パラレル日本国召喚   作:火焔

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03. ロシアの裏側

 1801年、ロシア帝国の皇位を継承したアレクサンドル1世から史実世界とは大きく異なる方針を採る

 スペランスキー伯爵を重用し、貴族には資本家としての役割を与え、貴族主義でありながら自由主義という不思議な政治体制をとっていた。

 貴族は政治に対する力を削がれていったが、それ以上に金銭的利益を持つ事ができたため大きな反発はなかった。

 

 それもロシア皇帝が未来を見ているかのように大きな敗北をせず、勝利し続けて国内が富んだからだという説があるが、

 これは後世でも推測の域を出ることはなかった――――

 

 こうしてロシアの農奴政策は1840年に終え、それと同時期に産業革命に入ることとなる。

 工業化に力を入れたロシアは史実と違いヨーロッパの田舎ではなく、列強ロシアとしての地位を確立する。

 

 ロシア国民は豊かになり、列強の地位に導いた皇帝に心酔し、絶対帝政の時代を迎える。

 

 

 1868年、当時のロシア皇帝は、突然日本という国に技術指導を行うと決めた。

 当時のロシア政府は、極東の非文明国に何故? という疑問が絶えなかったが、皇帝の指示に従うこととなる。

 

 1880年、国内を重工業化を推し進め、シベリア鉄道を全線開通する。

 (西端をサンクトペテルブルクとし、バイカル湖北を通る選択しウラジオストクを東端とする。)

 

 ロシアは悲願の不凍港を東に手に入れ、日本から輸入する良質な絹製品を初めとする軽工業品や兵器部品を西欧へと輸出する事となる。

 貿易優先権を持つロシアは更に富んだ。

 

 ロシア政府は皇帝が西欧に進出せず、アジアを目指すのか不思議に思ったが皇帝はとある事実を知っていた。

 それは1950以降国境線が安定する事。清の山岳部、沿岸部に100年後のロシアに必要な希少金属が存在する事を。

 そのために日本と清を対立させて、山岳部を抑え、恐らく日本が獲得するであろう沿岸部の開発をロシア主導で行う算段であった。

 

 日本は西欧と違い、同盟関係を情勢で変える国ではなかったため(そういう同盟の組み方を良しとしない気質でもあったが)

 ロシアに対して牙を向ける可能性は低かった。

 

 

 

 ただ、1880年以降急激に力を伸ばすアメリカが日本に接触を仕掛けてくる。

 ロシア皇帝は直感する。アメリカもレアアースを狙っていると。

 

 そのため、日本との関係強化を更に強めた。

 日本は瞬く間に近代化して行き、1894年、ついに日清戦争が始まる。

 

 目的であった戦争を引き起こし、予定通りモンゴル地域と高山部を得ることになる。

 ただ、アメリカに南東沿岸部を抑えられたのは痛手であった。

 

 ロシア政府は皇帝が満州地域を得ると思っていたが、高山部を得たため更なる重工業化を推し進めるのだろうと判断した。

 ロシアはモスクワから南下しカザフ・ハン国、モンゴル地域を通りウラジオストクを終点とする、南ロシア鉄道の建設を開始する。

 これにより、政府は皇帝が満州地域の獲得を諦めてない事を知る。

 

 

 そして1905年、第二次日清戦争で清の解体と共に、満州地方と南に更なる山岳部を得ることとなる。

 これは後にインド戦役の布石ともなった。

 

 

 時は過ぎ、1914年、ロシアはイギリス、アメリカに並ぶ三大超大国となる。

 ロシアは第一次世界大戦を引き起こし、西欧の弱体化による太平洋の島々、インド、アフリカ、オーストラリアの占拠を目的としていた。

 

 この目論見は半分成功する。やはりアメリカが邪魔をしてきたのだ。

 ただ、アメリカとは直接戦争はせず西欧の植民地戦争のように、互いの欲する地域を早い者勝ちで占拠していった。

 

 皇帝は日本が東南アジアを占領するに留まり、将来脅威になり得ないと判断した。

 

 

 

 そうして、ロシア帝国は社会主義国家にはならず、帝政のまま2000年代へ突入する――――

 アメリカとの覇権争いは激化し、2019年1月1日。

 

 

 日本本土が世界から消失した――――。

 

 

 ロシアもアメリカも想定外の日本消失に北樺太へ調査隊を送る。

 日本の友好を示すものとして樺太島は北をロシア領、南を日本領としていた。

 その国境は、鋭利な刃物で切り取られたように滑らかな切断面をしていた。

 

 両国共、明らかな超技術に驚愕する。

 ロシア皇帝に《事実をもたらす者》さえ知りえない状況に、ロシア皇帝は危機感を覚える。

 それはアメリカ大統領も同じだったようで、

 

 この後、アメリカとは表面上反目しあうが、やがて来るであろう脅威に向けて技術協力することとなる。

 

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