(完結)ルート2027(初代デジモンアドベンチャー)   作:アズマケイ

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第116話

ディーターミナルという電子辞書くらいのパソコンをジュンは見せてくれた。そこにはゼロマルのデータがのっていた。

 

基本データ

 

世代/成熟期

 

タイプ/幻竜型

 

属性/ワクチン

 

必殺技/ブイブレスアロー

 

得意技/マグナムパンチ、ハンマーパンチ、カッターシュート

 

勢力/ウィンドガーディアンズ

 

必殺技はV字型の光線を放つブイブレスアローMAX

 

ゲーム機にプログラムされていない種類のデジモンをタイチが育て上げた実力を認められ、ホーリーエンジェモンにフォルダ大陸に召喚されたのだ。

 

名前は「00」を読み替えたもので、太一の「1」とあわせて勝率「100」%になるという意味合いを持つが、ほとんどゼロと呼ばれている。

 

感情の高ぶりによるデータの書き換えで戦闘能力を一時的に引き上げるオーバーライトによって爆発的な強さを発揮するが、タイチの頭上数センチをピンポイントで打ち抜くなど、精密な攻撃も出来る。

 

 

広大なデジタルワールドでもフォルダ大陸にしか存在しないと言われている、幻の古代種デジモン。 古代種の中でも特に珍しい種族で、成熟期の中では最高クラスのパワーを持ち、感情が昂ぶった時には完全体以上のパワーを発揮する、とある。

 

その存在は非常に貴重であり、フォルダ大陸でも滅多に出会うことは無い。 また、ブイドラモンを手なずける事ができたデジモンテイマーは1人もいないと言われている。

 

胸にある「V」型の模様からブイドラモンと呼ばれるようになったこと以外 その生態系はナゾであるが、何故か犬に間違えられる。 成熟期の中でも並外れた攻撃力の持ち主であるが、 窮地に立たされると完全体をも凌ぐパワーを発揮する。

 

初代デジタルモンスターVer.1に

プログラムされていない種類のデジモン。

 

「へーこれで俺たちがいるのがわかったのか」

 

そこにはゼロマルの他にガー坊のページも表示されていた。

 

「なんか変な感じ」

 

「なんか恥ずかしいなあ。オイラたちの知らないことまで知られてるなんて」

 

モジモジしているガー坊をよそにジュンは目が点になった。

 

「えっ、この子古代種なの!?ワクチン種なのに?…ああでもエクスブイモンと似てるような…現代種の中でも特性が強く出た個体かしら?」

 

「古代種って?」

 

「えーっと恐竜みたいなものよ。昔覇権を握った種族だけど今のデジモンたちと生存競争に負けて絶滅しちゃった」

 

「ゼロが?まさかあ。こいつ、ふつーにコロモンから進化してここまで来たんだぜ?」

 

「そうなの」

 

「そうだけど」

 

「じゃあやっぱり現代種の中でも先祖返りしてるのかもしれないわね」

 

「ふーん?」

 

「どうやってこの世界に来たの?」

 

「おれ?おれはd1グランプリに出場するつもりだったのに参加出来なかったんだ」

 

ジュンはまばたきした。

 

「それってデジモンの強さを決める大会?」

 

「うん?そうだけど」

 

「君ってアタシたちより未来から来たのかもしれないわね」

 

「えっ、そうなのか?」

 

「アタシたちの世界はまだやってないのよ。テイマーがまだいないから」

 

「へー」

 

なんだかすれ違っている予感がしたが互いに口には出せなかった。

 

「ところでさ、ジュンはどうしてデーモンのところにいるんだ?無理やり連れてこられたなら、逃げたらいいのに」

 

ジュンの表情が曇った。

 

「それはできないわ」

 

「なんでだよ、なんなら俺たちがホーリーエンジェモンたちに頼んで元の世界に返してもらうこともできるんだぜ?」

 

「うれしいけど、それは無理よ。アタシはね、デーモンにパートナーを人質にとられてるの」

 

「人質!?」

 

「ってことは、無理やり引き離されてリリスモン育てさせられてるってことかよ!デーモンのやつ!」

 

「パートナーのデジモンは大丈夫なのか?」

 

「アタシが逃げ出したら殺すって言われてるの。だからごめんだけど行けないわ」

 

「そっか……」

 

「デーモンめ、なんてやつだ!」

 

「アタシのパートナーね、ここじゃないデジタルワールドが光と闇のバランスを保つために、特別に闇の力を持たせてもらっていたの。だからあの子が死んだらあっちのデジタルワールドの危機になっちゃう。だからなおさら行けないの」

 

「闇の力を!?なんでまた」

 

「何度も何度も世界の危機に陥ったときにね、ウィルスのデジモンたちがたくさん死んだせいなのよ」

 

「なんてことだ!じゃあ、ジュンたちを無理やりここに連れてきたのは?」

 

「あっちのデジタルワールドだとね、生まれながらの究極体としてリリスモンやデーモンといった特別なたまごが7つ封印されてるの。アタシのパートナー、その一人だったのよね。だから途中まで同じ歴史を辿ってきたんだからこの世界のどこかに同じタマゴがあるはずだ。孵すのを手伝えって」

 

「ま、まじかあ......」

 

「リリスモンみたいなデジモンがほかに6体も!」

 

「ふーん。でもさ、生まれたときから究極体なんて赤ちゃんと同じじゃないか。大丈夫なのか?」

 

「大丈夫じゃないからアタシがいるのよ」

 

「なるほどー、ほかのやつ育てたことがあるなら大丈夫だろってことか。なんてやつだ、デーモンめ」

 

ジュンはため息をついた。

 

「タイチくんはデーモンを倒すためにゼロマルくんと召喚されたのよね?」

 

「おう!」

 

「なら、ひとつだけ」

 

「なんだ?」

 

「デーモンはたしかに超究極体を復活させようとしているわ。でもそれだけじゃない。アタシのパートナーを生け贄にして6体の魔王型究極体を復活させようとしているわ」

 

「なっ!?」

 

「しかも超究極体のデータをぶち込んだせいで自我はリリスモンみたいに、なんか嫌かなんか好きしかない幼いデジモンしか育たないの。みんな孵化したとき、なにか企んでるみたい。糧にするとかなんとかいってるけど意味はよくわからないわ。だから気をつけてね、タイチくん」

 

たらり、とタイチの頬を汗が伝う。あんぐりと口を開けたままガー坊がジュンをみる。

 

「そ、それほんと?」

 

「嘘ついてどうするのよ。デーモンがアタシに嘘つくわけないじゃない。デジタマの収集から超究極体のデータをぶちこむところまでアタシにさせた張本人なのよ?」

 

「ジュンは大丈夫だったのか?」

 

「うん、まあね。アタシとパートナーはかなり特殊な関係でね、アタシが死んだらパートナーは弱体化するのよ。物理的にも精神的にも。だからデーモンは衣食住は保証してくれたわ、それだけ、だけどね。あの子がいなくなるとデジタマが孵化出来なくなるから」

 

悲しげに目を伏せるジュンにゼロマルはかなり怒りが込み上げてきたらしく空を睨んでいる。タイチと離れ離れにされてしまい、違うデジモンを無理やり育てさせられている、と想像した瞬間に脳が映像化を拒否するレベルでおぞましいことだったのだ。

 

「デーモンのやつ、許せねえ!」

 

「待ってろよ、ジュン。ぜってーデーモン倒してやるからな!」

 

「うん、ありがとう。タイチくん。正直今まで助けが来てくれたら、って何度考えたかわからないわ。こっちはもう雁字搦めでほんとになにも出来ないから。今だってデーモンに協力してるから自由に出歩けてる始末だしね」

 

「えっ、じゃあこんなとこでボクたちとおしゃべりしてるけど大丈夫なの?」

 

「あっ、そうだよ!大丈夫?」

 

「うーん、どうかしらね。リリスモンの癇癪があまりにも酷かったから行ってこいって感じだったし」

 

「そっか.......ユキワリタケだっけ?それもって帰るまでしか自由に出歩けないんたな.......」

 

「しはらく癇癪を起こさないようにたくさん持ってかえるつもりだしね。それでも長居はできないわ。スピリチュアルランドが腐海になりかねないから」

 

ジュンは笑った。

 

「そんな顔しないでよ、味方がいるってわかっただけでもほんとにありがたいんだから。涙でそう」

 

笑いながら泣き始めたジュンに、リリスモンがタイチたちをみる。ジュンを泣かせたのか、と腐食を伴う毒か0と1に分解される呪いを発動させようと構えるリリスモンに、あわててみんなで止めに入ったのだった。

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