パラレル日本国召喚   作:火焔

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登場人物
●日本国
鈴木:外務大臣政務官。ロウリア王国担当。

●パーパルディア皇国
ヴァルハル:先の戦争でロウリア側の観戦武官、文明圏外国担当部、南方方面課課長に昇進

●クワ・トイネ公国
カナタ:クワ・トイネ国主(エルフ)

●クイラ王国
テヘンラ:クイラ国王(狼系獣人)

●ロウリア王国
ハーク・ロウリア34世:国主



14. 2024年:ロデニウス大陸

 2024年(中央暦1644年)に至るまで、日本と国交のあるクワ・トイネ公国、クイラ王国、ロウリア王国、ガハラ神国、フェン王国は平穏なときを過ごした。

 パーパルディア皇国に察知される事も無く、軍備増強に努めることが出来た。

 

 

 これもヴァルハルが内情を隠蔽するために毎年、旧・クイラ硬貨を大量にパーパルディア皇国へ持ち帰ったためだ。

 パーパルディアが支配する属国の中でも最も稼ぎを出したヴァルハルは、昇進して現在は南方方面課課長だ。

 皇国としても、毎年大金が入ってくるのだから、さらにヴァルハルに任せっきりになる。

 

 こうして古い硬貨は国によって集められ、代わりにロデニウス硬貨が大陸中に行き渡る事となるのに一役買った。

 

 

 

 インフラ面でも大きく進歩している。

 ガハラ、フェンでは港整備のみに留まっているが、ロデニウス大陸では鉄道網は主要都市間を網羅するまでに至った。

 線路を引いただけでなく、特急・急行・普通など、区分けも整備され年々利用率は上がっている。

 現在は、各国首都を新幹線で結ぶ計画が進行中である。

 

 たった五年でこれだけの成果が得られたのは、日本軍の協力によるところが大きい。

 古代ローマ兵の様に線路を敷く作業に従事していたのだ。

 そのため、ロデニウス大陸に住む人々の日本軍に対する信頼は非常に大きいものとなっている。

 

 

 

 経済に関しても順調に発展している。3カ国の友好化に伴い、主力産業を伸ばすようになったのだ。

 当然、全てを自前で用意していた頃より成長率は大きい。

 クワ・トイネ公国では農業・畜産、食品加工

 クイラ王国では鉱業、金属加工

 ロウリア王国では造船業、林業、果実食品

 

 日本の技術により高品質な製品を生産できる様になったため、輸出すれば瞬く間に売れている。

 今では非文明圏だけでなく、文明国でもロデニウス大陸産の製品として一定のブランドを確率するに至った。

(諸外国には内情隠蔽のため、ロウリア産として認識されている。)

 

 

 

 軍事に関しては、この数年で最も発展したと言えよう。

 陸軍は銃兵師団が創設されて、陸上戦の花形が騎兵から歩兵へと遷移した。

 装填時間の長さを補うために役割分担し、装填手、射手が分かれる様になった。

 製造は日本で行っているため品質は世界最高クラスであり、故障などのトラブルが圧倒的に少ないのも爆発的に普及した理由だった。

 陸軍専用の大砲も徐々に配備されてきているが、軍事費は専ら海軍・空軍が主だった。

 

 戦列艦は更に発展し、120門級戦列艦『超ロデニウス級戦列艦』が登場した。

 搭載された魔法陣は高性能化し機動力が向上している。

 『水神の静寂』『水神の抱擁』『風神の涙』は魔石でも起動する様に変更されて、平時は水兵の魔力を、戦時は魔石を使用することで、戦時は大砲の操作に注力できるようになった。

 

 何より大きく変わった事は、竜母の建造が始まった事だ。

 ヴァルハルも竜母の構造については余り知らないようで、日本の空母を参考に試作を続けているが、木造船で飛竜の助走距離を稼ぐのは難しく、難航していた。

 最終的に甲板に『起風』魔法の魔法陣を並べて、飛竜が風に乗りやすい様にした。これにより滑走路の短さを克服した。

 カタパルトの概念を応用したのだ。

 

 空軍には大きな変更はない。

 竜騎士のアルミ合金鎧に『風壁』の魔法陣を施し、竜騎士にかかる風圧を抑えられる様にした。

 飛竜の鎧には『起風』の魔法陣を施し、風に乗りやすく、機動力が向上した。

 

 ワイバーンロードという飛竜の上位種がパーパルディア皇国に存在するらしいが、血統が大きく左右するものらしくロデニウス大陸で繁殖させる事はできなかった。

 

 

 

 最後に魔法学だが、これも大きく発展している。

 魔法の様々な流派は、殆どロデニウス流として統合された。生活を向上させる魔法は魔法辞典として一般販売されるようになり、危険な攻撃魔法は日本のデータベースに登録、各国には日本製の大型金庫が設置されて金庫で厳重に保管されている。

 スパイが魔法技術を持ち出す危険性が薄くなり、攻撃魔法に大きな偽装は施されていない。

 万が一国内で技術が失われても、日本が原典を持っているため技術が途絶えることはないだろうとカナタ達、国主は考えている。

 

 そして、魔法を教える魔法学院が主要都市で開校された。

 今までの私塾・師弟制度ではなく、統一された学習内容により知識・能力・道徳の均一な向上が図られることとなった。

 講師の魔術師には研究室が与えられる為、私塾を閉じて魔法学院に勤めるものも増加した。

 市民の生活もあるため、義務教育ではない。義務教育になるのはまだまだ時間がかかるであろう。

 

 

 

◆◆ クワ・トイネ公国 上級会議室 ◆◆

 

 国の重要人物のみ使用する事ができる会議室に3人の人物が席に着いている。

 その3人は各国の国主であり、ロデニウス大陸で最も重要な場所である事がわかる。

 

「ようやく、ここまで来ましたね。」

 

「あぁ!だが、これからが本番だ!」

 

「結局、日本国の方々に頼りきりになってしまったな。」

 

 カナタ、テヘンラ、ハーク・ロウリア34世が歴史上類を見ない発展に感嘆し、次の一手について話し合う。

 ガハラ神国やフェン王国と違い、日本国はロデニウス大陸に様々な力を貸してくれている。

 これは、日本国にとって我々が無価値ではないとの証拠だと3人はそう思いたい。

 

「パーパルディア皇国の動向も気になる。そろそろ動き出さないと間に合わない恐れがあるな。」

 

 ハーク・ロウリア34世は、ロウリア王国がパーパルディア皇国に従っている体で行動しているため、クワ・トイネやクイラに比べて情報を得やすい立場に居る。

 情報によるとアルタラス領は、この4年で少しずつ統治が取れてきているとのことだ。

 強制的な人口増加・同化政策も順調らしい。

 

 このままでは数年以内に新たな犠牲者が出るだろう。それが我々でない保障などない。

 

「では、テンヘラ王、ハーク・ロウリア王、それに私の連名で日本国へ打診しましょう。」

 

「うむ!カナタ王!よろしく頼むぞ!」

 

「まだ私は公爵ですよ、テンヘラ王」

 

 そう、本件の成立に至ってカナタは公爵から国王へとなる。

 元々はクイラ王国から独立したクワ・トイネ公国であったが、これを機に3カ国は同じ地位となる。

 

「この親書は私自ら日本国へと届けよう。孫の顔も見たいからな。」

 

 ハーク・ロウリア34世は、娘と鈴木殿の間に産まれた我が孫の顔を思い浮かべる。

 国籍は日本人だが間違いなくロウリア王家の血筋を引いている。

 娘は日本の快適さに浸ってしまい国許に帰ってきたくないと言い出す始末。故に自分が向かうしかない。

 だがそれでいいとも思う。日本に居れば何が起きてもロウリア王家の血筋が絶える事などない。世界一安全な国に居るのだから。

 




陸軍も多少書きましたが使われる事はないでしょう……
基本海戦でカタがついてしまいますし、ロデニウス大陸の各国家は侵略しませんし。

パーパルディア公国の人間で日本に対してやらかして欲しい人間は?(パーパルディア結末が分岐します)

  • レミール
  • レミールとカイオス
  • レミールと皇帝
  • 3人ともやらかす欲張りセット
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