パラレル日本国召喚   作:火焔

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【登場人物】
●日本
林田:陸軍伍長→少尉

●アルタラス王国
ルミエス:王女(25才)

●カース王国
リリエラ・カース:カース王国女王(18才)

アルタラス解放と同時期に、カースも救出されています。
アルタラスと一緒で制空権取得後、属領統治軍基地を爆撃して終わりです。



24. カース王国編01(女王の系譜)

「林田。今度はカース王国へ向かってもらう。まぁ、小隊に移動命令が通達されたから、小隊ごと移動だがな。」

 

「やはり次は……。」

 

「あぁ頑張ってくれ。」

 

 林田は溜息をつくが、降りないと決めた以上最後までやり遂げるつもりだ。

 

 

「そう落ち込むな。いいニュースもある。」

 

「沈むような事ばかりですから、ありがたいです。」

 

 ニッっと笑う小隊長の顔を見て林田は嫌な予感を感じてしまう……。

 そして、直ぐに的中する事になる。

 

 

 

「昇進おめでとう林田少尉。俺と同じ階級だな。」

 

「は…………? ――――!! も、申し訳ございません小隊長殿!!!」

 

 林田は自分の耳を疑った。

 陸軍士官学校を出ていない自分が士官になるはずなど無い。

 

「はははっ。その気持ちは分かるが、今回は特例中の特例だ。

 各所からツッコミを受けてな。

 他国の長に下士官を向かわせるなどとんでもないと。」

 

「であるのでしたら、小隊長または、佐官殿が……」

 

(わざわざ自分を昇進させる必要など……)

 

 

「いやぁ、上官殿がな……。報告書だけでたくさんだ、何とかしろと。

 それは俺も同感でな。

 そこで、今回お前が得た情報に目を付けたわけだ。

 

 今回得た情報は今後の日本国の行く末を大きく左右する重大な情報である。

 それを得た林田伍長には、相応の褒賞が与えられなければならない。ということだ。

 という事で少尉特進だ。」

 

 

「こ、こじ付けでは……」

 

「……その言葉は聞かなかった事にしておいてやる。

 まぁその通りだが、お前としても途中で降りる気が無いなら丁度いいだろ?

 

 それと、向こう5年以内に士官育成過程や必要技能の習得が出来なければ相応の降格はある。」

 

「形だけの士官は不要と?」

 

「当たり前だ。無能に率いられる部下が哀れだからな。」

 

 

 それならば有り難く拝命しようと林田は思う。

 力不足であれば、相応の地位になるだけだと。

 小隊長殿の言うとおり、使えない上官ほど性質の悪いものは無いのだから、自分がそれにならないのなら――――。

 

 

 

◆◆ カース王国 王城 ◆◆

 

 一見平和に見える城内が林田には恐ろしく感じる。

 たった5年であの惨状なのだ。500年経過して、何事も無い様に見えるのが不気味でならない。

 

「謁見は女王陛下の私室で行うとは……」

 

 謁見の間はパーパルディアに支配されてから久しく使われていない。

 というか撤去されているため、何故か陛下の私室で行う事となった。

 

 ルミエス王女と状況が被り、林田は嫌な予感を感じる。

 

 

「それでは林田様、陛下がお待ちです。」

 

 侍女に案内されて、陛下の私室へと入室する。

 

 

「初めまして。私はカース王国の女王リリエラと申します。」

 

「お初にお目にかかります。私は日本国陸軍少尉、林田と申します。

 此度はリリエラ女王陛下に謁見する機会を賜り光栄に存じます。」

 

 案の定、部屋は甘い香りでルミエスと同じく目のやり場に困る非常に薄いベビードルを着用していた。

 ただ、女王という割にはルミエスより若く。20歳になるか?といった所だ。

 

 

 

「はい、よろしくお願いします。それでは○○○○しましょうか。」

 

 いきなり女王リリエラはベビードールを脱ごうとする。

 

「お、お待ち下さい女王陛下。

 わたくし程度の浅慮では、へ、陛下のお考えを察するに至りません。

 ど、どうか、わたくしに陛下の深遠なる心の内を……お聞かせ願えないでしょうか?」

 

 

 企画モノのAVですら、稀に見るシチュエーションに林田はパニックになるが、

 先日のパニックがあったおかげで、思考が停止せずになんとか流されずに済んだ。

 

「わたくしではお気に召しませんか?」

 

 何かおかしいのか?という雰囲気でリリエラは首を傾げる。

 

「滅相もございません。私程度では釣り合いが取れません。

 それに、陛下にお聞かせ願いたいことがあり、伺った所存です。

 その様な事をしていては……」

 

「身体を重ねながらでも、お話は出来ますわ?」

 

 

 話が全く噛み合わず、1つ1つ確認していくと少しずつ状況が掴めて来た。

 リリエラからするとただ持て成そうとしただけだったのだ。

 

「な、何故その様な持て成し方を……?」

 

「普通でしょう? パーパルディアの方からそれが当たり前だと聞いていますし、母も、祖母も、曾祖母もその様にしてきたと伺っていますわ。 」

 

(ようやく話が繋がった。パーパルディアは陛下を狭い世界に閉じ込めて、人形で遊ぶかの如く常識を書き換えているのか。)

 

 リリエラにとって、先祖の代からそれが常識と教え込まれて育ってきたのだ。

 だから間違っている事がわからない。

 

 

「陛下、私は任務を帯びて陛下の下に伺いました。

 お気持ちは嬉しく思いますが、任務中ゆえに御もてなしを頂戴するわけには行かないのです。」

 

「そういうものなのですか? 残念です。また、機会がありましたら。」

 

「は、はい……。」

 

 

(なるほど、こういう風に歪ませるわけか……。)

 

 

 せめてもの救いは、リリエラが自身を不幸だと思っていないことだろう。

 ルミエスの様に地獄に落とされて尊厳を踏みにじられて生きるのと

 リリエラの様に自分が地獄に居る事を気づかずに生活する。

 

 どちらが真の地獄なのだろうか……

 

 

 リリエラが王城で行っている政務は、自国民の生産状況を把握し、調整する事らしい。

 資料を見る事ができるか伺うと、何事も無く見せてくれたがその中身は目を覆いたくなるほどだった。

 

 内容は奴隷生産工場や労働者施設の稼働状況、

 月ごとの奴隷の生産数、輸出数などが記載されていた。

 

 別の資料では労働者施設の生産量、カースでは綿花が育成に適した土地らしく、

 パーパルディアは綿の多くをここで生産していたみたいだ。

 

 

 次に、不躾ではあったのだが、女王にしては非常に若くあったため、先代が早くに崩御なされた伺ったところ……

 

「いいえ。女王は15歳で即位するものですよ。ですから先代、母は健在です。

 ご存知ありませんか?」

 

「い、いえ。どうやら日本とは文化が違うようでして……。」

 

「まぁ!そうでしたか。でしたら仕方ありませんね。パーパルディアの方も文化が違うようですし。分からないのも無理ありません。」

 

 何とか誤魔化したが、それが引き金となってしまった。

 

 

「では、我が国の世襲制についてお話しますね。

 まず、女王は先代の直系の女性が選ばれます。選考基準は美しさです。

 

 初潮を迎える頃には、次代の女王候補になれるか決められます。

 そして、何人かの候補は初潮と共に次代を産む努めを果たすんです。

 

 パーパルディア皇国からもたらされた不妊治療魔法のお陰で、女王候補者は毎年平均2人の子を成せます。

 私は初潮が11才で始まって今が18才です。その7年間で14人の子を成しましたので平均的ですよね。」

 

 

 男児は城の兵士、騎士などの力仕事を担当し、女性は侍女など細かい作業に従事するようだ。

 先ほど案内してくれた侍女は種違いの姉妹だそうだ……。

 

 因みに種は想像に難くない……そう、パーパルディアだ。

 何十代もその様に狂わされ、彼女はカースの王族でありながらカースの血は1%未満、そしてパーパルディアの血が99%以上……。

 

 

 

 後日、パーパルディア人から聞くと、王族、貴族は何かあったときのスケープゴートだそうだ。

 矛先が王族、貴族へ向く様に……パーパルディアにとっての保険だと。

 

 

 




カース王族とアルタラス王族、どっちが地獄なんでしょうね?
知らない方が幸せ?
知らない事が不幸?

すみませんね。2施設くらい纏める予定だったんですが特例の昇進がありましてね。
半分使っちゃった。

因みに女王世襲制なのは、パーパルディアの血に染めるためです。


それと、誤字報告ありがとうございます。
今回1件は「うっおとしい」自分の趣味都合であえて誤字のまま残しておきたいです。
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