SLAYER'S CREED   作:EGO

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Memory13 日常へ

 至高神の神殿の一室。

 昼の陽が窓から差し込み、微睡みを誘う優しげな暖かさが室内を包み込む。

 その室内に集った冒険者たちは、一様に安堵の表情を浮かべていた。

 ベッドの上に腰掛ける銀髪武闘家は困り顔で頬をかき、申し訳なさそうに言う。

 

「迷惑かけちゃってごめんね?」

 

「迷惑どころではありませんわ!もう、この、何と言えばいいのでしょう!?」

 

 もはや言葉も思い浮かばない令嬢剣士が目に涙を浮かべながら怒鳴ると、「あはは……」と乾いた笑みが漏れる。

 話を聞いた限りではこの一週間、身の回りの世話から買い出し、周辺の警戒まで、友人たちに多大な迷惑をかけたらしい。

 もはや何から礼を言えば良いのかすらわからない彼女の様子を察してか、蜥蜴僧侶が鼻先をちろりと舐める。

 

「ともかく、目を覚ましたのなら重畳(ちょうじょう)ですな。後は斥候殿の帰りを待つのみだ」

 

「頭巾のはどこに行っちまったのかいの。皆目検討つかん」

 

 鉱人道士が自慢の長髭をしごきながら言うと、横の妖精弓手が「そうなのよね」と呟き、不満げに長耳を揺らししながら言う。

 

「あいつ、何にも言わずにどっか行っちゃったのよ?私にならともなく、この()たちには何か言ってから行きなさいってね」

 

 女魔術師と令嬢剣士を手で示しながら言うと、鉱人道士が「珍しくまともなこと言ったわい」と小声で漏らす。

 只人では耳を凝らさなければ聞き取れないそれも、聴力が他の種族の比ではない上森人なら聞き取ることなど造作もない。

「何ですって!?」と妖精弓手が声を荒げれば、鉱人道士は「何でもないわい」と視線を逸らしながら言う。

 その態度が余計に(しゃく)だったのか、妖精弓手がピンと長耳を張りながら詰め寄ろうとしたが、

 

「あ、あの!病み上がりの人がいますから、お静かにお願いします!」

 

 咄嗟に割って入った女神官が待ったをかけた。

 怪我人がいて、見舞いの人もいる。ここまで揃えば病室と呼んでも大差はない。

 人々を癒す地母神の神殿にいた彼女ほど、この場におけて発言力がある者はそういない。

 最近頼りになる後輩の姿に、喧嘩をしていた二人は思わず口を閉じる。

 蜥蜴僧侶がうんうんと頷きながら「鶴の一声ですな」と呟き、部屋の片隅に目を向けた。

 そこにいるのは、病室であろうといつもの姿であるゴブリンスレイヤーだ。

 いつも通りの両角の折れた兜に薄汚れた鎧を纏った姿ではあるが、張り詰めていたものが緩んだのか、何となく雰囲気が違うように思える。

 

「小鬼殺し殿はどう思いますかな」

 

 蜥蜴僧侶からの問いかけに、兜が僅かに揺れて「無事に目が覚め、後遺症もないのなら良いだろう」とだけ呟いた。

 いつものように素っ気ない言葉ではあるが、その声音が安堵したようなものだとわかったのは、果たして何人いるだろうか。

 真っ先に気付くだろうローグハンターがいないことが悔やまれるが、別に彼でなくとも気付ける者は気付く。

 現に女神官は柔らかな笑みを浮かべ、「本当に良かったですね」と呟いた。

 皆が似たり寄ったりの反応を示す中で、女魔術師だけ違った。先ほど泣くだけ泣いて感情を発散したからか、一人だけ落ち着いた様子で神妙な面持ちを浮かべているのだ。

 

「どうかされましたの?」

 

 そんな彼女の様子に気付いてか、令嬢剣士が問いかけた。

 銀髪武闘家が目覚めた時は涙を流すほど喜んでいたというのに、今は何かを真剣に考えているのだから気になって当然だ。

 女魔術師はハッとしながら令嬢剣士に視線を向け、躊躇いがちに口を開く。

 

「……実はね、あの人を見た気がするのよ」

 

「それは本当なのですか!?」

 

 女魔術師の言葉に電光石火で反応した令嬢剣士は、彼女の肩を掴んで詰め寄った。

 銀髪武闘家が目を覚ましてから落ち着く様子のない彼女の姿に小さくため息を吐きつつ、女魔術師は頷く。

 

「昨日、買い物の帰りにね。屋根の上を走ってたわ」

 

「相変わらずだね~」

 

 彼女が真剣な声音で言うと、横から気の抜けた声が発せられた。

 女神官が剥いたのか、見事に切り分けられたリンゴの一切れを口に含んだ銀髪武闘家が、嬉しそうに眼を細めている。

 相変わらずな彼女の姿を気にも止めず、女魔術師は肩に置かれた令嬢剣士の腕を退かしながら更に続けた。

 

「それに変な噂も聞いたのよ」

 

「噂って、もしかしてあれのこと?」

 

 妖精弓手が首を傾げて問い返すと、女魔術師は「多分ね」とだけ告げた。

 

「噂?何かあったの?」

 

 彼が関わっているかもしれないのなら聞いておきたい。銀髪武闘家が軽い想いで聞いた事ではあるが、妖精弓手は深刻な表情で額に手をやり、ため息混じりに項垂れた。

 

「何でも、貧民窟の方で殺人事件があったそうなの。一晩で十人以上の物乞いが殺されたらしいわ。同じ日に貴族と護衛の兵士、怪しげな邪教徒の死体まで見つかったそうよ。いつもなら『物騒ね』とか『どうせ噂でしょ』で済ませるんだけど、その、タイミングがあんまりにも、ねぇ……?」

 

 口にはしていないが妖精弓手はこう言いたいのだ。

 

 ──彼が殺したのではないか。

 

 彼の性格からして、まず間違いなく報復の為に動き出したことだろう。

 その殺されたという物乞いたちがあの襲撃に関わっていた可能性はあるし、彼の場合はそのまま黒幕にまで手を伸ばした可能性もある。

 

「……あくまで噂よ?本当に起こったかは知らないから」

 

 室内の空気が重くなった事を察してか、妖精弓手が苦笑混じりに手をひらひらと振りながら言った。

 そう、この話はあくまで噂。どこかの誰かが脅かしとして流した可能性もある。

 あくまで噂、与太話。それは重々承知だ。

 だが、彼の場合は──。

 

『本当にやりそう』

 

 冒険者たちの胸中はその一言で一致していた。

 敵対者に対しては容赦のない彼ならやりかねないし、何かの拍子に動き始めた場合、何がなんでもやり遂げるだろう。

 

「──でも」

 

 周囲に漂う不穏な空気を察してか、銀髪武闘家が口を開いた。

 刺された自分の腹を撫で、口元には微笑を浮かべている。

 男のみならず見惚れるその姿には、どこか悲哀の色がこもっていた。

 その姿で彼女は言う。

 

「彼なら大丈夫だよ。道を踏み外すなんて事はないから」

 

 彼女はそう言って笑みが深めた。

 六年。公私共に誰よりも彼といた彼女だからこそ、その言葉には説得力がある。

「つまり」と続けて、彼女はしゅびっ!と音を立てながら女魔術師に指を向けた。

 

「私たちが信じてあげなきゃどうするのって話。噂話なんてどうでもいいの」

 

 彼女はにこりと笑ってそう告げた。

 その笑みに当てられてか、その噂を仕入れてきたが故に表情も固かった女魔術師も、心なしか表情が和らぐ。

 そうだとも。彼を信じないで何が一党だ、何が仲間だ。

 冒険者たちも彼女と同じ事を考えたのか目配せし、頷きあう。

 そこに言葉は不要だ。彼らとて一年近く共にいるのだから、簡単な事なら相手が何を考えているかはわかる。

 友人たちの雰囲気がまた明るくなると、銀髪武闘家は不意に窓の外に目を向けた。

 僅かに目を見開いて驚愕を露にすると、跳ねるようにベッドから飛び降りた。

 

「いきなり動いちゃ駄目です!」

 

 咄嗟に女神官が捕まえようとするが、

 

「ごめんね!」

 

 ひらりと避けて、裸足のまま部屋から飛び出して行った。

 悲しいかな。病み上がりとは言え彼女は銀等級冒険者、しかも前衛を務める武闘家だ。鋼鉄等級の神官で止められる程弱くはない。

 

「ごめんねじゃないわ!待ちなさい!」

 

「あ、待ってくださいな!」

 

 女魔術師、令嬢剣士が素早く反応を示し、彼女を捕まえんと走りだした。

 風のように去っていった彼女らを見送った冒険者一堂は、再び顔を見合わせる事となった。

 彼女は何を見て飛び出して行ったのか。

 

「……む」

 

 真っ先に気付いたのはゴブリンスレイヤーだった。

 飛び出して行く直前に窓の外を見ていたと気付いた彼もまた、窓の外を眺めてそれを見つけたのだ。

 天高く舞う鷲が宙に円を描いているのだ。都の只中を飛ぶ鷲など、彼の連れをおいて他にいないだろう。

 ゴブリンスレイヤーはやれやれと言うように兜を揺らすと、怪我人一人止められなかったと落ち込む女神官に声をかける。

 

「あの二人に任せておけ」

 

「は、はい……」

 

 彼の呼び掛けに応えたのは、いつもとは程遠い覇気にかけた声だった。

 ゴブリンスレイヤーは小さく唸ると、他の仲間たちに目を向ける。

 

「そちらはどうする」

 

「わしは部屋を片付けるかの。都におるんも今日で最後じゃろうし」

 

「拙僧も手伝うとしよう」

 

「私も手伝うわ」

 

 窓の外を見て鷲の姿を認めた鉱人道士、蜥蜴僧侶、妖精弓手は盛大にため息を吐きながらそう返した。

 あの鷲が近くにいるという事は、彼が近くにいるという事だ。

 彼と彼女が久しぶりに再会したらどうなるか、それは火を見るよりも明らかだ。

 その答えにたどり着いた三人は、とりあえず放っておくことにしたのだろう。

 それはゴブリンスレイヤーとて同じ事。追いかけた二人の速さなら、すぐにでも追い付くだろう。

 部屋に取り残された彼らはどこか喜色の混ざったため息を吐き、顔を見合わせた。

 聞いた限りでは会議も今日で御開きだ。彼女が目を覚ましたのなら、帰り支度をしなければならない。

 

 

 

 

 同所、神殿の廊下。

 裁判や懺悔の場を繋ぐ神聖なるその場所を、三つの影が疾走していた。

 先頭を走るのは銀髪武闘家だ。額に玉のような汗を浮かべつつもそれを拭うことなく、ひたすら前に向かって足を動かしていた。

 彼女を追いかけるのは女魔術師と令嬢剣士の二人だ。二人は全力を以て追いかけているのだが、その差はなかなか埋まらない。

 病み上がりの怪我人に、万全の二人が追い付けないのは何故か。それはとても単純なものだ。

 廊下を向け、受付が立ち並ぶロビーへと駆け込んだ彼女の視界に入ったのは、愛する彼がちょうど神殿に足を踏み入れた姿だった。

 彼女はパッと表情を明るくすると、余力を振り絞って更に加速。

 万が一転んでも彼なら受け止めてくれるとわかっているから、万が一止まれなくても……。

 

 ──もう、止まんなくていいや!

 

 彼の方も駆け寄ってくる彼女に気付いてか、ハッとしながらも駆け寄る。

 二人の姿に驚く者はおれど、止める者は誰一人としていない。

 遮る者がいないのであれば、二人はそのまま直進あるのみ。

 止める者がいないのであれば、その勢いのままに抱擁を交わすまでだ。

 笑顔で飛び付いてきた銀髪武闘家の体を受け止め、二度と離すものかとぎゅっと力を入れて抱き締める。

 鎧越しに感じる彼女の柔らかさ、彼女の鼓動、息遣い。その全てを感じながら、ローグハンターは目に涙を浮かべながら呟いた。

 

「……ただいま」

 

 涙を堪えているためか僅かに声が震え、疲れが出ているのか僅かに掠れているが、大きな問題はないだろう。

 銀髪武闘家はフードに隠れた彼の顔を覗き込み、金色に染まった双眸と視線が交差した。

 ほんの一瞬驚きはするものの、無事に帰って来たのだから良いだろうと気にしない。

 彼女は優しい笑みを浮かべ、彼の頬を撫でた。

 

「おかえり……」

 

 無意識の内に溢れた言葉は、彼にとって何よりも待ち望んだ、大切な言葉だ。

 彼女の言葉にローグハンターは満面の笑みで応えるのと、女魔術師と令嬢剣士が追い付いたのはほぼ同時。

 ロビーの中央で抱擁を交わす二人の姿を認めると、顔を見合わせて安堵の息を漏らした。

 それは彼女が転ばなかった事への安堵なのか、彼が帰って来た事への安堵なのか。

 ともかく二人は歩調を緩め、二人の元へと近付いていく。

 

「「………」」

 

 肝心の銀等級二人は顔を見合わせたまま言葉を交わさず、そのままゆっくりと顔を近付け始めていた。

 片や昏睡状態、片や行方不明の恋人同士が再会すればどうなるか。否、他のカップルなら間違いなく自重するだろう。

 だが二人は例外だ。冒険者として昇格していく中で恋人となった二人は、明日も共にいられるかは定かではない。

 今回の事件で顕著にそれが示されたのだから、もはや二人が止まる事はないだろう。

 出来る内に出来る限りの事をする。口には出さずとも、二人の心は通じ合っていた。

 女魔術師と令嬢剣士が気付いた時にはもう遅い。二人は止めようと走り出すが、銀等級二人がキスをする方が速いだろう。

 至高神を(まつ)る神聖な神殿のど真ん中でキスをするなど言語道断、罰当たりも良いところだ。

 だが二人はそんなものどうでも良いと言わんばかりに顔を近付けていく。

 周囲の視線が集まる中でキスをせんとする銀等級二人と、制止の声をあげて止めんとする一党の二人。

 そんな二人を嘲笑うかのように、二人の唇が触れあおうとした直前──、

 

「見ーつーけーたぁぁぁぁああああ!!」

 

 神殿に一迅の黒い尾を引く風が吹き抜けた。

 その風は神殿に飛び込んできた勢いのままにローグハンターの背中にぶち当たり、彼に抱かれていた銀髪武闘家諸とも押し倒す。

 背中の衝撃に刹那的に反応したローグハンターは、銀髪武闘家の後頭部に手をやり、彼女の痛痒(ダメージ)を最低限にせんとした。

 直後に彼女は背中からロビーの床に叩きつけられ、ローグハンターは両膝と手をついて彼女を押し潰さないように踏ん張りを利かせる。

 自身の体重、装備重量、背中に感じる重さの全てを三点で支えている為か僅かに表情を険しくさせるローグハンターの肩越しに、彼の背中に飛び付いた何者かと銀髪武闘家の目があった。

 穢れを知らぬ無垢な瞳に、ローグハンターに似た黒い髪をした女の子。年は女魔術師や令嬢剣士と大差はないだろう。

 無言で見つめ合う二人の視線が交差すること数秒。ローグハンターの咳払いを合図にハッと意識を戻した。

 彼はわざとらしくため息を吐き出すと、肩越しに振り向いて少女に向けて言う。

 

「とりあえず降りてくれ」

 

「はーい」

 

 彼の言葉に不満顔で頬を膨らませながら従う少女の姿に、銀髪武闘家は倒れたまま首を傾げた。

 初めて会う人筈なのだが、どうにも距離感が近いのだ。それこそ数年間の付き合いがあるかのようにさえ思える。

 少女が背中から降りると、ローグハンターは疲れを吐き出すように深く息を吐きながら立ち上がり、銀髪武闘家に手を差し出した。

 

「立てるか」

 

「うん。ありがと」

 

 差し出された彼の手を取り、勢いよく立ち上がる。

 足が踏ん張れずに腕を引かれた勢いのままに彼の胸に飛び込む形となったが、それを予期していたように抱き止められたのだから何の問題ない。

 彼の胸に飛び込んだと同時に少女からの視線が突き刺さり、銀髪武闘家は離れようとするが、

 

「ねぇ?」

 

「なんだ」

 

 ローグハンターが離さない。彼女の腰に手をやり、ぎゅっと力強く抱き寄せているのだ。

 

「離してくれない?」

 

「………」

 

 彼女の問いかけにローグハンターは無言を貫き、彼女を抱く力を強める事で返答した。

 少女と視線を合わさないように目を泳がせるが、無意識の内に口角がつり上がってしまう。

 彼に抱き締められていると、体が無意識に悦んでしまうのだ。彼の恋人となった四年で培われた本能による反応のため、彼女にはどうすることも出来ない。

 二人の姿をまじまじと見せつけられた少女は顔を俯けながら肩を震わせていたが、突然顔をあげると銀髪武闘家に指を突きつけた。

 

「あなたがお兄ちゃんの恋人なんだね!」

 

「お兄ちゃん!?」

 

 少女の指摘に銀髪武闘家が驚きの声をあげてローグハンターへと目を向けるが、彼は額に手をやって「ああ、くそ……」とため息を漏らすのみだ。

 銀髪武闘家は彼に抱き寄せられたまま器用に彼の両肩に手を置き、強引に顔を見合わせる。

 

「キ、キミに妹がいるなんて知らなかったんだけど!?」

 

「血の繋がりはない。──が、妹だ」

 

 面と向かってそう告げた彼の表情は真剣そのものであり、嘘偽りでないことはわかる。

 今まで聞いた話では妹がいるなんて話題にも出なかったが、彼を問いただした所で「聞かれなかった」と返すに決まっている。

 ならば、その少女本人に聞いてみるまでだ。

 銀髪武闘家はローグハンターに一言告げてから手を離して貰うと、妹に近づきながら問いかける。

 

「い、妹さんなの……?」

 

「うん!ボクは正真正銘の妹だよ!」

 

「ボク……」

 

 二十年近く生きているが、一人称がボクの女の子には会ったことがない。

 どうしたものかと一瞬迷うものの、相手は十歳近く年下なのは明白。ここはお姉さんとして余裕を持って接しないと駄目だ。

 一度深呼吸して少女に声をかけようとした瞬間、彼女の脇を風が通り抜けていった。

 流石の彼女でも病み上がりでは反応しきれなかったが、反射的に振り向く程度のことは出来た。

 銀色の髪を揺らしながら振り向いてみると、そこにいたのは自分に代わって彼に抱きついている少女の姿。

 

「お兄ちゃん!迎えに行ったのにいないなんて、びっくりするじゃんか!」

 

「お前に迷惑をかけたくなくてな。それよりもどうしてここにいると?」

 

何となく(クリティカル)だよ!」

 

「連れの二人はどうした」

 

「王様の所に報告に行っちゃった」

 

 お互いに柔らかな笑みを浮かべて話す姿は、まさに兄妹といった様子だ。

 少女の笑みは太陽のように明るく無邪気で、ローグハンターの笑みは()()()()()見せると思っていた心からの笑顔。

 お姉さんとして余裕をもってと言ったが前言撤回だ。

 銀髪武闘家は体をぷるぷると震わせると、目に涙を滲ませつつ「彼は私のお婿さんになるの!」と叫びながら兄妹へと向かって飛びかかる。

 それに気付いたローグハンターは避ける素振りも見せずに少女を退かすと、飛び込んできた銀髪武闘家を抱き止めた。

 抱き止められた銀髪武闘家は鼻歌が出るほど上機嫌となるが、退かされた少女は逆に不機嫌そうに頬を膨らませ「お兄ちゃんはボクのお兄ちゃんだぞ!」と返してローグハンターを奪い取らんと襲いかかった。

 法と秩序を司る至高神の神殿のど真ん中で、最愛の兄を巡って妹と恋人が喧嘩するなど、長い歴史の中でもそう多くはないだろう。

 銀髪武闘家と少女に抱きつかれ、もみくしゃにされているローグハンターだが、その視界の端に女魔術師と令嬢剣士の二人が映った。

 二人に目を向け何度か瞬きを繰り返すと、ぼそりと呟いた。

 

「……いたのか」

 

「「はい……」」

 

 ローグハンターの呟きは嫌に響き、頷いた女魔術師と令嬢剣士の声が続いて響く。

 三人の声が聞こえていなかったのか、銀髪武闘家は右腕に、少女が左腕に組み付いて左右に引っ張り始めた。

 

「もう私のお父さんとお母さんには挨拶済ませたからね!」

 

「妹のボクにはまだでしょ!お兄ちゃんをお婿さんにはさせないから!」

 

 ローグハンターを引き合いながら口論している二人の姿と、奇異なものを見るように向けられる周囲からの視線を感じながら、ローグハンターは盛大にため息を吐いた。

 

 

 

 

 

 見るに見かねた神殿の侍祭らに連れられるがまま、件の三人は別室に放り込まれた。

 部屋の中央にある長机を挟むように椅子が並び、ローグハンターと銀髪武闘家が隣り合う席に腰掛け、対面する席に少女が腰掛けた。

「不機嫌です」と言わんばかりに腕を組んで薄い胸を張るその姿は、強がりたい年相応の少女のものだ。

 対する銀髪武闘家も彼女と同じように腕を組んでいるが、その豊満な胸が強調されているのは無意識によるものだろう。

 残念ながら、それが余計に少女を煽る結果となっている事に気付いていない。

 ローグハンターは睨むあう二人とこの状況にため息を漏らし、額に手をやった。

 この状況になる予想はしていたが、ここまで険悪な雰囲気になるとは思いもしなかった。

 ローグハンターからすれば一時間にも感じた沈黙は、実際には十分にも満たないものだ。

 何よりこの場には、そんな沈黙を嫌う者が一人いる。ローグハンターの妹たる少女だ。

 

「それで、お兄ちゃんとはどうやって会ったの?」

 

 声音こそ不機嫌なものだが、そこには多少の好奇心が含まれている。

 彼女とて冒険者だ。未知なるものには興味を抱くし、あの兄の恋人というのなら尚更だ。

 問われた二人は顔を見合わせると、銀髪武闘家が小さく笑みを浮かべて口を開いた。

 

「どこから話すべきかはわからないけど、とりあえず私たちが初めて会った日からね」

 

 

 

 

 

 城の会議室。古くよりある円卓を囲うのは、今を生きる英雄たちとこの国の王とその腹心たちだ。

 王妹の行方不明騒ぎが彼女の生還により終わり(グッドエンド)を迎え、次は天の火石の問題の報告を聞くだけとなったのだが──、

 

「では件の火石は未知の魔物だったと」

 

 若き王は玉座に座しながら顎に手をやって言うと、剣聖と賢者は疲れの抜けきっていない表情で頷いた。

 剣聖は鎧代わりの服の上から魔物に殴られた腹を撫で、眉を寄せながら言う。

 

「加えて私たちだけでの対処は難しかったと思います。あの偶然現れた冒険者がいなければ」

 

「冒険者がいたのか?北の霊峰に」

 

 若き王の問いかけに剣聖は頷き、更に言葉を続けた。

 

「何でも彼女の兄だそうですが……」

 

「何だと」

 

 剣聖のため息混じりの言葉に、王は僅かに驚きを露にした。

 彼女に兄がいたという話、直接された記憶もなければ誰かから聞いたこともない。

 時折報告されるならず者殺し(ローグハンター)の話題に食い付く程度で、あまり会いたいという話も聞いたことがないのだ。

 

 ──いや、待て。

 

 王はそこまで思慮し、そういうことかと合点がいった。

 そのローグハンターが兄なのだろう。会いたい気持ちを抑えて、彼の活躍を耳にする程度で我慢していたのだ。

 

「彼女の兄は何故霊峰にいたのだ。あまり人が寄り付く場所ではないだろう」

 

 王の問いかけに剣聖は困り顔となると、真剣な面持ちの賢者へと目を向けた。

 彼の事を毛嫌いしている節があるが、彼女でなければ説明出来ない事柄は多い。

 賢者は短く息を吐くと、王や円卓を囲む者たちに向けて告げる。

 

「彼は危険。関わらない方がいい」

 

 言葉こそ短いものではあったが、そこに込められた意志は確かなものだった。

 常なら氷のように冷たい声音には僅かな熱が込められ、瞳には強い輝きが宿っている。

 珍しいものを見るかのような周囲の視線を無視して、賢者は告げた。

 

「彼を勇者の近くに置いていては駄目。今の距離が一番」

 

 王の問いを一切無視する形で出された提案に、剣聖は首を傾げた。

 

「何故です。それなり以上に腕が立ち、彼がいなければ私たちがどうなっていたかわかりません」

 

「彼があの場にいたからあの状況になった」

 

 剣聖の意見を一刀両断すると、賢者は小さくため息を吐いた。

 

「いや、あの剣と彼がいたからああなった?でも剣と彼は一度揃っているのに、その時は何もなかった……」

 

 ぶつぶつと一人思慮にふける賢者を放っておき、剣聖は「ふむ」と頷いて人差し指を立てた。

 

「今度会いに行ってみますか?直接会えば何かわかるかもしれません」

 

「……それは避けたいけれど、最悪そうなる」

 

 賢者が嫌々ながら頷くと、剣聖は「彼女も喜びますね」と笑みを浮かべた。

 結局の所はそこなのだろう。いつも無理を強いている勇者には、たまにはただの少女として振る舞って欲しい。

 

「彼女の兄が噂に名高いローグハンターなら、混沌の輩に狙われても大丈夫だろう」

 

 王が確認を取るように言うと、円卓の一席に腰掛けていた剣の乙女が僅かに体を揺らして反応を示した。

 そして何やら意味深な笑みを浮かべると、「彼に妹がいるのですね……」と呟く。

 その呟きが誰かに届くことはないが、彼女の纏う怪しげな雰囲気に当てられて冷や汗をかくのが何名か。

 だが、ようやく堅苦しい会議が終わったと安堵の息を吐く者が多いのも確かだ。

 会議が終わり、円卓を囲む者たちが去っていく中で、王はふと窓の外に目を向け、首に残された傷痕を指で撫でた。

 ならず者殺し、ローグハンター。十年前、彼のような者が居てくれたなら──。

 そこまで思慮し、それを振り払うように首を振った。

 考えるべきは十年も前のことよりも、目の前で起こりうる事だ。

 王は顔馴染み以外が部屋を後にした事を改めて確認すると、従者たる小柄な―それこそ子供に間違われそうである──銀髪の女性に目を向けた。

 彼女は小さく頷きを返すと、影の中へと消えていく。

 天の火石の件はともかく、妹の誘拐に何も思わぬ程兄を辞めてはいない。

 

「……兄、か」

 

 王の脳裏に過ったのは、勇者の兄であるというローグハンターの事だ。

 霊峰で出会ったということは、彼は妹が勇者である事を知っているのだろう。

 

 ──彼はどんな気持ちで妹と共に戦ったのだろうな。

 

 

 

 

 

「へっきし!」

 

「「大丈夫?」」

 

「ああ」

 

 至高神の神殿の一室。突然盛大にくしゃみをしたローグハンターに、銀髪武闘家と勇者が心配の声をあげた。

 彼が鼻をすすりながら返事をすると、勇者が銀髪武闘家に視線を戻す。

 

「それでさ、それでさ。お兄ちゃんが村を出ていく時にね、この指輪くれたんだ」

 

「ゆ、指輪!?私だって貰ったことないのに……」

 

 勇者は自慢するように赤い十字街が刻まれた(テンプル騎士団の)指輪を見せびらかし、銀髪武闘家がそれを手に取りつつローグハンターを睨み付けた。

 まあ、殺気も何もない可愛らしいものだが、ローグハンターは居心地悪そうに身動ぎした。

 この一時間で、銀髪武闘家と勇者の距離は急激に縮んだように思える。それは良いことだ。そのうち義姉妹になるのだから、仲が良いに越した事はない。

 だが、しかしだ。

 

「お兄ちゃんすごいんだよ?ボクが黙って狩りについて行っても、すぐに見つけちゃうだから」

 

「そりゃ彼だからね。子供の尾行なんてすぐに気付くよ」

 

「それで鹿を捕まえたんだけど、すぐにばらばらにしちゃうの」

 

「解体するの上手だよね。私も時々見せて貰うけど、何やってるのかよくわからないよ」

 

 こう、自分のことばかり語られるとむず痒いのだ。

 二人の架け橋になれたと喜ぶべきだが、何と言うか。

 

「普段は凛としてるのに、私と二人きりになると途端に甘えて来てさぁ」

 

「お兄ちゃんが甘える!?嘘だぁ!」

 

「ホントだよぉ」

 

 やはり駄目だ。この様子なら二人は放置しても大丈夫だろう。

 そう判断したローグハンターは二人が話し込んでいる隙に逃げようとするが、風切り音と共に腰に何かが巻き付き、それをさせまいとした。

 振り返ってみれば、腰にロープが巻き付き、それが銀髪武闘家へと伸びているのだ。

 おそらく腕の力のみでロープダートを放ち、彼を拘束したのだろう。

 腰に巻き付いたロープを引っ張りつつ、ローグハンターは言う。

 

「何だこれは」

 

「キミに教わったロープダート?だよ。忘れちゃった?」

 

「忘れてはいないが、なぜ巻かれている」

 

「逃げようとしたじゃん!」

 

「むぅ……」

 

 退路を断たれた彼は小さく唸ると、諦めたように肩を竦めて元の席に戻った。

 

「それでね、彼には色々教えて貰ったんだ」

 

「お兄ちゃんって、結構面倒見るの好きだよね」

 

「やっぱりそう思うよね!」

 

「うん!」

 

 彼を捕まえたまま二人のお喋りは続き、ローグハンターは居心地悪そうに身動ぎ一つ。

 極東には、『類は友を呼ぶ』という言葉があるらしいが、まさにこの事を言うのだろう。

 その『類』が『自分の事が好きか否か』なのかは本当に困ったものだが──。

 

「それでね、それでね」

 

「なになに?」

 

 二人が楽しければ良いではないか。自分を圧し殺すのは慣れている。ああ、慣れているとも。

 楽しげな二人とは対象的に、ローグハンターの表情がどんどん死んでいく。それこそ無に還りそうな程だ。

 そんな事露知らず、二人はその友情を深めていく。正確にはマウントを取り合っているだけかもしれないが、それはそれだ。

 ひらすら褒めちぎられ、思い出したくもないもの(黒歴史)を掘り返され、また褒めちぎられる。

 それが数十分と続いた頃に、ローグハンターが顔を両手で覆いながら力なく呟いた。

 

「いっそ殺してくれ……」

 

「「嫌だ!」」

 

 変に息が合い始めた二人の姿に、ローグハンターは再びため息を漏らした。

 とにかく、妹の攻略はどうにかなったのだろう。まあ嫌われた所で、好きになるまで話せば良いのだ。

 ローグハンターは無意識に頭を掻くと、小さく肩を竦めた。

 

 

 

 

 

 ──この(せかい)を賭けて、勝負しない?

 

『真実』と『幻想』はいきなりの提案に、思わず思考が停止しました。

 それは他の神様たちも同じことです。一様に驚いたように目を丸くして、ぽかんと口を開けています。

 金髪の女神はそんな神様たちを小馬鹿にするように笑うと、「と言っても、まだよ」と言葉を続けます。

 女神はローグハンターを示す駒の頭を小突くと、口許を歪ませて不気味な笑みを浮かべました。

 

「駒の準備が終わっていないの。だから私の準備が終わるまでに」

 

 ──覚悟を決めておきなさい。

 

 女神はそう言うと指を鳴らし、同時に鳴り響いた雷鳴と共にその場を後にしました。

『真実』と『幻想』は顔を見合わせると、表情を険しくさせて盤に目を向けます。

 あの女神の話を冗談と断ずるのは簡単ですが、あの言葉はそんな軽いものではありません。

 愛するこの世界を渡してなるものかと、いつもなら勝負相手の二人は以心伝心で手を組むことにしたのです。

 まず差し向けるとすれば勇者でしょうか。あるいは他の冒険者でしょうか。

 とにかく、準備をしなければなりません。彼らが振るう骰子(さいころ)の目は変えられませんが、どこぞの『変なの』よろしく振らないようにすれば良いのです。

 相手が何をしようが、何がなんでもそれを押し返さなければなりません。

 

 ──勝負を決めるのはたったの一手。

 

 それを神様たち以上に痛感している者など、他に誰がいましょうか。

 

 

 

 

 

 数日後、水の街。法の神殿の一室。

 

「待ってくださいまし、ローグハンター様!第二婦人でも、この際なら子供だけでもよろしいのです!ですからどうか……!」

 

「こうなるとは思ってはいたが……」

 

 至高神に仕える大司教ともあろう剣の乙女が、必死の形相でローグハンターの腰にしがみついていた。

 腰を掴まれれば大概の人物は転ぶ。彼がそうはならなかったのは、ひとえに体幹が異常だからだ。

 なぜこうなったのか。それは前にされた大司教からの告白を断ったからに他ならない。

「話がある」と話を始めてから「俺は生涯愛するのはこいつだけだ」と言ったのは、おそらく三分にも満たない。

 この男、物事を単刀直入に言うことに関しては躊躇いがない。

 それを受け入れられるかと言われれば答えは否。剣の乙女はもはや大司教としての矜持を捨ててまで、彼にしがみついている。

 彼女を無理に剥がそうとしないあたり、彼の人の良さ──という名の甘さ──が残っている証拠だろう。

 状況を俯瞰していた銀髪武闘家はどうにか助け船を出そうとするが、

 

 ──ど、どうすれば良いの!?

 

 彼と自分の妹となる少女とは短時間で分かりあえたのに、大司教には何と声をかければ良いのかが全く思い付かないのだ。

 あわあわと慌てる銀髪武闘家を他所に大司教はハッとすると、怒鳴り付けるようにローグハンターに提案した。

 

「ローグハンター様!貴方と武闘家様は何年お付き合いしておりますの!?」

 

「四年目だが、なんだ」

 

 ローグハンターがそう言うと剣の乙女は指折りで何かを数え、「ふふ……」と再び笑みを浮かべた。

 

「ならわたくしも四年かけて、貴方を振り向かせてみせますわ!」

 

「な、何を言い出す!?」

 

 突然の物言いにローグハンターは驚愕を露にした。

 気でも狂ったのかと疑うが、今の剣の乙女の行動からして正気を失いかけているのは確かだ。

 下手に断れば間違いなく壊れるのは確実。ならばどうする。

 ローグハンターは疲労が色濃い脳をフル回転させるが、彼の思考に銀髪武闘家が待ったをかけた。

 

「お互い熱くなりすぎ。一旦落ち着こう」

 

 彼女の言葉にローグハンターは頷き、剣の乙女も一度深呼吸をして落ち着こうと努めた。

 二人の熱が冷めた頃を見計らい、銀髪武闘家が言う。

 

「四年。その間に彼と私の間に何人か子供が出来るかも──いえ、少なくとも一人は子供を作りますけど良いんですか?」

 

「彼の子供というのなら、何人いようと構いませんわ」

 

「もし彼が振り向いてくれなかったら?」

 

「ふ、振り向かせてみせます!」

 

 世界を救った金等級冒険者を、辺境の銀等級冒険者が圧倒している。

 ローグハンターはその事実を受け入れつつ、妙に余裕のある銀髪武闘家の様子に首を傾げた。

 俗に言う『正妻の余裕』なるものなのだが、ローグハンターがそれを知っているわけがない。

 疑問の答えにたどり着けないローグハンターを他所に、銀髪武闘家が彼の右腕を抱きしめつつ提案した。

 

「それなら四年間、頑張ってください。もしかしたら、もしかするかもしれません」

 

 応援するような言葉とは裏腹に、その表情には勝ちを確信したような笑みを浮かべている。

 勝ち誇ったような面持ちの彼女の顔を見えざる瞳で睨みつつ、大司教はローグハンターの左腕に抱きつく。

 

「必ず振り向かせてみせます。ええ、せめて子供を授けて貰える程度には、必ず」

 

 今から死地にでも赴くのかと聞きたいほど、彼女の表情は引き締まっていた。

 嫁ぎ遅れる事の多い女冒険者にとって、恋とは世界の命運を懸けた戦いと大差ないのだろう。

 銀髪武闘家と剣の乙女の間でばちばちと火花が散っている錯覚を感じつつ、ローグハンターは小さくため息を吐いた。

 

 ──どうやら、しばらくの間は退屈することはなさそうだ。

 

 天上の神々が大騒ぎする中、彼はどこまでも呑気にそんな事を思っていた。

 ただの冒険者が世界の命運を懸けた戦いの渦中に巻き込まれることなぞ、今の彼には知るよしもないのだ。

 

 

 




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期限は『Extra Sequence01 いと慈悲深き地母神よ』が完結してから+1週間です。随分と今更な事を聞きますか、ダンまちとゴブリンスレイヤーコラボイベント『Dungeon&Goblins』にログハン一党をぶち込んだものをーー

  • 見たい!
  • 別にいいです……。
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