仮面ライダーフォーゼ ~IS学園キターッ?~ 作:龍騎鯖威武
フォーゼBSとWカリスは共に並び立ち、学園の破壊を宣言した。
「宇月…何か理由があるのか…?」
メテオSがフォーゼに問う。
「…あぁもうじれったい!」
<N・S MAGNET-ON>
ドガアァン!
痺れを切らしたフォーゼBSはマグネットステイツへチェンジし、マグネットキャノンを放つ。
「っ!?」
とっさにメテオSがストームシャフトで弾く。
「おれとおまえの仲なら、もう何考えてるかわかるだろう!?さっさとしろ!」
フォーゼMSが悲痛にも聞こえる声で叫ぶ。旧知の友であるメテオSは小さく俯き…。
「…アチャアアアアァッ!」
駆けた。
ガギィッ!ドガァッ!
マグネットキャノンの放つエネルギー波を避けながら、近づいていくメテオS。
その傍らで、ブレイドとWカリスが対峙していた。
<ABSORB-QEEN><FUSION-JACK>
ジャックフォームへと強化変身し、強化ブレイラウザーを振りかざす。
ガギィン!
「始、どういうことなんだよ!?説明しろよ!」
「黙って戦ってろ!」
ズバァッ!
「ぐうぅっ!」
ワイルドスラッシャーに切り裂かれ、火花を散らす。
「相変わらず…肝心な時にちゃんと説明しないのは変わらないよな!」
「テメェも分かってんなら、観念して戦え!!」
始は以前もそうであった。自分自身のクローンに自分の居場所を奪われていたとき、B一夏達には何の説明もせずに、カリスの姿でクローンを倒した。
それがきっかけで、一時は敵対関係になっていた時もある。
今回も似たような状況だ。
そんな中、Wカリスが再び動く。次は、ワイルドスラッシャーをブーメランのようにし、投擲武器として扱った。
「くっ!」
ガキッ!
Jブレイラウザーで弾くも、その威力が強すぎて、後退してしまう。
その瞬間に目線がそれ、そこをWカリスが畳みかけた。
「はあああぁっ!!」
ドガアァッ!
「ぐはぁっ!」
強烈なキックをブレイドJFにぶつけ、吹き飛ばす。
カテゴリーJとの融合強化と13体のアンデッドの融合強化では圧倒的な差があった。
しかし、彼相手にキングフォームを使うのは気が引けた。
仲間であり友だからだ。
<SLASH><THUNDER><LIGHTNING-SLASH>
「おおおおおぉ…はぁっ!」
赤い翼を羽ばたかせ、ブレイドJFは空を飛ぶ。
「たああああああああああああぁっ!!!」
Jブレイラウザーに2体のアンデッドの力を込め、強力な一撃を放った。
しかし、それすらもWカリスには歯が立たなかった。
ガギィッ!
「あれって…!?」
それを見ていた箒達は絶句した。
WカリスはISを纏っていた。さらにそれは見覚えのある形だ。なにしろ、苦戦を強いられた…。
「福音…!?」
銀色の福音だ。こちらの世界では自立型であり、ヴァルゴ・ゾディアーツに操られて強敵として立ちふさがったISである。
「うおおおおぉっ!!」
ドガアアアァッ!!!
「ぐあああぁっ!」
ブレイドは再び吹き飛ばされ、通常形態へと戻る。
「はああぁっ!」
フォーゼMSとメテオSの戦いに割って入ったのは、リバレスだ。
「フォーゼ…何の真似?」
「知りたいなら戦えってことだよ!!」
<LIMIT-BREAKE>
「ライダァァァァァァァ超電磁・ボンバァァァァァァァァァッ!!!」
青と赤のエネルギー波がリバレスに向かう。
<アクエリアス>
ドガアアアァッ!!
「…これくらいで…!」
しかし、その攻撃をアクエリアスの治癒能力でやり過ごす。
<サジタリウス>
「ハアァッ!」
さらにサジタリウスのギルガメッシュを生成し、巨大な矢を放った。
それはフォーゼMSの胸に叩き込まれた。
ズアアアアァッ!!
「ぐあああぁっ!!」
その時、Wカリスに吹き飛ばされたブレイドとフォーゼMSがぶつかり、フォーゼもベースステイツへと戻る。
ここで相手を変更した。
ブレイドとフォーゼBSだ。
「宇月!おれは分からないんだ!だから教えてくれ!」
「ここまで来て喋らないなら、諦めろよ!」
ドガアァッ!ガキィッ!
二人は拳と拳を交え、一進一退の攻防を繰り広げる。
そして、メテオS、Wカリス、リバレスの三つ巴の戦いが始まる。
「はああぁっ!」「ふんっ!」「アタアアアアァッ!」
3人の能力はほぼ同等…と見えていたが、変化が現れた。
ドガアァッ!
「くうぅっ!」
リバレスが膝を着き、息を荒くしていた。
メテオSとWカリス。この二人よりも戦闘経験が浅く、その差で追い詰められていた。
「このぉっ!!!」
<サジタリウス・レオ・ヴァルゴ LIMIT-BREAKE>
ギルガメッシュの弓を引き、レオのエネルギーとヴァルゴの空間を圧縮する力を混ぜ、最大の攻撃を放つ。
ただ、これはリバレスにとって最後の一撃。
3つのホロスコープススイッチの威力が高すぎるため、一度しか発動できないのだ。
「ハアアァァッ!!!」
メテオSとWカリスに向けて、それを放った。
しかし…。
ドンッ!
「…富樫!?」
WカリスはメテオSを突き飛ばし、彼をかばった。
福音の絶対防御をもってしても、その威力は耐え難いものであった。
「ぐあああああああああぁっ!!!」
Wカリスは大きく吹き飛ばされ、変身を解除された。
至る所から出血が確認できる始。
先ほどのこともあるためF一夏達は、下手に彼の体を案じることができず、近づくのみだった。
「これで…満足か?」
始の口から出た意外な言葉で、フォーゼBS以外の全員が首をかしげた。
「何…?」
「今…おまえは、自分の手で学園を守った。おれという強大な敵を倒してな」
リバレスは気づいた。自分は学園を守ろうと戦っていたつもりだった。
それを達成させるべく、カリスとフォーゼは敵役を担ったのだ。
特にフォーゼは自分の大切な場所をも傷つけさせて…。
「そんな…「わたし」のために…悪者になったというの?」
フォーゼBSは気づいた。
「やっぱ、おまえだったのか…」
「…簪だろ?」
その言葉の後に、フォーゼBSと始以外の全員の驚きの目線がリバレスに向かう。
「バレちゃった…」
リバレスはベルトを外し「更識簪」の姿へと戻った。
「簪ちゃんだったの…!?」
さすがの本音も今回ばかりは、驚きを隠せない表情だ。
「…うん」
小さくうなづく簪。
そこにフォーゼBSが近づいてくる。彼は変身を解除し硬い表情のまま本音の目の前まで来た。
きっと、ものすごく怒られるんだ…。
そう感じた簪は、目を閉じて少し顔をそらす。
…だが、何も言われない。
ゆっくりと目を開けると、宇月は頭を下げていた。
「ごめん、簪」
「宇月…?」
宇月は彼女がこうなってしまった原因に心当たりがあった。
宇月と礼がIS学園を去ることになった、あの日。
「この学園から、ヒーローが居なくなって…じゃあ、誰が守るの!?」
さらに彼女のヒーローへの憧れや、寂しさの入り混じった感情がこの言葉を生み出した。
「おまえだ」
それに対する宇月の返事は、少しぶっきらぼうにも聞こえた。
「え…?」
「おまえがこの学園を守るヒーローになれよ。おれなんかが出来たんだ、おまえにも出来るさ」
簪の肩を叩いて、軽く微笑んで歩き去る。
学園を守る役目。
ゆりこの他に、彼女にも託していた。
きっと、その言葉だ。
「おれがおまえを、気負いさせてたんだな…」
以前、リバレスが言ったIS学園を守るという「ある人」との約束。
その者こそ、宇月だったのだ。
そしてその宇月から、言葉の呪縛を解放された。その途端、彼女の心は決壊した。
涙をボロボロと流し、崩れ落ちた。
「…宇月が学園にいなくなるから…ゆりこだけじゃきっと大変だから…わたしだってヒーローにならないとって…」
「なら、どうしてほかの仮面ライダーを…!?」
礼が両肩をつかんで揺すりながら問う。
「…え?」
その問いには疑問の返事があった。
「とぼけるな!ゆりこや一夏、富樫始を攻撃しただろう!?」
「わたしが攻撃したのは…今だけだよ?ゆりこを攻撃したことは…」
どういうことだ?
全員の見た光景と当事者の記憶に、大きなズレが生じている。
「覚えて…ないのか?」
そう再び問いかけた瞬間…。
バリッ…!
リバレスのベルト「ホロスコープスドライバー」に赤黒い稲妻が走ったかと思うと、簪の腰へ自動的に装着される。
「な、なんで…!?」
とっさに感じた恐怖に、簪はベルトを解除しようとするが外れない。何かの強制力があるようだ。
何かの危機を感じたB一夏と宇月は簪に呼びかける。
「簪!ベルトを外せ!」「たぶん、ゾディアーツの力が…!」
「外れない…外れないの!!」
ベルトのソケットにレオ、サジタリウス、ヴァルゴのスイッチが装着される。
<星に願いを…>
「いや…!やめて!やめてえええぇっ!!!」
おどろおどろしげな電子音声の後、彼女の体は赤黒い霧に包まれ、仮面ライダーリバレスへと変身した。
「この時を待っていた…」
その声は簪のものではなく、低い男の声だ。そして、その声には聴き覚えがある。
「…サジタリウス!?」
そう、以前の宇月がサジタリウス・ゾディアーツに覚醒してしまった際、今の男の声に変化していた。
今のリバレスはサジタリウスの星の意思が独占しているのだ。
「久しぶりだな、我が相棒よ。今はこうして敵になるのが惜しい…」
宇月に懐かしむような様子で話しかけるリバレス。だが、そんなことはどうでもよかった。
宇月達が重要視しているのは、簪の身だ。
「簪を…どうするつもりだ!?」
「あぁ…。この少女は、私の肉体を作る依代となってもらう。誇りに思うだろう、永遠にヒーローでいられるのだからな」
その言葉に激情したのは、B一夏だった。
「ふざけるなよ…。簪は宇月の言葉を大切にするために必死だった!それをおまえは利用して…!」
「今言ったように、願いは叶う。この学園は私が守ろう。だが、その前に私が完全に体を取り戻す」
それでは簪は利用された挙句に自分の体の自由を奪われてしまうではないか。
B一夏達の世界の簪は、仮面ライダーレンゲルであった。時にはアンデッドに怯えたり、過去のトラウマに苛まれることもあったが、最後は立派な仮面ライダーとして戦い抜いた。この世界の簪も仮面ライダーとして立ち上がった。だが、それはサジタリウスの策略に利用されてしまった。
B一夏はそれが許せなかった。
「簪を…簪を返せ!!あいつの心を利用するなんて、絶対に許さない!!」
そう言い放ってブレイバックルを装着する。
「返すだと?貴様は別の世界の人間だ。この世界のことに口出し手出しすることは間違いじゃないのか?」
リバレスのいうことは確かだ。B一夏は別の世界の人間。こちらの世界のことにとやかく干渉するのは間違いなのかもしれない。
それでも…。
「たとえ全く違う世界でも…守りたい思いは変わらない!」
それでも彼は仮面ライダーなのだ。
何かを守ろうとする仮面ライダーは、必ずと言っていい共通点がある。
それは目の前に守りたいもの、助けたいものがあれば、絶対に戦う。
その感情が今のB一夏を動かす原動力になっていた。
「…邪魔をするなら、仮面ライダーであろうと容赦しない」
リバレスは嘲笑しながら警告すると同時に、右手を振り上げる。するとおびただしい数のダスタードが生み出された。
「一夏、おれも戦うぞ。これは全部、おれの償いと責任を果たす戦いだ!」
「あぁ」
二人は再び、並び立ってベルトを操作した。
<3><2><1>
「「変身っ!!」」
<TURN-UP>
二人は煙のオーラに包まれ、そこからオリハルコンエレメントが現れる。それが煙の中に吸い込まれると同時に煙はふり払われ、ブレイドとフォーゼBSが現れた。
<ABSORB-QEEN><EVOLUTION-KING>
<COSMIC><COSMIC-ON>
あたりに金色のギルドラウズカードや光り輝くアストロスイッチが舞う。
ブレイドはキングフォームへと強化変身をし、そこから白式が追加して装備された。
さらにフォーゼもアストロスイッチを纏い、コズミックステイツへ強化変身を遂げる。
「「いくぞ!!」」
<METEOR-READY?>
始と礼はそれぞれのベルトを操作し、変身準備に入る。彼らはダスタードを相手に戦う。
そこにF一夏や箒、セシリアなどといった、仮面ライダー部の仲間たちが並んだ。
「おれ達も戦う!」「わたし達はそうやって何度も戦ってきたのだからな!」
「久しぶりではありますけどね」「それでも戦うわよ!」
「だって、ボクらも仮面ライダー部なんだから!」「理由はそれだけで十分だ」
それぞれがISを纏い、戦闘態勢に入る。
さらに本音に心配されながらも、彼女を横に連れてゆりこも現れた。
「ゆりこちゃん、まだ体がぁ…」
「わたしだって…この学園を守る仮面ライダーだから…。だから戦うよ!」
彼女の決意は強い。本来は彼女が学園を守る仮面ライダーだ。自分だけ戦わないというわけにはいかないのだろう。
「足を引っ張るなよ」「頼むぞ…みんな!」
「「「変身!」」」
<CHANGE>
礼は蒼い光に、始は水のオーラに包まれ、ゆりこが2人を巻き込んで煙の中に包み込む。それを振り払ったとき、カリス、メテオ、なでしこが変身を完了させた。
「おりゃあぁっ!」「はあぁっ!」
バリズンソードとキングラウザーがリバレスに向かって振るわれる。
「フンッ!」
リバレスはそれを避けるが…。
「逃げられないぞ!」
<N・MAGNET-ON><S・MAGNET-ON>
「ライダァァァァ…超電磁・フィニィィィィィィッシュ!!!」
赤と青のエネルギー波がリバレスに放たれる。
「その程度では効かんぞ!」
直撃したものの、有効な一撃ではなかった。ただし、それはダメージの面においての話だ。
<SPADE-8>
マグネバッファローのエネルギーをキングラウザーに纏い、ブレイドKFはそれを地面に突き立てる。
すると、リバレスの体はみるみるキングラウザーに吸い寄せられていく。
「何…!?」
そう、二人が共通して持つ、磁力を利用した作戦だったのだ。
「くらええぇっ!」「だぁりゃああぁっ!」
ズバアァッ!
「グウウゥッ!?」
二人のバリズンソードと雪片弐型から放たれる渾身の一撃がリバレスに叩き込まれ、リバレスは地面を転がる。
「一夏、雪羅だ!」「おう!」
箒の呼びかけで、F一夏は白式の強化形態である雪羅を発動する。エネルギーの消費は箒の紅椿が補っている。
<METEOR LIMIT-BREAKE>
「はあああああああああああぁっ!!」「オオオオォ…アタアアアアアアアァッ!!!」
ドガアアアアアアァァッ!!
メテオはベルトを操作し、メテオストライクでF一夏と同時攻撃に出た。
二人の力でダスタードはかなりの数を減らした。
次はカリス達だ。
<FLOAT><DRILL><TORNADO><SPINING DANCE>
<ROCKET LIMIT-BREAKE>
3枚のラウズカードを使い、その力を身に纏う。なでしこもロケットモジュールに強力な力を込め、さらにセシリア、鈴音、シャルロット、ラウラの4人がそれぞれのISのエネルギーを凝縮した一撃を放つ。
「受けてみなさい!」「喰らええぇっ!」「やあぁっ!」「ふんっ!」
「なでしこぉ、ロケットキィィィック!!」「たあああああああああぁっ!!」
ドゴオオオオオオオオォッ!
彼らの活躍で、ダスタードはあっという間に姿を消した。
ちょうどそのとき…。
「がんばるよぉ~!」
本音がパワーダイザーを操縦しながら現れたが…。
「…終わったぞ」
カリスが冷静に告げる。
「遅かったぁ…」
そして…。
「なぜだ…何故、この私が…!」
リバレスはフォーゼCSとブレイドKFに追い詰められていた。
「それが理解できないなら、おまえは何をしたって、おれ達にはかなわない!」
「仮面ライダーが戦う意味を理解できないおまえにはな!」
<LIMIT-BREAKE>
<SPADE-10・J・Q・K・A><ROYAL STRAIGHT FLUSH>
「ライダアアアアアアアァァッ!超銀河・フィニィィィィィッシュ!!!」
「うおおおおおおおおおおおおぉっ!」
青白い光と黄金の光が重なり、それは螺旋を描いてリバレスに向かう。
それを防ぐことも避けることもできないリバレスは、それを真正面からぶつかる。
「私は…必ず実体化して…!!」
気力でそれを耐えきったリバレス。だが、目の前に二人がいない。
<LIMIT-BREAKE><SPADE-5・6>
音声の方向は上空。太陽に重なるような位置に二人はいた。
「「ダブル・ライダーキィィィィック!!!!!」」
ドガアアァッ!
「グアアアアアアアアアアァッ!!!」
先ほどの威力よりは劣る。だが、リバレスのトドメには十分の威力があった。
火花が散ると同時にホロスコープスドライバーが砕け散り、簪が意識を失って倒れた。
「簪!」
変身を解除した宇月がそれを抱きかかえる。
「もしかして、今の攻撃で…!?」
同様に変身を解除したB一夏が心配そうに尋ねる。先ほどの攻撃は凄まじい威力を兼ね備えていた。
簪に影響はないのか。
「うぅ…んっ…」
しかしそれは取り越し苦労だったようだ。簪は瞼を開けた。
フォーゼのリミットブレイクは負のコズミックエナジーを浄化する力を秘めている。
ブレイドKFの攻撃は強大だが、フォーゼのコズミックエナジーと一緒に放ったことで、その威力さえもコズミックエナジーを浄化させる働きへと変化したのだ。
「う、宇月…」
心配、恐怖、後悔。この3つの感情が簪の心を満たす。
だが…。
「お疲れ様、簪」
宇月のこの一言で、彼女の先の感情は一瞬にして消え去った。
あれから数日後。
戦いの直後、B一夏と始は別れを言う暇もなく、オーロラに連れ去られてしまった。
オーロラを見ること自体が初めてだった一同は驚いたが、その中から現れた剣崎一真にこれまでのいきさつの説明を受け、納得した。
せめて別れくらい。…と言った宇月だったが、彼らにはまだ自分の世界で残された戦いがあるらしく、そんな時間も許されないらしい。
そんな時に協力を申し出た自分たちは申し訳なく思っている。
そう言って、彼は姿を消した。
そして宇月と礼も学園から再び離れ、IS学園は再び平和を取り戻した。
「嵐みたいだったな」
一夏は数日前の出来事を思い出していた。
「平行世界…パラレルワールドというモノを、身近に感じられましたわね」
セシリアは感じた。
B一夏達の世界には、宇月や礼はいないのだろう。少しずつ違った世界が、無数に存在するのだ。
「そうね。でも、この世界にはわたし達がいる。他の世界のわたし達には負けられないようにしないとね!」
鈴音は笑った。
きっと、誰かと誰かの恋路も少しずつ違っている。シャルロットやラウラが違う人に恋をしたように。
そんな世界の中には、自分が理想とする姿もあるのだろう。ならば負けられない。その姿を追い越せるように頑張らなくてはならない。
「ボク…待つだけじゃない。ボク自身が探す!」
シャルロットは決意する。
待つだけでは紫苑は戻ってこない。紫苑は今もこの宇宙の何処かを彷徨っている。彼は頑張っているはずだ。約束を果たすために。
ならば、自分が頑張らないわけにはいかない。紫苑を探して再会するのだ。
そのための努力は惜しまない。
「わたしも…大きな目標を作らなければな」
ラウラは目指した。
自分は礼と付き合ううちに目標を失っている。もう一度目指さなければならない。
「わたしは強くならなきゃ!」
簪は思い返した。
リバレスの事件は自分に責任がある。それは意志が弱かったのだ。だからホロスコープスの力に屈服して、戦う羽目になった。
ならば、二度とそうならないために心を鍛える。そう思った。
「よし、久々に行くか!」
箒の合図で、一夏、セシリア、鈴音、シャルロット、ラウラ、本音、簪、ゆりこが手を重ねる。
「仮面ライダー部!」
『おおおおおぉっ!!!』
宇月と礼は、宇月の自宅にいる。
「…さみしいか?」
「馬鹿を言うな!寂しくはない!」
礼は少し沈んでいた。そう感じた宇月は少し冷やかす。
「きっと、あいつらはまた頑張り始める。だからおれ達も頑張らないとな!」
「おう!」
礼は明るい表情で気を奮う。
「それに…気になることがあるしな」
「気になること…?」
宇月は問いかけた瞬間、気づいた。
「リバレスのホロスコープスドライバー…。あれの出どころか!」
そう、ホロスコープスドライバーはフォーゼドライバーに似通った対照的なモノだ。
それを作る技術は、自分の両親以外にいない。
誰が、そんな技術を持っていたのか…。
「その前に…二人に協力してほしいんだ」
その言葉と共に、宇月と礼はオーロラに飲み込まれる。
「なんだ…」
そこは展望台のような場所。夜であり、夜空いっぱいに美しい星がちりばめられている。
「ごめんね、これからって時に…」
そういいつつ現れたのは、気弱そうにも見える青年。20歳前後だろうか。
彼の詳細を知るべく、宇月が問いかける。
「あなたは…一体…?」
「僕は野上良太郎。一真さんの仲間の一人だよ」
一真と言えば、オーロラを使っていた剣崎一真。
彼もその仲間ということは、彼は別世界の人間なのだろう。
「要件はなんだ?」
礼が少し警戒して聞く。
「君たちを助けた一夏君と始君の世界が、危機に瀕しているんだ」
そう言って、空を指さす。
すると星が意思を持っているかのように動き、四角い空間を作る。そこがテレビの映像のようになり、B一夏達が映し出された。
ただ、自分たちの知る二人よりも若干ではあるが大人びている気がする。
「あれは2年後の彼ら。そして、あの世界で「別世界から産み落とされた人」が始君を追い詰めてるんだ」
その説明があるうちに、何者かがB一夏に宣言している。
「物語をあるべき形に戻す」
さらに場面は切り替わり、金、赤、緑、それぞれの色をした3人の一つ目の仮面ライダーが、ブレイド達に襲いかかっている。
「…彼らだけでは、この脅威を乗り越えられるか分からない。だから君たちに力を貸してほしいんだ。僕らでは…あの世界に深く干渉できないから」
どうやら自分たちにしかできない助太刀らしい。
「借りた借りは返す。この依頼、引き受けよう」
「一夏と始は、おれ達を助けてくれて、道も指示してくれたんだ!協力するさ!」
彼らの返事に、野上良太郎は笑顔を見せる。
「良かった…。君たちの実力は既に見せてもらってる。さぁ、あのオーロラから行って…」
展望台に向かう階段に扉ができたかのようにオーロラが現れる。
「行くぞ、礼!」「あぁ!」
二人は別の世界に向かった。
これから先の物語は、また別の話。
彼らはこれからも、戦い続けるのだろう。
仮面ライダーである限り…。
~FIN~
キャスト
城茂宇月=仮面ライダーフォーゼ
織斑一夏=仮面ライダーブレイド(断空我さんの作品より特別出演)
織斑一夏
篠ノ之箒
セシリア・オルコット
鳳鈴音
辻永礼=仮面ライダーメテオ
ラウラ・ボーデヴィッヒ
富樫始=仮面ライダーカリス(断空我さんの作品より特別出演)
布仏本音
シャルロット・デュノア
ゆりこ/SOLU=仮面ライダーなでしこ
更識簪=仮面ライダーリバレス
サジタリウス・ゾディアーツ=仮面ライダーリバレス
野上良太郎=仮面ライダー電王ライナーフォーム
剣崎一真=仮面ライダーブレイドキングフォーム
あとがき
おわりました!
一夏と始のキャラ造形は少し難しかったですね。何せ、他の人が描くキャラなので、違和感が出てしまわないように意識しました!
さて、ラストシーンですが、実は競演させていただいた作者様の断空我さんが、完結編を描かれるとのことなので、そこにつながるシーンを書かせていただきました!ただ、しっかりつながるかは未定です。