ファイアーエムブレム覚醒 ~虹が生み出した物語~ 作:ユイリー
断章:運命か、絆か
「うおおおおおおおおっ!!」
クロムは声とともにファウダーに挑む。
剣と魔法なのに互角……そんな中、雷の魔法を唱える者が居た。
ファウダーは闇魔法を使いクロムを襲う。
クロムは回避し、もう一人は雷魔法を相手に放つ――。
しかし敵は平然としており、次々とクロムに魔法を放ち、クロムはバランスを崩す。
そこを好機だとばかりにファウダーは強力な魔法をつかう。
そうはさせないともう一人は雷魔法で相殺する。
そして距離を保つ――。
周りには忌々しい紫の障壁――その向こうで大勢の敵と戦う仲間たち。
彼らのためにも、そして家で待つ子供たちのためにも自分たちは早く決着つけなければならない。
「俺たちの最後の戦いだ!」
クロムの声が聞こえる。
「大丈夫だ、ルフレ。この絆は…運命なんかよりもずっと強い。
お前が共にいてくれる限り……負けはしない。
行くぞ、ルフレ!ここで必ず奴を倒す!」
そうだ、こいつを野放しにしてはいけない。
クロムとなら、負けはしない。
負けなくないと強く思う。
「クク、運命には抗えぬぞ…」
笑う奴をさて置きクロムは剣をもつ。
ファウダーが持つ魔道書はかなりの強力なものだと魔道の才がなくてもわかる。
ルフレは手に持つトロンで攻撃する。
「どこを見ている!」
クロムの追撃がはいる。
するとファウダーは崩れる。
しかし、そこからだ。
そこからいけなかったのだろうか。
クロムが安堵の顔を浮かべ、後ろにいたルフレをみる。
「貴様らごときがぁぁぁぁぁ!!」
ファウダーが最後の一撃。
ルフレはとっさにクロムを庇う。
どさりと倒れる。
攻撃を受け、全身が痛いはずなのに――なぜ痛みは感じないのだろう?
クロムが駆け寄りルフレを起こす。
「大丈夫か?奴は倒したんだ、俺たちが勝ったんだ」
見るとファウダーは消えており、周囲にあった紫の障壁も消えている。
戦いは終わっていた。
「お前のおかげだ。今までずっとお前がそばにいてくれたから」
だが、だんだんと視界が悪くなる。
血が昇っているのだろうか。
「どうした?おい、しっかり――」
ズブッっと鈍い音がした。
クロムの腹に、雷魔法で貫かれた跡があった。
ゆっくりと自分の手を見ると、そこには確かに雷魔法を使った跡が。
一体何が起きたというのか。
ふとクロムのほうをみる。
クロムは苦しい顔だが、それでも自分に憎しみの顔など見せなかった。
「おまえの……せいじゃ……ない……おまえだけでも……にげ、ろ……」
「あ………」
クロムはどさりと倒れる。
後ろでざわめきが聞こえる。
―クロム様――ルフレ、一体何を――どうなっているの――
『ふふふふふふふ、ふははははははっ!!』
耳障りな声がした。
自分は、クロムを“殺した”――?
自分を信頼してくれたクロムを?
自分が《我が》、クロムを《忌々しいナーガの眷属を》、殺した?《殺した。》
「あ………うわああぁぁぁぁぁぁ!!」
そこで、自分の意識は闇に堕ちた……。