パラレル日本国召喚 作:火焔
●日本国
緑川:外務省職員。ガハラ神国、フェン王国担当
●ガハラ神国
ミドリ :竜の巫女姫。国主
スサノウ :風竜騎士団長
ウィンディア:スサノウが駆る風竜。70歳ほど
●フェン王国
シハン :国主
マグレブ:騎士長
◆◆ ガハラ神国 神前の間 ◆◆
「何て大きさの神社なのか……」
ガハラ神国とフェン王国の外交官に任命された外務省職員の緑川は神社の巨大さに目を見開く。
緑川は『霧島』に乗艦し、ここまで送迎して貰ったのだ。
案内された部屋は畳張りで中央奥側が上座が一段高くなっている。
そこには巫女服を来た女性が座っている。長い髪は艶やかな緑色で絹のような白い肌、その美しさに緑川は目を奪われてしまう。
彼女の左には風竜が鎮座し、右側には海上で出会ったスサノウという風竜騎士団長が座していた。
部屋の左右には烏帽子を被り、
(全員が白と緑を基調としているのは、風竜に敬意を表しているからだろうか?)
「わらわはミドリと申す。貴殿が日本国からの使者かの?
優しく柔らかな口調は、見た目とは異なり人生経験を積んだ者であることが伺えた。
「私は緑川と申します。日本国、外務省に所属して居ります。この度は、貴国と国交を結びたく伺いました。」
(ふむ、海軍は精強そうに見えるしのぅ。とあれば、狙いは風竜を味方につけて航空戦力を充実されたいと言う腹積もりかの?
悪いが防衛であろうが風竜を他国に派遣する気はない。)
「国交を結ぶのは構わぬ。だが、わらわ達は自国の防衛で手一杯じゃ。風竜を派遣する事はないぞ?」
竜の巫女姫であるミドリは日本の思惑を想定し先手を打つ。
「はい、重々承知して降ります。自衛の際は自国戦力で対応する事をお約束します。」
事前にクワ・トイネ公国、クイラ王国、ロウリア王国から、風竜目当てに国交を結ぼうとする国が多いと聞いている。
自衛できることを証明するためにも、軍艦で向かったほうがいいと彼らは勧めたのだろうと緑川は推測する。
(ふむ、アテが外れたの。パーパルディア公国のアルタラス占領に危機を感じての事かと思ったのじゃが……。
何故今になって……とは思うが、彼らの思惑がわかるやもしれぬ。一先ずは様子見かの)
「ふむ、であるならば問題はないぞ。細かい話はわらわでなくとも良かろう?
それと、この後はフェン王国に向かうのか?」
「はい。その予定でおります。」
「では、使いのものを送っておこう。スサノウ、ウィンディア。任せたぞ?」
「「はっ!! 仰せのままに」」
左右に控える武士と風竜が返事をし、部屋を後にする。
「お手数お掛けします。深く感謝申し上げます。」
緑川はミドリが退出するまで深く頭を下げ続けた。
ガハラ神国とは無事国交を開設することが出来て、緑川は1つ肩の荷が下りる思いがした。
ガハラ神国と交易する日本製品はロデニウス大陸と同等のものとなった。
いくつか日本製品のサンプルを見たガハラ神国側の外交官は非常に満足していた。
日本がロデニウス大陸と同等の製品を輸出すると決めたのは、緩衝国にしようとする後ろめたさがあったからだ。
◆◆ フェン王国 謁見の間 ◆◆
「マグレブ。これを如何見る?」
フェン王国にガハラ神国からの使いが来て、親書が剣王シハンの元に届けられた。
内容は要約すると、日本という国が国交を結びに来る。国力も十分だと判断するため非礼は慎むように。とのことだ。
「ガハラ神国が認めているとなると、列強に近しい程の力を持つと推測します。
巫女姫殿の仰るとおりにすべきかと。」
武将の姿をした騎士長マグレブは、国主である剣王シハンに進言する。
「ふむ、お前もそう思うか。たしか、廃船が4隻あったな?アレを使って実力を見せて貰うとしよう。」
フェン王国は武士の国であり男女に寄らず国民全員が剣術を習得する。剣の腕が何よりも重要視され、出自よりも尊重される。
当然シハンもマグレブも剣の達人で、国に10人しかいない剣豪の称号を持つ。
その代わり魔法の教育は一切なく、魔法を使えないものが殆どだ。
国は貧しいが清貧を尊び、古き日本にあった武士道を体現している国だった。
数日後――――
「これは……城じゃないか……?」
緑川は再び目を見開く。
国民はガハラ神国を同様に着物を着用していて、刀らしき刀剣を腰に
緑川は全員が武道を修めているという事前情報に間違いがないことを実感する。
(まるで江戸時代にタイムトリップした気分だ。)
緑川は違う世界に来てしまったのだから、本当にタイムトリップしたかも知れないと不安になる。
だが後ろを振り返ると悠然と佇む『霧島』が目に入り、緑川の心は落ち着きを取り戻す。
(しかし、何故両国とも和風の趣があるのだろうか? しかし、聞いていいものかも分からないし、もう少し親交を深めてからにしよう)
緑川は城の中を案内されて、城主の間へと通された。
部屋の両端にはフェン王国の武将が正座していて、部屋の中央には赤い座布団が1枚敷かれていた。
緑川は案内されるがまま座布団に正座すると、周囲から「おっ」という雰囲気が漂った。
緑川以外のだれもが正座できるとは思っていなかったからだ。もしくは知っていても敢えて無視するかもしれないとも思っていたからだ。
我々の風習に併せたのだと思い、日本国に対し好意的な感情を持つ。
しばらく正座して待つと、剣王シハンがお供を連れて入室してきた。
「私は剣王シハンだ。貴殿が日本国の使者であるか?」
「――――ふむ、国交を結ぶ事は構わない。だが、貴国の力を見せて頂きたい。
最近パーパルディア皇国がアルタラス王国を属国に置いたのは知っているかね?
有事の際に背中を預けるに値するかをこの目で判断したいのだ。」
緑川はシハンから廃船予定となっている4隻の船を攻撃して欲しいとの依頼を受けた。
引き受けるか迷いはしたが、海を挟んで直ぐ近くに暴君が居るとなると力を見たがるのも無理もないと思い、引き受ける事とした。
最悪の事態を想定して交戦まで行使できる裁量を与えられているからだ。
『霧島』による廃船への射撃はフェン王国へ非常に大きなインパクトを与える事となった。
シハンからは軍艦の輸出はしているかと尋ねられたが、緑川は機密の塊であるためと丁重にお断りした。
シハンもそれは想定済みで、質は大きく落ちてもいいから輸出できる軍備はあるかと提案した。
緑川は今年からロウリア王国で建造を開始した戦列艦を代案として挙げるとシハンは快諾してくれた。
(まるで自分が死の商人みたいに感じるな……。)
予め想定していたとはいえ、フェン王国を防波堤として扱おうと言うのだから緑川の気持ちは重い。
それとは対照的に、シハンは想像以上の成果が手に入ったと内心大喜びしていた。
日本の作る戦列艦がパーパルディアの魔導戦列艦に匹敵する程の技術を提供してくれるとは思えない。それでも、文明国級の戦列艦が輸入できるのであれば、海戦で一糸報いる事が出来るだろうと。
シハンはフェン王国最新鋭の軍船剣神を思い浮かべる。
(剣神の名は譲る事になるかもしれんな。)
●フェン王国
非文明国で勾玉を逆にしたような形の島国。
大きさは四国ほど。
人口は70万人
魔法を使わない武士が存在する国
パーパルディア公国の人間で日本に対してやらかして欲しい人間は?(パーパルディア結末が分岐します)
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レミール
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レミールとカイオス
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レミールと皇帝
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3人ともやらかす欲張りセット