(完結)ルート2027(初代デジモンアドベンチャー)   作:アズマケイ

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第95話

ダークタワーを京たちと手分けして破壊していたジュンは、マッピングが完了したのか裏次元の地図を広げた。

 

「なにこれ、真っ暗」

 

「まるでアトランティスかパンゲアね。ケイトさんがいってたウェブ島かしら?」

 

「でもファイル島が1番最初にできたって」

 

「いってたいってた」

 

「じゃあなんだろ。ここがまさかファイル島?」

 

「ケイトさんの言葉を借りるならはじまりの島」

 

「なら、はじまりの街があるってことだよな?」

 

「そっか、じゃあ行った方がいいかも?昔のデジタルワールドみたいだし」

 

みんなが飛行能力のあるアーマー体になったころ、空が黒くなった。

 

ダークタワーが突然融合しはじめた。そして黒いデジタマが出現する。砂嵐のようななにかが走り、ノイズのようなものが聞こえてくる。

 

「みんな気をつけて、新手よ」

 

ジュンはそのシルエットをみて目を見開いた。

 

それは、古代デジタルワールドに君臨した皇帝竜だ。強大な力を持つが、力のコントロールは難しく救世主にも破壊神にもなってしまう。全能力を開放した姿。高い知性を持ち、力のコントロールも出来るようになった。

 

 

必殺技はポジトロンレーザーの砲塔を胸の竜顔に接続し、強力なエネルギーを放つ『ギガデス』。その威力は『メガデス』の1万倍と言われている。

 

「我が名はVRインペリアル」

 

「VR?」

 

「ぶいあーる?」

 

闇の力で全能力を開放し、力をコントロールするインペリアルドラモンがそこにいた。合体ロボのような巨大にジュンは悪寒が走る。

 

「まずいわ、究極体よ!みんな、逃げて!」

 

「ワタクシたちが足止めしましょう」

 

アスタモンが紋章に封じられている暗黒の力を解放し、本来の力をとりもどす。ベルフェモン:レイジモードが咆哮をあげた。その刹那。

 

「無駄だ」

 

インペリアルドラモン:ファイターモードが笑った。

 

「ギガデス!」

 

ベルフェモン:レイジモードがいた空間が一瞬にして焦土と化した。

 

「ベルフェモン!」

 

逃げようとしていた京はジュンが飛び込むのをみた。

 

「ジュンさんあぶない!いくわよ、ホークモン!」

 

「はい、任せてください」

 

ヴァリアブル機能を起動した京は、デジヴァイスにデジタルモンスターのデータがホークモンと融合したことを知る。

 

そこにいたのは、古代種でありながら現代種同様の進化を成し遂げた究極体のデジモン、ヴァルキリモンがいた。

 

 

北欧神話にも登場する戦士型デジモン。黄金の鳥「フレイア」をつれており、身に危険が迫ると知らせてくれる。また、身につけている輝く鎧からオーロラを発生させ、戦いで敗れた勇者のデータを再生し、新しいデジタマへと還元すると伝えられている。疾風のように現れて、目にも止まらぬ速さで敵を切りつけるスピードの持ち主でもある。必殺技は斬りつけると相手が凍り付き、生命活動が停止してしまう絶対零度の魔剣。

 

「オメガソード」

 

インペリアルドラモン:ファイターモードが初期化機能を携えた大剣を振るう。ヴァルキリモンは暗黒の力そのものに初期化されてしまいそうになったファスコモンを回収し、その超スピードで姿を消した。

 

「逃がしたか·····」

 

VRインペリアルは呟いたきり静かになった。

 

「帰ってこい、VRインペリアル。ほかのVRデジモンを作るにはまだ時間がかかる。お前には警護を頼みたい」

 

「わかった」

 

VRインペリアルは翼を広げ、風を産み落として去っていった。

 

「助けてくれてありがとう」

 

「こちらこそ。ダークタワーを壊してくれてありがとう。結果的にあいつが生まれてくれたおかげで私も進化することができる」

 

近くにあったデジタルゲートに一か八か飛び込んだらデジモンたちがいる地下施設に到達したのだ。

 

「ここはレジスタンスの拠点だ」

 

「レジスタンス」

 

「ああ」

 

デジモン曰く、現代種と古代種が争っていて古代種が突然現代種に戦争をしかけてきた。メタルエンパイアや四大竜と契約を結び、奪われたエリアを奪還してきた。戦争だからしかたないが古代種はダークタワーで進化を阻害し、現代種たちを連れ去っている。そして様々な合成デジモンが生まれ、現代種たちは苦戦を強いられているというのだ。

 

「調べてみたら、古代種の連中は騙されているようだ」

 

「誰に?」

 

「ミレニアモンにだ」

 

「?」

 

「ミレニアモン?」

 

「知っているのか?」

 

「バカ言わないでよ、ミレニアモンは倒したのよ?」

 

デジモンは笑うのだ。

 

「やつを倒したのか?本当に?やつは特殊なデジモンだ。死んだところですぐ復活する。そして次元を超えるのだ」

 

「君はいったい」

 

「私はワイズモン」

 

ジュンのディーターミナルがデジモン図鑑を表示する。

 

魔人型の完全体デジモン。全てが謎に包まれたデジモンで、“本”を通じてあらゆる時間と空間に出現することができる。“本”を依り代とし、“本”が繋がる時空間のどこにでも姿形を変えて出没するため、本体は別次元に存在するのではないかと言われている。研究者の間では同じ魔人型のピエモンとは同眷属だと囁かれている。両手に持つ“時空石”は空間の記録と再生をすることが可能で、デジタルワールドのあらゆる事象や物象を時空間に保存している。必殺技は時空間に保存していた敵の攻撃を連続で高速再生する『パンドーラ・ダイアログ』と、敵を永遠に“時空石”に封じ込める『エターナル・ニルヴァーナ』。

 

「私はミレニアモンが支配する世界も滅ぼされた世界も誕生した世界も誕生しなかった世界も知っている。ここはミラーサイトだということも知っている」

 

「ミラーサイト?」

 

「ミレニアモンはもうひとつのデジタルワールドを作ろうとしているのだ。悪質な目的として、ミラーサイトを作ることで本当のデジタルワールドと思いこませ、選ばれし子供達が入力する個人情報やログイン情報を盗み取るのが目的だ」

 

「どうしてそんなことするの?」

 

「パートナーデジモンと選ばれし子供達の偽物をつくるためだ」

 

「え」

 

「えええっ!?まさか成り済まし?」

 

「そのまさかだ。君たちが襲われたVRはミレニアモンが倒された世界において得たデータから生成されている偽物だ。人造の選ばれし子供達、人造のパートナーデジモン、それが君たちに立ちはだかっている」

 

大輔たちは驚くのだ。ミレニアモンを倒した平行世界の選ばれし子供達と戦うことになるなんてと。

 

「人造の選ばれし子供達ってロボットなの?」

 

「そうだな」

 

「じゃあ、ロボットの選ばれし子供達からデジヴァイスを取り上げられたら無力化出来るわね」

 

「そうだな。この世界にはVRデジモンが跋扈している。直接対決するのはあまりにも分が悪いだろう。なにせミレニアモンがよりすぐってきた平行世界の選ばれし子供達だったのだから」

 

別の世界の選ばれし子供達のデジモンを相手にしなければならないと言われて身を固くしていた大輔は息を吐いたのだった。

 

「問題は拠点ね」

 

「とりあえず、一回帰りましょうよジュンさん。みんな呼ばなきゃ」

 

「それもそうね」

 

選ばれし子供達はワイズモンたちに別れを告げて一度帰ったのだった。

 

事情を説明したジュンたちにゲンナイさんはほかの選ばれし子供達にもヴァリアブル機能を追加しなければならないことを悟る。VRデジモンがダークタワーから作られたデジモンならばデフォルトで進化妨害機能があるからだ。

 

こうして新たな機能を手にした選ばれし子供達はふたたび裏次元に突入することになる。

 

「·····ねえ、僕に心当たりがあるんだ。話を聞いてくれる?」

 

レジスタンスの拠点にてワームモンが口を開いたのだった。

 

「僕の情報を調べて欲しいんだ」

 

ワームモンに賢はディーターミナルを向けた。

 

成長期の幼虫型デジモン、フリー種。気弱で臆病な性格の幼虫型デジモン。ブイモン等と同じく特殊なアーマー進化をすることができるが、単体でのワームモンは非力で、大型のデジモンには到底かなわない。しかし、デジメンタルの力でアーマー進化することで、信じられないようなパワーを発揮することができる。また、脆弱な幼虫が力強い成虫に成長するように、ワームモンもいつの日かパワー溢れる成熟期へと進化すると言われている。まさに未来への可能性を秘めているデジモンなのである。必殺技は粘着力の強い網状の糸を吐出し相手の動きを封じこめてしまう「ネバネバネット」と、絹糸のように細いが先端が尖った針の様に硬質な糸を吐出す『シルクスレッド』。

 

「あれっ、書いてあることが変わってる!」

 

「ブイモンたちが復活したから僕の情報も解禁されたんだと思うよ」

 

「えっ」

 

「僕のずっと昔の転生前が古代種の末裔だったんだ。そしてそれに目をつけたメタルエンパイアがサンプルデータとして実験用に育てて、デジメンタルと融合させた。それが僕なんだよ」

 

「ワームモン」

 

「僕は現代種の中でも特に古代種のデジゲノムが強く出てるんだと思う。だからわかるんだ。この世界は昔のデジタルワールドの一部なんだよ。案内させてくれないかな」

 

賢たちはうなずく。

 

そしてジュンたちはワームモンと共に裏次元にふたたびログインするのだった。

 

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