プロトM4A1   作:鋭利な刃

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結構色んな作者さん達のドルフロ小説を読んでるせいか、明らかに影響を受けまくってる今日この頃。





"私"とSOP II

薄暗く、コードやら機械類やらが散乱している16LABの地下にある一室。

部屋の真ん中には2mほどの巨大なカプセルが鎮座しており、その中には一体の人形が入れられていた。

 

私と同じくらいまで伸びている黒髪。

鏡を見ているかのように瓜二つな顔。

私と全く変わらない背丈。

違うのは、人形に着せられている服の色だけ。

それ以外は全く変わらない、私の生き写しとも言える人形が、カプセルに入れられ、眠りについている。

 

「この人形は?」

 

「『M4A1』人間の指揮がなくとも自律し考え行動できる戦術人形よ。あなたの『妹』という存在であり、あなたが辿り着けなかった『完成品』でもあるわね」

 

「完成品……要は、私からお前達にとって不都合な部分を抜き取って、都合のいいような思考しか出来ないようにした操り人形みたいなものでしょ?」

 

「半分正解で半分不正解よ。確かに運用する上であなたのように人間に対する不信感や殺意といった感情が発生しにくいよう、厳重に制限は掛けたわ。でもそれだけ。この子にはこの子にしかない自我が芽生え、この子だけの考えから行動してくれるはずよ」

 

「……そうなるといいわね」

 

カプセル越しの顔は何の表情も無く、無だった。

どうかこの子には、この子だけの表情を浮かべて欲しい。

憎しみでもいい。悲しみでもいい。私の紛い物にだけはなって欲しくない。

人間の操り人形になった私の姿なんて、絶対に見たくない。

 

 

 

自分を人間だって言い聞かせてる"私"を、他ならぬ"私"に否定されてしまっている気がして、虚しくなるんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の使っている部屋の隣。

私の部屋と同じ広さに同じ家具。同じ色に同じ配置。

ここが、あの子の部屋になるらしい。

 

「ずっと放置されてた割には綺麗ね」

 

あの子はまだ起動していない。AIの最終調整やら体のパーツの調整やらがまだ終わっていないらしい。この部屋が使われるのはまだ先になりそうだ。

 

「……妹、ねぇ」

 

思い出す。あの子の事を。

クソ女によって作られた電脳世界にいた時の、私の大切な妹を。

確かにあの子は、クソ女に作られた0と1の集合体かもしれない。私というバグを抱えてしまっているAIを育てるために作られた、パターンにそった行動をするだけの存在かもしれない。

でも私にとって、確かにあの子は妹だったのだ。間違いなく。絶対に。

 

「でもあの子はもういない。そして、新しく妹が出来る」

 

受け入れられるだろうか。新しい妹を。

重ねてしまわないだろうか。大切な妹と。

私は姉として、このクソッタレな世界で生きなきゃ行けない妹を、ささえられるのだろうか。

 

「……自信無いなぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

16LABの地下。そこに私とクソ女はいた。

あの子はまだ目覚めていない。でも、あの子の仲間になる子達は既に目覚め、訓練に励んでいるらしい。

 

『ST AR-15』『M16A1』『M4 SOPMOD II』

加えて未だ構想段階だが『RO635』の4名が、あの子と同じ『AR小隊』という小隊に配属されるとの事だ。

エレベーターを降り、長い廊下を歩く。

相変わらず白で統一されていて、落ち着かない。

 

「今更だけど、私が会う必要はあるの?」

 

「勿論あるわよ。プロトにはAR小隊の教官になってもらうつもりだから」

 

「は? 初耳なんだけど」

 

「今初めて言ったからね。プロトのデータを元に彼女達は設計されたのだから、プロトが面倒を見た方が効率がいいじゃない?」

 

それに、とクソ女は続ける。

 

「妹達の面倒を見るのも、長女の役目ってものじゃない」

 

こいつに言われると、例え正論だったとしても本当にイラッとくる。

 

 

 

 

 

 

 

「あ、ペルシカだー!」

 

廊下の途中で唐突に現れ、叫びながらクソ女に突撃して来たのは、クソ女に渡された名簿によると『M4 SOPMOD II』

性格は幼く、しかし強い残虐性を持っているとの事。

その情報は確かなようで、クソ女の後ろにいる私には気づかず、ペルシカに抱っこを求めて手を伸ばしていた。

それをスルーし、クソ女は私が見えるように体をずらす。

 

「? 後ろにいるのはだぁれ? ……もしかして、M4!?」

 

興味津々な顔を浮かべ、近づいてくる。その顔は笑顔で、とても嬉しそうだった。

 

「SOP。その子はM4A1じゃなくて、『プロト』M4A1。あなた達の先生になる子よ」

 

「プロト? 先生?」

 

「そうね。あなた達全員の『お姉ちゃん』だと思えばいいわ」

 

「お姉ちゃん!?」

 

そう聞くとより笑みを強くし私を見つめてくる。

唐突に両手を伸ばし、広げた。

 

「お姉ちゃん! 抱っこ!!」

 

「……」

 

膝を曲げ、目線を合わせ手を伸ばし、脇の下に腕を差し込む。そのまましっかりとホールドし、ぐっと力を入れて持ち上げた。

 

「おー高ーい!」

 

楽しそうに笑う。はしゃぐ。戦術人形を思わせるずっしりとした重みが腕に掛かるが、あまり苦ではなかった。

 

「……私はプロトM4A1。あなたは?」

 

「私はね。SOPMOD II!」

 

「そう。よろしくね」

 

「よろしく! お姉ちゃん!!」

 

抱きつかれる。込められた力は強いが、これもあまり苦ではなかった。

ニヤニヤとこちらを見つめてくるクソ女を無視し、SOPを抱えたまま、廊下の先へと歩いていった。

 




お姉ちゃん呼びSOPちゃんかわいい……かわいくない?
なんか気づいたら抱っこしてた。
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