「え...嘘...あの時の...」
「響この娘のこと知ってるの?」
まさかの偶然、あの時の少女がこの病院に入院していたとは...普通誰も思わないと思います。現に私も思っていませんでした。偶然って怖いね。
ここで私の正体をばらされたらこの街にはいられません。転生して初めて足を付けた地ですし、地味に愛着があるんですよ。『ふらわー』っていうお好み焼き屋もすごくおいしかったんですよ!だからあまりこの地から離れたくないんです。
仕方ない、私の今後の邪神生のためにもここは響さんと一緒に一芝居を...
(すみません、話を合わせてください)
「うぇ!?」
「どうしたの?響」
「な、なんでもないよ未来。ちょっとびっくりしただけ」
響さんは突然の私のテレパシーでびっくりしたようです。
テレパシーも使えるとかなんて有能なんだニャル子さん。あと、テレパシーを使うと私のアホ毛がくるくる回るようです。仕様ですかね。
(突然すみません。今貴女の脳内に直接語り掛けています。あ、言葉を想像するだけで伝わるので大丈夫ですよ?)
(こっちも突然のことでびっくりしちゃって。なんかごめんね?)
(いえいえ)
凄い、凄いぞ主人公!さっそくテレパシーで会話ができるなんて!
多分外から見たら私と響さんが見つめ合ってるようにしか見えていないと思います。それでもアホ毛は回っている。
(単刀直入に言うと話を合わせてほしいんですよ)
(話を合わせる?)
(貴女もうっすらだと思いますが見た筈です。私とあの敵の戦いを)
(まぁ、うっすらとだけどね)
苦笑いして響さんは頭をポリポリと掻きました。こう見ると響さんもかなりの美少女ですよね。未来さんもきれいですし。
それから1分くらいかテレパシーでの会話を続けました。
私の力のことを黙っていてほしいこと、あの会場で出会ったのではなくて道に迷っていたところを響さんが教えてくれたこと、ファミチキをくださいということ。
「響たちなに見つめ合ってるの?」
「いやなんでもないですよ未来さん」
「そ、そうだよ未来」
(それではいきましょう)
(うん!)
こうして私たちの作戦は開始された__。そこまで大それたことではないけど。
「それで、ニャル子ちゃんと響は知り合いなの?」
「知り合いというか...」
「わ、私が道に迷ってた時に偶然助けてくれたんですよ~あはは~...ね?響さん」
「そ、そうだよ!ね!」
「ふ~ん」
未来さんは疑うように返事をしながら私と響さんを交互に見つめてきました。
内心物凄く焦っています。なんでこんなに鋭いの!?
(なんでこんな鋭いんですか!?)
(未来は普段からこんなだよ!)
響さんも焦っているようです。普段からということは幼馴染とかなんでしょうか。詳しいことは知りませんが、おいおい知りたいと思います。
「まぁ、そういうことにしておくわ」
「「ふぅ...」」
危機一髪でした。これから未来さんに隠し事は辞めといた方がいいと思いました。
...もしかして、私って顔に出やすいタイプなんですかね?どうなんでしょうか。
「そうですそうです!僭越ながらわたくしニャルラトホテプ、お見舞いの品を持参したのですよ!」
バサッ!とビニール袋を上に掲げて声を上げました。
「ありがとう!その...」
「ニャルラトホテプ・ラヴクラフトです。ニャル子、とお呼びください」
「分かったよニャル子ちゃん。ありがとね」
「いえいえ!」
「私が剥いてあげるね」
「ありがとう未来!」
そう言って未来さんはお見舞い品の中から果物を取り出し、皮を剥き始めました。ちなみに私はリンゴの皮は向かない派です。おいしいじゃないですか皮。
「はい響。あーん」
「あーん...おいしい!」
「ふふ、響ったら。お礼はニャル子ちゃんに言って」
「ありがとう!ニャル子ちゃん!」
「いえいえ。野菜、果物、お肉の目利きは得意なので。この邪神アイが全て見通します!キラーン!」
「あはは!変なの!」
あれ、意外と邪神と言ってもばれない...?なら少し安心ですね。
しかし、未来さんが響さんに果物を食べさせている光景を見てると、その...
「カップル、ですかねぇ...」
「そ、そんな...私たちがカップルなんて...///」
「そ、そうだよ!ニャル子ちゃん!変なこと言わないで!」
「いやぁ...こんな光景を見せられるとお二人方が付き合っているようにしか見えないんですよねぇ~。あ、私は大丈夫ですよ?NLもBLもGLもばっちおーけーですから!存分にいちゃついてください!」
「「そんなんじゃないから~!!!」」
息ぴったりなのも付き合っているようにしか見えないんですよね。お二人方には自覚がないようです。少し残念。
/////
そんなこんなで早3ヵ月。響さんは明日退院だそうです。
「何から何までありがとね。未来、ニャル子ちゃん」
「大丈夫だよ響。また何かあったら私が看病してあげるから」
「なんで看病すること前提なんですか未来さん...。まぁ、何はともあれ退院おめでとうございます。響さん」
苦しいリハビリを超えて退院予定日よりも1ヶ月早く退院できるそうです。
身体に傷はあるものの、ケガする前までに体調は良くなったそうです。いやぁよかったよかった。
あとこの3ヵ月でこの世界のことを学べたと思います。
私が転生したところにいた敵は、認定特異災害『ノイズ』と呼ぶそうです。
そのノイズというものは人間に触れると人間を炭素の塊へと変換してしまうそうです。大分怖いですね。私には関係ないですが。
3ヵ月の間にもちょくちょく戦うことがあったんですよ。私の宇宙C.Q.C.の前では無残に飛び散りましたが。ナイトゴーントと同じ扱いでなんかかわいそうですね。人間にはただの脅威でしかありませんが。
「それじゃあ私たちは帰るから。あまり無茶しないでよ?私が心配するから」
「大丈夫だよ未来。あんまり心配しすぎると身体に毒だよ?」
「もう!響のために言ってるのに!」
「あらら...。それでは明日学校で会いましょう、響さん」
そう言って私と未来さんは病室を後にしました。
意外と未来さんって過保護なんですね。幼馴染兼彼女兼保護者役って結構いい属性持ってますね。
「だから彼女じゃないって!」
「あ、口に出てました?」
「出てたよ!」
顔を膨らませながら未来さんは答えました。可愛いですね。
「それより響さんは大丈夫なのでしょうか」
「どういうこと?」
「あのライブ?の事件というか事故というかの災害?は結構大事だったと思います。確か一万人以上がお亡くなりになっていてその中の生き残りの一人なのですからメディア目線から言えばいいネタになるかもしれませんよ?」
「...そうなんだ」
思ったことを口にしたら未来さんは暗い顔になりました。
こうなることは普通の人だったら当たり前です。私も暗い顔をしているでしょう。
「だからこそ、響さんの前では明るくしないと」
「そう、だね」
「大丈夫ですよ。響さんならへいき、へっちゃらとか言ってピンピンしているはずです!」
「そうだといいんだけど...」
「今からそんな暗い顔ではいけませんよ!ピシッとしておかないと後で響さんに心配されますよ?」
「うん...ニャル子ちゃんの言うとおりだね。少なからず響の前では明るく元気でいないと、ね?」
「その意義ですよ!」
次第に未来さんの顔は明るくなりました。
全ては明日になって分かることです。気長に...とはいきませんが私ができることを響さんにしてあげましょう。
そう決心し、私は自宅に向かいました。今日のご飯はカレーです♪
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次回をお楽しみに。