プロトM4A1   作:鋭利な刃

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思いついて書いてみた。
ペルシカさんの口調分からない……


おはようございますクソ女
母と娘


「死ねよ。死んでくれ」

 

右手に握りしめたナイフを、目の隈がやばい事になってる猫耳付けた女に振り下ろす。

思わずしゃがみ込みのたうち回ってしまいたくなるような痛みが頭に響くが無視。むしろその痛みを堪える力も加え、殺意120%を込めて振り下ろす。

 

「懲りないねープロト。もうすぐ100回目よー」

 

殺意を込めたナイフは、自由への切符のナイフは、その女にあっさり受け止められた。

……当然だ。どれだけ力を、殺意を込めたところで、このクソッタレな機械のカラダはまともに動いてはくれない。

例えどんなクソッタレでも、どれだけ死んだ方が良くても『人間』と言うだけで、傷つけることは許されないのだ。

『戦術人形』と呼ばれる、このカラダでは。

 

「おや、前回より力を強く入れられてるねー。これはそのうち本当に私を傷つけられるんじゃない? いよいよ、愛しい娘にナイフを突き立てられてしまう日も近いかな」

 

「黙れ! 今日こそぶっ殺す!!」

 

怒鳴りつけ、必死に力を入れるもピクリとも動かない。

 

ケラケラと笑いながら右手を捻られナイフを奪われ、腹に蹴りを入れられて倒れこんでしまう。

勿論やったのはこのクソ女で、やられたのは私だ。

やられたままではいられず、すぐさま起き上がり殴り掛かろうとするも、クソ女の手には黒いリモコンが握られていて、拳が届くまでにスイッチが押されてしまう。

 

「がっ!?」

 

膝から崩れ落ちた。身体中からチカラが抜け落ち、指1本も動かせそうにない。

 

「はい勝ち〜。コレで98戦98勝。プロトもまだまだねー」

 

そうほざき首を捕むと、ズルズルと私は引きづられてゆく。

クソが。死ね。死ね。と声に出せないほどに力が抜け切っているため心の中で罵りながら、私という戦術人形は、引きづられて行った。

 

 

 

 

 

 

このクソ女に引きづられて行った先は、小さな部屋。

小さな机と、一人で寝るには妙に大きく、だが2人並んで寝るには少し狭めなベッドがあるのみの、白と薄い黄土色で統一された、狭すぎて足の踏み場がほぼ無い部屋。

『私』の部屋だ。

 

「さあさあ座りなさいプロト。いつもの様にコーヒーを入れてあげる」

 

そう言って部屋を出ていったクソ女。私は腰を下ろし、机に突っ伏す。不貞寝だ。やってられない。

(クソが次こそは絶対殺す覚えてろよクソ女大体テメーみたいなのが猫耳付けてるとか趣味悪いんだよ頭イカれてんのかイカれてたなわざわざ確認するまでもなかったわクソクソクソあのリモコンだリモコンさえ何とかあればまだ勝機はあるどうすればあのリモコンを封じ込めれる何か投げつけるかというかそれしかないな偶然を装ってあいつが1人でいる時に背後から襲うかいやしかし約束を破る事にいや約束なんてどうでもいいとにかくぶっ殺す事こそが最優先だから必要なのは隙をみつ……)

 

コトッという音で我に返った。目の前のテーブルの上にはクソ女が入れたコーヒーが置かれていて、クソ女はニヤニヤと気味の悪い笑みを浮かべて私を見つめている。

「……何?」

 

「プロトって本当に可愛いわね。何を考えているか、表情を見るだけで伝わってくるわ。……ああ後念の為に言っておくけど、約束を破ったら即座にメンタルモデルを初期化するわよ」

 

「……いちいち言わなくても分かってるわよ。『訓練スペース以外でのペルシカに対する殺害行為は決して行わない』」

 

どうだろうねー、と言わんばかりに、クソ女はクスクスと笑う。ウザイ。そろそろ死んでくれてもいいんじゃないだろうか。

 

「別に約束を破ってくれても良いのよ? メンタルモデルをリセットして、また1から育てていくのもそれはそれで面白そうね」

 

「巫山戯んなクソ女。お前に1から育てられるぐらいなら一緒に自爆した方が100万倍マシよ」

 

「あら、私と一緒に死んでくれるのね」

 

「……ギリッ」

 

「歯ぎしりしない。いいじゃない、反抗期の真っ最中で少し寂しいのよ」

 

コトリとコーヒーカップを置き、こちらをじっと見つめてくる。

 

「さて。貴方が目覚めて4ヶ月程が経ったけれども、まだ受け入れられない?」

 

「受け入れられないし、受け入れるつもりもないわ。勿論許すつもりもない」

 

私には人間としての記憶がある。

両親がいて、妹がいて、テロリストやらE.L.I.Dやら鉄血人形やらの脅威から力を合わせ、必死に逃げ回っていた。

そんな記憶がある。

 

「やっぱり人間として人格を先に形成させるなんて無茶よねー。戦術人形としての自覚が無くなってしまうわ」

 

でも、そんな記憶もクソ女から言えば『夢を見ていただけ』

クソ女が作った現実そっくりなヴァーチャル空間内で1個人として人格を形成させ、それを戦術人形の電脳にインストールした。それが私。

クソ女が夢見ている『人間の指示がなくても自立して作戦行動が出来る戦術人形』の試作型。それが私。

 

「何度だって言うわ。私は人間。例えこの世界のだれが否定しても。だれが証拠を示しても。私は人間。それ以上でも以下でもない、この世に生まれた人間よ」

 

「ならプロト。私も何度だって貴方に告げるわ。あなたは戦術人形。例えこの世のだれが否定しても。だれが証拠を示しても。あなたは戦術人形。私の可愛い可愛い娘よ」

 

私は睨む。ペルシカは微笑む。

「……そう。なら答えは1つ。お前を絶対にーー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「殺す。殺して私は自由を手に入れる」

 

「頑張ってね。応援してるわ」

 




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