パラレル日本国召喚   作:火焔

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登場人物
●日本国
阿野:日本国首相。妻が地球世界に取り残されている

●ロウリア王国
ハーク・ロウリア34世:国主



16. ロデニウス連合

 阿野がハーク・ロウリア34世から伝えられた事は、クワ・トイネ公国、クイラ王国、ロウリア王国の3カ国でロデニウス連合を発足するということだ。それに伴い、クワ・トイネ公国がクワ・トイネ王国へと変わり。カナタ公爵も国王となる。

 ロデニウス硬貨は連合結成のための布石だったのだ。

 

 阿野は溜息をつく。

 

 ここまではいい。各国が特色を生かし補い合う事で、文明の発展速度は向上するだろう。

 パーパルディア皇国という共通の敵が居るところが大きいのだろうと。

 

 

 そしてここからが問題だ。

 ロデニウス連合の盟主として上位に君臨して欲しいと……。

 彼らの言い分はわかる。この世界は文明圏という勢力圏を構築している。

 各文明圏には、神聖ミリシアル帝国、ムー国、そしてパーパルディア皇国と勢力圏の盟主が存在する。

 

 それ故に勢力圏を築くには、そこを治めるTOPが居るのが通例だと。

 確かに3ヶ国が同じ立場になるという名目なので、いずれかの国が盟主になるという事はコンセプトに沿わない。

 そこで日本国に白羽の矢が立ったのだと。

 

 

 一度世界を渡ったのだ。

 再び同じ事が起きると準備しなければならないし、準備している。

 日本本土だけでも5年間の食糧が賄えるように、保存食を各地に配備している。

 クワ・トイネで生産される食料のお陰で速やかに配備することができた。

 そして、賞味期限が近くなったものはロデニウス大陸の孤児院など生活が苦しい者達に卸している。

 

 ロデニウス大陸の各国には、日本国が危機の状態にあったとき力を貸してくれた恩がある。

 だから、彼らの期待に応えるのが日本人として正しい姿だとわかってはいる。

 

 だが、この世界で矢面に立つという事は積極的な外交に出なければならない。

 それは、この世界の部外者ではなく当事者になると同義だと阿野は思う。

 

 

 それと同時に妻の顔が思い浮かぶ。

 

 当事者となれば、将来地球に戻れる目処が付いたとき如何すればいい?

 部外者であるならば、この世界にお邪魔しただけだ。

 世話になった者達に別れを告げて帰ればいい。もちろん恩に報いるためこの世界で搾取されないほどの技術、文明は遺すつもりだ。

 

 だが、当事者となる事を決意した場合、この地を故郷とするか地球を故郷とするか選択を迫られる時が来る。

 きっと2つに日本は割れてしまうだろう。

 

 

 

 阿野は即答する事など当然出来ず、持ち帰り案件となった。

 

 

 

「先ずは、天皇陛下にお伺いを立てなければ……。」

 

 日本国は立憲君主制である。天皇陛下は象徴として君臨なされており、政治に直接関与はなされない。

 此度の回答もわかっている。だが、わかっているから省略するなんて事は、日本国民として決してありえないのだ。

 

 

「わたくしは、日本国民の意思に準じましょう」

 

 

 天皇陛下は仰られた。

 陛下が国民に任せると決める。そして代議制として国会で採決するか、国民投票で決が採られる。

 所謂、様式美だ。だが、それが日本人らしさというものだ。

 

 

 

 

 今回はことがことなので、国民投票で決める事となった。

 ロデニウス連合加盟に賛成または反対だ。

 

 阿野の予想通り、民意は真っ二つに分かれた。

 反対派は、阿野のように親族・親しいものと生き別れた者達、その家族達だ。

 ユーラシア大陸地方という大きな地方には沢山の日本人が住んでいるし、海外に出張・留学していた者達もここには居ない。

 

 次元の壁に遮られ、生き別れになった人たちは予想以上に多いのだ。

 

 

 賛成派は、この世界で新たな絆を結んだ者達。この世界の方が豊かに暮らせる者達。

 やはり当事者でなければ現金なもので、こちらの世界で生活が豊かになったものは多い。そのような人達は、まぁ、ここも有りかな?とこの数年間で思うようになっていた。

 

 国内で揉め事が発生するまでには至ってないが、投票日2024年12月1日までピリピリした空気が国内を漂う事となる。

 

 

 

 一方、国会は至って冷静だった。

 もちろん、彼ら、彼女らの中にも地球に家族を残した者はいるし、その割合もほぼ半々だ。

 では何故?

 

 それは議員達は(したた)かだったからだ。

 

 地球ではアメリカ、ロシアという恩人でもある超大国に挟まれて外交で胃の痛い想いをした者は多い。というか殆どだ。

 それから開放された。しかも自分達は圧倒的に格上の立場となった。

 視察に向かえば、最上の賓客としてもてなしてくれる。手放したくないと思うのは自明の理だ。

 (つい口が軽くなり、余計な事を喋ったりもする。ライフリング技術はこういった経緯で漏れて、後日正式に伝授する事となった)

 

 ある者は、地球からこの世界に移動した「次元震災」で1年後、配偶者を認定死亡で婚約解消し、この世界の10代・20代の女性、または男性と再婚した。

 

 またある者は、現地人の愛人を侍らせている。

 結果、ほぼ満場一致でロデニウス連合加盟に賛成だった。

 

 やはりか……と阿野は溜息をつく。

 

 

 

 そして、投票日2024年12月1日に国民投票が行われ、結果が公表される12月2日。

 

 

 結果は――――――――――――

 

 

 

 

パーパルディア公国の人間で日本に対してやらかして欲しい人間は?(パーパルディア結末が分岐します)

  • レミール
  • レミールとカイオス
  • レミールと皇帝
  • 3人ともやらかす欲張りセット
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