(完結)ルート2027(初代デジモンアドベンチャー)   作:アズマケイ

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第96話

ワイズモンの待つレジスタンスの本拠地にて、ワームモンの話す研究所が実在することが確認された。ジュンたちは手分けしてゲンナイさんが構築してくれたデジタルゲートを進むことになる。やはりダークタワーの妨害もあり、大輔たちが真っ先に破壊することが求められる。前線に飛び込むことになったため、ジュンもまたまとめ役として同行することになったのだった。

 

ダークタワーを破壊すると白く歪んだ空間ができた。ディーターミナルの地図のマス目が黒から白に変わる度に空たちの活動場所が広がっていく。ゆっくりとではあるがはじまりの街に近づいていた。

 

「ここ、迷わずの森に似てませんか?はじまりの街からトロピカルジャングルに抜ける道」

 

伊織がいった通り、龍の目の湖らしきエリアの先ではやたら成長期や幼年期のレジスタンスが多かった。

 

「なら、もう少しではじまりの街ですね。おや、いうまでもありませんでしたか」

 

アスタモンの指さす先にはふわふわのクッションみたいな地面が広がっていた。

 

ここだけミレニアモンの迫害を受けていないようだ。

 

青空と逆さまの高い山に生えるあかちゃん用のオモチャみたいに角を丸くした建物。どれもふわふわのクッションみたいな素材でできていて柔らかそう。

 

真っ赤なヘルメットをかぶった茶色い円柱の建物が、でーんと立っている。もちろんレンガの素材はふわふわだ。それを中心に広場があって、芝生が敷き詰められている。

 

 

その建物の周りには、ダチョウの卵のイースターエッグがたくさんならんでいた。色とりどり、いろんなデザインの卵がたくさんある。

 

 

トコモン、コロモン、プニモン、ユラモン、モチモン、タネモン、ニョキモン、幼年期まつりである。

 

目の前にある赤いヘルメットかぶった円柱の建物はエレキモンの家だったはずだが、誰かいるようだ。

 

「誰だ、お前たちは」

 

そこに現れたのは、エレキモンではなかった。レオモンでもない。レオモンによく似たライオンみたいな獣人のデジモンだった。

 

ジュンはその姿を見て目を丸くするのだ。そのデジモンはギリシャ神話のオリンポス十二神をローマ神話の呼び名でモデルにしている神人型デジモンの集団を進化経路にもつデジモンだったからである。

 

彼らはロイヤルナイツとは別組織であり、ジュンたちの世界のデジタルワールドとはまた別の次元。そして

別サーバーに存在するイリアスというデジタルワールドを守護していると聞いたことがあった。ジュンの時代では両者に交流があり、交換留学などが行われていたのだ。ジュンは直接かかわりはなくても警察テイマーとよく仕事をする都合上、話を目にすることはよくあったのである。

 

「お前たちはまさか、カイザーの仲間か?」

 

「は?」

 

その言葉にジュンは戦慄するのだ。カイザーと名乗る誰かがいるのだ、それは闇に魅入られた選ばれし子供の代名詞。それはおそらくワイズモンのいっていた人造テイマー、選ばれし子供とパートナーである。この世界では世界を救うはずの選ばれし子供達が世界を崩壊させようとしているのだ。

 

きょとんとしている大輔たちに獣人のデジモンは、警戒は解かないもののいやな気配はないと不思議がっている。だがデジヴァイスをみるなり獣型デジモンの目の色が変わった。

 

「それはっ!やはり、貴様等、カイザーの仲間か!」

 

「だからカイザーってなんだよ?」

 

「お前たちとにたような奴だ。平和だったこの世界に現れて、突然世界征服を始めた。あの塔が建てられると俺たちは進化することができなくなる。なすすべがないまま、俺たちはカイザーの手下のデジモンにすみかを奪われたり、無理矢理働かされたりしているのだ。選ばれし子供は世界を救う英雄だと聞いていたが話が違うぞ、どういうことだ!」

 

「だーかーら!俺たちにいわれても知らねえよ!俺たちはデジタルワールドを助けに来たんだ!」

 

「どうだか。やはり、別の世界からきたのか、カイザーと同じ世界から!」

 

「どうする、大輔。なんか歓迎されてないみたいだけど」

 

「僕たち、ここにいちゃいけないみたいだし、ワイズモンのところに帰りませんか」

 

「えー、せっかくきたのにもう帰るのかよ、つまんねえ。でもしかたねーか」

 

これ以上長居するとライオンのようなデジモンに攻撃されてしまいそうだった。だがワイズモンという言葉にそのデジモンは反応した。

 

「ワイズモン?ワイズモンだと?」

 

「そうよ、ワイズモン。あなたのレジスタンス仲間じゃないかしら?デジタルゲートが機能してないから連絡取れないのはわかるけど話くらい聞いてくれない?」

 

ジュンはパソコンを開き、デジモンにみせた。

 

「ワイズモン」

 

「彼らのいうことは本当だ。平行世界の選ばれし子供達がこの世界を救うべく助けに来てくれたらしい。もう一度信じてもいいのではないか、フレアモン」

 

「どうだかな。この間交戦したオメガモンだって本来は世界の危機に降臨する英雄って話だったがやつらの配下じゃないか」

 

「それはミレニアモンが作ったVRデジモンじゃないかしら」

 

「証拠はあるのか」

 

「証拠ね、証拠ならあるわ。えーっと」

 

「さっきから誰じゃ?騒々しいのう」

 

そこには老人の姿をしたデジモンがいた。

 

「あなたは?」

 

「ワシはジジモン。ここの守護デジモンをしておる。君たちはなにものじゃ?」

 

「アタシたちは選ばれし子供です。デジタルワールドの危機を救うために召喚されたんですが、なにかミレニアモンについて知りませんか?」

 

「·····入りなさい」

 

大輔たちはあとに続いた。

 

ジジモンの家にはでかいパソコンが壁にならんでたり、絨毯のデザインだったり一人暮らしするには十分すぎる部屋が完備されてる家のわりに、幼年期たちが入り込んでかってに遊んでたり、寝てたり、ご飯食べてたりする。

 

「ワシはこの世界、デジタルワールド・イリアスができた時代から生きておる。このデジタルワールドのことなら何でも知っている長老デジモンといっていい。かつては世界が危機に陥った時に選ばれし人間を導いたこともあったが、今回の敵は強大でな、ワシの召喚が通用せん。どうやらサーバの権限を掌握されているらしくてのう」

 

ジュンたちは顔を見合わせた。

 

「それってホメオスタシスがミレニアモンに乗っ取られてるようなものなんじゃ?」

 

「ゲンナイさんたちが敵ってこと?嘘でしょ」

 

「だからいねーのかな、エージェント」

 

「ケイトさんたちの冒険みたいですね」

 

「あっちはなんだっけ、ENIACとかいう人に呼ばれて」

 

口々に言い合う子供たちにジジモンは目を丸くした。

 

「驚いた。ENIACとな?古代デジタルワールドのサーバの名前をなぜしっておる。しかもケイトじゃと?」

 

「アタシたちは3代目......うーん、4代目くらいの選ばれし子供なんですよ」

 

「なんと!この世界はかつてENIACからいくつものデジタルワールドが生まれたうちのひとつじゃ。そうか、そうか。ケイトたちの世界の子供たちか!ワシはかつて彼らを支援したことがある。もっとも研究などのバックアップが主じゃがな」

 

「もしかしてブラックガスの研究をしてたのはあなたなんですか、ジジモン!」

 

「いかにも。そうじゃ、ワシはかつてブラックガスを浄化するシステムをつくるために尽力した」

 

「えーっ!?じゃあ、このデジヴァイスの聖なる光ってジジモンの研究がもとになってるんだ!」

 

大輔の言葉にジジモンは首をかしげた。

 

「なにをいっておるんじゃ、選ばれし子供たちは初めから持っておったぞ?」

 

「え?」

 

「まあ、ENIACにもたされたのかもしれんが」

 

そんな大輔たちをみてフレアモンはようやく警戒を解いたのだった。

 

「ジジモンがいうなら間違いないだろう。疑ってすまなかった。レジスタンスはもはや壊滅寸前、俺の仲間も大半はVRデジモンにやられているのだ。ミレニアモンの力は強大だ。みな、亜空間に幽閉されてしまった」

 

やはりミレニアモンが復活してこの世界を足がかりにジュンたちの世界のデジタルワールドに侵攻しようとしているのは間違いないようだった。

 

ジュンは戦慄するのだ。

 

「あなた、完全体みたいだけど究極体の仲間はいないの?」

 

フレアモンは首を振った。

 

「この世界には究極体という概念はミレニアモンが来るまでなかった。進化の先に果てがあるなんて知らなかった。その高みに到達する前にみな寿命で死ぬか、戦いにやぶれるかで転生するからな」

 

どうやらセキュリティシステムをになうはずの勢力が勃興する前まで時間を遡り、一気に侵略をしかけたらしい。京たちはフレアモンの言葉に驚いている。ミレニアモンとの死闘はみんなが究極体になったからこそ勝てたようなものだからだ。完全体しか存在しないデジタルワールドで進化を否定するダークタワーがそびえたち、VRデジモンが跋扈すればどうなるかなんていやでもわかる。

 

そのとき、すさまじい音が外から聞こえてきた。幼年期たちの悲鳴が聞こえてくる。ジュンたちはジジモンの後をおいかけた。

 

「また来おったな!ここは最後の砦じゃ、何度来ても無駄じゃわい!」

 

ジジモンが杖を振りかざすと空一面にいたVRデジモンたちが瞬く間に亜空間に消えていく。

 

「悪意ある者はダークエリアに消えるがいい。ハングオンデス!」

 

一瞬にして敵勢力は壊滅した。

 

「す、すごい·····!」

 

「やるじゃん!」

 

「なるほど、だからはじまりの街が無事なんですね」

 

「一瞬でやっつけちゃうなんて、ジジモンつよーい!」

 

「はじまりの街の守護デジモンやるだけはあるわ·····すごい」

 

ジュンたちが関心していると、新手がやってきた。

 

「よくも手下たちを!今度は俺様が相手だ!」

 

そこには獣の下半身と甲虫のような外殻の上半身を持つ魔獣であり、闇の王ヴァンデモンの進化した真の姿があった。ジュンは目を丸くする。アスタモンは肩を竦めた。

 

「どうやらVRだけあって本体が転生しても関係ないらしいですね」

 

秘めたるパワーを解放したヴェノムヴァンデモン。本来なら1999年に倒されるはずのヴァンデモンの進化経路である。そこにあるのはパワーと引き換えに理性を失った魔獣型の究極体デジモンだ。

 

「ヴェノムインフューズ」

 

「ハングオンデス!」

 

「何度も同じ手を食うとでも思っているのか!」

 

「ぐああああ!」

 

「ジジモン!」

 

ジジモンに無数のコウモリが襲いかかり、ウィルスに感染してしまったジジモンは機能停止に陥ってしまう。ジュンはあわててブラックガスのワクチンデータをパソコンからだそうとし、アスタモンがジジモンの前に立つ。大輔たちはすかさず結界をはる。

 

「ブイモン、みんなを守ろう!」

 

「言われなくてもやってやるさ!」

 

大輔がデジヴァイスをかかげる。ディーターミナルから黄金のデジメンタルがダウンロードされ、ブイモンはマグナモンに進化した。

 

あたりが黄金色にかがやくフィールドとかす。味方の守備力が向上した。

 

「シャイニングゴールドソーラーストーム!」

 

空間を急速圧縮、瞬間膨張させ、黄金のレーザー光がVRヴェノムを襲う。そしてさらに味方側の守備力が上昇した。

 

「ホークモン、いけるわよね!」

 

「はい、京さん!」

 

ホークモンがヴァリアブル機能により究極体に一気にワープ進化する。

 

「伊織、オレに任せるだぎゃ!」

 

ヴァリアブル機能の果てにあらわれたのは新たなる究極体だった。

 

 

ヴァイクモン

究極体

獣人型

フリー種

決して溶けることのない、永久凍土の極寒の地を治める獣人型の究極体デジモン。体毛は氷の結晶の様に変化しており、クロンデジゾイドなみの硬度を持つと言われている。背中に背負っているモーニングスター「ミョルニル」は一振りで山を消滅させることができ、空間そのものを歪めてしまう。イッカクモンやズドモンの軍団を束ね、戦いの際は鬼神のような非情さをみせるが、手下への情は厚く思いやりのある一面も見せる。必殺技の『アークティックブリザード』は周囲の大気を瞬間的に絶対零度にし、敵を急速冷凍させ、「ミョルニル」で打ち砕いてしまう。砕かれた敵の体がまるでブリサードのようになるのがその名の由来である。

 

イッカクモンとズドモンの軍団を束ね、永久凍土の地を治めていると言われる獣人型デジモン。 体毛が凍りつき、超金属「クロンデジゾイド」並みの硬度を持つまでになった。 背中に2つ背負っている鎖付きのモーニングスター「ミョルニル」は一振りで山をも粉砕することができ、終いには空間そのものを歪めるほどの威力を持つ。

 

戦いの際には鬼神のごとき強さと非情さを見せるが、仲間に対しては思いやりのある面もある。 必殺技の「アークティックブリザード」は、周囲の大気を瞬間的に絶対零度まで冷却し、それによって凍結した相手をミョルニルで粉砕するというもの。凍って砕け散った敵の体がブリザードを思わせることから、その名がつけられた。

 

VRヴェノムが襲いかかるが盾となる。

 

 

「ミョルニル!」

 

北欧神話に登場する神トールが持つ鎚、トールハンマーが炸裂する。思う存分に打ちつけても壊れることなく、投げても的を外さず再び手に戻る、自在に大きさを変え携行できるといった性質をいかして、勇猛果敢に襲いかかる。

 

VRヴェノムの翼、四肢が一瞬にして消し飛んだ。

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