「目を開けてくれ!生きるのを諦めるな!!!」
私、天羽 奏は目の前に倒れている少女に叫ぶように吐いた。
その少女ははショットガンで撃たれたかのように全身に深い傷を負っていた。
沢山の血が流れている。もしかしたら彼女は駄目かもしれない。そう思いたくないが頭の中で死というイメージがぐるぐると回っている。
「.........ん.......ぁ.......?」
「!!!」
少女は薄っすらと目を開けて反応を示してくれた。
それを見た私は安心した。まだ生きていることが嬉しかった。
それと同時に決心し、彼女に微笑み、槍を強く握った。
「.........いつか、心と身体を全部空っぽにして、思いっきり歌いたかったんだよな」
そう言葉を零し、目の前にいる人類の敵、ノイズに一歩一歩足を運ぶ。
「今日はこんなに沢山の連中が聴いてくれるんだ」
「だからあたしも、出し惜しみ無しでいく...」
私は天に届くかのように槍を掲げた。
「とっておきのを送ってやる」
___絶唱。
私は静かに息を吸った。
これで最後だ。後は任せたよ、翼。
私は目を見開き、言葉を吐こうとしたら____
「おわああああああああ!!!!!!!」
大きな叫び声と共に銀髪の少女が天から降ってきた。
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意識が薄れてこれが転生か、と思えばこの仕打ち、酷くないですかね。神様。
そう思いながら土埃を叩く私です。
なんか黒いスカートですね。まぁいいですけど。
「なんだよ、おい.....」
声が聞こえたので振り返ってみると槍を持った際どいモビルスーツみたいなのを着た美人さんが唖然としてます。何かと戦っているのでしょうか、身体がボロボロに見えます。
他にも周りを見てみると、同じくモビルスーツもどきを着たスレンダーな美人さんと血だらけの少女と鮮やかな物体が...
「って、なんですかあれh...って危な!何してけつかるんですかあなた!」
色鮮やかな物体は最後まで人の話を聞かずに攻撃してきました。もしかしてボロボロだったのはこいつらと戦っていたから...?
そう考えれば納得です。
そう思いながら色鮮やかな物体__敵の攻撃を避けていきます。
「なにか武器は....ん?これはガラスですか?ちょいと拝借」
落ちていたガラスを手にとって私の顔を拝見させていただきました。敵が攻撃してくるのをそっちのけでです。
「なんじゃこりゃあああああ!!!!!」
ガラスに映っていたのは銀髪碧眼の美少女。しかもあのあなたの背後に這いよる混沌の、宇宙最強の邪神の、
ニャルラトホテプでした。
.......ハッ!知らないお空!
私は数秒気を失っていたそうです。
自分が這いよれ!ニャル子さんのニャルラトホテプになっていたことは一旦置いておきましょう。
とりあえず、先に敵の殲滅です。
あの作品のニャルラトホテプ___ニャル子さんは色々なことが出来たはずです。しかも最強の邪神なのですから人間とは根本的に耐久性が違うはずです。恐らく、並大抵のことでは傷1つつけることはないでしょう。
多分大丈夫な筈です。
では、ぶっつけ本番ですがあれを使って見ましょう。
「宇宙CQC!パート2!名状し難いバールのようなもの!」
そう叫びながら背中から名状し難いバールのようなものを引き抜きました。
うん、名状し難くないよね、これ。ただのバールだよね。
こんなので本当に敵を倒せるのかなぁ?
いやいや、ここでネガティブ思考に陥っては駄目です。
とりあえず怖いのでぶん投げて見ましょう。
「オラッ!!!」
そう叫びながらバールのようなもので勢いよく投げつけました。
凄まじい回転をしながら敵に向かっていくバールのようなもの。果たして威力はどれほどか?それほどでもないか。
と、思っていたら、
GYAAAAAAA!!!!!
と大きな雄叫びを上げながらバールにあたった敵達は粉々に砕けていきました。
...強すぎません?名状し難いバールのようなもの。
でもこれで確信しました。
宇宙CQC、邪神以外にも効く。
そうと分かれば話は早いです。
私はスカートに手を掛け、
「とっておきですよ!宇宙CQCパート3!だったっけ。まぁどうでもいいです!冒涜的な手榴弾!」
と叫びながらスカートの中からリボンの付いた手榴弾を取り出し、線を引き抜き敵に投げつけました。
チュドーン!
大きな爆発と共に敵達は四方八方に飛び散りました。
「まだまだぁ!!ホラホラ!!!」
一個だけじゃ足りないと思い、何個か敵に投げつけます。
そうすると、敵達は次々に爆殺されていきました。
多分今の私、凄く輝いているような気がします。
凄く楽しいんです。邪神になってから頭のネジが飛んだのかもしれません。
楽しいことはすぐ終わってしまいます。
気がつけば、敵達の姿は無く、残っていたのはモビルスーツの美人さん2人と血だらけの少女だけでした。
これは、なんて説明しましょう...。
「あのーこれには幻夢鏡よりも深ーい事情がありましてですね...」
「「.........」」
あのー何で無言でいらっしゃるのでしょうか。なんか不安になります。
「ちょっと用事があるので帰ります!」
なんか気まずい雰囲気に耐えられないので逃げることにしました。
「ちょっ、待ちなさい!」
「待てと言われて待つニャルラトホテプはこの世にいないんですよ!」
そう青いモビルスーツの美人さんに叫び、戦場を後にしました。
これからどうすればいいのでしょうか、不安しかありません。
//////
「行ってしまったな」
「何なのよ、あの娘...」
何だったのだろうか、あの少女は。
いきなり現れたと思ったら急に叫びだした上にバールや手榴弾でノイズを殲滅してみせた。
「分からない。とりあえず、助けてもらったんだ、それだけは感謝しておこう。それよりもだ。この娘を、早く病院に!」
「そ、そうね!叔父様!至急ヘリを!」
「ニャルラトホテプ、か...。覚えたよ、その名前」
そう呟いた言葉は少し強く吹く風に掻き消されてしまった。
邪神は強い、はっきりわかんだね。