パラレル日本国召喚 作:火焔
ヴァルハル:先の戦争でロウリア側の観戦武官、文明圏外国担当部、南方方面課課長
カイウス :第3外務局長(非文明国の担当)
01. 国家戦略局と第3外務局長
◆◆ パーパルディア皇国 国家戦略局 ◆◆
(ようやくここまで来た……。だが、これで終わる。)
ヴァルハルは安堵する。
この5年、愛する祖国を裏切ってでも必要と判断した事を行ってきた。
ロデニウス大陸へ火器の技術を漏洩、ロウリア王国が統一していると虚偽の情報を上げてきた。
その代わりになるかわからないが、旧クイラ硬貨、旧ロウリア硬貨の全てを回収して、皇国の硬貨に鋳潰した。
その量は膨大でロウリアの借金は当に返済しており、貸付金の5倍の金銭を回収した。
その結果、ヴァルハルは課長に昇進し、最も部長に近い人物と評されるまでに至った。
今年の4月、日本はかの国の艦隊と、ロデニウス大陸で生産された多数の戦列艦を率いて我がパーパルディア皇国へ国交を結びにやってくる。
アレだけの海軍がやってくれば、日本をロデニウス連合を見くびるものは居ないだろう。
(自分では日本への効果的な対策を取る頭脳がない。
だが、聡明な陛下であれば我が国にとって最も有益となる選択をしてくださるだろう)
日本は外交に何故軍艦で?と疑問をしてきたが、パーパルディア皇国は軍事力を重きに置くため、非武装船でパーパルディア皇国へ向かう事は寧ろ非礼に当たると述べておいた。
本当はそんな事無いのだが皇国民が相手国に舐めた態度を取るため、有効な方法ではある。
その説明に日本国外交官は納得してくれたようだ。
多分、アルタラス王国の件もあって非武装で向かうのは危険と思っているのだろう。
祖国が日本の力を見誤らないように最善を尽くしてきた。
4月の日本国訪問が実れば、最悪の事態は免れる事ができるだろう。
ただ――――
(俺は良くて更迭。最悪、極刑だろうなぁ……)
ロデニウス大陸における虚偽の報告。日本国の情報隠蔽。露見するかわからないが技術漏洩もだ。
非国民として裁判にかけられるのは間違いないだろう。
陛下ならば、自分の思惑を察していただけるかもしれないが……あてにするのは非礼に当たる。
だが、いつか自分の選択が間違ってなかったとわかってくれる日が来るだろう。
そのとき、自分は生きていられるだろうか……?
(今年の3月にロウリア王国から最後の資金回収を行えば、俺の仕事は終わりだな。
頼むから、無事に終わってくれ――――!!)
――――だが、ヴァルハルの願いは叶わなかった。
◆◆ パーパルディア皇国 第3外務局 ◆◆
「さて、諸君。アルタラス属領の支配は臣民統治機構に実権を移し、つつがなく運営されていると報告が上がっている。
これも我々がアルタラスを上手く焚き付けた手腕によるものだろう。」
第3外務局長はカイオスは、部下達に告げる。
「だが、陛下は新しい成果を欲しておられる。
その目標は――――フェン王国だ」
カイオスの部下達は驚いた。
何故、フェン王国? あそこには何の資源も無いはず……?
ガハラ神国は飛竜の上位種である風竜が生息している。
いかにパーパルディア皇国が精強であれ、制空権を取られた状態で戦うのは苦戦を強いられるだろう。
敗北する事はありえないが、被害は大きなものとなってしまうだろう。
「そうだ。フェン王国は通過点に過ぎない。真の目的はガハラ神国だ。」
カイオスは陛下はガハラ神国から、地竜の使役だけでなく風竜の使役方法を要求する御つもりなのだと部下に告げる。
その言葉を聴き、部下達は おぉ! 流石は陛下! 空軍戦力が跳ね上がるぞ! と騒がしくなる。
「諸君! 静まるのだ。そうだ、我々は非常に大きな任務を任された。ガハラ神国に国威を示すため、フェン王国を鎧袖一触で蹴散らす必要がある。何をすればいいかは……わかるな?」
「「「「ハッ!!!!」」」」
「では、頼むぞ!」
後日、フェン王国西半分の国土の要求と、王国の姫を全員パーパルディア皇国へ差し出せという要求がフェン王国へ勧告された。
第3文明圏が更に力をつけるためには、異世界最高の航空戦力である風竜をなんとしてでも使役したいのです。
原作でも、グラ・バルカス帝国のアンタレス型艦上戦闘機と同等に戦えたのは風竜だけですからね。