ファイアーエムブレム覚醒 ~虹が生み出した物語~   作:ユイリー

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9章:聖王エメリナ

悲劇。そしてそれに続く物語。だけど。

「僕はこんなところで彼女たちを見殺しにできない。」



…最近、クロムとルフレはダブル状態になっております。

とある動画のおかげで風魔法が便利になってきました。



第14話

~マークSIDE~

 

僕たちはその後、フェリアの密偵から報告を受けた。

その場にいるのは僕と、クロム、ルフレ、フラヴィア様にバジーリオ様、他にもいる。

 

「報告します!聖王様の処刑は明日、ペレジア王城で行われるとのことです。

 ギャンレル自身が知らせを出したもので、間違いありません。」

 

「いよいよ、か。」

 

「ルフレの読み通りだな。」

 

「この先も読みが当たってくれるといいですが…」

 

ルフレの顔には不安の色が。

 

「胸を張りな。あんたの策に、全員乗ったんだ。」

 

「だいじょうぶだ、ルフレ。必ず成功する。

 いや、成功させてみせる。姉さんを救出し、みんなで笑って帰るぞ。」

 

「はい。」

 

そうだ、ルフレの作戦は良い方向にいっている。

だが、一つでも軌道がずれたら大惨事になる作戦。

いや、彼女が考えた策だけじゃない。

……僕は今、あることが脳裏にうつっている。

すなわち――屍兵。

どこからもなく現れた、異形のものたち。

それが不意に作戦のなかに現れたら――?

 

「………っ!」

 

会話をしているクロムたちを邪魔しないようその場から離れる。

次の戦場もまた、砂漠だろう。

そうなってくると、歩兵はともかく騎馬兵は動きにくいはずだ。

 

「…マリアベル、すこし頼みがあるんだが。」

 

「あら、マークさん。なんでしょう?」

 

「トルバドールの君に頼みたいんだ。いざって時のために。」

 

そうだ、僕は僕でなにか保険をかけておかねばならない。

少し前に手に入れたレスキューの杖は使えないだろうか――?

 

 

~???SIDE~

 

「ギムレー様…知らせが入りました。

 エメリナは予定通り処刑されるとのこと…」

 

男は暗闇の中で、【誰か】に報告していた。

 

「…クク、どうあがこうとエメリナは死ぬ。それが、決められた運命というもの…

 すべてはギムレー様、あなた様の筋書きどおりに…」

 

だが、その【誰か】は答えることはなかった…。

 

 

~ルフレSIDE~

 

「――――っ!!」

 

がばりとおきあがる。

全身に汗をかいた気がした。

 

「わっ!?ど、どうしたの?ルフレさん…

 もしかしてへんな夢でも見た?」

 

「夢……?

 そうか…夢でしたか……」

 

そうだ、夢だ。

自分がクロムさんを【   】なんて、ありえない。

 

「?リズさんはなぜここに?」

 

そしてリズさんがここにいることが気になった。

 

「フレデリクが、そろそろ出発の時間だって。

 一緒にいこ、ルフレさん。」

 

そうだ、今日はエメリナ様の処刑日。

なんとしても阻止しなければならない。

いかないと。

 

エメリナ様がいる場所、それは高いところだった。

その後ろに処刑人がいる…。

 

「これはこれは。よく集まったな、ペレジアの民たちよ!!

 そんなに見てぇか?見てぇよなぁ!?最高の見世物だもんなぁ?

 最っ高潮だぜぇ?

 おら!!処刑人!恨みを込めた斧を振り下ろせぃ!!」

 

振り下ろされる――いや、そんなことはさせない!!

 

「フラヴィア様!」

 

「任せな!」

 

一寸も違わずフラヴィア様が投げた手斧が処刑人に当たり、落ちる。

 

「よし、今です。」

 

私たちの軍は一気に来る。

マークさんがあらかじめ見ておいたおかげで助かった。

どうやら王城前は道になっているらしい。

ちなみに肝心のマークさんは後方の憂いを取るため後ろの方にいる。

その際に一部の方々を連れて行った。

 

「ギャンレルはあとでいい!敵を姉さんに近づけるな!」

 

「ふん……来やがったな?おら、兵ども!アイツらを迎え撃てや。」

 

エメリナ様の救出作戦が、開始された。

…進んでいくうちに一人の人が戦っているのが目に入った。

 

「クロムさん、あの方…!」

 

「ああ、わかっている。」

 

クロムさんは急いでその人物のもとへ行く。

 

「お前!なぜ1人で戦っている?!」

 

「…!?あ…!貴方はもしや、クロム様!?」

 

「俺を知っているのか?」

 

「はい、存じ上げております。私はイーリス王国の聖職者ですので。

 神よ…エメリナ様の弟君に引き合わせてくださり、感謝致します…」

 

「祈るのは後で頼む。イーリスの聖職者が、なぜここに?」

 

「それは…エメリナ様の処刑の報せを聞き、なんとか止めることができたらと…!」

 

「…処刑を止めるために、戦ってくれていたのか?」

 

「はい…。ですが、共に駆けつけた仲間はみんな倒れてしまいました。

 もはや私ひとりでは処刑を止めることなど不可能でしょう。

 お願いです!私もクロム様のお力に加えて下さい!」

 

「もちろんだ。

 姉さんのために戦ってくれたこと…感謝する。

 お前ほどの強いシスターが仲間になってくれると、心強い。」

 

「僧侶です。」

 

「えっ?シスター…だろう?」

 

「僧侶です。…まぁ、正しくは戦う聖職者、バトルモンクですが。」

 

「…すまない、てっきり女かと…」

 

「…いえ、よくあることですので…。私は気にしていませんよ。

 ……神よ…エメリナ様の弟君にまで女性と間違われ、私はどうしたら…」

 

「…………すまん。」

 

すみません、私も女性だと、思っていました。

少し進むと、突っ立ている人がいました。

 

「!お前も敵か?」

 

「さあ…どうかしらね。そんなこと、死ぬほどどうでもいい。

 どうせみんな死ぬんだもの。何をしたって変わらないわ。」

 

「なに?…よくわからんが、敵でいいんだな?」

 

「…………。敵かどうか迷ってる…って言ったら?

 本当はギャンレル王に従うべきなんでしょうけど…

 貴方たちに味方したくなってる…って言ったら?」

 

「そうか。なら、俺たちと来い。」

 

「信じるの?罠かもしれないわよ。どうせ私の言葉なんて信じられないわよ。」

 

「姉さんだったら、信じるだろう。

 人を疑って罠にはまるより、信じて罠にはまったほうがいい。」

 

「貴方…私のこと信じるのね。そんな人…初めて。

 いいわ。私…ついていくわ、貴方に。」

 

そういえば、何者かなのかわからない私にですら手を差し伸べてくれた。

クロムのこの性格が、みなに好かれる理由の一つのだろう。

 

 

~マークSIDE~

 

「前方の様子は?」

 

「うーん…まだみたい。あまり前に出過ぎないでね。ばれないようにしないと…。」

 

僕は後方で前方のほうを確認した。

クロムたちに後方の憂いを断つため僕は後方にいるが、その実は半分だけだ。

今後起きる“可能性”のために。

僕はレスキューの杖を左手で握り締めて、右手にはシェイバーの準備をしていた…。

 

 

~ルフレSIDE~

 

「ルフレ!敵ドラゴンナイトはすべて落とした!

 予定通り合図を出すぞ!」

 

高所にいるエメリナ様を助けるには飛行兵が必要。

そしてそれと同時に、敵飛行兵は邪魔となる。

合図を出すと天馬騎士たちがやってくる。

 

「エメリナ様!!」

 

「フィレイン!?無事だったのですか…!?」

 

「はい!バジーリオ様の手の者により脱出を。

 エメリナ様!今、お救いします!」

 

「なにっ…天馬騎士団!?いつの間にか脱出してやがったか!!

 ドラゴンナイトを落としておいて天馬騎士団で空から助けるってか!?

 イーリスの軍師の策か!小賢しいマネしやがってよぉ!」

 

「………ふふ。でも、残念…」

 

だが、天馬騎士団が出てきた優勢もそこまで。

急に出てきた存在が、私の策を崩す。

 

「屍兵…!?」

 

「馬鹿な、こんな偶然が…!」

 

しかも天馬騎士に弱点の弓兵ばかり。

 

「ハッハー!!まさか屍兵がおでましとはなァ!!

 天もこのオレに味方してくれてるぜぇ!」

 

屍兵が弓をひく。

座標は、フィレインさん。

 

「認めん…っ!」

 

砂をおこし倒れる。

 

「なぜだ…なぜ…屍兵が…こんな時に…

 エメリ…ナ様…もうし…わ、け…ありま…せ…」

 

フィレインさんが消える。

死んだことを、私たちはまだ冷静にとらえていなかった…。

 

「フィレイン!!」

 

「天馬騎士団長フィレイン様~ご退場~っ!!

 ぎゃっはっはっはーーーーっ!!落ちろ落ちろぉ!!」

 

次々と天馬騎士たちが屍兵の弓にやられる。

 

「そんな…」

 

「失敗か…!」

 

「形勢逆転、ってところだなあ?

 さあ、這いつくばって惨めな負けを認めろぉ!!」

 

「まだだっ!

 俺たちは生きている!生きている限り、負けはしない!」

 

「おお?かっこいいねえ?死ぬまでに一度は言ってみたい台詞ってヤツだな?

 んじゃ、城のてっぺん見てみろよ?処刑人はまた配置についた。

 俺が命令すれば……お姉ちゃんはサヨナラだ。」

 

「姉さんっ!」

 

「おーっと、動くなぁ!

 処刑人!こいつらがぴくりとでも動いたらエメリナを殺せぇ!」

 

「く……!き、貴様……!!」

 

「おらっ!?どうする?どうすんだ、王子様!大好きなお姉ちゃんを見捨てんのか?

 他の奴らはどうだ!ああ?聖王様を見殺しにできんのか?

 できねーよなあ?だから甘いんだよてめーらは!」

 

「ギャンレルっ!」

 

「武器を捨てて降伏しな、王子様!んで炎の台座を俺に渡せ!

 そうすりゃ命だけは助けてやる。エメリナの命もなあ!」

 

「ぐ…っ…!」

 

「クロムさん…!」

 

「…ギャンレルの言葉は全く信用できない。

 だが、今逆らえれば姉さんは死ぬ!

 く……!!ルフレ、俺は……!!

 俺は姉さんを犠牲にしてまで、【炎の台座】を守らなければならないのか!?」

 

「いいえ。あきらめないでください。何か手があるはずです…」

 

しかしその案はまったく思いつかない。

けれど、諦めたくなかった。

 

「俺もそう信じたい…だが…

 一体どうやってこの状況を打開するというんだ!?」

 

「三つ数えるうちに武器を捨てろ!さもなきゃ聖王は死ぬ!

 一つ!二つ!み…」

 

「待て!今武器を――!」

 

「クロム!いけません!」

 

「あぁん?」

 

エメリナ様の声が響いた。

 

「姉さん……!」

 

「ギャンレル殿……もう話し合う事は出来ないのですね?」

 

「まーた得意の説教か?当たり前だろうが!

 いつもお高いところからきれいごとをまき散らしたがって…

 てめーの理想のなれの果てがそのザマだ!

 弟や民の足を引っぱるだけのクズ王なんだよ、てめーは!」

 

「黙れ!ギャンレル!!

 姉さん!姉さんは、間違っていない!

 希望を語る者がいなければ、世界には絶望しか残らない。

 だから、俺たちやイーリスの皆は、理想を…聖王を望んでいるんだ!」

 

「クロム……ありがとう。」

 

「姉さん…?」

 

その優しい声に、クロムさんだけじゃなく、私もリズさんもフレデリクも。

 

「――ペレジアのみなさん、どうか私の声を聞いて下さい。

 戦争は、何も生みません。多くの罪なき人々が悲しむ事になるだけです。

 憎しみに心を支配されてはなりません。悲しみに縛られてはなりません。

 たった一欠片の思いやりが…世界の人々を平和へと導くのです。

 心の片隅にでもいい、どうかそれを忘れないで下さい……」

 

「姉さん……!?」

 

空を飛ぶ鳥をみてエメリナ様は言った。

 

「私は…無力で愚かでした。

 クロム、どうか貴方は…。…私は――」

 

そして、そのまま先へ進み――

 

「クロム…リズ…みんな…愛しています…」

 

自ら、その身を捨てた――

 

「エメリナ様――」

 

「…………!」

 

「いやぁっ!!いやぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

「クァーッハッハッハッハッハッ!気高い!気高いぜぇ、エメリナ!!

 この世にきれいな死なんざねぇと思ってたがよ!

 いくらか考えを改めてやる!

 イーリス聖王エメリナ!

 てめぇは愛する者たちのために、美しく死んだ女だ!

 そして、世界で一番無責任なクソったれ女だぁ!!」

 

「貴様…貴様ぁっ!」

 

そこへフラヴィア様とバジーリオ様がやってくる。

 

「クロム!退くぞ!逃げ道は俺が確保してある!」

 

「姉さんを…姉さんを…連れて…帰らなければ…」

 

「今は逃げるのが先だ!行くぞ!

 ルフレ!クロムが無茶しねえようにお前がしっかりついててやれ!

 あと、マ-クたちもつれて来い!」

 

「はいっ!!」

 

私はクロムさんを連れて行く。

その道中でマークたちと合流することができた。

遠く離れたところで、

 

「……間に合わ……なかった……まさか、そんな…

 …換えたはずの未来が……元に戻ってしまった…

 このままでは、世界はまた…暗闇に…」

 

マルスが言っていたのを聞いておきながら私達は急いだ…。

 

 

~マークSIDE~

 

少し時間は戻り、作戦が失敗したときの事だ。

 

「屍兵…!?」

 

「馬鹿な、こんな偶然が…!」

 

ルフレとクロムの声。

それは、僕の予想と当たっていた。

 

「ま、まさか…本当だったなんて…。」

 

「マリアベル、リカバーの準備を。今からぎりぎりの範囲でフィレインさんを助ける。」

 

「ぎりぎりで大丈夫なのか?」

 

「むしろぎりぎりじゃないと。そうでないと向こうが死んだと思わないだろうし。」

 

こちらにいるのは僕の他に、マリアベル、ガイア、ロンクーのみ。

マリアベルは杖を使ってもらうため。

ガイアとロンクーは周囲の警戒。

場所はここからだとエメリナ様とクロムたち、そしてギャンレルたちが良く見えて、けれど向こうからだと死角になる場所。

 

「風魔法は、使い方によっていろいろ出来るんだよ。」

 

フィレインさんが倒れた瞬間に風魔法で砂をおこさせる。

 

「なぜだ…なぜ…屍兵が…こんな時に…

 エメリ…ナ様…もうし…わ、け…ありま…せ…」

 

今だ。

 

「ん…」

 

砂でレスキューの魔法陣を隠す。

 

「急いで!」

 

「え、ええ!」

 

マリアベルがリカバーの杖を使う。

 

「聖王エメリナはどうするつもりだ、マーク。」

 

「問題はそこだんだよね…。レスキューの杖は使用者の魔力と視界に応じて変わるし…。

 エメリナ様の位置はとても悪いんだよね、丸見えになっちゃうし、高いから無理だし。

 せめて飛び降りて地面すれすれだったら出来るけれど…。」

 

「武器を捨てて降伏しな、王子様!んで炎の台座を俺に渡せ!

 そうすりゃ命だけは助けてやる。エメリナの命もなあ!」

 

ギャンレルの声が響く。

…やるしかない。

 

「マーク?」

 

「今から、エメリナ様だけに風魔法で“話”をするよ。

 だから…少しの間黙っておいてくれないか?」

 

彼らは黙って頷いてくれた。

 

“――エメリナ様”

 

“!?この声は、マークさん!?”

 

“今、風魔法であなただけに話をしています。

 さて、あなたは今の状況を理解しておりますね?”

 

“……ええ。”

 

“クロムたちはあなたを助けたい、けれどできない。

 このままではあなたの命と引き換えに彼らは武器を手放すでしょう。

 …もっとも相手が約束を守るかは別ですが。”

 

“私の…せいで…”

 

“もし、あなたがペレジアの民に、みんなになにか言いたいことがあれば僕が手伝いましょう。

 …あなたはもう、休むべきだ。

 あなたがそこから身を投げ出せばクロムたちは逃げることができる。

 僕も、レスキューの杖であなたを助けられるかもしれない。”

 

“しかし…”

 

“僕が言っていることは酷だろう。

 弟たちのため、身を捨てなければならないということ。

 でも、もしかしたらあなたにとってこの事よりつらいできことがあったかもしれない。

 それは僕が知ることではないかもしれないけれど、でもあなたは自分のせいでクロムたちを死なせたくはないはずだ。

 大丈夫ですよ。貴方が死ねばクロムたちは落ち込むでしょう。

 でも、それは乗り越えなければならない壁。

 あなたの意思は、きっと彼らに繋げられるはず。いや、繋げられなければならない。”

 

“――ありがとう、マークさん。

 私はここに立ち、恐怖を感じました。

 自分が殺されるということではなく、私の行動が――間違っていたのかと。”

 

“――もうそろそろ時間かもしれない。”

 

“ええ。…マークさん、お願いがあります。

 私の声を……クロムやリズ、そしてギャンレル殿だけじゃなく、ペレジアのみなさんにも、

 届けてほしいんです。”

 

“わかりました。

 …さようならは言いませんよ。”

 

これから助けるのだ、別れの挨拶なんて、いらない。

 

「三つ数えるうちに武器を捨てろ!さもなきゃ聖王は死ぬ!」

 

ギャンレルの声が聞こえた。

 

「待て!今武器を――!」

 

「クロム!いけません!」

 

「あぁん?」

 

武器を捨てようとしたクロムにエメリナ様は止める。

決意のある、表情だった。

 

「姉さん……!」

 

「ギャンレル殿……もう話し合う事は出来ないのですね?」

 

「まーた得意の説教か?当たり前だろうが!

 いつもお高いところからきれいごとをまき散らしたがって…

 てめーの理想のなれの果てがそのザマだ!

 弟や民の足を引っぱるだけのクズ王なんだよ、てめーは!」

 

「黙れ!ギャンレル!!

 姉さん!姉さんは、間違っていない!

 希望を語る者がいなければ、世界には絶望しか残らない。

 だから、俺たちやイーリスの皆は、理想を…聖王を望んでいるんだ!」

 

「クロム……ありがとう。」

 

「姉さん…?」

 

きっと、エメリナ様はその言葉を聞きたかったのだろう。

 

「――ペレジアのみなさん、どうか私の声を聞いて下さい。

 戦争は、何も生みません。多くの罪なき人々が悲しむ事になるだけです。

 憎しみに心を支配されてはなりません。悲しみに縛られてはなりません。

 たった一欠片の思いやりが…世界の人々を平和へと導くのです。

 心の片隅にでもいい、どうかそれを忘れないで下さい……」

 

「姉さん……!?」

 

空を飛ぶ鳥をみてエメリナ様は言った。

 

「私は…無力で愚かでした。

 クロム、どうか貴方は…。…私は――」

 

そして、そのまま先へ進み――

 

「クロム…リズ…みんな…愛しています…」

 

自ら、その身を捨てた――

 

「エメリナ様――」

 

「…………!」

 

「いやぁっ!!いやぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

リズの悲鳴が聞こえる中で僕は風魔法で探りながらレスキューの杖を使う。

ありがたいことに、彼女が落ちる場所はクロムやギャンレルたちの死角にある位置だった。

 

「――――っ!!」

 

無事に地面にぶつかる前に救助できた。

だが、これからだ。

 

「私は…」

 

「もう、大丈夫だよ。今は逃げ出さないと。」

 

目を覚ましたエメリナ様に僕は言う。

 

「マークさん、フィレインさんの手当ては終わりましたわ。

 辛うじて生きていますわよ。」

 

「フィレインが…」

 

「ぎりぎり助けたんだ。…さあ、クロムたちと合流してペレジアから脱出しよう。

 さあ、輸送隊の中に入って。そっちの…僕が買い込んだ物が入っている方。」

 

普通の輸送隊ではなく、僕のポケットマネーで買ったものを保管してあるところだ。

ここなら気づかれないだろう。

 

「これから大変になると思う。でも、エメリナ様のことは秘密だよ。

 せめて――クロムが立派な聖王になるまでは…。」

 

これもクロムを考えてのこと。

あの状況なら、それしか道はなかったと思うしかない。

 

ただ、その後、気になることがあった。

ルフレたちと合流して逃げる最中に、

 

「……間に合わ……なかった……まさか、そんな…

 …変えたはずの未来が……元に戻ってしまった…

 このままでは、世界はまた…暗闇に…」

 

というマルスの言葉を聞いてしまった。

僕の予想だと彼女はクロムの娘、しかも否定はしなかった。

その未来の人が言った、元に戻った。

まさか、マルスと同じく未来からきた、僕らにとって敵の人物もいるのではないのか…?

謎はさらなる謎を呼ぶことになった……。

 

 




今回も長い!

作中でエメリナさんがどんな気持ちだったのかはわかりません。
けれど、それでも恐怖はあったと思います。
この物語では強制的に助けちゃったけれど。
だって、ゲーム的にいえば無理だけれど、どう見てもレスキューで助けられないかなあって思うのですよ。
仲間にならずに亡くなったフィレインさんに、エメリナさんの言葉。
そして次の10章の曲と敵将の方のかっこよさ。
初見は涙した気がします;

…で、この章で思ったのが。
・エメリナ様の凄い大声。
・落ちたのに配信ボックスから外伝登場させて仲間になるエメリナさん。
などなど。
なんか凄すぎたので、マークが手伝いました。
マークの謎が増えた気がしますがもとから謎なキャラ。
チートの能力持ってるけれど面倒だから発動させない。
FEは一応、みんなで戦うからねぇ…。
よく、一騎当千とかいう言葉もありますが、それだと他が成長しないのでやりません。

ちなみに今回出てきたリカバーの杖ですが、アンナさんの店で買いました。
杖係は経験値入りにくいけれど、その分武器レベルが上がりやすいと思います。
なんとなくだけれど。

エメリナ様はしばらく出番なしかな。
灯台下暗しで城下町に住むかもしれませんが、そうなったら髪を染めたり
額を隠さす、髪型を変えるとかしてクロムの様子を見ながら暮らすとおもいます。
幼児化していないので、ちゃんとしっかり?しています。
フィレインさんは今後メンバーに加えようかと思っています。
目指せ!トライアングルアタック!!

では、今回はここまで。
なにか気になる点があればどうぞ。
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