パラレル日本国召喚   作:火焔

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登場人物
●クワ・トイネ公国
ハンキ:中央第1騎士団団長(ドワーフ)。酒が好き。

●クイラ王国
エスファ:クイラ陸軍の大将軍

●ロウリア王国
シャークン:ロウリア海軍の大将軍

●パーパルディア皇国
ヴァルハル:国家戦略局所属で先の戦争でロウリア側の観戦武官



3章 ロデニウス連合
01. 蠢動


 西暦2020年3月(中央暦1640年3月)

 

◆◆ ロウリア 首都ジン・ハークの貴賓室 ◆◆

 

 この部屋にはロデニウス大陸の3国から一人、パーパルディア皇国から一人、計4人の人が居た。

 

「皆様、お集まりいただきありがとうございます。私はパーパルディア皇国国家戦略局所属のヴァルハルです。

 今日は皆様に、提案があるため召集させていただきました。」

 

 パーパルディア皇国のヴァルハルは非常に焦っていた。

 何故なら日本の戦いを目の当たりにし、パーパルディア皇国にとって、いや第3文明圏にとって脅威を感じているからだ。

 

 今は、日本の外交が消極的なため第3文明圏に存在を察知されていない。それに日本のある海域は海流が乱れているため皇国の最新鋭魔導戦列艦でなければ見つけることも出来ないだろうから、直近での危機は低い。

 だが、万が一、皇国が日本を見誤ったまま通常の外交をしてしまった場合、戦争になる恐れがある。

 そのとき負けるのは皇国だと理解させられてしまった。

 だから皇国の為に打てる手は打たなければならない。

 

「ふむ。パーパルディア皇国からの我々のような非文明国に一体どのような所用なのですかな?」

 

 クワ・トイネ中央第1騎士団団長であるハンキ・バニルは、ヴァルハルへ疑問を投げかける。

 クイラ王国の大将軍であるエスファもそれに頷く。

 パーパルディアが属国になれというのであれば各国のトップの元で通達するはずだ。

 この様に内々で何かを話そうとなどするはずも無い。

 

「まぁ、そう急がないで下さい。先ず聞きたい事があります。あなた方の個人的な感想で結構なので聞かせてください。

 日本を如何思っていますか? もちろんいい意味で構いません。あぁシャークン殿は結構です。ロウリアの方向性は分かっていますから。」

 

「では私から話しましょう。クイラとしては日本は無くてはならない生命線だ。

 彼らのもたらす保存食がなにより重要だ。日本のおかげで食糧に困る事はなくなり、クイラでは空前のベビーラッシュが始まっている。

 もし、彼らとの交易がなくなれば、我々は飢えてしまうだろう。

 それに、石油や鉱山資源も大量に買ってくれるし、収入の面でも無くてはならない。」

 

 クイラではかなりの量の保存食、レトルトや缶詰、乾麺など日持ちするものを日本から購入している。

 その費用は石油や鉱山資源の日本への売却利益で充てている。

 もちろん他のものも買っているが、食料が一番のウェイトを占めている。

 それにロウリアで作られたガレオン船という大型商船のおかげで、他国との貿易もよくなるだろうと踏んでいる。

 

「では次は私の番かな。クワ・トイネも勿論、日本はかけがえの無い存在だ

 特に武具だな。日本の力がなければ私はここに存在していない。それに食料品が今までより大量に、しかも高額で売れている。クイラには申し訳ないが日本と交易したほうが遥かに儲かる。」

 

「日本で加工されたものの一部がクイラに入ってくるのだから問題はないな。」

 

 クワ・トイネでは日本は英雄視されている。何せ、数に勝るロウリア軍にクワ・トイネ軍が勝てたのは日本の援助のおかげだと分かっているし、日本自体の力も、一兵も怪我せずにロウリア軍を壊滅させてる程の強大な力を持つ。

 しかも、日本が農業に参加してきており、収穫量も収入も大きく増えてきている領土も出てきている。

 主にハンキの生まれであるバニル領だが。

 

「そうでしょうね。このロデニウス大陸に日本は無くてはならない存在です。では逆はどうです? 日本にとってロデニウス大陸は無くてはならない存在だと思いますか?」

 

「今は、無くてはならない存在だ」

 

 ヴァルハルの質問にエスファは苦い顔して答える。

 誰もわかっている。日本の力であれば、我々が無くとも自国の問題を自力で解決できると。それだけの国力があると。

 

「そう、今はです。もし、第3文明圏が日本を見誤ったまま外交を始めたらどうなると思います? 分かりますよね? シャークン将軍?」

 

「貴公には悪いが、壊滅的な被害を受けるだろう。いかに列強のパーパルディア皇国でも大きく領土を失いかねん。」

 

「そうですね。同じ体験をしたシャークン将軍であればそう言ってくれると思いました。我が皇国は大打撃を受けると。その結果日本は大きな領土を、もしかしたらロデニウス大陸と同じくらいの領土を手に入れるかもしれませんね。その場合、ロデニウス大陸の必要性は相対的に小さくなる。

 いや、自国の領土で問題が解決できるなら、ロデニウス大陸の必要性は皆無になると思いませんか?」

 

「俺たちに何をさせたい?」

 

 ヴァルハルの遠まわしな言い方にエスファは苛立ちを募らせる。本来であれば、列強パーパルディアにそんな口の聴き方は出来ない。

 だが、自分達に何かさせたいという事だけは分かるため、少し強気に出ているのだ。

 

「貴方達に日本を盟主とした第4文明圏になってもらいたい。」

 

 ヴァルハルの言葉にハンキ、エスファ、シャークンが絶句する。非文明国の我らに文明国になれとそういうのだ。そして日本を盟主に頂くとしても、自分達の国力も大きくなければ新たな文明圏など不可能だ。そうなれとヴァルハルは言うのだと。

 

 ヴァルハルの思惑は、日本に実力に見合った地位を持ってもらうこと。つまり列強になってもらうのだ。

 そうすれば我が皇国は冷静に日本を分析できる。そうなれば皇帝陛下が最善の選択を為さるはずだ。パーパルディア皇国にとって最も正しき道を示してくださる。

 そのために、私は国家のために非国民となる決意がある。

 

「第4文明圏となる覚悟を持っていただける国には、私が知る限りの火薬技術を提供しよう。」

 

「「「なっっっ!!!」」」

 

 再び3人が絶句する。火薬技術は文明国家か非文明国家を分ける技術だといわれている。

 その中でも列強の火薬技術を欠片でもつかめるなら、文明国として十分な力を持てる。

 願っても無い申し出だ。

 

「そうか……貴公はパーパルディア皇国と日本国を戦わせたくないのだな。」

 

「あたりまえです。あの力を見て誰が戦いたいと思いますか? だが、あんな力があると説明しても誰も信じないでしょう?日本は実力に見合った地位を何故か持っていないのです。」

 

 ハンキとエスファは思いだす。日本が転移国家だという事を。

 ロウリア戦後の会談で日本は第2文明圏ではないこと、自分達をこの世界の人間ではない。異世界を故郷としている事を。

 だから元の世界に戻ることを考え、この世界には過剰に干渉しないようにしていると。

 その結果、日本のことを知らない国が多すぎる事を。

 

「ふむ。貴公の言い分は分かった。こちらとしても願っても無い申し出だ。だが、我々の一存で決めていいことでもない。

 国に持ち帰らせて貰いたい。勿論、陛下と陛下の指定するもの以外にこの話はしない。」

 

「えぇ、いいでしょう。忘れないでくださいね。火薬技術を教えるのは、覚悟を決めた国家『のみ』です。」

 

 それは、覚悟を持たぬ国は火薬技術を持てず、滅びの道を歩む事を示唆されている様だった。

 

「それと、我が国への借金返済と順調に併呑が進んでいる事を誤魔化すためにも協力してください。

 我が国のものは文明国外に出たがりません。皇国は私が何とかして見せます。持つのは5年が限界です。あなた方も5年以内に何とかしてください。」

 

 

 この密会の後、クワ・トイネ、クイラ、ロウリアは第4文明圏形成の覚悟を決め、一層国家間で協力し合う事になる。

 日本に必要な国で在り続けるために――――

 




日本が彼らを切り捨てるなんてことありませんが、
彼らが切り捨てられないと信じる切るには時間が足りてませんね。
まだ1年しか経ってませんし。

パーパルディア公国の人間で日本に対してやらかして欲しい人間は?(パーパルディア結末が分岐します)

  • レミール
  • レミールとカイオス
  • レミールと皇帝
  • 3人ともやらかす欲張りセット
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