ドンマイだよ!」

 

善子「それは仕方ないんじゃない? さすがに」

 

鞠莉「相変わらずの硬さねーダイヤは。もっとflexibleに打てばいいのにー」

 

ダイヤ「いいでしょう? これが私のスタイルなのですから」

 

果南「昔から変わらないなー」

 

梨子「お二人とも、ダイヤさんが振り込まないの知ってたんですか?」

 

果南「まぁねー。でもこれはダイヤが気を付けてるってだけで、おかしなことではないんだよ」

 

果南「これだけならね」

 

梨子「それって、まだ何かあるってことですよね」

 

鞠莉「まぁ、見てればそのうち分かると思うわ」

 

千歌「あぁもう! 絶対いけると思ったのに!」

 

曜「千歌ちゃん、ダイヤちゃんの点数減らすの、やめる?」

 

千歌「やめない! 次こそは減らしてあげるから!」

 

 

 

*****************************************

 

 

 

梨子(南三局、今までの局と比べて……静かだ)

 

梨子(千歌ちゃんは、ダイヤちゃんの点数を減らす作戦を考えているのか、手牌を食い入るようにみつめている)

 

梨子(一方ダイヤちゃんは、いつも通りって感じかな)

 

梨子(でも、その手つきはダイヤちゃんの雰囲気とも相まって、荘厳さすら感じさせる)

 

 

花丸「千歌ちゃん、ダイヤちゃんの点数をマルが減らしてもいいずら?」

 

千歌「え? 別にいいけど……できるの?」

 

花丸「まぁみてるずら!」

 

 

花丸「善子ちゃん、それカンずら!」

 

善子「カン!? あんたまさか!」

 

梨子(鞠莉ちゃん、カンって何?)

 

鞠莉(槓っていうのは鳴きの一種ね。ポンみたいなものって思ってもらっていいわ)

 

鞠莉(ただ、ポンは同種の3枚目をもらうのに対して、槓は4枚目を貰ってその4枚で1面子とするわ)

 

梨子(それじゃあ手牌の枚数が減っちゃうんじゃないの?)

 

鞠莉(That's right! だからそのために牌を補充するんだけど、その場所が……)

 

鞠莉(嶺上牌。ドラ表示の先にある、山の一番深いところよ)

 

鞠莉(そしてその牌で上がった場合、特別な役が付くわ)

 

 

花丸「険しい山の頂上、嶺の先にも花は咲く……」

 

花丸「ツモ! 嶺上開花ドラドラで1300、2600ずら!」

 

梨子(花丸ちゃんが嶺上牌からツモってきたのは青の1……確かに上がってる)

 

ルビィ「花丸ちゃんすごーい! 嶺上開花なんてルビィ初めて見たよぉ!」

 

曜「私も初めてかも!」

 

 

果南「でもこれって、ダイヤの支払いあるの?」

 

花丸「えっ」

 

鞠莉「大明槓の責任払いってやつね」

 

ダイヤ「そこまで細かくは決めてませんでしたね。わたくしの家では、責任払いでやってましたが……」

 

千歌「うちも責任払いだったかなぁ」

 

善子「責任払いって……じゃあ私の振り込み扱いってこと!? 勘弁してよ!」

 

花丸「……マルはどっちでもいいずら。ダイヤちゃんの点数を減らせないのは残念だけど」

 

鞠莉「まぁローカルルールだし、多数決で決めましょうか?」

 

千歌「そうだね!」

 

 

梨子(多数決の結果、責任払いが採用され、善子ちゃんが全額支払うことになった)

 

梨子(結局、ダイヤちゃんの点数は減らないままだ)

 

 

南四局開始時点

南:千歌  42900

西:花丸  15500

北:善子  16600

東:ダイヤ 25000

 

 

*****************************************

 

 

ダイヤ「そういえば、ローカルルールで思い出したんですけど、焼き鳥はあるんですの?」

 

千歌「あー焼き鳥かぁ。それも考えてなかったなぁ」

 

梨子「……」

 

鞠莉「半荘中一度も上がれなかったらペナルティをつけるルールのことよ」

 

梨子「ありがとう」

 

 

ダイヤ「わたくしの家では大体焼き鳥ありでやってましたわね」

 

千歌「うちはあったりなかったりかなー。お小遣い賭ける時とかはあったけど、普通に打つ分には無しでやってたかも」

 

果南「ダイヤが上がれば問題ないんじゃない?」

 

曜「そういう問題でもない気がするけど」

 

ダイヤ「それもそうですわね」

 

ダイヤ「折角ですから、上がって一位を取ると致しましょうか」

 

千歌「!!!!?!?」

 

 

梨子(ダイヤちゃんが一位奪取宣言をすると、何人かの顔色が変わった)

 

梨子(ルビィちゃんなんて今にも泣きだしそうだし、鞠莉ちゃん果南ちゃんは眉間にしわを寄せている)

 

善子「簡単に言うわね……」

 

花丸「ダイヤちゃんらしいずら」

 

千歌「やれるもんならやってみるといいよ! 負けないから!」

 

 

 

ダイヤ「ツモ。4000オール」

 

梨子(ダイヤちゃんは冷静に点数を告げる。まだ5巡程しかたっていない)

 

千歌「……はい」

 

 

ダイヤ「まだ一位には届いていませんわね。では一本場、行きますわよ」

 

梨子(当然のように点棒を置くダイヤちゃん。千歌ちゃん達はまだ何が起きたのか分かっていないようだった)

 

梨子(上がるのがすごい速かったから……? いや、違う)

 

梨子(千歌ちゃんの手……配牌から進んでない……?)

 

梨子(序盤は結構手が進むイメージがあるけど、これはおかしなことなんだろうか……)

 

 

梨子(ダイヤちゃんはその次の一本場も上がってしまった)

 

梨子(前と同じように、4000オールの手だ)

 

梨子(その上りは、まるで今までの千歌ちゃんの努力を嘲笑うかのように、華麗で美しく、卓に座っていた三人以外でさえ、ただただ見ていることしかできなかった)

 

梨子(こうして、異様な雰囲気の中、Aqoursの麻雀大会予選は終わりを迎えた)

 

 

南四局終了時点

南:千歌  34800

西:花丸  7400

北:善子  8500

東:ダイヤ 49300

 

 

 

 




リアル麻雀だったら、ダイヤの硬さは見習いたいなぁ~

ちなみに花丸は咲のようなトンデモ能力ではなく、カンをするとイーピンを持ってくるというだけの能力です。
そもそもカン自体が狙ってできるようなものでもないので、そこまで強力じゃないですね。

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