パラレル日本国召喚 作:火焔
日清戦争に勝利した日本は選択を迫られる。
1.諸外国のように大陸領土を大規模プランテーション化して原材料生産地とする
2.大陸領土に軽工業化を振興し、日本は重工業に比重を置き、国産兵器の質を列強に届くよう高める
日清戦争で領土を獲得したロシア・アメリカからは技術援助が受けられないかもしれないと危惧した日本は「2.」を選ぶ事とした。
これから「東シナ海」「黄海」に交易船を走らせるだけでなく、世界市場を駆け回らなくてはならない。
その為には、技術がまだまだ足りてなかったからだ。
大陸の手工業で作られていた製品を、工業化するため植民地からの反感は少なく
豊富な人的資源から、軽工業製品・農作物・鉱物が安く手に入るようになった。
国内が更に発展をしていき1903年――――
清が不穏な動きを起こす。
清は西欧から大量の武器を輸入し、日本以外の各列強と不可侵条約を結び始めた。
明らかに日本に対する復讐戦だと誰もが判断した。
これをチャンスと判断した列強は、水面下で日本と軍事同盟を結ぶ。
ただ、正式な軍事同盟はロシア・アメリカのみで、他列強とは「直接的軍事支援」と実質軍事同盟を結ぶ事になる。
これもロシア・アメリカに配慮した結果だ。
こうして「日米同盟」「日露同盟」「日英軍事連携」「日独軍事連携」「日仏軍事連携」「日墺軍事連携」「日伊軍事連携」の7つ軍事同盟を結ぶ事となった。
日本は国産の準弩級戦艦「三笠」を旗艦とした、日本連合艦隊で迎え撃った。
(史実はイギリス産、前弩級戦艦だった)
「三笠」は第一次日清戦争で有効戦術となった「斉射」戦術のために建造された戦艦で、
同一口径の連装砲を5基装備し、中間砲を撤廃した。これは従来艦の2隻の戦力と同等であった。
この先進的な戦艦「三笠」は、清の前弩級戦艦を射程外から一方的に撃沈していった。
ただし、レシプロ機関を搭載していたため、速度は17ノットしかなかった。
もし蒸気タービン機関を採用していれば「三笠」がドレッドノート級と称されていた事であろう。
清はまたしても初戦を敗北で飾り、さらに悲劇が押し寄せる。
不可侵条約を結んでいた列強たちが、日本との軍事同盟を盾に条約を破棄して宣戦布告してきたのだ。
清帝国にとって最早悪夢でしかなった。
領土は無残に切り裂かれ、領土を列強に食い尽くされ、清帝国は終わりを告げた。
他国は全列強に対して批判することなど出来ず、自国でなくてよかったと、次は自国ではないかと安堵・不安に怯える事となる。
この戦いで日本は長江全域を新たに領土とし、アメリカは南東部沿岸、ロシアは後のウラジオストクとなる地域とその西、そして四川省の山岳部を新たに領土とした。
第2次日清戦争の後、列強とその他の国の国力は更に開き、また、列強間の摩擦が大きくなる事となる。
日本は更に国内を発展させて1914年を迎える。
以前の軍事同盟は「日米同盟」「日露同盟」を残して白紙となり、日清戦争以前の外交関係に戻っていた。
この頃になると、日本は工業製品・兵器を自国で生産、輸出し、国力は列強の中でもイギリス・アメリカ・ロシアに次いで第4位になるまで至った。
ただ、ドイツ・フランスとは僅差で順位の入れ替わりは激しかったが……。
そんな中、サラエボ事件を発端に第一次世界大戦が始まる。
ロシア、イギリス、フランスを中心とする「連合国」
vs
ドイツ、オーストリア=ハンガリー、オスマン帝国を中心とする「中央同盟国」
7千万人以上の軍人が動員される、史上最大の戦争の1つが会戦される事となる。
日本はロシアに組して「連合国」陣営に付き「中央同盟国」へ宣戦布告することとなった。
この時、アジアの戦況はアメリカが日本の同盟に基づき宣戦布告し
日本、ロシア、アメリカ、イギリス、フランスvsドイツ、オーストリア=ハンガリー
となり、早々に連合国が勝利を収める。
この時日本は、大陸に日本本土の2倍にもなる領土を獲得した。
しかし、西欧については状況が変わる。
アメリカは静観を決め、西欧に派兵しようとした日本はロシアによって止められる事となる。
ロシア自体も大きな軍事行動をせず、東部戦線は硬直したままだった。
そうしてフランス、ドイツ間のアルザス=ロレーヌを巡る西部戦線は史実より泥沼化する。
1918年世界大戦は終結せず、さらなる衝撃が世界を襲う。
疲弊する西欧と対照的に、既に超大国となっていたロシアとアメリカが「連合国」から脱退し、「連合国」へ宣戦布告することとなる。
余りに性急な暴挙に世界は大きく荒れることになる。
ロシアはイギリスインド領を攻め落とし、アメリカはブラジルを植民地化する。
そして、太平洋のソロモン、ミクロネシア、キリバスなど様々な島を両国が占領していく。
さらに、ロシアはインドやウラジオストクから艦隊を出し、アフリカ南東部を占領、
アメリカはブラジルや本国から艦隊を派兵し、アフリカ南西部を占領する。
最後に、オーストラリア大陸を米露で分割した。
日本も「連合国」と戦うハメになったが、ロシア・アメリカ両国が盛大に動き回るおかげで
東南アジアの多くを植民化することが出来た。
このため、終戦は1924年と6年も伸びる事となった。
そうして、アメリカ・ロシアは超大国として不動の地位を確立。
日本も、準超大国としての地位を確立することとなる。
そうして時は流れる――――
2000年代に入り、日本では地震大国にもかかわらず300mを越える超高層ビル(摩天楼)が数多く建造されていた。
特に東京の超高層ビル群、東京スカイスクレイパー(別名:東京摩天楼)は日本人の技術力が結集した、日本人の誇りとなっていた。
ただ外交面に関しては、アメリカとロシアに挟まれる史実通り胃の痛い日々を送ることとなる。
本筋とは関係ないが、医学はドイツが最先端だが胃薬に関しては世界一の品質を誇る?事となっていた。
このときになって、ようやくアメリカ・ロシアの性急な領土拡大の意図が分かることとなる。
両国が占拠(現在は影響力を残し独立した国も多々あるが)した地域からレアアースが出土したのだ。
米露がそれを独占し、更に国力を伸ばす事となる。
まるで両国は初めから分かっていたかのようであったが、それを知る術は日本にはなかった。
そして2019年1月1日、日本本土が世界から消える――――
次は米露編だよ!