パラレル日本国召喚   作:火焔

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登場人物
●日本
佐久間:国立魔法研究所職員

●クワ・トイネ公国
シャロット:公国魔法士(エルフ)

●クイラ王国
アフヴァ:王国魔法士(狐系獣人)

●ロウリア王国
ダイダロア:王国大魔術師



04. 国立魔法研究所 -魔法陣-

 ――――翌朝

 

 12個の魔法陣のデータをプリントアウトし、シャロットさん、アフヴァさん、ダイダロアさんが待つ研究室へと向かいます。

 

「おはようございます、みなさん。」

 

「ごきげんよう、佐久間様」

 

「おはようございます、佐久間さん」

 

「おはようございます、佐久間様。昨日は実りのある経験をさせて頂き真に感謝しています。」

 

「ダイダロアさん、ちゃんと寝ましたか? 遅くまで実験室にいたと聞いてますが、体が資本ですよ?」

 

 ダイダロアさんはちょっとお疲れのようです。目元に隈があります。

 想像以上の成果が出ると時間を忘れてしまうのは、同じ研究者として分からなくもありませんが……。

 

 

 

「それでは、先ずはおさらいとしてダイダロアさんに昨日の魔法陣を発動していただきましょうか?」

 

 ダイダロアさんは昨日の魔法陣を受け取り、発火魔法を発動させるとシャロットさん、アフヴァさんが発動の早さに気が付きます。

 

「そうなのだ。日本国の魔法陣技術によって、ロウリア王国人間流の発火魔法は最適化され、発動、消費魔力共に1割ほど削減に成功したのだ!」

 

「!!!?? 初歩魔法なのに1割も削減できたのですか!? これは大事ですよ!」

 

「そんな……。ロウリア王国との魔法学が大きく離されてしまいましたわ……。」

 

 アフヴァさんが大きく驚き、シャロットさんはうな垂れてしまいました。

 

「大丈夫ですよ、クワ・トイネ公国エルフ流も、クイラ王国獣人流も同じくらい最適化できましたので。魔法陣の小型化もやっておきました。」

 

「ホントとですか!?」「本当ですの!?」

 

 シャロットさん、アフヴァさんが魔法陣を描いた用紙を受け取り、魔法を発動させると――――

 

「まぁ! なんてことですの!?」

 

「これは……すごい!」

 

 よかった。大魔術師より2つ下位の魔法士でも発動する事ができたと言うことは、他のチームも問題ないのでしょう。

 来日している大魔術師はダイダロアさんのみなので、大魔術師の技量でカバーした可能性も捨て切れなかったのですが、これなら問題ないでしょう。

 

 

「佐久間様、今日はもっと凄いことを為さるのでしょう?」

 

「ダイダロアさんには分かってしまいますか? こちらの2つの魔法陣で発火の魔法を試して頂きたいのです。」

 

 今回、12種の魔法陣以外にロウリア王国の4種族の流派を纏めた魔法陣、それと、○○国人間流を纏めた人間用の魔法陣も作成したのです。

 ダイダロアさんの腕ならば、きっと発動できると踏んで予め用意しておいたのです。

 両方とも昨日の魔法陣より、4割ほど紋様が削られています。

 

「これはまた……2つともかなり紋様が削られていますね……」

 

「はい。大魔術師のダイダロアさんなら出来ると思って作ってきました。」

 

「そうですか……。佐久間様が出来ると言った以上、やり遂げなければなりませんね……」

 

 ダイダロアさん息を吐き、覚悟を決められたようです。

 ついダイダロアさんには頼ってしまいますね……。やってくれそうな安心感があるのでつい。

 

 そして、結果はやはり――――

 

「なんてことだ……。私の今までの積み重ねは一体なんだったのか……。これほどまでに常識が根底から覆る事になろうとは……。」

 

 2つの魔法陣は共に発動し、さらにダイダロアさんのコンパクト化を行った魔法陣でも発動を確認できた。

 

「強いて名づけるならこちらがロウリア王国流、もうひとつが人間流でしょうか?」

 

 この調子ならば、少なくともクワ・トイネ公国流、クイラ王国流、ロウリア王国流、人間流、エルフ流、獣人流、ドワーフ流と7つまで統合できるかもしれませんね。

 そもそも、同じ種族なのに違う流派なのが間違っていると思うのです。

 同じエルフ同士なのに大きく違う魔法陣を使うなんてありえないはずなのに……。

 

「シャロットさん、アフヴァさんも、この魔法陣を試して見ますか?」

 

「エルフの私に発動できるのでしょうか……?」

 

「クイラ王国の魔法使いなので、俺に使えるでしょうか……?」

 

 二人は半信半疑で魔法陣を使ってみるが……魔法は発動しないようだ。

 

「やっぱりダメでしたわ……。」「やはり獣人の俺には人間の魔法陣は使えないようだ……。」

 

「う~ん、ダメでしたか……。では明日、クワ・トイネ公国流、クイラ王国流、エルフ流、獣人流の4つを作ってみますね。」

 

「「お願いします。」」

 

 この日は、各系統の初歩魔法の魔法陣をたくさん書いて貰い、効果確認して研究を終えた。

 

 

 

「う~ん、何でだろう? 推測ではシャロットさん、アフヴァさんも発動できると思ったんだけどなぁ……」

 

 目の前のモニタには12の流派を纏め、大きさが40%程に小さくなった魔法陣を見ながら考える。

 多分これが大本の発火魔法だと思うのですが……。

 

 国ごとに違うのは、魔法陣の情報隠蔽と伝える人の癖、年代による正確でない伝承、他国による魔力消費増大の妨害工作によるものだと思う。

 種族ごとに違うのは、本当に種族専用の魔力伝達サポートとかが入っているのかもしれないが眉唾物だ。

 少なくとも基本の魔法陣に入れるべきものではない。

 

 基本の魔法陣を押さえているのなら、魔力消費は多くとも発動できないはずが無いのですが……。

 

「明日、ダイダロアさんに頼んでみようかな……。また頼ってしまうけどあの人に出来ないのなら、この考えが正しくない証拠でもあると思うし……。」

 

 

 

 ――――翌朝

 

「早速すみませんが、ダイダロアさん。この発火の魔法陣を試していただけますか?」

 

「やはり……そうなるのではないかと思っていました。佐久間様、覚悟は出来ています。」

 

「期待しています、ダイダロアさん。貴方なら出来ます。」

 

 ダイダロアさんは静かに息を整え――――大きく息を吸う。

 

「参ります!」

 

 ダイダロアさんの手元から魔法陣が赤く光って行き、そして魔法陣全体が赤く光る。

 魔力が魔法陣に充ちた証拠だ。

 ここからが正念場、この魔法陣が正しく発動するのであれば魔法陣の上に火が灯るはず……。

 

 そして、魔法陣の光が消え――――火が灯る。

 

「やったぁ!成功ですよ!ダイダロアさん!!」

 

「はい!佐久間様が出来ると仰って下さったお陰です。日本国の方が言うなら間違いないと。ロデニウス大陸の魔法は、今日この日より新たな道を、正道を進むでしょう。本当にありがとうございます。佐久間様。」

 

「いえいえ、ダイダロアさんのお陰です。貴方ならやれると、そう思ったまでです。」

 

 

 

 ダイダロアさんはシャロットさん、アフヴァさんの方を向き――――

 

「次はお前達の番だ。出来ないとは言わせない。」

 

「で、ですが……。わたくし達の魔力では……」

 

 有無を言わせぬダイダロアさんはの態度に、不安に顔を曇らせるシャロットさんは、後ずさりしてしまう。

 

「魔法学生ですら使える魔法に、大魔術師と魔法士の差が関係あると思うな。クワ・トイネ公国エルフ流の魔法陣を貸せ!」

 

 シャロットさんの持つ発火魔法の魔法陣をダイダロアさんが手に取り、魔法を発動させる。

 

「な、何故、種族も国家も違う流派の魔法を使えるのです!?」

 

「これも、これも、これも!全て無駄を積み重ねたゴミだったのだ!」

 

 ダイダロアさんは各流派の発火魔法陣を次々に発動させては放り投げる。

 シャロットさん、アフヴァさんはその光景を見て放心している。

 私も今までの態度とは違うダイダロアさんに、声をかけることが出来ないでいる。

 

「私は新たな魔法を開発したときに偽装紋様を組み込んだことがある。各流派の魔法はそれが時を積み重ね、口伝が途絶え、無駄である事がわからないまま肥大化したものだったのだ。発火魔法の原点は……この佐久間様が描いたこれだったのだ!

 なんと無駄の無く、魔力の浸透が滑らかなのだ。これは一種の芸術と言わざるを得ない。」

 

 

「で、ですが……わたくしは昨日魔法を発動させる事ができませんでした……。」

 

「それは、お前の心の中で流派が異なるから発動できないと思い込んでいたからだ。発動できないとイメージしていれば発動するはずも無い。感じなかったか? イメージ失敗の魔力喪失と同じ物を。」

 

「た、確かにそのような魔力喪失を感じましたわ…………。ふぅ……分かりました。私にも出来る。今だ魔法士なれど、魔法に最も長ける種族であるエルフの誇りを持って、この魔法陣を発動させて見せます!!」

 

 シャロットさんは魔法陣に魔力を流し込んで行き――――

 無事魔法を発動させる事に成功する。

 

「やった!やりましたわ!! 佐久間様、ダイダロア様! わたくし、やりましたわ!」

 

 嬉しそうにぴょんぴょんと飛び跳ねるシャロットさんを見て、アフヴァさんも覚悟を決めたようです。

 

「俺だって……!獣人の中では魔力に長けた種族なんだ! エルフにだって引けを取らないはず……俺だってやって見せる!!」

 

 ここまでくれば、もう出来るとわかったようなものですね。

 やはりアフヴァさんも無事に魔法を発動させることに成功した。

 

「すごい!ここまで魔力消費も少なく発動も早いなんて!!今までの半分以下じゃないか!」

 

「よかった。全員この魔法陣で魔法を発動できましたね。」

 

「これは秘伝魔法も含めて一度見直す必要があるかもしれません。佐久間様、一度魔法陣の構成を整理する時間を頂けますか?」

 

 ダイダロアさんの提案にシャロットさん、アフヴァさんも頷きます。

 

「ええ、分かりました。こちらも昨日書いて頂いた初歩魔法の最適化する必要がありますので。

 あ、そうです。明日お渡ししたいものがありますので。」

 

 役に立つかは定かではありませんが、これが出来たら面白いかもしれません。

 




二日目、シャロット、アフヴァが魔法を発動できなかったのは無理もありません。日本を魔帝だと思っていないのですから。
ダイダロアは日本を魔帝だと思っているから、魔法の原初がいう事が間違っているはずがないと思い込んでいます。
だからこそ出来ないイメージなどは無いのです。
日本人の魔力については、魔石すら発動できないほどの魔力しか感じさせないとは、何という魔力操作能力なんだと感嘆しているくらいです。

パーパルディア公国の人間で日本に対してやらかして欲しい人間は?(パーパルディア結末が分岐します)

  • レミール
  • レミールとカイオス
  • レミールと皇帝
  • 3人ともやらかす欲張りセット
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