SLAYER'S CREED   作:EGO

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Memory17 反省会(アフターセッション)を始めるよという話

 ──二週間後、西の辺境の街。

 

「ほんじゃまあ、俺たちの無事と、俺たちを冒険に巻き込みやがったローグハンターの野郎に!」

 

 ──乾杯!

 

 体に幾重もの包帯を巻いた槍使いの音頭を合図に、その場に集った冒険者たちは一斉に杯を掲げ、景気よく打ち鳴らした。

 並々と注がれたエールが踊り、舞った水滴が双子の月に照らされてきらきらと輝く。

 ここは冒険者ギルドの跡地を利用した酒場。

 酒場といっても瓦礫を退かし、砕けた床を即席で直し、そこに眠る狐亭から提供された円卓や椅子を運び込み、仮の酒場としただけの事だ。

 ギルドが再建されるまでの間、期間限定で開かれる酒場。誰か呼んだか『月見の酒場』。

 満天の星空と双子の月を眺め、優しげな月光に照らされながら酒を飲めるなど、中々に乙というものだ。

 ぐびぐひと喉を鳴らしながら一杯目の麦酒を飲み干した女騎士は、包帯に包まれた挙げ句三角巾で吊られた左腕を不満げに睨む。

 

「酒は美味いが腕が動かせんのはあれだな。不便だ!」

 

 皿にこれでもかと盛られた肉を右手で掴みとり、苛立ちをぶつけるように口に運ぶ。

 噛んだ瞬間に弾けた肉汁に「あふっ!」と思わずたじろぐが、地獄の業火に比べればと躊躇う事なく噛み締める。

 彼女の隣でやれやれと首を振るのは、顔の左半分を包帯に隠した重戦士だ。

 僅かに感じる遠近感のずれに戸惑いながら、武骨な手でフォークを握り、それを肉塊を力任せに突き立てる。

 勢い余ってだん!と卓の上に並べられたものが跳ね上がるが、それは無事に着地を決めて食べられる時を大人しく待つ。

「危ないですよ」と彼の一党である半森人の剣士が言うと「ああ悪い」と僅かに反省。

 片目が見えないというのには慣れないが、まあすぐにどうにかなるだろう。

 いいや。しばらく、あるいは一生このままなのだから慣れねばならぬ。

 少年斥候と圃人巫術師の二人は、久しぶりの再会に喜びつつも、これまた久しぶりのご馳走を前に涎を垂らす。

 

「食べて良いんだぞ?」

 

 何故か手を出そうとしない二人に女騎士が言うと、「「それじゃあ遠慮なく!」」と二人は肉の盛られた皿に飛び付くように手を伸ばした。

 山のようだった肉たちも、食べ盛りの子供が二人いるとなるとすぐになくなっていった。

 半森人の剣士が酒場を慌ただしく走り回る獣人給仕を呼び止め、追加の料理を注文しておく。

「それにしても」と圃人巫術師が口許のソースを拭いながら言うと、「今回は大変でしたね」と労い一つ。

「そうだろう。そうだろう……!」と早くも酔い始めた女騎士が彼女を片腕で抱き寄せ、すりすりと頬擦りを始めた。

 只人と年齢の基準が違う圃人とはいえ、まだまだ子供と言って良い彼女の頬は、ぷにぷにとして柔らかい。

「あ、あの、助けて……!」と少年斥候に助けを求めるが、彼は黙々と肉を食すのみ。半森人剣士が「野菜も食べないと駄目ですよ」と念を押すと、渋々と言った様子でサラダをつつき始めた。

「あ、あの……!?」と僅かに声を上擦らせながら助けを求めると、重戦士がこれまた重いため息を吐いて圃人巫術師の腕を掴むと、ずば抜けた膂力でもって彼女を引き剥がす。

 助けられた彼女は「どうも」と礼を言うと、見向きもせずに料理に舌鼓を打っていた少年斥候に襲い掛かった。

 きゃいきゃいと肉を取り合って騒ぐ二人を他所に、女騎士は不満そうに頬を膨らませた。

 

「むぅ。お前はもう少し女の扱いをだな」

 

「それはこっちのセリフだ」

 

 女騎士の指摘に重戦士は苦笑混じりに肩を竦め、「ほれ」とエールが注がれた杯を彼女に差し出す。

 それがまた不服だったのか、女騎士は眉をハの字にして不満を露にする。

 

「酒で口説くのはどうなのだ?」

 

「いらないなら良いんだぜ?」

 

 彼女の問いに杯を下げながら問い返すと、「いや、貰う」と体を前のめりにしてゆらゆらと手を伸ばし、重戦士が持つ杯を奪おうとするが、いかんせん今の彼女は好調にはほど遠い。

 片腕が使えない事を抜きにしても、既に出来上がっていた女騎士はそれだけで体勢を崩し、重戦士の胸に飛び込むように倒れこんだ。

 突然の事態に重戦士は「うお!?」と驚きを露にするものの、しっかりと彼女を抱き止める辺り流石と言うべきだろう。

 酔いのためか照れのためか、二人は頬を赤く染めながら見つめあい、どうしたものかと目を泳がせる。

 

「……リーダーが離せばいいんじゃね?」

 

 少年斥候が小声で言うと、半森人剣士は口に指を当て『静かに』と動きで示す。

 その動作に貴族とは違う気品があるのは、半分とはいえ森人の血が流れているからだろう。

 

「今はそっとしておきましょう」

 

 彼は小声でそう付け加え、圃人巫術師は無言の頷きでもって応えると、とたとたと足音を立てて卓を離れ、それなりに親睦のある一党──青年戦士たちの下だ──に合流せんと走っていった。

 

「いやー、今回ばかりは死ぬかと思ったぜ」

 

「そ、ね……」

 

 重戦士の一党がたむろしていた卓から僅かに離れた──むしろ酒場の中央と言うべき──卓には、槍使いと魔女、そして野次馬の冒険者が集っていた。

 魔女は僅かに火傷したり擦り傷が出来たりした程度だが、槍使いは体のあちこちに包帯を巻かなければならない程度には重症だ。

 それでもこの場にいるのは、冒険者としての最低限の矜持(プライド)だろう。

「それで、どうだったんだよ」と野次馬の冒険者が問うと、槍使いは「しんどかったな」と一言返す。

 だが言葉とは裏腹にその表情は晴れ晴れとしたもので、やりきったと言わんばかりの覇気に満ちていた。

 その表情のまま「お前はどうだよ」と隣の魔女に問えば、「大変、だった、わ」といつものように煙管を吹かして返すのみ。

 それを聞いた冒険者たちは驚きを露にし、行かなくて良かったと僅かに安堵。

 ローグハンターと並んで辺境最強と名高い彼にそうまで言わせるのだ。並の冒険者ではきっとこの場に帰っては来られまい。

 

「にしたってお前、武器を駄目にしたんだろ?」

 

「それはお前らだって同じだろうが」

 

 冒険者から投げられた心配の声に、槍使いはばつが悪そうにエールをあおりつつ返す。

 槍使い愛用の槍は、番犬諸ともに『核撃』で塵も残さずに消えてしまった。予備の武器はあるから良いが、それなりに気に入っていたからには少々残念。

 他の冒険者たちに関しては、アサシンがギルドの天井をぶち抜いて宣戦布告し、そのまま戦闘になったのは早朝。まだ寝ていた者とているだろう。

 逃げ出したは良いが、大事な商売道具や金目の荷物を持ち出せた者は果たしてどれ程のものか。

 僅かに思慮する槍使いに「ああ、気にすんな」と声をかけたのは、野次馬の中の誰だろうか。

 

「建物が崩れるのに巻き込まれただけだからな。まあ、剣だの鎧だのは無事だったよ」

 

 赤ら顔でにやにやと笑いながら、とある冒険者がばんばんと槍使いの肩を叩く。

 突然肩を叩かれた槍使いな「いってぇな、くそ!」と体を跳ねさせて怒鳴り、相手の手を叩き落とすが、僅かに安堵したように──けれどそれを隠すように──「だが無事で何よりだったよ!」とさらには怒鳴った。

 何だかんだで人当たりの良い彼だ。相手に良いことがあれば多少は喜びもしよう。

 それが同業者の明日にも関わる事であれば、尚更に喜ぶべき事だ。

 

「ああ、くそ。いきなり叩きやがって」

 

 その同業者に叩かれた肩を回して具合を確かめていると、隣の魔女が「大丈、夫……?」と肉感的な肢体をゆらりと揺らして顔を覗きこんできた。

 僅かとはいえ前のめりになるという都合上、彼女の豊満な胸が潰れて野次馬たちの視線が集まったのは仕方がない事。

 むしろ彼女はわざとやっている節もある。見せつけたいという訳ではなく、場を和ませるついでに相手の反応を楽しんでいるのだろう。

 対する槍使いは慣れたもので、彼女の胸元には一切目もくれないが、いきなり目と鼻の先に現れた彼女の顔には流石に驚きつつも、「大丈夫だよ」と白い歯を見せてニヤリと笑う。

 まあ長年の付き合いがある彼女には、それが強がりである事はバレてはいるのだろうが。

 だが自分が大丈夫と言えば、彼女は深く掘って来ない事も既に知っている事だ。

 彼の予想通りに魔女は「そ……」と息を漏らして頷くと、柔らかな笑みを浮かべて元の位置へ。

 途中で肉感的な足を組み換えると、野次馬の視線はそちらに集まった。

 

 ──本当にこういうとこもすげぇよな。

 

 槍使いはシチューを皿ごと持ち上げてあおりながら、横目で魔女の姿を見る。

 己の所作一つで相手の視線を誘導し、己の思い通りに行動をさせる彼女の姿は、確かに魔女と呼ぶに相応しい。

 冒険者は数多いといえど、彼女と同じ練度で同じ事を出来る者は多くはいるまい。

 それこそ噂に名高い賢者の学院の教師にもいはすまい。

 だが彼女には出来て自分には出来ないことがあるように、自分に出来て彼女に出来ないことも多々あるのだ。ある筈だ。

 それらが上手く噛み合うからこそ、この二人は一党としてやってこられたのだろう。

 

 ──噛み合っていると言やあ。

 

「ゴブリンスレイヤーさん!ですから無理はしないでください!」

 

「その通りだよ。朝からふらふらなんだから」

 

 酒場の端。ギルドがこうなる前から彼らの指定席である円卓に、ゴブリンスレイヤーの一党と、頭目たる彼の面倒を見る牛飼娘が集っていた。

 かつては一人──たまに三人だったその場所に人が多く集まるのは、見ていて何だか気分が良くなる。

 彼らも彼らで噛み合ったから、ああして集まっているのだろう。

 

「──で、一つ目野郎倒してどうしたんだよ」

 

「あ?ああ、話の途中だったな。その後は──」

 

 野次馬たちの催促に意識を戻し、槍使いは再びまだ新しい思い出話を再開した。

 聞くものが聞けば鼻で笑いそうな、けれど確かに彼らが体験した、荒唐無稽な冒険譚。

 神々が予期しなかったその物語も、終わってしまえば酒の肴の一つだ。

 

「むぅ……」

 

 女神官と牛飼娘に世話をされるいつもの格好のゴブリンスレイヤーは、震える自分の手に目を向けて小さく唸った。

 疲労によるものも大きいだろうが、帰路を含めて手の震えが止まらないのだ。

 悪魔から奪った武器を振り続けたことがいけなかったのか、あるいは攻撃の一部に呪いの類いでもあったのか。

 考えた所で傷は癒えているとしか言いようがなく、疲労によるものが大きいだろうという結論付ける他にない。

 だが、震える手ではフォークもスプーンも充分には扱えない。物を刺せてもすぐに抜けるし、物を掬ってもすぐにこぼしてしまう。

 

「むぅ……」

 

 目を細めて再び唸り、どうしたものかと思慮をした。

 彼が困っていると気付いた牛飼娘は「仕方ないなぁ」と言葉の割に嬉しそうに豊満な胸を張ると、彼のフォークを拝借して彼が刺そうとしていたものを突き刺す。

「はい、どう──」と言いかけて、その手を空中でさ迷わせた。

 彼はいつものように兜を被り、じっとフォークの先に刺さった芋を睨んでいる。さて四角く切られた芋を、どこから兜の中に突っ込むべきか。

 いつもの彼なら器用に兜の隙間から入れるのだろうが手の震えが止まらず、代わりに食べさせようと意気込んだ牛飼娘はこんなことをするのは初めてだ。

 いまだに湯気を立たせるそれを不用意に突っ込み、彼に火傷をさせようものなら、何と言われるか……。

 

 ──どうせ『気にするな』って言ってくるんだろうなぁ。

 

 彼の事だから許してはくれるだろうが、そうなると今度は自分が許せなくなるし、何より次がなくなるだろう。

 そもそも次があると考えている時点であれではないかと考えたが、彼女はそれを表情には出さずに困り顔を保ち続けた。

 もし次があれば、その時は彼と今のままなのだろうかと、僅かに考えてしまったのだ。

 わざとらしくうーうーと唸る牛飼娘を前にして、ゴブリンスレイヤーは震える手を兜に伸ばす。

 いつもの倍近い時間をかけて固定具を緩め、一度呼吸を整えてから一気に脱ぎ去る。

 冒険者の割に白い肌と、それとは対照的な赤い瞳を外気に晒し、「これで良いか」と牛飼娘に問うた。

 

「え?ああ、うん」

 

 彼の突然の行動に目を丸くしつつ、牛飼娘は「あ、あーん」と今度こそ芋を差し出した。

 兜越しならともかく、こうして素顔の彼とこうも近づくのは久しぶりなように思えるし、割りと最近にもあったかなとも思う。

 彼は何度か息を吹き掛けて熱気を飛ばすと、「いただきます」と小声で呟いて芋を口にした。

 何度か咀嚼してから飲み込み、何て事のないように「次を頼めるか」と彼女に告げた。

「ま、任せて!」と狼狽えながら意気込むと、「何がいい?」と問いかけた。

 最初の一度を越えてしまえば後は楽だ。回りの皆とて──、

 

「「………」」

 

 ゴブリンスレイヤーを挟んで向こうに座る女神官と、冒険者相手に給仕の手伝いをしている受付嬢以外は気にした様子はない。なら大丈夫。きっと、たぶん、平気。

 

「なんじゃい、かみきり丸は相変わらず不調かいな」

 

「そのようだ」

 

「ふぅむ。拙僧の奇跡も傷は癒せども疲労となると、少々厳しいですな」

 

「気にするな」

 

「もう、そんなんで冒険に行けるの?」

 

「わからん」

 

 他の卓で飲み食いしていたのだろう鉱人道士、蜥蜴僧侶、妖精弓手が、にやにやと笑いながらゴブリンスレイヤーに声をかけ、彼の事を忘れていたと牛飼娘は赤面しながら俯き、手元で指をくるくる回す。

 今さら何でもないと返すわけにはいかず、かといってこの場を放れるわけにもいかず、どうしたものかと視線をさ迷わせた。

 そこでふと気づく。

 

「あの二人は?」

 

 肝心のローグハンターと、彼の相棒たる銀髪武闘家がいないのだ。言ってしまえば彼の一党もいないのだが、いつの間に消えたのやら。

 

「先ほど出ていかれましたわ。武闘家様と妹様、大司教様もご一緒です」

 

 彼女の疑問に答えたのは、「失礼しますわ」と円卓に加った令嬢剣士だ。若干ながら酒が回っているのか、その頬は僅かに赤い。

 

「探していたら伝えてくれと、頼まれてしまいまして」

 

 遅れて現れた女魔術師がそう付け加え、「何やら話があるそうです」と言いながら脱いだ三角帽子を卓の上に。

「そうなんだ」と牛飼娘が頷くと、「まさか、冒険の打ち合わせ!?」と狼狽えた妖精弓手が後を追おうとするが、「あい、待ちなされ」と蜥蜴僧侶が待ったをかけた。

 

「頭巾のにもやることがあるんじゃ。わしらは気にせず飲むに限るわい」

 

 鉱人道士が何やら訳知り顔で蜥蜴僧侶と目配せすると、ぐびりと火酒をあおり「誰か飲み比べでとせんか!」と卓に飛び乗り杯を掲げた。

「よし乗った!」と真っ先に杯を掲げたのは女騎士だ。既に出来上がった赤ら顔だが、据わった目で鉱人道士を睨み付ける。

 後ろでは重戦士がやれやれとため息を漏らし、少年斥候は青年戦士らに混ざってまた別の意味でやれやれ!と声援を送る。

 槍使いは受付嬢から毒消し(アンチドーテ)を受け取りつつ「俺もやるぜ!」と杯を掲げ、魔女は「誰が、勝つ、かしら、ね……?」と挑発するように片目を閉じながら煙管を吹かす。

 それを合図に次々と冒険者たちは次々と杯を掲げ、参加を表明すれば、次に始まるのは賭け事で、誰かの掛け声を合図に野次馬たちの声が次々と重なっていった。

 いつもの場所のいつもの喧騒。一つ違うのは、ギルドの天井がないことか。

 まあそんな事はどうでも良い。月が神々の目の代わりと言うのなら、見せつけてやれ。

 

 ──今回の物語(シナリオ)は、俺たちの勝ちだと。

 

 

 

 

 

 ギルドの裏庭。演習場跡地。

 ローグハンターとアサシンの激闘があったその場所も、どうにかただの広場程度には持ち直していた。

 双子の月に照らされ、夜空に輝く星々に照らされるその場所に、幾人かの冒険者がいた。

 ローグハンターをはじめ、銀髪武闘家、勇者、剣の乙女、剣聖、賢者。

 酒場から拝借してきた料理の大皿を囲み、それぞれの側には麦酒の入った杯が置かれている。

 六人中五人が女性、それも誰が見ようと美人だと断言する彼女らに囲まれたローグハンターは、まず間違いなく嫉妬の対象となることだろう。

 まあ彼の恋愛対象は一人のみなのだが、それを知っていてもだ。

 だが、そこまで彼を知っている者ならそこではない理由で驚くだろう。

 あのローグハンターが鎧はともかくローブすらも脱ぎ、平服姿でいるのだ。加えて手首には何もつけられていない。つまり、今の彼は()()()()()()()()()()()()のだ。

 

「むぅー」

 

「おい」

 

 不満げに自分の髪を引っ張ってくる勇者を、当のローグハンターも同じように不満げな表情で睨み付ける。

 彼女の気持ちはわからなくもない。同じ黒い髪だとはしゃいでいたのに、今自分の髪は色が抜け落ちたように真っ白だ。

「綺麗だよ?綺麗だけどさ……」と髪を梳きながら言うと、「何があったの」と問うた。

 ローグハンターは撫でてくる勇者の手をそのままに、「呪われたのかもな」と何とも曖昧に言いつつ肩を竦めた。

 

「呪われたって……」

 

「割りと本当かもよ?」

 

 信じられないと言わんばかりに彼の言葉をおうむ返しすると、彼の隣に腰かける銀髪武闘家が苦笑混じりに肯定した。

「倒れてたもんね」と彼の肩に手を置きながら言うと、「やられたからな」とさも当然のように言う。

 それで無事に二人で帰ってくる辺り、流石は銀等級冒険者と言うべきだろうか。

 賢者は勇者に混ざって彼の髪に触れ「見事に白い」と興味深げに目を細めた。

 さらさらと手触りが良く、指に引っ掛かる様子や枝毛すらないのは、女性として負けたような気がしてならないのだが、彼は手入れ等をしている様子もなく、髪も適当にうなじの辺りで纏められているだけだ。

 視線を興味深いものから不満げなものへと変え、じっと彼の髪に触れ続ける。

 

「どうして色が落ちたのか。手入れをしていないのにこんなに状態が良いのはなぜか。気になる……」

 

「人の髪を触りながらぶつぶつ言わないでくれ、気味が悪い」

 

「まあまあ良いではありませんか。こうして距離が縮まったのなら」

 

 肩越しに賢者を睨むローグハンターに、剣聖が朗らかに笑いながら言った。

 確かに賢者は彼に当たりがきつい事はあったが、それは彼が簒奪者(さんだつしゃ)の尖兵に成り果てる事を危惧してだ。その危機が去ったのなら、多少距離感が近くなっても構うまい。

 

「これで至高神様の託宣(ハンドアウト)も無効となったのでしょうか」

 

 剣の乙女が見えざる瞳で彼を熱っぽく見つめながら問うと、ローグハンターは僅かに思慮して「……どうだろうな」と曖昧な返事。

「え?」と声を漏らしたのは、果たして誰だろうか。

 それに構わず、ローグハンターは言う。

 

「大司教が見たと言う夢は、俺じゃなく俺に似た誰かなのかもしれない。十年後か二十年後、あるいは百年後の」

 

 指で円を描きながら、「生命は常に廻っている、だろ?」といつかに聞いた円環(サークル)の話を例えに出しつつ、「だから、なんだ」と僅かに言葉に迷いつつ、

 

「その託宣の事は、何かしらの形で残しておくべきだと思う。粘土板でも何でも、形の有無はともかくとしてな」

 

 彼はそう告げると勇者と賢者の手を払い、今度は勇者の髪を手で梳始めた。

 彼女は気持ち良さそうに目を細め、猫のようにごろごろと喉を鳴らす。

「器用な奴」と兄としての優しげな笑みを浮かべつつ、ローグハンターは言葉を続ける。

 

「先人たちがそうしてくれたように、俺たちが未来の誰かに警告を残しておけば、未来の勇者がどうにかしてくれるだろう。お前らがそうしたように」

 

 勇者たちを示しながら言葉を締めくくり、「まあ、無いに越したことはないがな」と苦笑を漏らした。

 

「確かに無いに越したことはないよね~」

 

 いまだに頭を撫でられている勇者は少々気の抜けた声で応じつつ、「もっと撫でて~」と既に撫でられているにも関わらず尚も催促。

 ローグハンターは「この欲しがりめ」と笑いつつ、ぐしゃぐしゃと少しばかり乱暴に頭を撫で始めた。

「ん~♪」と上機嫌そうに声を漏らす勇者を恨めしそうに睨むのは、銀髪武闘家と剣の乙女の二人だ。

 片や恋人、片や片想い。立場と重さは違えど、彼に向ける好意は同じ。

 気を抜いているとはいえ二人の視線に気付いたローグハンターは肩を竦め「手が足りないな」と苦笑を漏らし、一言告げてから勇者から手を離すと、右手は銀髪武闘家に、左手は剣の乙女の頭に置いた。

 

「ともかく、今回の件は迷惑をかけた」

 

「気にしない、気にしない。キミが何かに巻き込まれるのはいつもの事だからね」

 

「あなたの為なら、例え火の中水の中ですわ」

 

 銀髪武闘家はにこにこと楽しそうに笑いながら、剣の乙女はどちらかというと恍惚の表情を浮かべながら、髪の毛越しに感じる彼の手の感覚と温もりと言葉を堪能するように言った。

 それぞれの反応を示す二人に困り顔を浮かべつつ、それもまた個性かととりあえずは納得。

 

「しかし、あなた方が対峙したという件の女性は、一体何者だったのですか?」

 

 剣聖がふとした疑問を問いかけるように、今回の冒険の核心となる問いを投げ掛けた。

 直接対峙した銀髪武闘家も「何だったんだろ?」と首を傾げ、中々に腹立たしい事を言われていたなと眉を寄せた。

 ローグハンターも二人から手を離して「さあな」と答え、「神を自称するろくでなし(ローグ)だ」と付け加えた。

 確かに彼女は元の世界なら手も足も出ぬほどに強かったのだろう。だがここは四方世界、骰の目で全てが決まる世界だ。

 盤の上に出てしまえば、かの魔神王でさえその事実からは逃げられぬ。それは神とて同じだろう。

 彼女はもっと長い目で作戦を練り、盤の外からあれこれと影響を与えるだけで良かったのだ。何を勝負を焦ったのか。

 

 ──いや、俺のせいか。

 

 ローグハンターは自分にそう言い聞かせる事で思考を切り替え、顎に手をやり僅かに唸る。

 彼女は言葉の節々で自分を待っていたというむねの発言をしていた。

 自分がこの世界に転がり込んだからこそ彼女は動きだし、友人たちをそれに巻き込んでしまったのだろうか。

 だがしかし、それなら転がり込んだ直後から行動を起こしておけば良かっただろうに、なぜ七年近く経ってから動き出したのか。

 疑問は尽きず、だがその答えを知るには余りにも遅すぎる。

 

「どうかした?」

 

 脳内で次々と疑問を巡らせるローグハンターの視界に、銀髪武闘家の顔が入り込んだ。

 彼女の銀色の瞳がまっすぐにこちらを見つめ、そこに映る自分の顔は何とも張り詰めたものだ。

 いかんいかんと自分の頬を張り、「考え事をしていただけだ」と笑みを浮かべた。

 

「本当に?」

 

「本当だとも」

 

 じっと瞳を覗きながらの問いかけに、ローグハンターは胸を張って頷いた。

 だが彼女は目を逸らす事なく見つめ続け、何やら頬を朱色に染めて笑みを浮かべた。

 

「やっぱりキミの目はこっちの方が良いね」

 

 そっと彼の頬を撫でながらそう告げて、「夜空みたいに暗いけど、とっても優しい色」と彼の蒼い瞳をそう評した。

 横の剣の乙女は彼女の発言で彼の瞳の色を夢想して、これまた恍惚の表情を浮かべる。

 彼女の反応を多少気味悪がりながら、勇者は「そうだよね」と銀髪武闘家に同意を示す。

 女性陣に誉められたローグハンターは照れ臭そうに赤く染まった頬を指で掻きながら、そっと三人から目を逸らした。

 

「それにしても、今回の件はどう報告するべきでしょうか」

 

 話が進まないと一度咳払いを挟んで剣聖が問うと、ローグハンターは「別に難しくはないだろう」と断言した。

 

「冒険者ギルドを襲撃した祈らぬ者(ノンプレイヤー)を追跡。根城にしていた島にたどり着いたから、そこに待ち受けていた魔物とその主を討伐。いつも通り、突撃殲滅(ハックアンドスラッシュ)しただけだ」

 

 苦笑混じりに彼はそう告げ、「むしろ報酬の方が心配だがな」と配そうな声音で告げた。

 彼とて冒険者。金がなければ宿には泊まれず、それが続けば生きられぬ。

 事前に準備や交渉をしていたとはいえ、どれ程の額が貰えるのかは不明瞭だ。相場通りか、あるいはギルドの修繕の為に何割か持っていかれるか。

 様々な不安が渦巻くなかで「それはわたくしが掛け合いますわ」と剣の乙女が言えば、「任せた」と返す他にない。

 

「場所はわかったから、今度あの島を調べてみたい」

 

 不意に呟いたのは賢者だ。冒険者たちの視線が一斉に向けられたが、彼女は「気になる」と瞳に断固たる意志を込めて告げる。

 

「たぶん、あそこは盤の隅」

 

「転がり落ちれば盤の外。外に興味でもあるのか?」

 

 ローグハンターが手振りを交えながら問うと、賢者「外には興味ないけれど」と若干の否定をしつつ、「あの遺跡は気になる」と言葉を続けた。

 あの場所には見たこともない材質の何かが多かった。未知を貪欲なまでに探求する彼女が気になるのは仕方がない事だ。

 

「何もないと思うがな」

 

 ローグハンターはエールの注がれた杯を手の中で弄びながら、僅かに目を細めた。

 

「過ぎた力は人を不幸に、過ぎた技術は人を破滅させる。調べるにしても慎重に頼む」

 

「わかってる」

 

 彼からの忠告を聞きながら、賢者は「いつ出発する?」と勇者と剣聖に短く問うた。

 問われた二人は顔を見合わせ、もう少し休んでからと結論を出した。

 島は生き物ではないのだから逃げはしない。生き急がずに準備を整えてからで良いではないか。

 

「先生!先生、どこですの!?」

 

 ひどく弛緩した雰囲気が流れる裏庭に、場違いに張り詰めた声が響いた。

 声からして令嬢剣士であることな明白で、彼女が先生と呼ぶのはただ一人。

 ローグハンターはわざとらしくため息を吐くと、「こっちだ」と声を張り上げた。

 とたとたと騒がしい足音をたてて近づいてくると、令嬢剣士は「大変ですわ!」と顔色を青くしながら酒場の方を指差した。

 

「なんだ、盗賊が報復にでも来たか」

 

「違います!皆酔っぱらってしまって、収拾がつかないのですわ!」

 

「酔っぱらったって……」

 

 ローグハンターは目を細め、仕方がないと言わんばかりに息を吐く。

 誰かが暴れだしたか、あるいは泥酔して倒れたか、ともかく人手がいるらしい。

 

「それじゃあ、戻るとするか」

 

「ほおらね」

 

 ローグハンターの提案に銀髪武闘家が大皿の料理を口に放り込みながは頷くと、他の冒険者たちも同意を示す。

 勇者が空になった大皿を抱え、剣聖と賢者が器用に杯を回収、剣の乙女が令嬢剣士に「何があったのですか?」と歩きながら軽い聴取を始める。

 彼女らの背中を見送るローグハンターは、また一つ息を吐いた。

 

「どうかした?今日一日何だが悩んでるみたいだけど」

 

 そんな彼の顔を覗きこんだ銀髪武闘家が、「相談なら乗るよ?」と笑みを浮かべた。

 

「相談……。そうだな、話を聞いてくれないか」

 

「うん、良いよ。その前に中に──」

 

 何やら話があると聞いた銀髪武闘家は、酒場の方を示して中に入ろうとしたが、言葉を遮る形でローグハンターが先手をうった。

 なんの脈略もなく、その場に跪いたのだ。

 

「え、あ、ちょっと……?」

 

 彼の突然の行動に狼狽えつつ、「ど、どうしたの?」と更に問う。

 前を歩いていた勇者たちも異変に気付き、なんだなんだと二人の方へと戻ってくるが、覚悟を決めたローグハンターにはそんな事は些細な事だ。

 一度を深く息を吸い込み、後は勢いに任せて吐き出した。

 

「──シル!」

 

「ひゃ、ひゃい!?」

 

 突然呼ばれた自分の愛称に驚きの声をあげた銀髪武闘家──もといシルヴィアの左手を取り、ローグハンターは彼女の薬指に何かを填める。

 何度も練習したように一切の淀みがないのは、それこそ彼の覚悟の現れただろう。

 彼はゆっくりと彼女の左手を離し、跪いたまま彼女を見上げて宣言した。

 

「俺と──!」

 

 異常なまでに重くなった口を根性のみでこじあげ、逸らそうとする自分の瞳を意志のみで真っ直ぐと彼女を見据えさえ、放つ言葉は一世一代の大勝負。

 

「──け、結婚して、くれない、か……?」

 

 僅かに言葉が詰まったことと疑問符がついたことに頭の中で舌打ちを漏らしつつ、僅かな羞恥心で顔が耳まで赤くなる。

 ローグハンター(ジブリール)からの突然の告白に銀髪武闘家(シルヴィア)は面を食らうが、言葉の意味を理解すると共に目から涙が溢れた。

 ああ、ようやく、ようやく、彼から言ってくれたと。

 恋人になって欲しいと告白をした時に告げた言葉が、ようやく実を結んだと。

 彼女は涙を拭いながらその場に膝をつき、彼と顔の高さを合わせると、優しく彼の頬を撫でた。

 

「遅いよ、もう……」

 

「すまん。情けない限りだ」

 

 自分の言葉に対して素直に謝る彼に笑みをこぼし、「でもキミらしいね」と励ましひとつ。

 彼の頬を撫でていた手で、彼の頭をぐいと自分の方へと寄せ、互いの額を当てて体温を共有する。

 彼の温もりが、昔と同じで自分の体も心も温めてくれる。

 彼女の温もりが、壊れかけた自分の癒し、前へと進めてくれる。

 もはや答えは言わずとも、きっとわかってはいるだろうけれど。

 

「俺はお前を愛してる、シル」

 

「私もキミを愛してるよ、ジル」

 

 ふふと互いの愛称と共に笑顔を交換し、そのまま無言で口付けひとつ。

「キィ──……ッ!」と天高く舞っていた鷲が二人を祝福するように鳴くと、それを合図に周りの時が動き出す。

 具体的に言うなれば、剣の乙女が目を回して倒れ、彼女を剣聖と賢者が慌てて支え、はしゃいだ勇者が「皆、お兄ちゃんが、お兄ちゃんが!!!」と酒場の方へと駆けていき、令嬢剣士は顔を真っ赤にして固まった。

 そんな彼らを他所に、お互いに向き合いながら膝をついていた二人は肩を組みながら立ち上がり、顔を見合わせて笑みを浮かべた。

 シルヴィアは改めて自分の左手を見つめ、月光に透かすように高く掲げた。

 優しげな月光に照らされて、薬指に填められた指輪が綺麗に輝く。

 何とも彼らしい飾り気のないシンプルな指輪だが、指で隠れるように指輪の内側に刻まれた言葉は、彼女にのみ贈られた言葉だ。

 それを彼女が知るのはもう少し後のことで、その言葉は天上の神々とて知りはしない。

 だが、一つだけ言えるとすれば──。

 

「──私は、世界で一番幸せな冒険者だね」

 

 

 

 

 

『幻想』と『真実』の神様は、空の上から彼らの祝宴を眺めながら、『良かったね』と笑顔を浮かべます。

 けれどすぐに表情を引き締めると、盤を端から端までをつぶさに観察します。

 喧嘩を売ってきた『かつて来たりし者』を退けたのは良いですが、あの女神が遺した影響を探らねばなりません。

『あ、洞窟が増えてる』とか『このアイテム、何だろう』とか、他の神様も協力してです。

 まあ作った神様がすぐに見つかるものがほとんどですが、時々あの女神が遺したアイテムやダンジョンが散見しているようです。

 

『あー、もうあの野郎』

 

『真実』が目を細めながら言うと、『幻想』が『野郎じゃないでしょ?』と苦笑を漏らします。

 かく言う彼女は二枚の紙切れを眺め、深々とため息を吐きます。

『幻想』が眺めているのは、ローグハンターと銀髪武闘家のステータスシートです。

 本来なら斥候、戦士などの職業から細かな技量まで書いてあるのですが、二人のシートは一言で言えばぐちゃぐちゃになっているのです。

 勇者ちゃんを丁寧に設定したぶっ壊れキャラとするなら、二人は適当に殴り書いたぶっ壊れキャラと言うべきでしょうか。ともかく要所要所に意味不明な言葉が並んでいます。

 何ですか「覚醒(隔世)状態」って、何ですか「神を殴った拳(ゴッドハンド)」って。

『あー、もう!』と『幻想』は髪をぐしゃぐしゃにしながら卓に突っ伏して、『これ治さなきゃいけないの!?』と叫びます。

『ガンバレー』と周りの神様たちからの心ない声援を受けて、自棄を起こしたように叫びながらステータスシートと向き合います。

 こっちだって部外者を部屋に入れてしまったので、その反省文代わりと思えば楽では──。

 

 ──ないよね!?

 

 思わず自分に自分でツッコミを入れつつ、うーうーと唸りながらステータスシートを書き直していきます。

 斥候レベル完スト。戦士レベル完スト。野伏レベルほぼ完スト。武闘家レベルほぼ完スト。魔術師レベル並みより高い、むしろ完ストが近い。神官レベルだけ並み程度。それを補うように個人的な能力(ユニークスキル)が多数──……。

 

『なにこのぶっ壊れキャラ!?』

 

 ローグハンターのステータスシートを書き直しながら、『幻想』は可愛らしく悲鳴をあげました。

 こんなキャラ、どうな物語(シナリオ)だろうとすぐにひっくり返せるではありませんか!

 継ぎ接ぎ(レベルブースト)した結果、とんでもないキャラが生まれてしまっているではありませんか!

『幻想』は一通り叫ぶと、ステータスポイントがまだ余っている事実を発見してまた叫びます。

 彼女の可愛らしい悲鳴を他所に、神様たちは次々と遺された物語(シナリオ)を確認。進行中ならとりあえず進ませ、まだ開始されていない物語をどうしようかと顔を合わせました。

 あの女神が遺したものです。きっと録でもない高難易度に決まっています。

 

『出来れば巻き込みたくはないけど……』

 

 とある神様が遠慮がちに、ローグハンターの駒を示して『彼を頼る?』と問いますが、物語の数は盤のいたるところに散見し、一人で回すには余りにも多いです。

 あの女神を倒してくれた恩人を、家族を捨てた『果てなき旅』に送り出すのは、恩知らずと罵られる事でしょう。

 神様たちもそれをわかっているのか、乗り気になる神様は誰もいません。

 ならどうするかなんて、聞くまでもないですね。

 

『なら、いつも通り』

 

『真実』はそう言って笑うと、いまだにステータスシートと睨みあう『幻想』に目を向けます。

 

『冒険者の皆に頑張ってもらおうか』

 

 結局答えはそれだけです。一部の冒険者だけが挑む事のできる、超高難易度の物語。

 それが全て攻略された時になって、ようやくこの戦争は終わるのでしょう。

 それに何年、何十年、何百年とかかるかはわかりませんが、きっとどうにかなる筈です。

 冒険の結末は『偶然』と『宿命』の骰子次第。思いもよらない駒(ダークホース)が終わらせてくれるかもしれません。

 いつだって冒険の結果はわかりません。神様だって、冒険者だって、魔物たちにだって、誰にもわからないのです。

 だからこそ冒険者たちは勝ちの目を掴めるように装備を整えて、魔物たちはそれをさせまいと爪を研ぎます。

 いつも彼が言っているではありませんか。

 

 ──運は自分で掴むもの。

 

 なんですから。

 

 

 

 




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期限は『Extra Sequence01 いと慈悲深き地母神よ』が完結してから+1週間です。随分と今更な事を聞きますか、ダンまちとゴブリンスレイヤーコラボイベント『Dungeon&Goblins』にログハン一党をぶち込んだものをーー

  • 見たい!
  • 別にいいです……。
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