パラレル日本国召喚 作:火焔
●日本
田中:外務大臣政務官
後藤:日本海軍大佐。金剛艦長
●クワ・トイネ公国
ハンキ:中央第1騎士団団長(ドワーフ)酒が好き。
ヤゴウ:第三飛龍隊隊長
ハガマ:侯爵。マイハーク市の領主(人間)
2019年1月24日(中央暦1639年1月24日)
「本当に3日で着いてしまった……」
ハンキは3日前を思い出す。
軍船の速度は非常に速く、ロデニウス大陸は見る見るうちに小さくなっていった。
船の中は快適で、第三文明圏のフィルアデス大陸へ向かったときより遥かに心地よかった。
あの時のことは思い出したくもない。まるで奴隷になった気分だった……。
それに、港には「金剛」のような数多くの軍船、いや軍艦が停泊していた。
(なんと壮大なのか!)
こんな光景、第三文明圏でも見た事がない。
「皆様、こちらへお越し下さい。こちらから下船できます。」
艦長の後藤大佐に別れを告げて、タナカ殿の案内に従い「金剛」と呼ばれる船から下船した。
彼からは、ガレー船による様々な戦い方を学ばせて貰った。
ガレー船の戦法ならば「新世界技術流出防止法」にも抵触しないらしい。
また帰りに話を聞きたいところだ。
「タナカ殿。貴国では軍隊による整列はないのですかな?」
我が国では、賓客を迎えるとき兵士が通路に沿う様に並ぶ。
これは国の戦力を見せて安全である事を示すためだ。
タナカ殿に私の言葉の意味を伝えると――――
「え!? あぁ! マイハーク市での歓迎にはそのような意味が……。」
タナカ殿にマイハークでの話を聞くとハガマ卿は失敗したようだな。
ハガマ卿の代わりに謝罪すると、
「いえいえ! 貴国の文化ですから。あの時のことが歓迎の証と知ることが出来てよかったです。」
◆◆◆◆◆◆◆
2019年1月30日(中央暦1639年1月30日)
日本に着いてから一週間。
日本の交通法など、様々な注意点を受けた。
日本には自動車と呼ばれる鉄の馬車がたくさん走っていて、ルールを逸脱すると轢かれて死んでしまうとの事だ。
さらには電車と呼ばれる鉄の蛇も走っており、これも命の危険性があるとの事。
特にエーアイセンヨウレーンという道路には立ち入りが厳禁だということだ。
人が操らない鉄の馬車がたくさん走っていて人が入れないようになっているが、間違えて入ると凄い勢いで警報が鳴り犯罪になってしまうらしい。しかも高い罰金まである。
武装に関しては本来、剣も帯刀不可だそうだが、今回は特別に許可が下りているらしい。
今後、クワ・トイネ人が日本に来るときは、個人が武器に類するものは持ち込む事ができないようだ。
日本人は警察という治安部隊のみ武器を所有しており、一般人は武器を持っていないそうだ。
この一週間研修のために滞在したホテルという宿は、とても煌びやかで快適だった。
電気という軍艦でも見た光の機械がそこら中にあり、風呂も広く、クーラーという機械で室温、湿度が快適になるよう調整されていた。
食事も様々な味付け方の楽しめて、私はスペアリブというスパイスを効かせた骨付き肉がお気に入りだ。
ビールとよばれるエールの一種とワインにとてもよくあう。
そうなのだ!酒も日本国は非常に美味し、様々な種類がある!
焼酎や日本酒という穀物から作る酒や、酒を蒸留して造るブランデーやウイスキーといった…………
―あまりに長いのでカットされました―
ということで酒は「新世界技術流出防止法」適用外だということなのだから、是非輸入するべきだ!!!
少し熱くなってしまったが、日本はとんでもなく裕福だという事だ。
このような待遇は金持ちだけでなく、品質に差はあれど普通の市民も享受できるという事だ。
ただ、機械と呼ばれる品は「新世界技術流出防止法」に抵触するらしい……残念だ……。
ホテルのハンキの部屋でハンキは、もう一人の騎士と話し始める。
「ヤゴウ。お主は日本を如何感じる?」
「如何、といわれましても……。何から何まで規格外としか……。文明が高度すぎて、何を学べるか探すのも一苦労です。」
第三飛龍隊隊長ヤゴウはため息をつく。
「ヤゴウから見てもそうか。」
「ハンキ将軍閣下でさえ難しいのですか……。」
室内に2つのため息が流れる。
目的を達成するのは中々困難そうだと二人は思ったのだった。
「ここが福岡市ですか……。長崎市より高い建物――――高層ビルも人もとても多いですね。田中殿、これでも首都ではないのですか?」
「はい。福岡市は九州で最も人口が多い都市で250万人住んでいます。しかし、首都東京の23区ですと、1800万人の人が暮らしています」
「1800万人……。」
ハンキは開いた口が塞がらなかった。
クワ・トイネ公国の人口は1800万人。文明圏外ではロウリアの3800万人に次に多い。ちなみにクイラ王国は700万だ。
3国ともクワ・トイネの農産物のおかげでこれだけの人口を支えられる。
ロウリアに関しては強奪だが……
日本の国土はロデニウス大陸の1/10しかなく、クワ・トイネの40%しかない。
それなのにクワ・トイネの10倍の人々が暮らしている。
最初180,000,000人が暮らしているなんて、流石に盛り過ぎだと思ったが、長崎市、福岡市をみると事実だと思えてくる。
「これから、リニア新幹線に乗って東京まで向かいます。博多駅8:06発のリニアに乗って、東京駅10:31着となります。」
クワ・トイネの人たちは朝5時に起きるので、これでも遅いくらいだ。
(時速600km、ワイバーンの2倍超の速度で陸を走るのか……)
ハンキは不安に思いながらリニア新幹線の座席に座った。
隣では田中が只のイスに座るかのように平然としている。
そして、1分も違(たが)えることなくリニア新幹線は発車した。
トンネルが多いリニア新幹線だが、所々は外の景色が見える。
「速い!? トンネルの中では実感が湧かなかったが外の景色を見るとこれほどとは!!」
竜騎士ヤゴウは自分の駆るワイバーンより速く走るリニア新幹線に驚愕する。
この速度でたくさんの人を運べるとうことは、兵士も物資も日本中から簡単に集められることを示していると理解し更に驚愕する事になる。
東京から横浜まで新幹線を乗り継ぎ、横浜からは横須賀軍港まで車で移動した。
ハンキ達は東京の高層ビルが見れなかったのが残念だったが、東京駅構内は人、人、人!
人で地面が見えないくらいだった。公都の最も栄えた通りでさえ1/10もいないだろう。
ハンキ達はSPに誘導されていた為、人ごみの中に紛れるような事はなかったが、もしあの中に放り込まれたら人の流れに飲まれてしまっていただろう。
「東京駅とは何とも凄いところでしたな。」
ハンキ達は昼食を取りつつ、東京駅の凄さを口々に語り合う。
「そうですね。1つの駅が朝から晩まであの調子な様ですから、1800万人というのも頷けますね。」
「ただ、皆忙しそうでしたな。これだけの国力を生み出すために、平穏を犠牲にしなければならないのかもしれませんね。」
昼食を終えたハンキ達は、日本海軍と空軍の演習会場へと向かうのだった。
●クワ・トイネ飛龍隊
クワ・トイネ騎士団(陸軍)の一部。
騎士団の中ではエリート。鐙と手綱しかないのでバランスを取るのが困難。
主な攻撃は、火炎弾と火炎放射。
竜騎士は重量を減らすため武器は短剣しか持たない。
鉄鎧を着用している。
●日本の都市()内は史実の人口
福岡市 : 250万(154万)
東京都23区:1,800万(921万)
●異世界の人口
クワ・トイネ公国:1,800万
ロウリア 王国:3,800万
クイラ 王国: 700万
●各国の土地
ロデニウス大陸 :3,800,000 km²
(オーストラリアの半分)
クワ・トイネ公国:1,000,000 km²
ロウリア 王国:1,900,000 km²
クイラ 王国: 900,000 km²
日本国:400,000 km²(史実378,000)
(南樺太や千島列島を含むためちょっと広い)