パラレル日本国召喚 作:火焔
後藤:日本海軍大佐。金剛艦長
林田:陸軍伍長
●アルタラス王国
ルミエス:元・第1王女
◆◆ 旧アルタラス王国 南東の海洋 ◆◆
「そろそろ旧アルタラス王国の200海里に到達するが、敵艦隊の出てくる気配はないな。」
空母「三笠」率いる舞鶴第一艦隊に所属する、イージス艦「金剛」。
その艦長である後藤は敵影が全く無いことに一抹の不安を覚える。
(人工衛星の偵察で艦隊がない事は分かっているが、こうも何も無いと不安になるな)
そう思うのも無理もない。
パーパルディア皇国海軍は保有艦船の90%以上を失っており、本国の海域を護るだけで精一杯なのだ。
新規の属領などに戦力を割き、戦力を分散させるなど出来るはずもなかった。
「こちら舞鶴第一艦隊司令部。これより、旧アルタラス王国に存在する敵軍軍事基地を爆撃する。」
司令部からの連絡の後、対空兵装を装備した15機「F/A-18 ホーネット」が空母「三笠」から飛び立っていく。
そして最後に500lb爆弾を複数搭載した「F-35B ライトニングII」が飛び立つ。
ライトニングIIが搭載する爆弾は「CBU-72 FAE I」。燃料気化爆弾と呼ばれるタイプの爆弾でその殺傷能力はナパームやクラスター爆弾を遥かに上回る。
何より強力なのは、気化燃料が侵入する全ての空間が爆心地になるということだ。
つまり気密構造など欠片もないパーパルディアの基地には、対費用効果が最も高い爆弾といえる。
(パーパルディア皇国の軍事施設が民間施設から離れた所にあることが救いだろうか。)
そう思いつつ、後藤は飛び立っていく16機の戦闘機を見送った。
日本が選択した道は、第3文明圏を救うというものだった。
全てを救うことは出来ないだろう。その手から零れる命もあるだろう。
それでも、人間が人間らしくあるために。
武器を持ちそんな事を言うのは間違っているかもしれない。
だが、見捨てるよりかは正しい道だろうと。
日本国民には、奴隷解放の名目で寄付を募る事にした。
やはり増税までには踏み切る事ができなかったからだ。
だが、思った以上に寄付金は集まった。
国民からも企業からも。
ならば後は――――
やるしかない
日本は魔信を使い世界に宣言した。
第3文明圏は日本の下にあるべきと。
皇国と徹底抗戦の構えを取った。
パーパルディア皇国の支配を受けている属領を属国を在るべき姿に返すと。
そして解放初手のターゲットに選んだ国は2国。
1つは支配の歴史が浅い国。そして、もう1つは支配の歴史が長い国。
日本の援助無しに、どれだけ自力で立てるか調査をしなくてはならないからだ。
パンドーラ大魔法公国の捕虜が言うには、100年以上支配を受けている国は絶望的だという。
それがどれ程なのかを正確に把握しなければならない。
1つ目がアルタラス王国。
支配の歴史が浅く、何故か航空設備があり、フィルアデス大陸の南にある為にパーパルディア本国の頭を抑えられる、まるで用意されたかの様なおあつらえ向きの土地であるからだ。
そしてもう1つがカース王国。
パーパルディア皇国から500年以上前に支配された国で、フィルアデス大陸の南東にある沿岸の国だ。
こちらはアルタラス―日本間のシーレーン確保も含まれている。
この国の主な産業が奴隷産業、漁業という時点でかなり嫌な予感はするが。
パーパルディア皇国解放戦の第一段階として、舞鶴第一艦隊がアルタラス王国へ、佐世保艦隊第二艦隊がカース王国へと出港した。
◆◆ 旧アルタラス王国 旧首都ル・ブリアス上空 ◆◆
アルタラス王国派遣部隊所属の竜騎士アビスは、王国上空の哨戒任務に就いていた。
日本という大馬鹿者の所為で上層部は苛立っているから、それから逃げる意味でも哨戒任務は幸運だった。
「帰りたくねぇな……。とっととくたばってくれれば、また平和になるのにさ……」
アビスはこんな遠くまで日本という国が来る筈ない。
どっかでドンパチやって皇国正規軍に滅ぼされているだろうとぼんやりしつつ空を駆ける。
それが最期の時となるとは知らずに……
高度14,000を飛翔する「F/A-18 ホーネット」から「AIM-9 サイドワインダー」が放たれ、頭上を見上げる事を怠ったアビスは自分が撃墜された事を知らぬまま、この世を去った。
「目標撃墜。爆撃目標まで50km地点に到達。作戦を続行する。」
アルタラス王国派遣部隊は自身がターゲットになっている事など露知らず。
最初は魔信の不調だと誤解していた通信士が異常に気が付いた頃には、時既に遅し「F-35 ライトニングII」は爆弾投下体制に入っていた。
「司令!! 先ほどから哨戒任務に就いている竜騎士と連絡が取れません!!」
「魔信の故障ではないのか?」
「いえ! 東を哨戒する全ての竜騎士との連絡が途絶えています!」
「何? 原因を究明するために竜騎士隊を東に向かわs――――」
東にあるといわれいている日本から程遠い自分達は蚊帳の外と思い込んでいた所為か、碌な対応も出来ぬまま
パーパルディア軍基地は爆炎に包まれ、全ての機能を停止した。
残党への対処もつつがなく行われ、パーパルディア軍基地爆撃後、日本海兵が上陸を果たしてからたった半日で属領アルタラスは日本国によって解放されたのだった。
◆◆ アルタラス王国 アテノール城 ◆◆
「また俺かよ……」
陸軍伍長の林田は溜息をつく。
ギム周辺の村々の惨状、ロウリアの亜人繁殖施設、どれも吐き気を催すほどの邪悪だったが、
今回はどんなおぞましい事が待っているのか……。
上官は林田なら耐性があるはずだから大丈夫だと随分なことを言う。
(今回は王城に捕らわれている王女ルミエスの救出と事情聴取らしいが……。
以前に比べればマシなのか?)
パーパルディア皇国といえど他国の王族にまで容赦しないなんて事は無いだろうと林田は思う。
だが彼は知らない。
ルミエスは20~25歳の5年の間にパーパルディア人と5人の子を成していることに。
そいや、なんでアルタラスにムーの軍用にもつかえる空港があるんでしょうね。
あんな所に空港建造したらパーパルディア皇国をいつでも……?
あ、次は胸糞ですよ~。気をつけてくださいね。