(完結)ルート2027(初代デジモンアドベンチャー)   作:アズマケイ

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第153話

「懐かしい場所だ」

 

ガーゴモンは未来世界スクルドターミナルに広がる工場の廃墟群を目下に眺めながらひとりつぶやく。このデジタルワールドは、かつてガーゴモンが行方不明になったジュンの魂を探して別の世界のデジタルワールドにいくためのフォレストリーフの情報を手に入れた場所でもある。

 

本来ならば多くのビルが立ち上る未来都市をイメージしたスクルドターミナルは、サイボーグ、マシーン型デジモンによって支配され、都市の上空には空中秘蜜基地「ローヤルベース」が浮遊し、地上では秘蜜戦闘部隊「ローヤルコマンド」が暗躍しているはずだった。

 

そのすべての個体がネガーモンに寄生されるか、ベムモンに取り込まれてしまったために残されているのはデジゲノムの残滓だけである。それが黒い霧のように視界を遮っているのだった。

 

「これでトドメだ!」

 

“デジコア(電脳核)の空想”が生み出した架空のデジモンであるオウリュウモンの咆哮があたりにこだまする。オウリュウモンは、額のインターフェースによってデジコア自身の創造力までもが奇跡的に解き放たれて進化した姿である。元々デジコア内に日本の神話における“竜”や“武将”などの猛々しい戦闘データを持っていたためか、デジコアの創造した姿は、威風堂々とした和風の鎧を身にまとい、両腕に刀を持つ“武者竜”であった。左手の刀は「鎧龍左大刃(がいりゅうさだいじん)」、右手の刀は「鎧龍右大刃(がいりゅううだいじん)」である。 背部の翼の刃は「鎧馬大名刃(がいばだいめいじん)」と呼ばれる。

 

「黄廻(おうかい)」

 

オウリュウモンが大河の土砂流のごとく斬撃を荒れ狂わせながら、全てを切り裂きながら突進する。

 

「ブレイブメタル!」

 

ドルゴラモンもまた全身全霊を込めたすさまじい勢いで突撃する。ドルゴラモンとは、“デジコア(電脳核)の空想”が生み出した架空のデジモンである。額のインターフェースによってデジコア自身の創造力までもが奇跡的に解き放たれて進化した姿である。元々デジコア内に伝説の生き物“ドラゴン”の強い生命力のデータを持っていた為か、デジコアの創造した姿は、強大な“破壊”の権化であり、“究極の敵”の化身であった。

 

耳をつんざく断末魔があたりに広がっていく。アバドモンを構成していた無数のネガーモンが崩壊するに従い、世界がまた闇に包まれはじめる。

 

「そうはいきませんよ、我が領地で石像となるがいい」

 

ガーゴモンが笑いながら咆哮する。たくさんの魔法陣が展開され、全てのネガーモンが瞬時に石化し、魔法陣へと消えてしまった。

 

ネガーモンが消失したことで視界が一気に開ける。高層ビルの廃墟群が目下に広がり、今にも消えそうなネオンの目に痛い配色が激しく明滅していた。

 

「敵影の消滅を確認したわ、お疲れ様」

 

ジュンがガーゴモン、ドルゴラモンとオウリュウモンに回復アイテムを転送する。パートナーが回復している間、ユージとコータは近くにあった街路樹のある道に降りてしばしの休憩を取ることにした。

 

するとデジヴァイス01が新しいデジモンを検知した。

 

「ラグナモンに進化した!?うそでしょ、なんでこのタイミングで!?」

 

思わずコータ達は立ち上がる。

 

ラグナモン

世代 究極体

属性 不明

種族 不明

 

サイボーグ型デジモンとして最大級の大きさを誇る究極体。人工衛星のデータを取り込み、はるか上空からデジタルワールドの広範囲を壊滅させるほどの多彩な衛星兵器を持つ。しかし活動するには大量のリソースを必要とし、優秀なハッカーたちの助力が不可欠であり、戦場に現れた記録は乏しい。

 

必殺技は尻尾で貫く『ギムレットガン』、頭部から巨大なレーザーを撃つ『スペイザー』、右腕で敵を挟み切断する『シャトルシザーズ』、両肩の砲身から遥か遠い敵も狙い撃つ『サテライトバスター』、そして最大の攻撃力となる胸部から発射する『ラグナロク・キャノン』がある。さらに敵の攻撃を受けると解析し、その威力をそのまま放つことも可能だ。

 

「常に最強のデジモン」スナッチモン(ベムモンの進化系成熟期デジモン)が、軍事衛星ガンスリンガーとフュージョナイズ(合体)したことで生まれたデジモン。

 

ベムモン4体に加え世界中の生物から奪ったマトリクス・データで生まれたスナッチモンが軍事衛星と合体したことから、ベムモン1体から生まれたデストロモンと比べて更に上の能力を持っていると思われる。

 

特撮怪獣のような姿をしていたデストロモンと比べ、ラグナモンは白を基調とした、神聖さすら感じられるようなデザインになっている。

また非常に巨大であり、パートナーデジモンの究極体も、尻尾の先くらいの大きさしかない。近づく攻撃を行うとよりその大きさがわかる。

 

最強の存在であろうとするスナッチモンは、地球と合体することでガイアモンに進化しようとしているのだと01は教えてくれた。だが、そんなことになれば地球上の生物は生きていられない。

 

スナッチモンはまずは自分達のいるガンスリンガーと合体、ラグナモンに進化して、地球との合体を止めようとするコータ達を排除しようとしているのだ。

 

地球の生きとし生けるものすべての命運を賭け、コータ達は最後の戦いに挑むのだった。

 

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