SLAYER'S CREED   作:EGO

100 / 150
EGOです。今年も一年、よろしくお願いします。

新年一発目が記念すべき100話目とか、大事な運をいきなり使ってしまった気がします。


Memory05 氷の魔女

「さあさ、お前たち!そろそろ支度をおし!」

 

 氷の魔女の声を受け、雪男たちはどやどやと立ち上がった。

 

「この前みたく兎一匹も連れてこなかったら承知しないよ!」

 

 ──腹が減って仕方がない。氷の魔女はそう愚痴りながら、兎人の集落から逃げ帰ってきた雪男を睨み付けた。

 そいつは恨みがましく何かを言おうとしたが、何かを恐れるように身を縮こまらせる。

 氷の魔女は教育(・・)が行き届いていると冷たい笑みを浮かべた。

 雪男たちは、はっきり言って馬鹿だ。力だけが正しいと信じ、そうと疑うこともしない。

 だからこそそれを越える力を示してやれば服従し、反抗する意志さえも持つことはない。

 いや、持つことはあるのだろうが、反抗したところで勝てないのだから行動に移さないだけだ。

 雪男たちの事を熟知している氷の魔女は両手を打ち鳴らし、「さっさとおし!」と睨み付けるように雪男たちを急かす。

 雪男たちは慌てながらも足音を立てて動き出した。

 

 ──彼らを使い、少しずつ力を蓄える。時間はかかるが、幸い時間は腐るほどある。

 

 氷の魔女は頬杖をつきながら駆け回る雪男たちを見下ろし、口許に氷の微笑を浮かべた。

 時間があるのは氷の魔女だけ。雪男たちは戦いか寿命のいずれかで早いこと死ぬだろう。

 だがその時は、その子供に孫に力を示し、また同じ事を繰り返すのみ。

 力を蓄え、時が来たら山を降り、近場の街の一つや二つを手に入れる。そうすれば、向こう百年は安泰の筈だ。

 そうしたら、まあ、雪男たちにも住まわせてやろう。快適に暮らすには力強い奴隷が必要だ。

「ふふ」と肩を揺らして微笑を漏らし、そうとも知らずに動き回る間抜けな雪男たちに目を向けた。

 これから愛する奴隷たちになる、あるいはその先祖たちだ。多少可愛がってやっても良いだろう。

 氷の魔女が一人計画を練る中で、不意に何かを感じて顔をあげ、鼻をひくつかせた。

 目を細めて意識を嗅覚に集中し、その何かが何なのかを確かめようと努める。

 未知ほど恐ろしいものはない。全ての未知を既知にするまでは、油断も慢心もするつもりもない。

 そうして意識を集中し、記憶の片隅に追いやっていたそれを見つけ出す。

 

「若い只人(ヒューム)の娘の臭い?」

 

 思わず声に出してしまったが、氷の魔女は嬉しそうに舌なめずりをした。

 確かに兎人の肉も美味いが、遥か前に食った只人の女の味には比べるまでもない。大方遭難した旅人が一泊しようと洞窟に入り込んだのだろう。

 これは幸運だ。滅多なことではないが、混沌の神に感謝しても良いかもしれない。

 氷の魔女がどれ迎え入れてやろうと立ち上がろうとした時だ、広間の入り口に立つ人影に気付く。

 纏う衣装は鎧を含めて全てが黒く、手にする弓さえも黒い。

 唯一色のあるものと言えば、腰に下げている金色の剣だけだ。

 目深く被ったフードと口許を覆う布で顔はわからないが、こちらを睨む瞳は剣と同様に金色の輝きを放っている。

 その何者かは何やら鏃に塊がついた矢をつがえ、氷の魔女が声を出す間もなくそれを放った。

 放たれた矢は広間中央の焚き火に当たり、炸裂音と共に弾け飛ぶ。

 瞬間赤い色をした煙が広間に広がっていき、駆け回っていた雪男数匹の体を包み込む。

 赤い煙に巻かれた雪男は、

 

「ウ、ウォォオオオオオオッ!!!!」

 

「オオオオオオオオオオオッ!!!」

 

 様々な奇声を発しながら同族へと襲いかかった。

 振るわれる拳には躊躇の色がなく、まともにくらった者は小枝を折るように骨が折られ、時には頭蓋が叩き潰される。

 その間に赤い煙は霧散していき、代わりに赤い血と悲鳴が広間に彩りを加えていく。

 

「お、おい、どうしたんだアニキたち!」

 

「落ち着け、落ち着けってお前ら!」

 

 運良く煙に巻かれなかった雪男たちが慌てて取り押さえようとするが、返り討ちにされるのと成功するのが半々といったところ。

 

「良し、行け!」

 

 雪男たちに混乱をもたらした何者か──ローグハンターは後ろに隠れていた仲間たちに指示を出し、通常の矢をつがえて正気を保ったままの雪男の眼窩を撃ち抜く。

 先ほど使った『バーサークアロー』は効果こそ強力だが、その危険性から多く持ち運べないのが不便だ。

 彼の指示を受けて真っ先に飛び出したのは銀髪武闘家だ。

 駆け出した勢いのままに雪男の顔面に跳び膝蹴りを叩き込み、頭蓋を果実のように潰す。

 耳からどろりとした肉片を垂らしながら倒れる雪男を一瞥し、今回の要たる後輩たちを呼び寄せた。

 

「私に続いて!」

 

『はい!』

 

「はいっ!」

 

 新米戦士、新米剣士、新米武闘家、見習聖女、白兎猟兵士が走り出し、銀髪武闘家に続いて洞窟の奥へと走り込む。

 彼らの背を見送ったローグハンターは三本の矢を纏めてつがえ、一息にそれらを放つ。

 

「死ぬなよ!」

 

「あったり前よ!」

 

 背中からかけられたローグハンターの言葉に銀髪武闘家は振り返ることなく笑顔混じりに答え、広間の奥に消えていく。

 放たれた矢は寸分の狂いなく雪男たちの眼窩に滑り込み即死させるか、目を掠めて悲鳴をあげさせる。

 

「えぇい、何をしているんだいッ!」

 

 思わず氷の魔女が苛立ちを隠すことなく雪男たちに指示を飛ばすが、その声は同族の悲鳴に消されて彼らに届くことはない。

 氷の魔女がその美貌を歪めて舌打ちを漏らすのと、彼女に向けて矢が放たれるのはほぼ同時。

 人間離れした──そもそも人間ではないだろう──反射神経でそれを避けると、氷の魔女は黒い男を睨み付けた。

 宝石のように輝く金色の瞳と、血のように赤い瞳が互いの姿を映し出し、敵意をたぎらせる。

 指示を出したところで雪男たちの悲鳴にかき消され、何人かの侵入者は既に洞窟の奥へと入っている。

 

 ──狙いは矢か……!

 

 氷の魔女がそれに気づいてからは、もはや形振り構わぬ攻勢だった。

 

「《グラキエス()……テンペスタス()……オリエンス(発生)》……!!」

 

 魔女が怒気を込めながらも気品溢れる声で紡いだ真に力ある言葉は、彼女の持ち前の魔力を超自然の現象へと昇華させる。

 彼女が紡いだ真に力ある言葉が意味するのは『吹雪(ブリザード)』。万物を凍てつかせる超自然の吹雪がローグハンターと雪男たちに襲いかかった。

 

「あ、姐さ──―」

 

「ちょ、待っ──」

 

(たす)──」

 

 自然の吹雪ならものともしない雪男たちも、超自然の吹雪の前では赤子同然だった。

 彼らの巨体は次々と雪像へと変わり、ふとした拍子に音をたてて崩れ落ちる。

 骨の髄まで凍りついた彼らは痛みもなく、恐怖もなく物言わぬ肉塊となり果て、やがて溶けて消えることだろう。

 超自然の吹雪が止んだ頃、氷の魔女は落ち着きを取り戻す為に息を吐いた。

 侵入者には驚いたが、この程度だ。奥に入り込んだ奴等は追いかければすぐにでも追い付けるだろう。

 一時の感情で手駒を無駄にしてしまったのは反省すべきだが、彼ら程度の手駒ならすぐにでも見つかるだろう。

 

 ──この際小鬼(ゴブリン)どもを見つけるか。

 

 小鬼畜生どもに頼るのは癪ではあるが、奴等は定期的に女をやれば最低限の働きはしてくれる。

 自分のおこぼれをやれば良いと思えば、むしろ雪男よりも安上がりで済むかもしれない。

 氷の魔女は顎に指を当ててそう思慮するが、「今は矢だな」と自分に言い聞かせて奥に進んだ侵入者たちを追おうとするが、その目を見開いて驚きを露にした。

 超自然の吹雪に当てられ、広間に命あるものは自分一人だけの筈、なのに何故──!

 

「貴様、なぜ立っている……!?」

 

 広間には、仁王立ちローグハンターの姿があった。

 彼は氷の魔女を挑発するように両腕を広げて肩を竦め、腰に下げた二振りの剣を抜き放つ。

 漆黒の剣を金色の剣に擦り合わせれば、金属音と共に橙色の炎が二刀を包む。

 

「『付与(エンチャント)』!?詠唱もなしに……!」

 

 ローグハンターは彼女の疑問に答えることなく、二刀を構えて走り出す。

 氷の魔女は舌打ちを漏らし、再び真に力ある言葉を紡ぐ。

 

「《グラキエス()……テンペスタス()……オリエンス(発生)》……!!」

 

 再び放たれる『吹雪(ブリザード)』は先ほど同様に広間を包み込み、腐りかけた動物の死骸を氷へと変え、かろうじて原型を留めていた雪男たちの雪像を蹂躙する。

 超自然の吹雪は広間を白一色に染め上げ、ローグハンターの姿を覆い隠した。

 氷の魔女は今度こそと笑みを浮かべる。先ほどのはきっと避けられたのだ。そうでなければ無傷である筈がない。

 氷の魔女はそれほどまでに自らの力に高め、目的の為に進んできたのだ。

 だが、希望というのは容易く砕かれるものだ。それが悪しき支配者たるものの願望というのなら、それを砕くのがアサシンの使命(ロール)

 吹雪により白く染まった氷の魔女の視界に何やら青い輝きが映り、次いで橙色の揺らめく灯りが映り、疾走する人影が映った。

 それを視認し集中を切らしてしまった為か、超自然の吹雪が止まる。

 正体不明の青い光は、彼の纏う鎧に浮かび上がった紋様のようだ。それらは複雑に絡み合い、籠手や脚甲にまで及んでいる。

 

「──まさか、不凍の加護!?」

 

 氷の魔女が最も忌み嫌う精霊の守り。加護を受けたものはけっして凍ることなく、超自然の吹雪の中でも毅然としているという。

 ローグハンターの纏う鎧はまことの銀(ミスリル)エデンの果実(リンゴ)の力を込め、上森人の鍛治師が一万年以上かけて研いてきた己の技すべてを活かして鍛えたものだ。百年単位でしかものを見れない魔女ごときに負けるものか。

 氷の魔女が「まずい!」口にした瞬間、炎纏う二振りの剣を振りかぶった死神が氷の魔女へと飛びかかった。

 

「ッ!」

 

 氷の魔女は咄嗟に手元に生み出した氷の刃を振るって迎撃せんとしたが、相手は対人戦においては破格の強さを誇るローグハンターだ。

 氷の魔女の一閃を紙一重で避け、お返しと言わんばかりに炎を纏った黒鷲の剣を振り抜く。

 氷に高熱の炎を叩きつければどうなるか。それこそ火を見るよりも明らかな事だ。

 振り抜かれた焔一閃は氷の魔女の片腕を焼き斬り、湿った音と共に床への落ちる。

 

「あ、あぁ────ッ!!!!」

 

 腕を斬られた氷の魔女の絶叫は、途中で聞き取ることは出来なくなる。只人の耳には聞こえぬほどの甲高い悲鳴なのだろう。

 ローグハンターはその場を飛び退くと黒鷲の剣に血払いくれると、疲労を吐き出すように深く息を吐いた。

 同時に二刀の剣を包んでいた炎が消え、本来の姿を見せつける。

 金色の剣を手に入れてから使えるようになった謎の力(スキル)。魔術とも奇跡とも違うし、使用後にどっと疲れるのが難点だが、こうして使えるのなら良いだろう。

 多少とはいえ疲労をしている事を気付かせまいと凛としているローグハンターを、氷の魔女は斬られた腕を押さえつつ息を荒らげ、赤い瞳で睨み付ける。

 

 ──最大の脅威たる銀の矢を奪ったというのに、何なのだこいつは、噂に聞く勇者は女だと聞いたぞ!?

 

 胸中を駆け巡る恐怖を表情に出すことはなく、気付かれぬように努めて睨む。

 冷静に睨み返してくるローグハンターの姿にたじろぎつつ、どうしたものかと思考を始める。

吹雪(ブリザード)』を使ったところで意味はなく、他の術でもおそらく時間稼ぎにしかならないだろう。

 

 ──どうする、どうする、どうする……!

 

 奥にいった侵入者どもが銀の矢を見つけるのは時間の問題。だが、目の前の男を放置して背後から奇襲(バックスタブ)は洒落にならない。

 

「おやおや。どうやらお困りのようですね」

 

 思考のど壺にはまった氷の魔女の耳に、随分と久しい声が届いた。

 この情けない姿を晒すのは癪ではあるが、背に腹は変えられない。

 氷の魔女は口許に笑みを浮かべ、広間の入り口に立つ闇人へと目を向けた。

 

 

 

 

 

「それで、どっち!」

 

「えっと……」

 

 鋭い打撃のように銀髪武闘家から放たれた質問に、見習聖女は手にした蝋燭の火に目を向けた。

 魔法の蝋燭の火は消える気配はないが、いかんせん蝋燭が短い。ローグハンターの体力と合わせて、時間との勝負なのは目に見えている。

 

「あっち!真ん中の通路です!」

 

 炎が揺らめいて示したのは、広間から伸びる無数の通路の一つだった。

 それを聞いた白兎猟兵は頷きつつも、毛皮に包まれた長耳を揺らす。

 

「でも、あの穴じゃあ雪男が入れないんじゃあないかなぁ……」

 

「だからこそ、だよ!」

 

 銀髪武闘家は一瞬迷いを見せた白兎猟兵の背中を押し、新米たちを先導するように穴へと突っ込んでいく。

 雪男たちが反乱を起こさぬように、自分を殺しうる道具を彼らには入れない場所に隠す。

 それなら確かに雪男たちに奪われることはないだろう。だがしかし、それは通路の中に雪男がいないことと同義だ。

 途中で雪男たちでも使える脇道がないかは賭けではあるが、その問題は大丈夫だろう。

 脇道があればすぐにわかるし、何より駆け抜ければまた細道に入る筈だ。

 つまり、待ち伏せされてもその一瞬を凌げればどうとでもなる。

 銀髪武闘家は彼の組み上げた作戦が今のところ成功している事に安堵し、豊かな胸を撫で下ろす。

 

「とにかく、突っ走るしかないっ!早く兄貴の所まで戻らないと!」

 

 後ろを走る新米戦士の声に押されて僅かに加速はするものの「でも慎重さを忘れずにね!」と振り返らずに返しておく。

 誰よりも来た道を戻りたいのは彼女だ。彼一人ではすぐに無茶をする。

 だが、慌ててもどって感じんの矢が折れたらそれこそ一大事だ。彼含めて自分たちは全滅する。

 

「とにかく、次は──」

 

 後ろ向きになった思考を振り切るように声を出すと、白兎猟兵が「あ、まずいかもだ」とぶるりと身を震わせた。

 銀髪武闘家も確かに聞いた。ざざざざ、と。まるで砂が崩れるような、あまり聞く機会のない異様な音。

 彼女の脳裏に五年前のトラウマが蘇り、新米たちも顔色を悪くした。

 

「まさか、ここまで来て……」

 

「嘘だろ、くそ!」

 

 新米武闘家と新米剣士が勘弁してくれと顔をしかめ、新米戦士と見習聖女の二人の表情も似たようなもの。

 音は背後から、細道を進む彼等を包むように押し寄せ、迫ってきている。

 冒険者たちは一斉に振り返り、そして顔色を青くする。

 壁に張り付いた影が躍り狂い、こちらに迫ってきているのだ。

 否、それは影ではない。

 さながら海のように波打ち、蠢きながら襲いかかってくるそれは──。

 

「やっぱり巨大鼠(ジャイアント・ラット)!?」

 

 銀髪武闘家が全身に立った鳥肌を努めて気にせぬよう、自らを鼓舞するように声を張り上げると、新米たちは覚悟を決めると共に足を止め、各々の武器を抜き放つ。

 飛びかかってきた先頭の一匹を新米戦士の棍棒が叩き落とし、足元を抜けようとした一匹にはバスタードソードを叩きつける。

 彼の隣に立つ新米剣士も新米戦士の逃した巨大鼠に攻撃をしかけ、お互いの振り抜き後の隙をフォローし合う。

 棍棒の強打(バッシュ)が巨大鼠の頭蓋を砕き、バスタードソードの一閃が腹を裂き、足を切り落とす。

 

「鼠退治なら兄貴にも負けねぇっ!」

 

「ああ!たまには格好付けないとな!」

 

 新米戦士と新米剣士の二人はそうして互いを鼓舞しあい、片っ端から鼠を叩く。

 二人の後方に陣取った新米武闘家は二人でと御しきれなかった巨大鼠を蹴り倒し、その感覚を嫌悪するように顔をしかめた。

 人ともゴブリンとも違う感覚は、武闘家なら誰しもが通る道だ。銀髪武闘家は数度経験しただけで脳裏から離れなぬなった。

 隣の見習聖女は手頃な石を拾い上げ、布でまいたそれを鋭く投げ打つ。

 それが直撃した巨大鼠は大きく怯み、その隙に新米戦士の強打(バッシュ)が叩きつけられる。

 

「──……大丈夫そうだね!」

 

 銀髪武闘家が巨大鼠を蹴り倒しながら言うと、新米武闘家が「任せてください!」と腰を回して振り返りつつサムズアップ。

 回した腰を戻す勢いを乗せた拳が飛びかかった巨大鼠の顔面に突き刺さって血泡を噴かせた。

 

「私たちが食い止めます!早く矢を探して下さい!」

 

 見習聖女が蝋燭を投げ渡しながらそう言うと、銀髪武闘家はそれを受け取って「頼んだよ!」と白兎猟兵を伴って再び走り出す。

 背後から聞こえる打撃音と少年少女の気合い一閃。鼠の悲鳴。

 何とも頼もしくなった後輩たちの姿を嬉しく思いつつも、意識を切り替えて蝋燭の炎に目を向ける。

 炎は先ほどに比べてだいぶ強くなっている。矢は近づいているようだ。

 

「……みんな、すごいもんだなぁ……」

 

「あったり前よ!」

 

 白兎猟兵の呟きに銀髪武闘家は自信満々に頷いてみせて「私の自慢の後輩たちだもん!」と言うと、白兎猟兵は目を丸くして首を捻った。

 

「ぼかぁ、お姉さんのことも言ったつもりなんですよ。あの雪男を蹴り倒すなんて、流石だと思います」

 

「そ、そうかな?」

 

 白兎猟兵の素直な言葉に、銀髪武闘家は照れ臭そうに顔を赤くして頬をかいた。

 そうだとしても、それは彼がいたからだ。彼がいなければここまでこれなかっただろうし、冒険者を続けられなかったに違いない。

 また彼の事で一杯になりかけた銀髪武闘家は、強くなった蝋燭の炎に意識を戻す。

 銀の矢は、もうすぐそこだ。

 

 

 

 

 

 ローグハンターの相手を通りすがりの闇人に任せた氷の魔女は、視線の先に広がる状況に目を細めた。

 次々と蹴散らされる鼠どもと、それを物ともしない侵入者ども。

 彼らのリーダーがあの黒ずくめの男なら、副官は誰だ。

 氷の魔女は冷静に思考し、すぐさま答えにたどり着く。

 洞窟に入って早々に雪男を蹴り殺した女。あいつだろう。

 記憶は曖昧だが、あの男はあの女だけ大切にしているような節があった。

 

 ──なら、消えてもらいましょう。

 

 氷の魔女は血のように赤い喉を覗かせ、にたりと笑った。鋭い牙が雪の照り返しに輝く。

 途端、彼女の肉体は粉雪の如くさらりと崩れ、すっと鼠と冒険者たちの脇をすり抜けていく。

 風を見ることの出来る者はこの場にいない。ただ寒さに身を震わせて一瞬硬直するだけだ。

 冒険者たちは今は目の前の鼠をどうにかせねばとすぐさま行動を再開し、鼠を迎撃していく。

 戦わなければ生き残れない。それはこの場だけでなく、あらゆる冒険の舞台となった場所で言える真実なのだ。

 

 

 

 

 

「お、これっぽいかな」

 

 薄暗い洞窟を駆けることしばし、不意に白兎猟兵がぴんと耳を立てた。

 銀髪武闘家が消えかけの蝋燭をどうにかこうにか持ち直し、白兎猟兵が示した岩の窪みにある長持に向ける。

 瞬間、蝋燭が最期の力を振り絞って炎を暴れさせると、ついに燃え尽きて消えていった。

 白兎猟兵が蝋燭最期の煌めきを目に焼き付けると、肝心の長持に目を向けた。

 錠前がついているから鍵がかかっており、おそらく鍵は氷の魔女が持っているのだろう。

 

「どうやって──」

 

「ソイッ!」

 

 どうしやって開けようかと白兎猟兵が首を傾げた瞬間、銀髪武闘家が長持の端を踏み砕いた。

 まさかの脳筋(ローグ)式の解錠に中身を壊さないのかと不安が過るが、彼女は構うことなく長持を抉じ開け、ついに見つけた。

 まばゆいばかりに輝く、一本の矢。白銀の光を纏うそれは、なるほど退魔の力がこもっているのだろう。

 見る機会の少ない魔法の武具の一つ。それも叙事詩(じょじし)に歌われるべきものだろう。

 

「これなら……!」

 

「行けるかもだねぇ!」

 

 銀髪武闘家と白兎猟兵は頷きあうと、呼吸を合わせてそっと矢に触れる。

 白銀に輝く見た目の割には温かく、持ち上げてみると羽のように軽い。

 重いかもしれないと二人で持ち上げたが、これなら一人で扱うのにも問題はない。

 

「それじゃあ、キミに任せるね」

 

「ふぇっ……。ぼ、ぼくですかい!?」

 

 何の躊躇いもなく白兎猟兵に矢を渡すと、渡された本人から間の抜けた声が漏れる。

 目を真ん丸と見開く姿は状況の割にコミカルではあるが、銀髪武闘家とてその顔が見たくて渡した訳ではない。

 

「……私、弓とか苦手なんだよね」

 

「あ、はい。なら、わかりました」

 

 影の指す顔でそう言われてしまえば、白兎猟兵とて断る理由はない。むしろ父の敵を討てるというのなら尚更だ。

 白兎猟兵は矢をしっかりと受け取ると、腰のベルトにしっかりと差し込む。

 

「さぁて、急いで戻るよ!」

 

「はい!」

 

 目的の品は確保した。後は急いで戻るだけだ。

 二人の頷きあって走り出し、来た道を戻り始める。

 途中で転がる鼠の死体に転ばぬように気をつけて、時折張っている氷に足を取られぬ気をつけて、慎重に急ぐ。

 徐々に大きくなる戦闘音は、不安をかるものではなく安堵を抱かせるもの。

 銀髪武闘家は思わず笑みを浮かべ、そのままの表情で後輩たちに向けて叫ぶ。

 

「戻ったよ!」

 

 その時だった。ひょうと、背筋の凍り付くような白く冷たい風が吹き抜けたのは。

 

 

 

 

「え──………?」

 

 銀髪武闘家は瞬きを繰り返し、思わず間の抜けた声を漏らした。

 隣の白兎猟兵や後輩たちが何か言っているようだが、全くと言って良いほどに聞き取れない。

 彼女は今、吹雪の真っ只中に放り出されているのだ。

 

「さ、寒っ!」

 

 肌を切る寒さに肩を抱くと、そこにある筈の布の感覚がなく、代わりに感じたのは少々筋肉質な肌の感覚だ。

 彼女は恐る恐る自分の体に目を向け、目を見開いた。

 

 ──は、裸になってるんですけど!?

 

 一糸纏わぬ裸体が晒されていることに気付き、反射的にうずくまって体を隠す。

 寒く、恥ずかしく、裸体だからか吹雪の寒さが異常なまでに身を染みる。

 寒さを通り越してもはや痛い程の寒さに晒されながら、彼女は必死に思考を巡らせる。

 この状況をどうにかしないと死ぬ。間違いなく凍死まっしぐらだ。

 体を支えるものもなく、かといって頼れる仲間も見当たらない。

 急に感じる孤独感に心が締め付けられるが、動かなければ死ぬ。

 

 ──でも、どこに行けば良いの……?

 

 こういう時はいつも隣に彼がいた。

 泣きそうな時、いつも彼が支えてくれた。

 

「うぅ……」

 

 こんな時でも彼を頼ろうてしまう自分が情けなくなり、瞳から涙がこぼれる。

 孤独とは、ここまで強烈なものだっただろうか。

 

「おい……!」

 

 彼女の心にひびが入りかけた瞬間、待ち望んでいた彼の声が鼓膜を叩いた。

 彼女は勢いよく顔をあげ、何度も瞬きを繰り返す。

 見れば吹雪の向こうに人影に見える。さらに目を凝らしてみればあれは──。

 

「無事か!」

 

「ッ──!」

 

 銀髪武闘家は吹雪のなかにも構わず、柔らかな笑みを浮かべた。

 鎧に籠手、脚甲、弓に剣に至る全てが黒に統一され、目元は目深く被ったフードに隠されているが、口許には特徴的な傷痕が残されている。

 

「どこにいたんだよぉ……!」

 

 首筋がちりちりするのも構わず、彼女は立ち上がって駆け出した。

 風が強く視界も悪く、加えて音も聞き辛い。

 それでも懸命に駆けた彼女は彼の下にたどり着いた。

 

「大丈夫か……?」

 

 目尻に浮かぶ涙を指で拭いながら、彼はそう問いかけた。

 

「大丈夫に見える?」

 

「そうだな」

 

 彼はそう言って苦笑すると、彼女の銀色の髪を手梳で梳いた。

 そうやって触れるのが好きだし、されるのも好きなのも事実だ。

 彼女は気持ち良さそうに目を細めた。首筋の痛みなど忘れてしまいそうな程だ。

 

「でも、良いの?」

 

「?何がだ」

 

 銀髪武闘家の問いかけに、彼は首を傾げた。

 彼女は僅かに目を細め、何とも鈍感な彼に問う。

 

「作戦は?魔女の足止めは?」

 

「ああ、それか」

 

 彼はそう言って頷くと、彼女の頬を撫でた。

 その手は氷のように冷たく、銀髪武闘家は眉を寄せる。

 

「やはり銀の矢がなければどうにもならなくてな。渡してくれるか」

 

 彼は静かにそう言って、頬に触れていた手を肩へと滑らせる。

 触れられた所はあまりの冷たさに芯から冷えてしまい、体温が吸われてしまったような錯覚すら覚える。

 銀髪武闘家は小さく微笑を浮かべると、彼の頬を撫でた。

 氷のように、死体のように冷たい彼の体に触れ、彼女は肩を竦めてみせた。

 

「銀の矢ね。ちょっと待ってね……」

 

 彼女はそう言いながら彼の胸に手を触れた。

 鎧を着ているから鼓動は感じられないが、いつも感じる熱を感じない。

 彼女は一度瞑目し、そしてゆっくりと開いた。

 彼女の瞳から、輝きが消えたのはその瞬間だ。

 彼は異常に気付いたが、もう遅い。既に彼のいる場所は()()()()()()だ。

 

「フン!」

 

 銀髪武闘家の口から気合い一閃が漏れ、彼の胸に置いた手に万力の如き力が加わった。

 瞬間鳴り響いたのは骨が砕け散る乾いた音と、内蔵が弾け飛ぶ炸裂音。

 滅多に使うことのない発勁(はっけい)──ワンインチパンチ──と呼ばれるその技は、相手に触れていなければ使うことは出来ない。

 故に滅多な事では使えないのだが、逆に言えば触れてさえいればどうとでもなるのだ。

 それを一切の加減なく相手に叩きつける覚悟。

 全身の力を無駄なく一点に集める技量。

 女性特有のしなやかさと、筋肉による強靭さを備えた体躯。

「武術を極めきれていない」と彼女は言うけれど、心技体の三つが揃った彼女がそれを放てば、間違いなく即死技(クリティカル)だ。

 

「ごぼ………っ!」

 

 彼は口から大量のどす黒い血を吐き出し、数歩下がりながら彼女を睨み付けた。

 その瞳は血のように赤く染まり、ぼたぼたと口から血を垂らしながら、彼は彼女に向けて手を伸ばす。

 それでも彼女は深く息を吐きながら拳を握り締め、大きく振りかぶる。

 

「な、何を……」

 

「あなたは彼じゃない。彼の手はそんなに──」

 

 ──冷たくないんだよ!

 

 

 

 

 

「イィィィィイイイイイヤァァァアアアアアアッ!!!!」

 

 彼女の大咆哮が洞窟を駆け抜けていき、渾身の拳が目の前に立つ隻腕となった氷の魔女の顔面に突き刺さる。

 自慢の牙が文字通り砕け散り、小さな欠片が彼女の拳に突き刺さるが、それはとても些細なことだ。

 

 ──幻覚か何かだったのかな?

 

 酷く痛む頭を抱えながら、銀髪武闘家は息を吐いた。

 格好も洞窟に入る時と変わらずのフル装備。仲間たちは安堵したかのようにホッと息を吐いている。

 銀髪武闘家は自分の拳に突き刺さる氷の魔女の牙を引き抜き、それを指で弄んだ。

 只人のものにしては妙に鋭く長く、先ほど見せた幻覚。

 

「──吸血鬼?」

 

 彼女は最近読んでいない怪物辞典(モンスターマニュアル)の情報を引っ張り出し、氷の魔女をそう断じた。

 当の氷の魔女は壁に叩きつけられ倒れていたが、血を吐きながら立ち上がる。

 

「よくも、よくも、私の牙を……!」

 

 再び飛びかかってきそうな勢いではあるが、本当に吸血鬼なら殴り倒すのは不可能だ。それこそ聖なる加護を受けた拳でなければ。

 自分の拳はそんな出来たものではない。ひたすらに鍛えてきた無骨な拳だ。

 だからこそ、今回の締めは彼女(・・)に譲ろう。

 

「よし、お待たせ!」

 

 銀髪武闘家はそう言いながら、横に転げるようにして()()を開ける。

 

「氷の魔女!」

 

 張り上げたその声は、先程の銀髪武闘家の大咆哮に負けず劣らずの咆哮だ。

 彼女がいた場所に仁王立った白兎猟兵は、その小さな手に、やはり小さな石弓を構えている。

 巻き上げられた弦につがえられたのは、闇の中でも耀く、至高神の神官がこの時の為に残した白銀の矢。

 

「兎庄が一の矢だ!」

 

 びぃんというその音は、弦楽器の音色にも似て美しかった。

 寒々のした空気を切り裂いて飛んだ矢は、己が使命を果たさんとする。

 真っ直ぐにに氷の魔女へと突き刺さった鋭い鏃は、呪われた血肉を焦がし、心臓を貫いた。

 

「──────」

 

 氷の魔女は声をあげる間もなく倒れる。

 

「とんだ間抜けねぇ!」

 

 ──前に、体を起こした。

 思わぬ結果に白兎猟兵は目を見開き、銀髪武闘家も思わず「嘘!?」と声を漏らす。

 これで終わると気を抜いていた新米たちも改めて意識を切り替え、氷の魔女に向けて各々構える。

 氷の魔女は忌々しいものに触れるように白銀の矢に触れ、それを一息の間に引き抜いた。

 汚物のようにそれを投げ捨て、頼みの綱を失い顔色が悪い冒険者たちを一瞥する。

 

「矢だけで私が倒せるとでも?残念だったわね、前の兎人もこうやって失敗したわ」

 

「ふふふ……」と勝ち誇り、不気味なまでに口角のつり上がった笑みを浮かべ、氷の魔女は銀髪武闘家を指差す。

 

「あなたは最後にしてあげる。目の前で仲間を皆殺しにしてから両手足の腱を削いで、小鬼の巣に放り込んであげるわ」

 

 氷の魔女の恐ろしい提案に、銀髪武闘家だけでなく全員が顔を青ざめた。

 彼女の言葉を鵜呑みにすれば、自分たちはここで死ぬことになる。そして死ねば、銀髪武闘家が生きたまま終わることのない地獄を味わうことになる。

 それを阻止するには奴を倒すしかないが、頼みの綱であった矢は効かず、どうすれば倒せるのかもわからない。

 見習聖女の『聖撃(ホーリースマイト)』も効くかどうか。

 新米たち白兎猟兵が緊張の面持ちで冷や汗を流す中で、銀髪武闘家だけはどこか余裕は表情を浮かべていた。むしろ笑んでいるようにさえ見える。

 その笑みを挑発と受け取ったのか、氷の魔女は額に血管を浮かび上がらせながら怒鳴り付けた。

 

「その余裕、いつまで持つかしらね!」

 

 氷の魔女がそう言って真に力ある言葉を紡ごうとした時だ。

 ざり……。と乾いた音が不思議と洞窟に響いた。

 それも一度だけでなく二度三度と続き、こちらに近づいているのか大きくなってきている。

 氷の魔女は「まさか!」と声に出して振り返ると、目を見開いた。

 洞窟の闇の奥に揺れる橙色の炎と一対の黄金の輝き。それが左右に揺れながは、ゆっくりと近づいてきているのだ。

 

「あぁ……。嘘、嘘よ……」

 

 途端に怯え出した氷の魔女に新米たちと白兎猟兵は顔を見合わせて首を傾げた瞬間、彼らの背筋を冷たいものが駆け抜けた。

 蛇に睨まれた蛙とは、この事を言うのだろうか。呼吸するのがやっとで、逃げろと本能が告げているのに体が全く動かない。

 

「来るな、来るな……!」

 

 氷の魔女は子供のように首を左右に振って逃げようとするが、腰が抜けたのか無様に尻餅をついた。

 彼女のそこまでの恐怖を刻み込んだ男が、闇の奥から姿を現す。

 

「誰が、あいつを、ゴブリンの巣に放り込むだと……?」

 

 一切の抑揚の消えた無感情な声。

 右手に握る金色の剣は持ち主の怒りを体現したかの如く業火を纏い、大気を焦がして蒸気を放っている。

 

「誰が、あいつを、ゴブリンの巣に放り込むだと……?」

 

 純粋な怒りな支配されたローグハンターは、左手に持っていた闇人の生首を足元に落とし、躊躇いなく踏み砕く。

 頭蓋を砕く硬い感覚と脳みそを掻き回す気持ち悪さも、今はどうでもいい。

 ローグハンターは砂利を踏む乾いた音と血をしたためる湿った音と共に歩き出し、一歩一歩、相手の恐怖心を煽るようにゆっくりと、近づいていく。

 

「ま、待て!じょ、冗談だ!な、なあ!さっきの言葉は取り消すとも!」

 

 氷の魔女はプライドも何もかもを投げ捨て、目の前の死神から逃れんと言い繕った。

 だが、彼はこんなに止まらない。否、止まるわけがないのだ。

 ローグハンターは逃がすまいと氷の魔女の左足を踏み砕き、骨と筋肉を踏みにじる。

 氷の魔女の口からもはや聞き取れぬ程の高音の悲鳴が漏れるが、それは冒険者たちにとっては幸運だった。

 痛みつけられている人の悲鳴など、聞いていて良いものではない。

 

「安らかに眠れ。汝が殺めた者たちの悲鳴を聞きながら……」

 

 ローグハンターは言葉だけの祈りを口にすると、業火を纏う金色の剣を振り上げる。

 破れかぶれとなった氷の魔女は一途の希望を託して自身の目に意識を傾けた。

 恐怖の対象たる彼を映す赤い瞳に亀裂が入り、光輝き、そしてえきたいが噴き出した。

 生物を容易く両断するその攻撃も、ローグハンターは軽く首を傾けるのみで避けてしまう。

 結果、彼に与えた痛痒(ダメージ)は頬に薄く残る赤い一筋のみ。

 最期に一矢報いることも出来ず、むしろ相手のさらなる激情を誘った氷の魔女は──。

 

「!!!!──────────………………」

 

 無慈悲に降り下ろされた地獄の業火に焼かれ、灰さえも残さずに焼き付くされた。

 きっと氷の魔女は死の間際に知った事だろう。伝説の武具よりも恐ろしい、人間の怒りというものを。

 

 

 

 

 




誤字脱字、アドバイス、感想など、よろしくお願いします。




期限は『Extra Sequence01 いと慈悲深き地母神よ』が完結してから+1週間です。随分と今更な事を聞きますか、ダンまちとゴブリンスレイヤーコラボイベント『Dungeon&Goblins』にログハン一党をぶち込んだものをーー

  • 見たい!
  • 別にいいです……。
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