T-800(エンドスケルトン)になった俺氏死なないように生きていきます(旧) 作:automata
大量の地図と通信機などの機材でいっぱいのS08地区前線基地司令室。
その機材達に囲まれながら、レナは第1、第3部隊と無線で話していた。
レナ[FN小隊と合流できたのね。 それに死んだ筈のG36Cが生きていた・・・まぁ、それはこの作戦が終わってから考えましょう。 気をつけて帰ってきてね]
通信が終わり、受話器を戻すと部屋にグリフィンの制服を着た青年が入ってくる。
レナ「チャールズさん、FN小隊は全員無事です。これから基地に帰って来るそうです」
チャールズ「大切な部下を救って下さり、本当にありがとうございます。申し訳ございません。ぼくが至らぬせいで貴女に色んなことを任せてしまって・・・」
チャールズ・ビショップ。 S08地区の管理と戦術人形の指揮官をしている青年。レナのような元軍人ではなく、ただの一般人。だが、グリフィンに入社した途端に指揮官としての才能が開花、指揮官としてはまだまだ経験不足で荒削りな部分が目立つが、それを開花した才能で補っている。新米でありながら、精鋭部隊のネゲヴ小隊やFN小隊を預けられたことから一指揮官として十分な実力と信頼が置かれていることが分かる。
レナ「困った時はお互い様ですよ。チャールズさん、これからの反抗作戦についてのこと何ですけど・・・・」
マーカーで丸や矢印、バッテンがたくさんついた地図を広げて、レナはチャールズとFN小隊が帰還した後の反抗作戦について話し合った。
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3時間後、第1、第3部隊とFN小隊が帰還した。
軽く負傷していたFN小隊を修復へと行かせ、全くの無傷で帰ってきた第1、第3部隊は束の間の休息を取った。
基地の警備に回っていたスプリングフィールドはキッチンを借りて作ったサンドイッチを彼女たちに振る舞う。
スコーピオン「おいし〜!」
M500「このBLTサンドも美味しい!」
G36C「これが姉さんの言ってたスプリングフィールドさんの料理」
野菜や卵サンドと言った軽いものから重めのBLTサンドやテリヤキチキンを挟んだサンドイッチ、変わり種でクロックムッシュやサブマリンサンドイッチなどがあった。
匂いに釣られたのか修復に行った筈のFN小隊とネゲヴ小隊の方々もやってきた。
S08地区では快速修復契約の使用は個人の判断に委ねられていたので使ってきたらしい。しかし、ネゲヴはここの設備でも直せなかったので車椅子に乗っている。
ファイブセブン「これ甘辛くて美味しい」
FN49「おっ、美味しいです・・・」
タボール「このクロックムッシュも絶品です」
FNC「・・・」モッキュモッキュモッキュモッキュ
ガリル「S09地区ではこんなうまいもん毎日食べてるのか」
ファイブセブンはテリヤキチキンサンド、FN49とタボールはクロックムッシュ、FNCは甘いホイップクリームも入ったフルーツサンド、ガリルはソースのかかったカツサンドを食べていた。どうやら気に入ってくれたようである。
ネゲヴ「野菜に卵に果物、ハムといった肉類・・・どこから食材を仕入れてるの?」
スプリングフィールド「ふふっ、それはちょっとヒミツです」
含みのある言い方でネゲヴの質問を返すスプリングフィールド。
その隅でFALはS09地区に転属しようかと本気で考えながら、クロックムッシュに目玉焼きを乗せたクロックマダムを食べていた。
さっきまで殺伐とした戦闘をしていたとは思えない、和気藹々とした雰囲気が彼女達を包んでいた。
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司令室の中に1人座るレナ。チャールズは休憩のため席を離れている。
手にはグリフィンで支給される軍用端末を持ち、クルーガーからの電話を待っていた。
まだかまだかと端末を弄っていると、着信音が鳴る。
レナは誰からなのかを確認せず、咄嗟に通話ボタンを押す。
クルーガー[オーウェンズ、たった今決定したぞ。スカイネットの使用を許可する]
レナ[ありがとうございます]
レナは無意識に軽く一礼をする。クルーガーからの電話はスカイネット軍の使用の許可についてだ。
この前、ペルシカが解析したスカイネットの情報はグリフィン上層部に送られ、スカイネットを使うのか、それとも破壊するのかを三日三晩議論していた。そして、ようやくスカイネットを自社の戦力として使うことが決定した。
クルーガー[結構ギリギリだったんだぞ。それとスカイネット軍を動かす時は必ずこっちにその旨の連絡をしてほしい。緊急の時もだ。そうでもしないと否定派が納得しなかったからな]
レナ[分かりました]
クルーガー[では、よろしく頼む]
通話が切れて、ツーツーという音に変わる。
端末をしまい、ターミネーターを探しに司令室を出た。
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レナ「ええっと・・・どこに・・・あっ!いた!」
辿り着いた先は人形達がお茶会をしていた。
そこには休憩に行った筈のチャールズもいた。
レナ「チャールズさん?」
チャールズ「あっお疲れ様です。いや〜レーションを食べるつもりだったんですけど、良い匂いがしたんで釣られてしまいました」
頭をかいて、アハハと笑うチャールズ。手にはアメリカンクラブハウスサンド。
線の細い見た目の割にがっつりとしたものが好みらしい。
ウゥゥゥゥゥーー!!
警報機の音が鳴り響く。
全員休止モードから戦闘モードに切り替わり、人形達は銃を取り、チャールズとレナは無線機で指揮の準備をする。
レナ「カリン! 敵の数は?」
カリーナ[そっ、それがメーターが振り切ってしまって、分かりません。恐らく地上を覆い尽くすくらいが押し寄せてきます]
高台に登って、基地の外を見る。
レナ「何よこれ・・・何処からあんな数を・・・」
外はカリーナの言う通り地上を覆い尽くす程の数の鉄血兵が津波のように押し寄せて来た。
まるで第2次大戦のソ連軍を彷彿とさせる行軍だ。
レナ[ターミネーター、聞こえる?]
ターミネーター[なんだ?]
レナ[スカイネット軍を動かしたいの。ここからだといつぐらいに着く?]
ターミネーター[準備と距離を換算して・・・15分だ。15分だけ待ってくれないか?]
レナ[分かったわ。みんな聞こえたでしょう。15分だけ持ち堪えて]
全部隊[了解!]
無線連絡が終わると乾いた銃声の音が鳴り響く。
レナも戦う為、武器庫に向かった。
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自爆型ダイナゲートと2本のナイフを持ったブルートが先鋒として、基地に突撃してくる。
基地の防衛装置をフル稼働させ、第1部隊、第2部隊、第4部隊、第5部隊が迎え撃つ。
HG、SMGは自慢の機動力で敵部隊の中に突っ込んで撹乱、SGは盾役としてHG、SMGと同行、ARはSMGの援護射撃、SRは分隊のリーダー格や狙撃手、ストライカーなどの機関銃手、マンティコアの狙撃を担当する。
ダミー人形となったヴァルキリー達は通常の銃器ではなくプラズマキャノンなど高火力兵器で応戦させる。
ターミネーターもミニガンを構えて、とにかく乱射する。敵は多い。ミニガンの連射速度ならホースで水を撒くように適当に弾をばら撒けばバタバタと倒せる。
ミニガンから吐き出される無数の7.62mm弾はブルートの皮膚を食い破り、中で散々跳ね回った後、ブルートに致命的なダメージを負わせる。
途中イェーガーの狙撃を食らうが、ターミネーターにはそんなもの豆鉄砲でしかない
今回はあまりにも敵の数が多く、全ての方向をカバーしきれない。
そのため、部隊毎に担当する範囲を限定し、その方向だけに火力を集中させる。多少鉄血兵の侵入を許してしまうが、そこは第3部隊、ネゲヴ小隊、FN小隊が侵入してきた鉄血兵を排除する。
LWMMG「ああもう!数が多いわね・・・こうなったら」
基地内に侵入した鉄血兵を高所から狙撃するLWMMGは銃のセレクターをセミオートからフルオートに切り替える。
節約家のLWMMGはフルオートに切り替えるのは滅多にない。だが、状況が状況だ。今回は弾代を気にせずに撃ちまくることにした。
レナ(あと6分・・・あれは)
RPK軽機関銃で高所から撃ちまくっていたレナは鉄血兵の津波の中から1体の鉄血人形を目にする。
テレポートしながら、近づいてくる。能力と姿からしてハイエンドモデルのアルケミストだ。
アルケミストはテレポート能力を駆使して、基地内に侵入した。
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アルケミスト「さぁ、殺戮の時間よ」
基地内に侵入したアルケミストは獰猛な笑みを浮かべて、白と黒の2振りの夫婦剣 干将・莫耶を展開する。
コーラップス技術を応用した特殊なシステムをアルケミストは搭載しており、従来のテレポート能力はもちろん、剣や弓など単純な構造をした武器なら無限に生成することができるようになった。
レナ「悪いけど、そうはさせないよ」
アルケミストの後ろから数発の銃弾が飛んでくる。アルケミストは焦らず、飛んできた弾を剣で弾く。
アルケミスト「お前か、噂のS09地区の指揮官は」
後ろを振り返るアルケミスト。視界に先には左手にコルトガバメント、右手にマチェットを持ったレナがアルケミストに銃口を向けていた。
レナはガバメントの銃口を下げて、マチェットの剣先を向ける。
アルケミストは面白いと言って、戦闘態勢に入る。
アルケミストが先に仕掛ける。システムの性能を最大限に引き出して、双剣をオーバーエッジ形態に変形させ、レナに突貫する。
常人なら捉えきれない速度でレナに近づき、渾身の一撃を放つ。それをレナは冷静にマチェット1本でアルケミストの斬撃を受け止める。
アルケミスト「なにっ!」
ハイエンドモデルのパワーで斬りかかったのにそれを平然と受け止めるレナに驚くがすぐに頭を切り替えて、少し距離を置いて剣を元の形態に戻す。そして、テレポートでレナの周りを動き回りながら、スピード重視の無数の斬撃を全方位から繰り出す。
レナ(相手は剣とテレポート能力を主軸にした戦闘スタイル・・・蹴りやパンチはしない・・・動きは変則的だけど攻撃は基本的に私の視界の範囲外・・・ということは私にトドメを刺すタイミングは・・・)
アルケミスト(これが噂のS09地区の指揮官か・・・確かに強い。だが、こいつは人間。この連撃を防いでいるんだ。疲れ始めている筈だ)
マチェット1本で攻撃をいなしながら、アルケミストの戦闘スタイルを冷静に分析するレナとレナの高い戦闘能力に感心するアルケミスト。
一瞬レナは体勢を崩した。
アルケミスト(取った!)
勝利を確信したアルケミストは最大限のパワーで干将を振りかぶる。
レナはそれを見切って、ガバメントで干将を持つ左手を撃って、パリィ、体勢を崩したアルケミストの心臓にマチェットを突き立てた。
アルケミスト「な・・何故だ」
アルケミストは血を吐いて、倒れる。
レナ「テレポートと剣に頼り過ぎてるのよ。それと攻め過ぎて戦闘スタイルがパターン化してるの。だから、パリィを食らうのよ」
そう言って、レナはガバメントの銃口をアルケミストの頭に向ける。
レナ「でも、剣術は悪くなかったわ。いいセンスよ」
アルケミスト「いい・・・センス」
その言葉を最後にアルケミストはガバメントの銃弾で機能を停止した。
アルケミストに突き刺さったマチェットを抜いて、空を見上げると5機のトランスポートと無数のハンターキラーエリアルが待機していた。
ターミネーター[指揮官聞こえるか? スカイネット軍ただいま到着だ]
レナ[了解、スカイネット軍攻撃開始]
レナの一声でスカイネット軍は鉄血に攻撃を開始した。
【アルケミストに新能力が付与されました】
固有結界なしのアンリミテッドブレイドワークス