(完結)ルート2027(初代デジモンアドベンチャー)   作:アズマケイ

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第119話

「カオスドラモン!?」

 

ジュンは目を見張るのだ。そいつはデジタルワールドのセキュリティとして働いていたジュンからすれば、クラッカー集団の幹部連中が愛用していたデジモンだからいい思い出がないのである。

 

そして。

 

「うっそでしょ、ジョグレスして一発で究極体になる組み合わせ引き当てたの?」

 

もうおどろきしかないのだ。ジュンの世界だとジョグレスという機能自体が古代デジタルワールド期に失われた技術だ。その再現にはまだまだ開発途中であり、運用にも膨大なエネルギーが必要だった。はるか未来においてようやく実用化に成功して一般テイマーに解放されていたことを思えば、この世界はテイマーとデジモンの関係に重点をおいて発展してきた世界に違いない。こんな初期の初期にテイマーひとりが運用できているのだから。

 

それもきっとデジモンがただのデジタルモンスターであり、異世界におけるもう一人の自分であり精神的に繋がっているデジモンが出現しなかった世界線だからこそである。タイチたちはきっとパートナーデジモンはいないが相方としてのパートナーはいるのだ。

 

それにしても初見でいきなりメタルグレイモンとスカルサタモンという異色の組み合わせをジョグレスさせることに成功したネオの才能には恐れ入る。すさまじい機能を備えた機械を2つも持つに値するのだとデーモンが直々に召喚した意味がわかる気がした。

 

ジョグレスは共通の先祖をもつ二体の個体か、互いに共通の意思を持った二体の個体がいて初めて成立する進化システムだ。2体のデジモン同士のデジコアが完全に融合し、新たなデジモンに生まれ変わる。

 

だが失敗すればジョグレス前のデジモンのデジコアをそれぞれ保持し、非常に不完全な状態でその姿を維持することになる。デジタルワールド側がその存在を感知した瞬間に抹殺しようとするほど危険な絶対にありえない特異(バグ)なのである。極めて不安定な存在のため、寿命が非常に短く、デジタルワールドの管理システムが放つバグを排除するプログラムが走るために寿命が短くなってしまう。

 

そんな危険をものともせず、カオスドラモンは咆哮した。

 

数々のサイボーグ系デジモンのパーツを組み合わせて造られたムゲンドラモンを更に改良強化を加えたのが深紅のメタルボディを持つカオスドラモンである。仮想超金属であるクロンデジゾイドを、再精製し硬度のみを上げた“レッドデジゾイド”を使ったボディは、あらゆる攻撃を跳ね返し、あらゆる物を破壊する。また、デジコアにセットされたプログラムのバージョンも、より破壊的に自律的に改良を施されている。愚鈍なイメージだがメタルグレイモンの因子が強く出ているのか翼があり、機動力がありそうだ。破壊力が落ちる代わりにそれなりのスピードを確保しているらしい。

 

見た目はムゲンドラモンにそっくりであるが、目に生物的な眼球、関節部分に赤いラインが入っていたりなどの違いがある。

 

そして最大の特徴は、全身が真紅に染まっている事である。

 

これは、ボディにクロンデジゾイドを再精製し、硬度のみを上げた“レッドデジゾイド”を使った事による物で、これによってムゲンドラモンの時以上の破壊力と防御力を得ており、またデジコアにセットされたプログラムのバージョンも、より破壊的に自律的に改良を施されている為、より生物的な思考能力を得る事に成功している。

 

必殺技は2砲のキャノンから発射される超弩級のエネルギー波『ハイパームゲンキャノン』

 

リリスモンに張られた結界の突破に必死になっていたデュランダモンを

右腕のワイヤーアームでとらえ、自らが特攻していった。ぶつかった衝撃で装甲をこじ開け、同腕部に格納された有機体系ミサイルを敵内部に直接撃ち込む。レッドデジゾイドのボディだからこそこの自爆的な恐ろしいゼロ距離射撃も可能らしい。あたりは爆炎に包まれた。

 

「ネオくん!カオスドラモン!」

 

たまらずジュンは叫ぶ。

 

「ファイナルオーラ」

 

リリスモンは冷静に全体を回復させるスキルを発動した。

 

「リリスモン?」

 

「ジュン、守って」

 

生きているに決まっているのだから早くしろとばかりにリリスモンはいうのだ。その言葉通り、結界をふたたびデュランダモンの剣が襲う。

 

「これならどうだ、ハイパームゲンキャノン!」

 

光の粒子がものすごいスピードで収束していく。ふたつの光の大砲がデュランダモンめがけて超至近距離からぶっぱなされた。さすがに必殺技を至近距離からもろに食らって耐えられなかったらしく、デュランダモンがはるか上空に吹き飛ばされてしまう。すさまじい威力である。巨大な剣にふたつのどでかい穴が開き、そこからヒビが入っていく。武器モードを保てなくなったのか、デュランダモンは人間形態にもどる。空中に装甲の破片が無数に分解されて粉々にちっていくのが見えた。

 

「ファントムペイン」

 

リリスモンの色欲の冠、そしてアゲハチョウのように黒々とした美しい翼が発光する。急速に落下していくデュランダモンめがけてリリスモンはトドメの一撃を放ったのだった。

 

「......ジュン」

 

「どうしたの、リリスモン」

 

「よかった」

 

「なにが?」

 

「あの2体もジョグレスできる個体だった」

 

「......はい?」

 

「私が取り込まなかったら、どちらかが復活魔法を使って2体そろってジョグレスしてた」

 

「はいいっ!?究極体同士が!?うっそでしょ、超究極体がそんなポンポン出てきていいの!?」

 

リリスモンはうなずく。そして先程取り込んだばかりのデータをすくい上げてジュンのディーターミナルにアップデートしてくれた。覗き込んだジュンはあおざめるのだ。

 

「殺意高すぎるでしょ......」

 

「どんなやつだ、見せてみろ」

 

「はいどうぞ」

 

ネオは眉を寄せた。

 

ラグナロードモン

 

究極体

特異型デジモン

ウィルス種

「Legend-Arms」の中で最強の剣「デュランダモン」と、最強の盾と言われる「ブリウエルドラモン」がジョグレスして生まれたデジモン。ダークエリアの奥底に潜む邪悪なる者が目覚めたとき、2体の「Legend-Arms」のデジコアが共鳴することで誕生すると言われている。デジコアが高い次元で融合することで作り出された本体は、デュランダモン達が疑似的に「自分たちを扱える騎士」として作り出したものである。

ジョグレスでありながらもデュランダモンとブリウエルドラモンは自分たちの意思を保ち、本体もまた別の意思を持っているという稀有なデジモンである。剣と盾は、ラグナロードモンが直接触れずともそれぞれの意思で自由に飛び回り、三位一体の攻防で敵を翻弄する。抜群な連携から生まれる、予測不可能な間合いから飛び出す強烈な攻撃や絶対的な防御を攻略するのは至難の業だ。

必殺技は遙か上空から振り下ろした剣で敵を一刀両断にする『ディレクトスマッシャー』と、盾から超高温の火炎を吐き出し辺り一帯を火の海に変える『イグニッションプロミネンス』。また、盾の炎を纏った剣で敵を突き刺す最大奥義『デュエルエッジフロージョン』は、敵のデータをデジコアごと灼き尽くし、跡形もなく消滅させてしまうという。

 

「邪悪なるものってあれよね、七大魔王か超究極体か」

 

「タイミング的にいえばどうみてもこいつだろう」

 

ネオの視線の先には海にポッカリと浮かぶ1時間ほど前に突如できたばかりの島がある。

 

「デジタルワールドの根源的な悪だもんね.......」

 

「最後の審判の時には食われる運命だがな」

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