(完結)ルート2027(初代デジモンアドベンチャー)   作:アズマケイ

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第150話

ジュンは全ての更新が終わったとこの世界の守護デジモンであるクラヴィスエンジェモンから腕時計型のデジヴァイスを受け取った。

 

「ちゃんと起動するか調べてみてください」

 

頷いたジュンはクラヴィスエンジェモンにデジヴァイスの端子を向けた。ぴぴぴぴぴという音と共に画面にデータが表示される。

 

クラヴィスエンジェモン

レベル 究極体

タイプ 力天使型

属性 ワクチン

必殺技・ザ・キー

 

デジタルワールドと外界を隔てる「ゼニスゲート」を守護している力天使型デジモン。「ゼニスゲート」は360にも渡る扉によって封印されており、クラヴィスエンジェモンの持つ「ザ・キー」が全ての扉のマスターキーとなっている。「ザ・キー」はクラヴィスエンジェモンのみ扱うことの出来る特別な鍵であり、クラヴィスエンジェモン自身も鍵の一部であるともいえる。この鍵に込められたパワーによって、扉を破ろうとする敵にのみ、デジタルワールドを崩壊させることが可能なほどの攻撃力を行使することが出来ると言われている。

 

「ネガーモンに探知されずにデジタルワールドのデータバンクにアクセスできましたね、よかった。成功です」

 

「えっ、ネガーモンに探知?たしかに今のネガーモンは衛星に寄生してるみたいだけどそんなこともできるの?」

 

「できてしまうのです、残念ながら」

 

ジュンは息を呑んだ。クラヴィスエンジェモンはため息である。

 

この世界にある最新式のデジヴァイスだとしても、デジタルワールドの根幹たる進化バンクにまで支配域を広げているネガーモンに探知されてしまうらしい。GPS機能を使って居場所がバレ、無数のネガーモンに感染したデジモン達を送り込まれたり、進化先に干渉されてネガーモンの系列にバグ進化してパートナーデジモンが敵になったりするという。こうしてレジスタンスとしてネガーモンと戦い続けることができるのは、もはやごく少数のパートナーデジモンとテイマーだけであり、そのほとんどはネガーモンに取り込まれてしまったらしい。

 

「進化バンクに直接アクセスできないってことはそこにアクセスして進化と退化を繰り返す選ばれし子供のパートナーは分が悪いわね。それこそジョグレスかデジメンタルがないと」

 

「ジュンのいうとおり、今もなお戦い続けているのは歴戦のテイマーとパートナーデジモン達です。選ばれし子ども達は真っ先に狙われたためにもう無事な人間は誰も......」

 

「なるほどね......だから私のデジヴァイスから進化バンクへのアクセスを制限してネガーモンに見つからない代わりに自力進化のバンクを解放したと。これはなかなかに骨が折れそうね、ファスコモン」

 

「成長期から初めからは少々きついものがありますが、仕方ありませんね。私が自力で進化することができたのはガーゴモンまでです。ほかはデジヴァイスの力を借りていましたから」

 

ファスコモンがガーゴモンに進化する。その先はアンノウンになっていてみることができなかった。

 

「どうかご武運を。デジタルワールドとこの世界を救ってください、ジュン、そしてガーゴモン」

 

「任せてください」

 

「なんとかやってみるわ」

 

「レジスタンスの本拠地に転送しますね」

 

ジュンたちの視界は真っ白に塗りつぶされたのだった。

 

 

そこは某大学にあるパソコン同好会のサーバだった。かつて選ばれし子どもだった武ノ内空の父親が顧問をしていたことで知られるサークルであり、デジモンの起源は妖怪などの精神生命体ではないかという調査の先駆としてよく知られていたはずだ。大学は外部から独立性を保証されており、ネガーモンの脅威から逃げられる数少ない安全地帯だったのである。

 

「......うそでしょ」

 

「どうしました、ジュン?」

 

「いやあ......まさかここにまた足を踏み入れることになるとは思わなかったわ」

 

「といいますと?」

 

「私、ここにいたことあるのよ、大学時代」

 

ジュンは苦笑いした。かつての後輩くんたちが今回の仲間だと知らされたからである。

 

「いやー、なんか変な気分っすね、先輩が中学生なんて」

 

「たしかに」

 

「でも先輩がきてくれてよかった。おれたちだけだと心細かったんだ。バックアップよろしくお願いします」

 

「まかせて。まずは今の状況を教えてくれる?」

 

頼もしく成長した後輩たちはジュンに色々と教えてくれた。

 

この時代のデジタルワールドは大きくわけて3つ存在している。というのも成長、進化を繰り返すことでその容量を肥大化させていったデジモンたちは、「デジタルワールド」自身の容量を超えようとしており、それによりデジタルワールドは崩壊の危機に瀕することになる。

 

その最悪の事態を回避するため、デジタルワールドを管理するホストコンピューター「イグドラシル」は、NEWデジタルワールドを作成。サーバを3つにわけ、自分は過去世界のデジタルワールドを管理することにして、新しいデジタルワールドをロイヤルナイツをはじめとした守護デジモンに管理を任せることにしたのである。

 

それが「現在世界」ベルサンディターミナル、「過去世界」ウルドターミナル、「未来世界」スクルドターミナルに分かれた新たなデジタルワールド。各世界はレイヤー(層)を超えることで行き来することが可能だ。

 

デジモン達の移住計画が進む中、イグドラシルが暴走を始めた。なんとイグドラシルのセキュリティの要である「ロイヤルナイツ」と、研究対象となるデジモンのみを新デジタルワールドへ転送、他のデジモンたちをネガーモンとのちに判明するウイルスによって強制削除するというものだった。

 

こうして、選ばれたデジモンは新たな世界で新たな進化をはじめ、不要なデジモンは削除されていくはずだった。

 

しかし、デジモンの生存本能は凄まじかった。新しい抗体プログラムを作り出し、「X‐進化・ゼヴォリューション」することにより生き延びたのである。

 

だが、抗体と言えど長くプログラムの脅威にさらされるのは危険であり、また旧デジタルワールドはさらなる強き抗体を求め、奪い合う、これまで以上に弱肉強食の世界となる。

 

そうして生き残ったデジモンたちはXプログラムの脅威の無い新デジタルワールドへと逃げ込んでいった。しかしイクドラシルはそれを異分子とし、ロイヤルナイツによるXデジモンの殲滅が発令された。

 

ここで立ち上がったのがサークルに所属している堂本コータとドルモンのコンビだ。ベルサンディターミナルを冒険することになったコンビでもある。ドルモンはドルガモン→ドルグレモン→ドルゴラモン進化していった。

 

もうひとり、武者ユージとリュウダモンはウルドターミナルを冒険するコンビであり、コータと同じくリュウダモンはギンリュウモン→ヒシャリュウモン→オウリュウモンへと進化していく。

 

イグドラシルがミレニアモン率いる暗黒勢力に堕ち、ウイルスがネガーモン由来だと判明し、ロイヤルナイツが味方になったところだという。

 

次の冒険の舞台は未来世界スクルドターミナルである。

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