T-800(エンドスケルトン)になった俺氏死なないように生きていきます(旧)   作:automata

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今回は長いです。


S08地区防衛戦その2 味方部隊救援

S08地区 エリア07

 

 

人で溢れかえ、賑やかだったこの町は8時間前の鉄血との衝突でゴーストタウンに変わった。

そして、そこではS08地区に所属するFN小隊と侵攻してきた鉄血部隊が今も激しい市街戦を繰り広げていた。

 

 

 

ファイブセブン「あーもう!何でこんなに鉄血がいるのよ!」

 

 

FAL「口じゃなくて、手を動かしなさい!いつまでも愚痴ってるとやられるわよ!」

 

 

障害物越しから拳銃を撃つファイブセブンとその後ろの建物に隠れながら、VFLスコープを搭載したアサルトライフルで狙撃するFAL。

先行していたファイブセブンが攻撃に遭い、FAL、FNC、FN49と離れてしまった。ファイブセブンに1番攻撃が集中されて、既にダミーが2体やられたが、その隙にFAL達がファイブセブンに気を取られている鉄血兵を確実に倒していた。

しかし、実際はいくら鉄血を潰しても潰しても、また何処からか鉄血兵が湧いて出てくる。本来戦力の逐次投入は愚の骨頂とされるが、それを鉄血は昔のソビエト軍よろしく圧倒的な物量で解決した。

普通の鉄血兵が大量に押し寄せて来るのも脅威であり、面倒だが、連中ダイナゲートに爆弾を括り付けてカミカゼアタックを仕掛けてきた。

撃っても爆発、撃たなくても爆発、爆発で隠れてた障害物が吹き飛んで隠れる場所が無くなる。面倒なことこの上ない。

 

 

弾薬も着々と減っている。鉄血はこっちの弾が切れるまで攻勢を続けるだろう。

FALは虎の子のグレネードを使おうかと考え始めた時だった。突然、鉄血兵達が血を吹き出して、糸の切れた操り人形のように倒れた。

FALは後ろを振り返り、弾が飛んできた場所を見ると、そこには建物の屋上でライフルを構えたWA2000と寝そべってスコープを覗くLWMMGがいた。

 

 

WA2000[こちらS09地区第1部隊及び第3部隊、貴隊の救援に来た。後は任せて]

 

 

その一言で屋上からトンプソン、G36、M1911、スコーピオン、M500、M1887がダミーを引き連れて飛び降りる。

トンプソン、G36とM1911、スコーピオンは敵のド真ん中に突っ込み、M500はスラッグ弾で援護、M1887はダミー人形の演算能力も借りてダイナゲートへのハッキングを開始する。

 

 

スコーピオン「ヒャッハー!久々の突撃だー!!」

 

 

スコーピオンとトンプソンがダミーと共に弾を四方八方にばら撒いて、敵を牽制し、M500がやや遠めの敵を撃ち抜き、G36は投げナイフとファイティングナイフの二刀流でM1911はAF2011を2挺で自分に1番近い敵を倒す。飛んできたレーザーは基本回避だが、直撃は免れないと判断したら、G36はナイフで弾き、M1911はレーザーを撃って、相殺させる。イェーガーやジャガーなどの遠距離攻撃をする敵はWA2000とLWMMGが狙撃で対処する。

自爆するダイナゲートは各自、自爆される前に蹴飛ばして、距離を強引に取ってから破壊する。

洗練されたアクション映画のような蹂躙劇にFN小隊は唖然とする。FN小隊は決して弱い部隊ではない。むしろグリフィンでも指折りの精鋭部隊の1つである。そんな自分達でも苦戦していた鉄血の大軍をS09地区の人形達は軽々と真正面から相手取っていた。

 

 

ファイブセブン「何よ、あの部隊・・・」

 

 

FNC「うわ〜、あそこだけアクション映画みたいな状態になってるよ」

 

 

FN49「すごいです・・わ、私も何年訓練してもあんなに正確で素早い狙撃なんて出来ないです」

 

 

FAL「まるで機械だわ。とにかく早くやれ、そうプログラムされた走る銃座よ」

 

 

FN49(わ、私達も一応機械なのは言わない方がいいのでしょうか)

 

 

 

 

 

 

M1887(あと少し・・・よしできた!)

 

 

M1887のハッキングが成功するとダイナゲート達は途端に行動を停止する。

プログラムを書き換えて、M1887の制御下に置く。それの影響か、ダイナゲートの視覚センサーは赤色から緑に変わる。

 

 

M1887[みんな自爆型ダイナゲートのハッキングに成功したわ。こいつらを鉄血どもに返品するから離れて!]

 

 

トンプソン「お、もう済んだのか早いなー。そんじゃ、ズラかりますか」

 

 

G36「これで最後にしましょう」ザシュ!

 

 

 

M1887の通信で前線で暴れ回っていたトンプソン達は下がり始める。

突然敵が引いたことに鉄血兵は困惑するが、その理由はすぐに気づいた。さっきまでFN小隊に特攻していたダイナゲートの大群が自分達の方に帰ってきた。ダイナゲートの視覚センサーが通常の赤から緑に変わっていたことでハッキングされたことに気づき、鉄血兵達はダイナゲート達を迎え撃つ。

 

 

鉄血兵「何やってる!早く停止コードを入力しろ!」

 

 

鉄血兵「駄目です!コントロールを受け付けません!」

 

 

ダイナゲート操作用のタブレットにはerrorの文字が表示されていた。

 

 

鉄血兵「っ!エネルギー切れ!早くバッテリーを・・・」

 

 

ライフルのエネルギーが尽き、新しいバッテリーを装填しようとしたその時・・・

 

 

 

大量のダイナゲートが雨のように落ちてきた。

近くの高い建物を登って、鉄血兵の下へと飛び降りたのだ。

 

 

鉄血兵「チクショーー!!」ダダダダダダダダ!!

 

 

その叫びはダイナゲートの爆発音に呑み込まれ、誰にも届くことは無かった。

 

 

 

M1887[こちらウィン。全敵勢力の排除完了]

 

 

WA2000[了解、後はFN小隊と合流ね]

 

 

 

 

 

 

 

FAL「ありがとう、助かったわと言いたい所だけど・・・」

 

 

 

 

FALは助けに来てくれたWA2000達に礼を言う。だが、FALの目線はある一点を見つめていた。

残りの人形達もFALの見つめている方向を向く。

 

 

デストロイヤー「へぇー、あれだけの戦力を蹴散らすなんて、ちょっとアンタ達を見くびっていたわ」

 

 

そこにいたのは鉄血のハイエンドモデル“デストロイヤー”。

小柄な彼女の身の丈を軽々と超える程の長銃身の2つの白い大砲と砲弾補給用の巨大なコンテナを備えた重火器ハルコンネンIIを背負っていた。

明らかに彼女の体格とアンバランスな巨大な武装を彼女は涼しい顔で装備していた。

 

 

 

デストロイヤー「でも、今度は私が相手よ。塵1つ残らず、木っ端微塵にしてあげる」

 

 

その一言でデストロイヤーはハルコンネンの砲口をWA2000達に向けて、引き金を引いた。

 

 

ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!

ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!

 

 

まるで巨大な爆弾を爆発させたような発砲音を打ち鳴らしながら、砲口から飛び出す30mm爆裂徹鋼焼夷弾がWA2000達の下へと飛んでくる。

分厚いコンクリートも薄紙のように貫き、砲弾は爆発する。死ぬまで消せない火炎を纏った焼夷剤を撒き散らしながら。

 

 

トンプソン「よしあれを片付けよう!」

 

 

M1911「いい考えあります?」

 

 

G36「何か思いつきました?」

 

 

トンプソン「私も聞きたい!」

 

 

アクション映画のような掛け合いをしている今も隠れる障害物はどんどん消えていく。

その時、スコーピオンはある作戦を思いつき、みんなに提案する。

 

 

スコーピオン「っ!ちょっと提案してもいいかな?」

 

 

M500「駄目」

 

 

LWMMG[いらない]

 

 

M1887「後にして」

 

 

スコーピオン「・・・言うと思った」

 

 

速攻で却下された。

ちなみにスコーピオンの考えた作戦はM1911のスモークグレネードをしこたま投げて、視界を封じて、みんなで突撃するというおおよそ作戦とは言えない単純なもの。スコーピオンの作戦は大抵こういったもので、それを1番経験している第3部隊隊員はすぐに察してスコーピオンの提案を却下したのだった。

 

 

突如無線が入る。

 

 

ダネル[こちらダネル、直接火砲支援(ダイレクトカノンサポート)を開始する]

 

 

LWMMG[ダネル、遅刻よ]

 

 

ダネル[鉄血兵だらけで道が混んでた]

 

 

LWMMGに遅刻を咎められるが、ダネルは援護に向かう途中、鉄血一個小隊と鉢合わせしてしまい、そこで時間を食ってしまった。

ダネルは遅刻した分を取り返すべく、1200m離れたビルの屋上からデストロイヤーの頭をレティクルの中心に合わせる。

 

 

ダネル「死ね、バケモノ」

 

 

小さく呟き、ダネルはゆっくりと引き金を絞るように引いた。

大砲のような発砲音と砂煙を上げながら、発射された20mm弾はデストロイヤーの頭へと飛んでいた。

ダネルは当たると確信した。

 

 

 

だが、デストロイヤーは咄嗟に狙撃に気づいて、コンテナを盾にした。

甲高い金属音と火花を散らして、20mm弾はコンテナの分厚く頑丈な装甲を貫通できず、弾かれた。

 

 

ダネル(この距離で気づくのか・・・それに20mm弾も弾くのか・・)

 

 

デストロイヤー「無駄無駄無駄ぁぁぁぁー!そんな眠っちまいそうな攻撃でこのデストロイヤーが倒せるかぁぁぁー!」

 

 

何処ぞの吸血鬼のようなセリフを言って、ダネルのいるビルの屋上にハルコンネンの砲口を向ける。

 

 

FAL「だったら、これでも食らいなさい」

 

 

FALは温存していたグレネード弾をデストロイヤーに撃つ。何度も何度も弾が尽きるまで前が見えなくなる程の土煙を上げるまで撃ちまくった。

弾が尽きて、煙が晴れるとそこには無傷のデストロイヤー。少しもダメージを受けてなかった。

 

FAL「ちっ、バケモノめ」

 

 

デストロイヤー「貧弱ゥ!貧弱ゥ!」

 

 

弾もアイデアも尽きた。

いよいよ終わりかと思った。その時だった。

 

 

ドォォォォーン!

 

 

 

デストロイヤーの周りが次々と爆発した。

空を見ると白煙を上げながら、何かが落ちてくる。迫撃砲の砲弾だ。

 

 

デストロイヤー「えっ、えっ!なっ、なに!?」

 

 

予想外の攻撃に戸惑うデストロイヤー。そして、迫撃砲の砲弾がデストロイヤーの足元に着弾する。

爆風で吹き飛ばされ、隙ができる。そのチャンスを逃さんと今度はロケット弾がデストロイヤーの面めがけて突っ込んでいった。

 

 

デストロイヤー「くぅ!」

 

 

ハルコンネンには全くのダメージは無いが、本体であるデストロイヤーは大きなダメージを受けた。所々出血していて、右足は損傷、内部機器の一部がさっきの衝撃で故障した。

 

 

デストロイヤー「こっ、これで勝ったと思うなよぉ!」

 

 

小物系悪役のお手本のような捨て台詞を吐いて、デストロイヤーは右足を引きずりながら撤退した。

 

 

G36「・・・何が起きたの?」

 

 

トンプソン「誰かが調子に乗ってやりすぎた」

 

 

舞い上がる土煙の中から人影が見えた。

それに気づいたG36は銃を構えるように皆に言う。

 

 

そして、土煙から出てきたのは明るめのグレー色の長い髪で右目を隠し、赤いベレー帽を被り、黒い軍服を着た何処かG36に似た少女だった。右肩にはスリング、トリプルマガジン、ダットサイトをつけたG36cを、左肩には弾の切れたAT4を担いでいる。

その姿にG36は思わず銃を落としてしまうが、そんなことは気にもせずに少女の下に駆け寄る。

 

 

G36「G36c・・・いえ、シェリー・・・シェリーなのね?」

 

 

G36C、シェリーと呼ばれた少女はG36に微笑んで返事をする。

 

 

G36C「はい、久しぶりですね。G36姉さん・・・いえ、シア姉さん」

 

 

G36はG36Cに抱きつく。

彼女はS09地区所属の人形では無く、グリフィン本部直属の部隊にいた。数年前にある作戦で暴走した正規軍の戦術人形の掃討に赴いた。作戦は失敗し、G36Cは作戦中行方不明(MIA)になり、その後も捜索されるも見つからず、戦死(KIA)判定がなされた。

 

 

G36「あなた死んだはずじゃ・・・」

 

 

G36C「それ私も聞きました」

 

 

G36「ヒュドラの大群に襲われたって・・・」

 

 

G36C「はい、襲われました。その後5日間苦しみもがいて・・・ヒュドラ達が死にました」

 

 

その姿を遠くから見ていた人形達は口々に「胸に沁みた」「感動した」「涙もんだ」と言った。

 

 

トンプソン「あー、感動の再開を邪魔して悪いんだが、そろそろ基地に戻ろうぜ。じゃないとまたあのちんちくりんが大勢連れて戻ってくる。こっちも弾が無いし」

 

 

 

そう言って、G36が落としたライフルを渡す。

トンプソンが割り込んできたことでG36は我に帰り、恥ずかしさで少し頬が赤くなる。

 

 

スコーピオン「にっしし、いつもクールで目つきの悪いシアがここまで感情的になるとは・・っておわ!」

 

 

G36を茶化したスコーピオンの足元には一本のナイフが突き刺さっていた。

 

 

G36「今度余計なこと言うと口を縫い合わすぞ」

 

 

いつもの敬語は無く、ドスの効いた声でスコーピオンに警告した。

そんなコントのようなことをしている姿を見たG36Cはいつも通りだなと安心した。




ハルコンネン持たせたせいでデストロイヤーちょっと強くし過ぎたかも・・・
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