SLAYER'S CREED   作:EGO

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Sequence08 過去からの贈り物
Memory01 知識の集う場所


「待ってろ、すぐに医者に連れていくからな!」

 

 彼は女性を抱えあげ、野次馬を掻き分けてひた走る、

 抱きあげられた女性の衣服は、彼女の血で真っ赤に染まっており、その細く美しい肢体に張り付いていた。

 

「もう、駄目みたい……」

 

「そんな、嘘だろ!」

 

 力なく紡がれた言葉に、男性は怒鳴るように返す。

 彼女の冷たくなっていく体温を直に感じているのは彼だ。

 彼が、広い街の中の誰よりも、彼女が死ぬことを理解していた。

 彼は路地裏に入り込み、女性をそっと地面に寝かせる。

 女性は霞んだ視界に男性の姿を捉えると、彼の頬に手を触れた。

 

「あなたと、やり直す機会が欲しかった……」

 

 彼女の手を握り返した男性は、必死に涙を堪えながら頷く。

 女性は強がるように優しく笑って見せ、消え入りそうな声で言う。

 

「あなたを、愛してる……」

 

 彼女がそう言うと、伸ばされていた手が力なく落ちる。

 男性は彼女の頬に触れながら瞑目し、そっと彼女の目を閉じさせた。

 

「眠れ安らかに、恋人よ」

 

 ━━━永久に。

 

 

 

 

 

「ッ!」

 

 ローグハンターはハッとして目を覚まし、一気に覚醒した意識の下で自分の頬を伝っていたものを拭う。

 寝ているうちに、涙を流していたようだ。

 彼はそう判断し、天井を眺めながら額に手をやって小さく息を吐く。

 夢を見ていたことは覚えている。だが、内容が思い出せない。

 だが、自分が涙を流していたのは事実。余り良い夢ではなかったのだろう。

 彼は寝ていたベッドに腰かけると、僅かに震える自分の両手を見つめて目を細めた。

 寝る度に誰かが経験したことを夢に見て、時には瞼の裏に焼き付き、時にはすぐに忘れてしまう。

 ローグハンターは窓の外に目を向け、まだ陽が昇っていないことを確認した。

 彼はまたため息を吐くと、彼の隣で寝ていた銀髪武闘家が小さく呻くと目を開けた。

 彼女は背中を向ける彼に目を向け、寝ぼけながらも声をかける。

 

「眠れない?」

 

「いや、目が覚めただけだ」

 

 彼は上体を後ろに向けて笑んで見せたが、銀髪武闘家は不機嫌そうにむすっとして彼を睨んだ。

 

「それを眠れないって言うの。まだ夜でしょ?」

 

 目が覚めてしまったのか、彼女も彼の隣に腰かけると、僅かに腫れている目元に目を向けた。

 

「泣いてたの?」

 

「そうみたいだ」

 

「変な夢でも見た?」

 

「多分な」

 

 彼は曖昧に答え、ベッドに身を投げた。

 天井の木目を見つつ、瞬き一つでタカの眼を発動する。

 かつての彼ならば、ただ暗くなった視界に天井が見えていただけだ。

 だが今の彼には、天井の向こうにいる誰かや、壁の向こうにいる誰かの姿、隣の部屋にいる一党の二人の姿まで見ることが出来る。

 彼の知らないうちに、タカの眼がよく知るもの(4系)からよく知らないもの(ユニティ系)へと変わってしまったのだろう。

 性能が良くなったのは喜ぶべきことだが、問題はなぜ良くなったのかがよく分からないことだ。

 夢を見るようになってから妙に体が軽かったり、武器の扱いが上手くなったりと様々な変化があったが……。

 

「どうかしたの?」

 

 タカの眼の視界に、青い影が入り込み。

 彼はタカの眼を解除すると、寝転ぶ自分に馬乗りになった銀髪武闘家に目を向けた。

 

「別に、最近調子がな……」

 

「絶好調に見えたけど?」

 

「それが問題なんだが……」

 

 彼は寝転んだまま肩を竦め、机に置かれた自分の装備に目を向ける。

 ここ最近はバスタードソードとアサシンブレードによる二刀流が主だ。短剣は、完全な予備武器という扱いになり始めている。

 

「まあ、気にする程でもないか」

 

「うんうん、気にしない気にしない」

 

 どこか適当な銀髪武闘家の返事に、ローグハンターは小さく苦笑を漏らす。

 ギルドが開く時間はおろか、まだ朝日すら拝めない時間帯だ。

 彼はもう一眠りしようと目を閉じるが、布の擦れる音で再び目を開いた。

 状況を理解したローグハンターは、額を押さえてため息を吐く。

 

「おまえ、仕事があるんだぞ?」

 

「ふへぇ……我慢出来ない……」

 

 彼に馬乗りになっている銀髪武闘家が、自分の服に手をかけながら恍惚の表情を浮かべ、熱を帯びた息を吐いていた。

 添い寝を申し出てからというもの、彼女は彼へのスキンシップの一切を自重しなくなった。

 それが良いことなのかはわからないが、仕事に響かない程度で相手にする彼も彼だろう。

 頬擦りしてくる銀髪武闘家の耳元で、彼は苦笑を漏らして囁く。

 

「それは俺のセリフだ」

 

「ふぇ?」

 

 言うや否や、彼は彼女の肩を掴んで反転。上下逆となって彼女を押し倒す。

 目を丸くして驚く銀髪武闘家と、なぜか楽しそうに笑っているローグハンターという、いつもとは逆の構図となった。

 

「え、あ、ちょっと……?」

 

 目を泳がせて狼狽える銀髪武闘家に向け、ローグハンターは捕食者を思わせる獰猛な笑みを浮かべて見せる。

 

「火を着けたのはおまえだ」

 

 彼女は彼の目を見て、本気であることを悟る。

 彼女は「ちょっとからかってやろう」と考えた自分の浅はかさを恨み、最近の彼は妙に欲望に誠実なことを思い出し、それを忘れていた自分を更に恨む。

 結局その晩、二人が一睡もすることはなかった━━━。

 

 

 

 

 

 翌日のとある街道。

 フードを目深く被る男性に連れられて、()()()女性がそこを進んでいた。

 片方は一般的な魔術師をイメージさせるローブを動きやすいように改造したものを身に纏う、短く切り揃えた赤い髪の女性。

 もう片方は上等な革鎧を身に纏い、長短一対の剣を腰に下げ、蜂蜜色の髪を二つに括った女性だ。

 先頭を進むローグハンターは、申し訳なさそうにしながら後ろの二人に目を向ける。

 二人の表情には僅かな非難の色。視線だけでだが、明らかにローグハンターを責めているのは確かだ。

 彼は視線をさ迷わせると、小さく息を吐いて二人に言う。

 

「その、なんだ、申し訳ない……」

 

「その謝罪は何についてですか?」

 

「あいつを、行動不能にしたことについて、だ……」

 

「はぁ……」

 

 いつもの威厳はどこにやら、怒り心頭の女魔術師に対して、ローグハンターは何も返せない。

 彼の言うとおり、一晩中彼の相手をした銀髪武闘家は腰砕けとなり、今回の依頼に出られなくなってしまったのだ。

 一党のメンバーが減るということは、一人一人の負担が増えることと同義だ。

 頭目でありながら自らその事態を生み出した彼は、頭目失格と言われても何も返すことは出来ない。

 それ故に、今の彼は言われるがままの状態となっているのだ。

 

「今日は依頼をこなすと言ったのはあなたですよね?なんで、そんな日の前夜に限って、あの人と……」

 

「ああ、申し訳ない……」

 

 ローグハンターはろくに前も見ずに謝ると、彼らの行く手を阻むように複数人の男たちが現れた。

 

「やいやいやい、止まれ止まれ」

 

「あら、もう到着ですの?」

 

 話題を逸らすように令嬢剣士が言うと、それに合わせて女魔術師も立ち止まる。

 しかし、立ち止まらない人物が一人いた。

 

「だが、求めてきたのはあっちだぞ?ああ、そこは抑えてくれと言うんだろ?わかっている」

 

 ローグハンターだ。

 彼は一切前を向かずに前進を続け、そして、

 

「おい、兄ちゃん!止まれって言ってん━━━!」

 

 その山賊の言葉は、最後まで発せられることはなかった。

 ローグハンターが無意識下で左手を流れるように動かし、抜刀したアサシンブレードで道を塞いだ山賊の首を貫いたのだ。

 ローグハンターはハッとして視線を前に向け、すぐに不敵な笑みを浮かべる。

 

「ああ、すまん。ぶつかってしまったようだ」

 

 そう言いながらアサシンブレードを引き抜き、腰に下げたバスタードソードを抜刀して身構える。

 

「テンメェ、よくも!」

 

 正面から降り下ろされた山賊の鉈をバスタードソードで受け流し、前のめりに体勢を崩した相手の耳の穴にアサシンブレードを滑り込ませる。

 直接脳を貫かれた山賊は即死し、白眼を剥いて崩れ落ちた。

 

「二つ」

 

 ローグハンターはいつも通りに数を刻み、ロープダートを飛ばして山賊の首にフックをめり込ませる。

 

「三つ」

 

 言いながらロープダートを巻き取り、首の肉を削り落として無力化。

 反転ついでにバスタードソードで突きを放ち、また一人の喉笛を貫いて殺害。

 

「四。ついでに━━」

 

 ピストルを引き抜いて発砲。眉間を撃ち抜いて即死させる。

 

「五だな」

 

 一分足らずで五人を瞬殺して見せた彼の姿に、山賊たちは恐れ(おのの)く。

 

「ま、まさか、ローグハン!?」

 

 言い切る前にバスタードソードの一閃で腹を裂かれ、臓府をぶちまけて死に絶えた。

 

「六。残りは━━」

 

「終わりましたわ!」

 

 残敵を確認しようときた矢先に、令嬢剣士の報告が届く。

 そちらに目を向けて見れば、既に伸されている山賊四人の姿。

 令嬢剣士の軽銀の刃と女魔術師のリストブレードに血が付着していることを確認して、接近戦で仕留めたことは間違いないだろう。

 ローグハンターは短く息を吐き出すと、バスタードソードを納刀する。

 

「お疲れさん。それじゃあ……」

 

 帰るかと言いかけて、彼は僅かに紫色になり始めている空に目を向けると、小さく唸った。

 

「近くに宿があれば助かるんだが……」

 

 言いながら倒れる山賊たちの懐を探って近場の地図を探し、血に濡れたそれを引っ張り出す。

 地図を睨みながらタカの眼を発動し、血で見えない部分も見られるようにすることも忘れない。

 周辺を警戒する二人に向けて、目的地の目星をつけたローグハンターは告げた。

 

「近くに知識神の寺院があるようだ。一晩泊めてくれるだろうか」

 

「先生は銀等級なのですから、大丈夫だと思いますが」

 

「だと良いんだが」

 

 ローグハンターは肩を竦めると、その地図を丁寧に畳んで懐に押し込んだ。

 

「それじゃあ、行くぞ」

 

「承知しましたわ」

 

「はい」

 

 いつも通りの令嬢剣士と不機嫌そうな女魔術師の返事に、ローグハンターは苦笑した後にため息を漏らした。

 この調子の彼女らと一晩同じ部屋に押し込められるのは、流石の彼であっても避けたい。

 出来れば二部屋空いていることを祈りながら、彼は二人を引き連れてその場を後にした。

 野晒しとなった遺体の目を閉じさせることも忘れず、祈りを捧げることも忘れないのは、彼にもプロ意識があるからだろう。

 

 

 

 

 

 ほどなく三人は、件の知識神の寺院にたどり着いた。

 修道女たちに歓迎された彼らはそれぞれで部屋を借りることに成功したが、ローグハンターは荷物を部屋に置くだけおいて書庫に赴いていた。

 数えるのが馬鹿に思えるほどの書物が押し込められたそこは、窓から差し込む月明かりに照らされて幻想的に輝いて見える。

 彼はその光景には目もくれず、タカの眼を発動した。

 じっと細められたタカの眼には、いくつかの書物が金色に輝いて見える。

 彼は手近な一冊を手に取ると、何ページか確認して本棚に押し込む。

 それを何度か繰り返し、彼はとある書物を手にとって目を細めた。

 タカの眼を解除して表紙を見つめ、また発動して眉を寄せた。

 その本の表紙には、タカの眼でなければ見えない柄が描かれているのだ。

 その紋章は彼がよく知るもの。

 見た目はアルファベットの『A』のようでいて、よく見れば(やじり)や刃の切っ先のようにも見てとれる、元の世界における(アサシン)の象徴たる紋章だ。

 彼は無言でその本を開き、中身を確認しようとした時だ。

 品の欠片もない喧しい嗤い声が、耳に響き始めた。

 彼は瞑目して苛立ちをぶつけるように本を閉じ、それを元あった場所に押し込んだ。

 玄関のあるロビーまで移動し、タカの眼を発動。

 壁の向こうに蠢く赤い影を確認し、カウンターに本を置いたまま船を漕いでいた受付係に声をかけた。

 

「おい」

 

「……ハッ!は、はい、何でしょうか!」

 

 ずれた眼鏡を直しながら覚醒した受付係に、ローグハンターは淡々と告げた。

 

「俺の連れを呼んできてくれ。それが済んだら、ここにいる奴らを集めて倉庫か何かに隠れてろ」

 

「あ、あの……?」

 

 いきなりの指示の応酬に困惑する受付係の姿にため息を吐き、腰に下げたピストルを引き抜いた。

 

「っ!な、何ですかそれは!?」

 

「良いから、指示通りにしてくれ」

 

 言いながら彼は闇の向こうに向けて発砲。

 銃声に続いて聞こえたのは、醜いゴブリンの断末魔。

 それに気づいた受付係は体を強張らせたが、ローグハンターがその肩を叩いて告げる。

 

「早く行け。俺が抑える」

 

「ですけど……」

 

 言いかけた受付係は、彼が首から下げている認識票を見て何となく表情を和らげた。

 銀等級の冒険者がいるだけで、こんな状況でも余裕が生まれる。

 ローグハンターは不敵に笑むと、声の大きさを落として言う。

 

「頼んだぞ」

 

「はい……」

 

 彼に合わせて声を落とした受付係は頷くと、カウンターをすり抜けて奥へと消えていった。

 彼女の背中を見送ったローグハンターは、バスタードソードとアサシンブレードを構える。

 ゴブリンの数はおよそ二十。やれなくはないが、無理は禁物といった数だ。

 

 

 

 

 

 その日、ゴブリンたちは揚々とその寺院に忍び込んだ。

 間抜けにも放置されていた防壁の穴を潜り抜け、中にあるものを蹂躙し、こんなところに籠っている馬鹿な女たちが死ぬまで悦しむ。

 ゴブリンたちの思考はいつも通りだ。自分たちが一番上だということを信じて疑わない。

 そして先頭きって寺院に忍び込んだゴブリンの頭が、次の瞬間に吹き飛んだ。

 ゴブリンたちは驚きこそすれど、仲間の死を悲しむことはない。むしろ理不尽に仲間が死んだことに憤るほどだ。

 ゴブリンたちはその穴を通って寺院の中に雪崩れ込み、そして見た。

 窓から突き刺す月明かりを背にして立つ男の姿。

 仲間を殺したのはあいつだろうと決めつけたゴブリンたちは、その男に向けて一斉に向かっていく。

 その男はフードの下で不敵に笑むと、手に忍ばせていた球体を床に叩きつける。

 瞬間発生した煙がロビーを包み込み、ゴブリンたちの視界を潰す。

 困惑するゴブリンたちだが、次々と断末魔の声が上がり始めた。

 初めは気のせいかと聞き流していたゴブリンたちだが、すぐさま異変を察して何かの影が見えたら飛びかかって得物を叩きつける。

 だが上がるのはゴブリンの悲鳴だけであり、彼らは同士討ちでその数を減らしていく。

 物陰に身を潜めたローグハンターは、小さく肩を竦めて息を吐いた。

 ゴブリン狩りの定石(テンプレート)のようになっているが、もう少しバリエーションを増やすべきか。

 彼はそこまで思慮して首を横に振った。

 想像力は武器になるが、相手に大打撃を与えられるものが決まっているのなら、それは生かすべきだろう。

 

「先生、ご無事ですか」

 

 物陰に身を潜めながら近づいてきた令嬢剣士が問いかける。

 僅かに寝癖がついているところを見るに、寝ていたのだろう。

 彼は視線を動かして、同じく身を潜める女魔術師と、見慣れぬ女性━━おそらく旅人━━が剣を片手に息を潜めていた。

 ローグハンターは肩を竦めると、そっとゴブリンたちの様子を探る。

 流石のゴブリンたちも落ち着いてきたのか、それぞれで周囲に目を配って警戒していた。

 数は十。負傷は三。無傷は七。剣二、棍棒五、槍が三。

 

「仕掛ける。魔術師はその旅人を援護してやれ」

 

「はい。行ける?」

 

「だ、大丈夫です……」

 

 二人がそのやり取りを終えた頃を見計らい、ローグハンターと令嬢剣士が同時に物陰から飛び出した。

 困惑するゴブリンたちに対して、ローグハンターと令嬢剣士はそれぞれの両手に握った得物を喉元に叩き込み、一気に四匹討伐。

 

「こんの!」

 

 女性旅人が手入れの行き届いた己の得物を振り下ろして一匹追加。

 

「GRB!!」

 

 その背中に向かってゴブリンが飛びかかるが、

 

「フッ!」

 

 女魔術師の放った杖の仕込み刃の一撃で眼窩を貫き、即死させてもう一匹。

 

「残りは━━」

 

「そこですわ!」

 

 令嬢剣士の軽銀の突剣の一閃がゴブリンの首を跳ね、その横ではローグハンターがアサシンブレードで喉を裂いて一匹、バスタードソードで脳天をかち割ってさらにもう一匹屠る。

 

「残敵二。……で、どこだ」

 

「ッ!逃げようとしてますわ!」

 

 令嬢剣士が壁の穴を指差して叫ぶと、ローグハンターと女魔術師が同時に動く。

 

「《サジタ()……ケルタ(必中)……ラディウス(射出)》!」

 

 放たれた『力矢(マジックミサイル)』がゴブリンの背中を撃ち抜いて貫通。

 間髪入れずにローグハンターが放った銃弾が残りの一匹の頭を撃ち抜いて弾け飛ばした。

 同時にタカの眼を発動して残敵を探し、それがいないとなれば納刀する。

 

「とりあえず終わったな。念のため俺は警戒に起きているが、おまえらも出来るならここにいてくれると助かる」

 

「はい」

 

 女魔術師が頷くと、彼は令嬢剣士と女性旅人に目を向けて指示を出す。

 

「おまえらは修道士たちの護衛に付け。念のためだ」

 

「わかりましたわ。行きましょう、旅人さん」

 

「え、あ、はいぃ!」

 

 疲労が滲む女性旅人を引きずる形で令嬢剣士がロビーを後にして、ローグハンターはその背中を見送って肩を竦めてため息を吐いた。

 ローグハンターと女魔術師が見張りについたその晩、ゴブリンたちが訪れることはなく、読書にはうってつけの静かな夜を過ごすことには成功した。

 ただ、その夜の中で読書出来たかどうかは別の話だ。

 

 

 

 

 




誤字脱字、アドバイス、感想など、よろしくお願いします。

期限は『Extra Sequence01 いと慈悲深き地母神よ』が完結してから+1週間です。随分と今更な事を聞きますか、ダンまちとゴブリンスレイヤーコラボイベント『Dungeon&Goblins』にログハン一党をぶち込んだものをーー

  • 見たい!
  • 別にいいです……。
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