ゴブスレの二次創作を書きたくなってしまったんです、許してください。
『グレモリー家の次男 リメイク版』は、気が向いたら書いていく予定ですので、期待せずに待っていてくださると嬉しいです。
Memory01 嵐の海で
━━1761年、北大西洋。
珍しく嵐に包まれたその海域で、二隻の船がフックによって繋がれていた。
激しい雨と荒波により、普通なら立っていられないほどの揺れに襲われている二隻だが、その中で平然と斬り合う二つの影があった。
片やフード付きの外套に身を包んだ壮年の男。
片や黒を基調としたフード付きの制服に身を包んだ、まだ20歳にも満たない青年。
若さを活かした勢いに乗せた剣技で攻める青年と、経験から来る動きで捌いていく壮年の男。
二人の攻防はまさに互角に見えたが、ついにそれは崩れることとなる。
壮年の男は、青年の剣を弾き飛ばし、切っ先を首もとに突きつけたのだ。
荒れた息を整えながら、壮年の男は言う。
「なぜ、ここにいる。まだ子供だろうに」
「お前を殺すためだ」
男の問いに迷うことなく返した青年に、男は額に青筋を立てながら言う。
「わかっているのか!テンプル騎士団は、世界を支配しようとしているのだぞ!」
聞き分けのない子供を叱りつけるように叫んだ男に、青年は嘆息した。
「『真実はなく、許されぬことなどない』だったか。貴様らの信条は」
「それを知っていて、なぜ━━」
「━━だから、何の罪のない母を殺したのか」
青年はまっすぐに、フードの奥に隠れた瞳を睨む。
その瞳は、さながら獲物を見つけた鷹のようであり、絶対に逃がさないという意志が込められていた。
青年から放たれる威圧感に圧され、男は黙ってしまう。
青年は続ける。
「母は、父と、俺と、三人で暮らしたかっただけだ。その『平穏』を一方的に壊したのは、貴様らだろうが」
「貴様らの信条は、矛盾だらけだ。真実はないといいながら、自分たちが正しいと疑わず、許されぬことなどないと言いながら、破ってはならないという三つの掟を作る」
「確かに父は、貴様らを裏切り、騎士となった。そして母と出会い、俺が生まれた」
「百歩譲って、父が殺されるのは仕方ないとしよう。だが、父が騎士であることも知らなかった母が、なぜ死ななければならなかった。奴らはまだ幼かった俺まで殺そうとしたぞ」
一切の感情を廃し、青年は男━━『アサシン』に向けて言葉を叩きつけた。
妻を殺され、息子まで殺されかけた父は、そこから努めて避け続けていた戦うことを選び、息子に力を与える道を選んだ。
━━二度と失わないためには、戦うしかない。
父はそう言い、仲間たちと共に息子を育て上げた。
━━無秩序は、人々を苦しめ、虐げるものでしかない。
自由はいい。だが、平穏を望む人々は、法の下固められた秩序を望むはずだ。
裏切りのアサシンの息子は、同じく裏切りのアサシンにより鍛えられ、今や騎士として、師と同じくアサシンを狩る仕事をしている。
青年の言葉に信じられないというように口を紡ぐアサシンに、口の端を歪めながらこう告げた。
「どうした。『許されぬことなどない』のだから、誰が、誰を殺そうと、貴様らはそれを許し、肯定するのだろう?」
「……黙れ」
「自由と平穏は結び付くことはない。貴様らに俺の母は殺された。これから一体何人が死んで、不幸になる」
「…黙れ」
「人々は、仮初めでも『真実』がなければ社会を形成できない。仮初めでも『許されぬこと』がなければ、際限のない悲劇が起こるだけだ。貴様らは、それをわかっていない」
「黙れ!」
どこか悟っている青年の言葉に、男はついに激昂し、剣を振りかぶり、大上段から振り下ろす。
その刃は、寸分の狂いなく青年の頭蓋を砕き、脳髄を叩き壊すことだろう。
だから、青年は動き出した。
自身に迫り来る刃に向け左手を差し出し、小指を動かす。
小指に嵌められたリングに引かれ、袖の中に仕込まれた小刀━━アサシンブレード━━が飛び出し、固定された。
アサシンブレードと剣がぶつかり合った瞬間、青年は腕を右に流し、刃を受け流す。
全力を以て振り抜いた男は前のめりに体勢を崩し、無防備な体を青年に晒した。
それを見逃す彼ではない。
左手と同じように右腕のアサシンブレードを展開、固定された勢いのまま、それを男の首に突き立てる。
「か……っ!」
突き立てた勢いで男の体を起こし、左腕のアサシンブレードをトドメとしてこめかみに突き刺した。
男は口を魚のようにパクパクと口を動かした後に、白目を向いて脱力していく。
周辺の敵が降伏を始めたことを確認した青年は息を吐き、二本のアサシンブレードを男から抜き、騎士団の船に戻ろうとするが、風に紛れた砲撃音が耳に届いた。
それを聞いた誰かが、望遠鏡を覗き、遠くを指差しながら叫ぶ。
「
「ッ!」
誰かの警告はもう遅く、繋がれたままの二隻に砲弾の雨が降り注ぐ。
荒波に加え砲弾の雨が降り注ぎ、船は大きく揺れ、帆は折れ、火がつき始めた。
「船に戻れ!退却するぞ!」
騎士団の船員が叫び、敵船に乗り込んでいた船員が慌てふためきながらも戻り始める。
パニックに陥る仲間たちに舌打ちをしながら、彼も急いで船に戻ろうと駆け出す。
「火薬庫に火が!?」
「な……」
誰かの悲痛な叫びに、思わず間の抜けた声が漏れる。
━━━瞬間、船が爆ぜた。
青年は爆発の勢いのまま海に投げ出され、海面に叩きつけられる。
身を切るほど冷たい海に沈みながら意識だけは繋ぎ止めた青年が、酸素を求めて海面から顔を出した時だった。
再びの爆発とともに、木片や鉄塊が大量に飛び散った。
そして、その中のひとつが何の不幸か、海面から顔を出した青年の顔を直撃したのだ。
口元を切り、鼻から大量の血を流しながら、意識を失った青年は、真っ暗な海底へと沈んでいく。
霞む視界の中、青年の耳には、聞き慣れた囁き声とも違う、まるでサイコロを振ったような奇妙な音を聞いたような、そんな気がした。
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『幻想』と『真実』の神様は、「盤」である世界と、そこに生きる「駒」である様々な生き物を眺めながら、今日も今日とてサイコロを振ります。
結果が
彼らのサイコロの結果が、その世界に生きる人々の命に直結するのですから、当たり前でしょう。
最初にそれに気づいたのは、三連続でファンブルを叩きだし、村ひとつを壊滅させてしまった『幻想』でした。
部屋に籠ろうとして、去り際に見た盤の上に、見慣れぬ駒が現れたのです。
━━誰かが新しく作ったのかな?
『幻想』はそう思い、知り合いの神様たちに聞いてみました。けれど、誰も彼のことを知りません。
けれど、せっかく生まれてきたのだから、無下にするわけにもいきません。
それに、神様たちが新しい刺激を求め始めていたのも事実です。
『まあ、新しいのは何でもウェルカムだよ!』
『幻想』はそう言って、その「駒」を見守ることにしました。
他の神様も『異議なーし』と続きます。
神様たちは、その「駒」を見守ることに決めました。
その新しい駒が何をしでかしてくれるのか、楽しみにしながら━━━。
誤字脱字、アドバイス、感想など、よろしくお願いします。
期限は『Extra Sequence01 いと慈悲深き地母神よ』が完結してから+1週間です。随分と今更な事を聞きますか、ダンまちとゴブリンスレイヤーコラボイベント『Dungeon&Goblins』にログハン一党をぶち込んだものをーー
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見たい!
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別にいいです……。