仮面ライダーフォーゼ ~IS学園キターッ?~   作:龍騎鯖威武

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中編「唯・一・無・二」

 

 

ブレイドとカリスの武器がうなりをあげて、リバレスに振り下ろされる。

それにもかかわらず、リバレスは防ぐどころか動こうともしない。それはリバレスの能力に理由があった。

<キャンサー>

右手のキャンサースイッチをベルトに装着すると、彼の左手にキャンサー・ゾディアーツと同じ鋏が装着され、彼の体が鈍く光る。

ガキィン!

「な…!?」「固い…!?」

「ハアァッ!!」

ガギィィッ!!

左手の鋏で、ブレイドとカリスを薙ぎ払うように吹き飛ばす。

「くっ…!」「ちっ…!」

とっさにブレイラウザーとカリスアローで防いだが威力は凄まじく、二人は数メートル吹き飛ばされる。

「このぉっ!」

<SLASH>

ブレイドはスラッシュリザードをラウズし、ブレイラウザーに斬撃のエネルギーを込める。

この威力なら、攻撃は通じるはず。ブレイドは確信した。

「はあああぁっ!!」

「そうはいかない」

<ヴァルゴ>

ヴァルゴスイッチを装着し右手にロディアが装備された瞬間、リバレスの姿は忽然と消えた。

「消えた、どこに…!?」

「一夏、気をつけろ!」

<スコーピオン>

カリスの警告と音声に気づいて振り返ると、リバレスの背中から現れたスコーピオンの尾がブレイドに襲いかかろうとしている。

<TORNADO>

「はあぁっ!」

バシュッ!

友の危機を救うためにトルネードホークをラウズし、突風の矢を放って尾を防ぐ。

だが、リバレスは次の攻撃に移る。

<ジェミニ>

元に戻った左手と右手に、リュンケウスとイーダスが収まっている。

「ハッ!」

複数のリュンケウスを投げつける

「あのカードは…?」

二人はリュンケウスとイーダスの効果を知らず、警戒はするもののいぶかしげに見つめていた。

そこに助け舟を出したのは…。

「一夏、始!あのカードは即効型と時限型の爆弾だ!気をつけろ!」

この世界の一夏と箒たちだ。彼らはホロスコープスとの戦いを幾度も潜り抜けてきた。特にジェミニはラウラの持っていたスイッチ。効果を知らないブレイドたちに、知識を与えることはできるのだ。

「マジか!?」「くっ…!」

<MACH>

ドガアアアアァッ!

二人はマッハジャガーを共用してラウズし、その攻撃をすべて避けた。

F一夏達は、リバレスの力を理解した。

「やっぱり、リバレスは十二使徒すべての力を使えるのか…!」

すべてが見覚えのある攻撃だった。

「やるね。でも…!」

バリィッ…!

突如、リバレスは怯んで膝をつく。どうやら何か負担があるようだ。自身も同様の経験を持っていたカリスは瞬時にそれを見抜く。

「リスクつきの変身というわけだな?」

「…多分、今は二人を倒せない。一人ずつ、確実に倒す。この学園を守るのは、一人で十分」

リバレスは「一人で学園を守る」ということに強いこだわりを持っているようだ。そのこだわりゆえに、全ての仮面ライダーとも敵対している。

「一体、何が目的なんだ…?」

「さっき言ったように、この学園を守る。ある人から言われた約束だ!」

<ヴァルゴ>

決着がつかないため消耗戦に持ち込まれることを危惧したリバレスは、そう言ってロディアをふるって姿を消した。

 

敵が退散したため、ラビットハッチに帰還する一同。

「あれがリバレスか…」「奴が使っていたスイッチは…」

始はリバレスの使っていたスイッチが気になった。ゾディアーツの幹部である「ホロスコープス」。それらが変身に使っていたスイッチと同様のものだ。

F一夏が、二人に説明を始めた。

「あのリバレス…ホロスコープススイッチを独自に集めていて、それぞれの力を一部だけ使えるんだ」

ヴァルゴの空間転移、スコーピオンの毒、レオの格闘能力、キャンサーの防御力。すべてホロスコープス達の能力の模倣といえる。

「結局、何が目的なんだろうな…?」

「それについては、わたし達も分かっていない。正体も目的も…」

学園を守るといっていたが、動機が不明だ。素性も分からないのであれば当然なのだが。

 

そこに…。

 

 

 

 

 

「どっかああああああぁん!!!!」

 

 

 

 

 

『!?!?!?』

突如、ラビットハッチの扉から人の声で模倣した爆発音がする。さっきまで暗いシーンとした雰囲気だったため、余計に一同を驚かせた。

だが、その声にF一夏達は聞き覚えがある。

扉が開くと、そこには…。

 

 

 

「みんな、手を貸しに来たぜ!!!」

 

 

 

かつてこの学園を守った仮面ライダー、城茂宇月と辻永礼が立っていた。

 

 

 

「うつきいぃ!!!」「嫁ええぇ!!!」

ゆりことラウラはいち早く立ち上がり、それぞれを抱きしめた。

「うわぁ!ゆ、ゆりこ!…ん?泣いてるのか?」「だって…」

唯一学園に残った仮面ライダーのゆりこ。宇月がいない間の学園を守ることを任されていたが、この始末。自分の不甲斐なさと愛する者に会えた安心感で涙が流れたのだ。

「おい!その呼び名、また戻ったのか!?」「たまには良いだろう?礼はわたしの嫁だ!」

対する礼とラウラは幸せムード満開。礼が離れてから定期的にラウラと会っているが、その時は必ず「嫁」という呼称に戻っている。別れるまでに戻すが、次に会ったときはその繰り返しだ。

 

一通り再会の喜びを分かち合った後、F一夏からB一夏のことについての説明を受け、ブレイドとカリスのことを理解した。

「へぇ…別世界では一夏が仮面ライダーか。昔、こっちの一夏もフォーゼとメテオに変身したけど、一回限りだしな」

「どうやら、別世界の一夏のほうが強いようだな。キングフォームとやらのことも考えると」

「一か月ぶりに会って、そこまで貶す…?」

F一夏は落ち込む。たしかに彼はメテオストームに変身できず、B一夏はキングフォームに到達した。どちらが強いかといえば、間違いなく後者だろう。

F一夏のショックは華麗にスルーされ、さっそく本題に戻る。

「リバレスの件はこっちの一夏と箒から聞いてる。あのライダーがいったい何者なのか、正体を突き止めてみたい」

「そのバックボーンに何か意味が隠されているのかもしれないからな」

二人はフードロイド達を偵察に送り、結果が現れるまで待機ということになった。

 

 

 

待機になって直ぐ、B一夏はF一夏と会話をする。

そこはF一夏の部屋だ。今は一人部屋になり、箒はシャルロットと同室となった。

「本当に瓜二つだな…部屋の位置も置いてるものも全部」

「…偽物でもないから、変な感覚だ」

B一夏はふと思い出した。

「もしかしてと思うけど…。おまえ、箒達から言い寄られてるのか?」

「あぁ…ホロスコープスとの戦いが終わった時に、答えは出した」

F一夏は軽く笑って、問いに答えた。

「それって…誰かと付き合ってるのか?」

「そうだ」

「誰と?」

「…それを聞いて、どうするんだよ?」

異世界の自分、F一夏が出した答えが自分の答えのヒントを与えてくれるかもしれない。そんな思いで彼に問いかけてみたが、以外にも問いを返された。

「それは…」

「言っとくけど、おれ達の世界の箒、セシリア、鈴は、おまえの世界の人間じゃない。考え方も感じ方もきっと違う。だからそんなこと聞いても、何のヒントにもならないぞ」

…心の底ではわかっていたつもりだった。

だが、言葉にされると少し落ち込んだ。

「だってさ、おれとおまえも感じ方は違うし、強さも違うんだぜ?何せ、おれは仮面ライダーじゃないし、おまえは仮面ライダーブレイドだろ?」

「…そうだよな」

「だから、おまえにもおまえしか出せない答えがあると思うんだよ!」

自分にしか出せない答え。

今は探している途中だが、きっと見つかるだろう。

 

 

 

始は校庭を見渡す。

夕闇に染まる、もの悲しげながらも近未来的な建造物がいくつも並んだその光景は、本当に自分の知る学園と同一といえる。

「これでも、おれの世界とは別なのか…」

不思議な感覚だった。

ふと視線を落とすと、ベンチに腰を下ろしている少女がいた。

シャルロットである。本来の世界では自分と相思相愛の仲。

話をしてみたくて、彼女に近づいて行った。

「シャルロット・デュノア」

「あ…始君」

振り返った彼女の顔はひどく悲しそうであった。

「一人で何をしていたんだ?」

「…君の世界では、君とボクは恋人同士だったっけ。それと同じように、ボクにも好きな男の子がいたんだ」

その悲しそうな表情を必死に隠そうと、笑ってみせるシャルロット。

「白石紫苑…。以前のレオ・ゾディアーツか」

コズミックエナジーをめぐる戦いの中でダークネヴュラに消えてしまった、IS学園生徒の数少ない男子生徒。

シャルロットに恋をし、そして彼女もその気持ちに答えた。

だが…すべてが遅すぎた。

紫苑はシャルロットを心の拠り所とし、彼女が自分自身を受け入れてくれたときにホロスコープスから抜け、彼女たちと共に戦おうと決心していた。

しかし、シャルロットは目の前の紫苑の苦しみを解決してからの返事を望んだ。

それが彼の優しさと決意を砕き、悲劇となった。

「君の世界のボクは…どんな感じなの?」

「…まず、ボクとは言わないな。こんなおれに着いてきたんだ。大変な目にも遭ったが幸せ…らしい」

「そっか」

彼女はたまに思いに耽る。好きな人がいつの日か帰還し、彼を抱きしめる日を夢見て…。

「「ボク」と「君の世界のボク」は、決定的に違うんだね…」

それが日常的にできる異世界の自分と比べ、自分自身は幸せとは言い難い。

「…本当にそうか?」

しかし、始はそこに疑問を投げかけた。

「…え?」

「おれが話を聞いた限り、白石紫苑は最後におまえと心を通わせたそうだな」

そう、紫苑はこの地球から消え去るとき、笑っていた。

「世の中には、愛を知らずに生きた人間もいる。おまえは紫苑を通じて、愛を知ったんじゃないのか?」

確かにそうだ。

紫苑はシャルロットを救うために、表の顔でも裏の顔でも必死に動いていた。もちろん、自分の立場も守りながらではあるが。

それを知った時のシャルロットは、自分が本当に優しい人に愛されていたと気付かされた。

「今のおまえを紫苑は望んでいるのか?」

「…」

その問いには答えられなかった。

「人間は離れていても心通じ合う。おまえ達はそれを自分自身で証明していたんだろ」

そう言って、始は去ろうとする。

 

「君には分からないよ…」

 

シャルロットは小さくつぶやく。それに始が振り返った瞬間、大粒の涙を流しながら叫んだ

「大好きな人が傍にいる君には分からないんだよ!!ボクは…どこにいるかも分からないんだよ!!?」

「本当に傍にいないのか!?」

始は負けないほど大きな声で反論する。

「おまえがそう思うのなら…おまえの心が紫苑の傍にいないだけだ」

「心…?」

「もしおれの世界のシャルロットならば、おれが怪物になっても信じていた。姿を消しても信じていた。おまえは紫苑を信じてはいないのか?」

ハッとした。

シャルロットは紫苑と「未来の約束」を交わした。いつか帰ってくる日まで、信じて待ち続けると。

「たとえ何処にいるかわからなくても…信じて待っていることが、おまえに出来ることなんだ」

始は再び踵を返して歩き去っていった。

 

 

 

歩き去りながら、始はあることを考えていた。

「あいつは学園を守るといっていたな…」

リバレスの言葉。

そこから導き出した、始の考えとは…。

 

 

 

次の日。

結局、あれからフードロイドの偵察は結果を出せなかった。

「そう簡単に尻尾は見せないようですわね…」

「やっぱり、戦って変身解除に追い込むしかないんじゃないの?」

セシリアと鈴音はそうつぶやく。

確かにそれが手っ取り早い。だが、相手は強力だ。

どうしたものか…

と、そのとき。

 

 

 

ドガアアアアァン!!

 

 

 

「リバレス!?」

その轟音をリバレスによるものと思い、音のするほうへと向かった。

だが、そこにいたのは…。

 

 

 

「カリス…始!?」

 

 

 

そう、富樫始が変身する仮面ライダーカリスだ。

手にあるカリスアローからは煙が立ち込め、その脇には学園の建造物の一部が破壊されている。

「始、なんのつもりだ!?」

B一夏はカリスを問い詰める。

「…反論したいなら、かかって来い」

だが、そう吐き捨てられた。

やむを得ず、B一夏はブレイバックルを取り出そうとすると…。

その手を抑え、礼が前に進み出た。

「おれがやる」

その表情は明らかに怒りが読み取れる。その表情を変えないまま、礼はメテオドライバーを装着した。

<METEOR-READY?>

「容赦はしない。いいな?」

「わかりやすい答えだな。望むところだ」

「変身!」

そう叫んでレバーを引くと、彼の体は青い光に包まれ、仮面ライダーメテオへと姿を変えた。

<METEOR-STORM><METEOR-ON READY?>

<EVOLUTION>

それぞれの操作をおこない、二人の姿はメテオSとWカリス、それぞれの最終形態へと変わる。

「はああぁっ!!」

「オオオオォ…アタアアアアァッ!!」

ゴオオオオオォッ!

ワイルドスラッシャーから放たれるエネルギーの刃を、メテオSはシャフトに吸収する。

「聞き忘れてたのか?メテオストームの特性は吸収だ!」

<LIMIT-BREAKE><OK>

「メテオストームパニッシャアアアアアアァッ!!!」

ストームトッパーに先ほどのエネルギーを吸収させ、さらに自身の力も乗せた強化技を放つ。

<WILD>

しかし、Wカリスもそれで黙っているわけではない。

ワイルドのカードをラウズし、強力なエネルギー波を放つ。

ドガアアアアアアアアアアアァッ!!!

「ヌアアアアアァッ!!」「ぐぅっ…!」

その威力は互角。二人は対照的な位置に吹き飛ばされ、地面を転がる。

そこに足音が聞こえ、リバレスが現れた。

「学園を…破壊した…」

サジタリウスのギルガメッシュを構え、矢の先をWカリスに向けている。

「許さない…必ず倒す…!!!」

 

それを見ていたB一夏と宇月はついに我慢の限界が訪れた。

 

「見てられない!」「いくか…もう一人の一夏!」

ブレイバックルとフォーゼドライバーを構えて腰に装着し、ベルトを作り出した。

<3><2><1>

「「変身っ!!」」

<TURN-UP>

それぞれ、レバーを引く。すると、二人は煙に包まれる。その煙の中からオリハルコンエレメントが出現し、ゆっくりと煙の中へ戻っていく。

そして…。

「はあぁっ!!!」

煙を振り払うと、仮面ライダーブレイドと仮面ライダーフォーゼBSが現れた。

 

 

 

「仮面ライダーフォーゼ…。IS学園に復活!!!」

 

 

 

そう宣言した瞬間、フォーゼBSたちは走り始める。

<ROCKET-ON>

ロケットを右手に装備し、その推進力で攻撃を叩き込む…と思われたが…。

ドゴォッ!

「!?」

その腕は学園を破壊する腕になっていた。

「何のつもりだ宇月!?」「そうですわ!貴方が命がけで守り抜いた学園を…自分で破壊するなんて!!」

箒とセシリアは罵倒を繰り返す。それだけ彼の行動が理解できず、同時に失望をしたのだ。

しかし、フォーゼBSはその言葉にも反応せず、Wカリスを見つめる。

「始…。おまえの行動の意味、分かったぜ!」

「城茂宇月…」

二人は互いに頷き、ブレイド、メテオS、リバレスのほうを向く。

 

 

 

「「この学園を壊されたくなかったら…おれ達と戦え!!」」

 

 

 

 

 

 

続く…。

 

 

 

 

次回!

 

                     なぜ学園を壊すんだ!?

 

おまえがリバレスだったのか!?

 

                    この学園を…守るために…!!

 

おれが…おまえを気負いさせてたんだな…

 

                    たとえ全く違う世界でも…守りたい思いは変わらない!!!!

 

 

 

後編「平・行・世・界」

 

 

 




キャスト

城茂宇月=仮面ライダーフォーゼ

織斑一夏=仮面ライダーブレイド(断空我さんの作品より特別出演)
織斑一夏

篠ノ之箒
セシリア・オルコット
鳳鈴音

辻永礼=仮面ライダーメテオ
ラウラ・ボーデヴィッヒ

富樫始=仮面ライダーカリス(断空我さんの作品より特別出演)
布仏本音
シャルロット・デュノア

ゆりこ/SOLU=仮面ライダーなでしこ

???=仮面ライダーリバレス



あとがき
長らく、更新ができなくてすいません…。
久しぶりにフォーゼを書いたので、キャラが崩れているかもしれません。
次回は決着です!リバレスの正体が判明し、ブレイド達が元の世界に戻ります。
お楽しみに!
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