ファイアーエムブレム覚醒 ~虹が生み出した物語~ 作:ユイリー
大切な人が亡くなった。
それを彼らはどうとらえるのだろうか。
「それでも彼らは乗り越えられると信じるよ。」
10章の曲は良いですよね…。
マップ曲だけじゃなくて、10章中に流れる曲も。
~ルフレSIDE~
喪失を感じたまま、私たちは走っていく。
雨が――冷たい水が私たちの体を冷やす。
「もう少しだ!この先に馬車を待たせてある!」
急ぐ、急がなくては。
「クロムさん、急ぎましょう。」
「…そうだな…」
だが、クロムさんは心あらずといった様子。
「急げ――ん?あれは…!」
そこに襲い掛かるペレジアの兵。
「ペレジア軍の追っ手か…戦は避けられそうにねえな。」
ここで負けるつもりはない。
それは共に来た仲間たちだってそうだった。
「そこまでだ。
イーリス軍に勧告する。降参するつもりはないか?」
敵の指揮官の声がした。
「おいおい、降参?戦わずに負けを認めろってのか?」
誰もその気はなかった。
「うむ。エメリナの遺志は戦いを望むものではあるまい。」
その言葉が。
クロムさんの怒りを買った…。
「貴様らが…姉さんの言葉を語るな!」
「イーリス王子クロム…か。貴公の怒りはもっとも。
だが…私もエメリナの最期の行ないに感じるところがなかったわけではない。
おそらく……あの場に居た多くのペレジアの民も同じだろう。
武器を捨てるならば、悪いようにはせん。」
「信用するとお思いですか?貴方の主君があれだけのことをした後で。」
「いや…残念だが、無理であろうな。
…ならば、仕方あるまい。なるべく苦しまぬよう送ってやろう。」
戦いは避けられない。
「ルフレ。」
マークさんが馬に乗ってやってくる。
「君はクロムのそばにいてあげて。」
そう言ってマークはそのまま行ってしまう。
今のクロムさんをほうっておくことはできない。
私に何ができるのだろうか――?
~マークSIDE~
敵将の名はムスタファー将軍。
ペレジアの一部の兵がそういっていた。
ムスタファー将軍のもとにはいかせないと…。
『ねえ、―――。もし彼にあったら言っておいてくれないかしら。』
その名を一度、聞いたことがある。
知っていた。
母と父がペレジア出身だと。
自分がペレジア生まれのイーリス育ちであると。
なによりペレジア人だと。
でも、それでも、僕はクロムたちと、イーリスの人たちと親しくできた。
つい最近イーリス軍に入ったサーリャだってペレジア人だ。
でも彼女のもつ考え方はギャンレルとは違った考え方だった。
「お主は…。」
「初めまして、ムスタファー将軍。いや、久しぶりですといった方がいいかな?」
ここに来る際に襲ってきた兵たち。
好戦的な兵しかやっていない。
他は峰打ちで急所は外してある。
「その剣は……!」
ムスタファー将軍が僕が持つ剣――アルカンシェルを見て驚く。
「この剣は僕の母が持っていた剣ですよ。死ぬ間際に僕にくれました。」
「まさか…―――――なのか…」
小さい声で僕の名を言う。
「あなたには昔助かったと母が言っていましたよ。
イーリスへ逃げる手筈をしてくれたと。」
「当然だ。あの方は私と妻の恩人なのだからな…。
お主が敵であるのが残念だ。」
「貴方宛に伝言がありますよ。」
ここで彼を倒さないと先に進めないだろう。
だから。
「―――、―――――――――――――――。」
「将軍!!」
非戦的な兵がやってくる。
僕は剣をしまう。
「……フッ…。
見事だ、イーリス軍……
願わくば……残った兵たちの…助命を……」
ムスタファー将軍は倒れた。
「急所は外してある。助けたいなら彼をつれてここから立ち去ってくれ。
ギャンレルが彼を死んだとすれば、人質の意味もないだろうから。」
「………!!」
兵は同じく非戦的な仲間を集めてムスタファー将軍を連れ去っていった。
彼の妻子が人質にされているという事を聞こえていた。
「あ……」
「君は……」
この場に似合わない、踊り子の姿をした少女。
「……聞いていたのかい?」
「いえ……姿は見えましたけれど、内容までは……。」
「…ならいいよ。…秘密だよ?」
「は、はい。」
しかし、なぜこんなところに居るのだろうか。
それは、バジーリオ様が答えだった。
後ろからクロムたちがやってくる。
次、僕がするべきことは……。
~ルフレSIDE~
クロムさんと共にやってくると、その場にマークさんと見たことの無い少女がいた。
「バジーリオ様!」
「おう、オリヴィエ!!待たせたな!!」
バジーリオ様と知り合いならば、味方だろうか。
「お、遅いですよ……!し、心配したんですから……!!」
「クロム、ルフレ、こいつが馬車を頼んだ奴だ。」
「あの、すぐに乗ってください…!すぐにまた、追手が現れるはずです…」
「おうよ!!みんな、乗り込め!!さっさとおさらばしようぜ!!」
オリヴィエさんが用意してくれた馬車に、みんなが次々と乗る。
輸送隊の馬車はフレデリクさんが担当してくれた。
ほかにも…。
「マークさん?」
彼だけはただ、後方を見ていた。
「ルフレ、クロム。先に行っててくれないか?」
「マーク!?」
「僕は殿をするよ。」
「なっ!!」
驚いた。
「馬車だと中に人が乗っているし、自然的に遅くなる。
ペレジアの追手がすぐに追いつかれるよ、特にドラゴンナイトは。
だから僕はここで足止めをする。君たちがより遠くに…フェリアに逃げれるように。」
「しかし……!」
「大丈夫。ちゃんとクラウドがいるから逃げられるよ。
……バジーリオ様、後はお願いします。」
「…ちゃんと生きて帰って来るんだぞ?」
マークさんは、剣を抜いて、そしてこちらを向き微笑んだ。
「大丈夫、僕はまだ生きたいから。」
「…それじゃあ、行きます!マークさん、お気をつけて!」
「待てっ!マーク!!」
このときのクロムさんの顔は、もう仲間を…誰も死んで欲しくないという顔だった…。
~マークSIDE~
「さてと。」
僕は再びクラウドに乗る。
雨がひどく、水溜りも多いが問題ない。
主にドラゴンナイトを見逃すわけにはいかない。
「さて、始めようか。」
こんな、一見絶望的に見えるけれどなぜかそんな気にはならなかった。
ほかのみんなと違って、精神だけでも多くの戦場を経験しているからだろうか?
なんか違う気がした。
きっと、クロムの今後の“戦い”を見たいんだろう。
『お前、その実腹黒いではないのか?』
『何を今更。自覚はしているさ。でも、面白いじゃないか。三角関係なんて。』
『で、そのうち自分も混ざると。』
『……実は―――も腹黒いんじゃないの?妹取られたから?』
『まさか。俺には―――――がいる。』
『そこじゃないと思うけれど。』
あの時もあの時でそれぞれの“戦い”を見てきた。
―――――が、――――を【 】までやりたかった、“理想”を。
クロムがどのような形でエメリナ様の“理想”を“継ぐ”のかを。
前者の理想は最期まで見ることはできなかったから、後者の理想を見てみようと。
もっとも前者の理想はこの世界で伝承として、残念な方向に残っていたが。
「――シェイバー!!」
空に飛ぶ竜騎士を落とす。
僕の持つ武器で、ありったけの戦いをしてやる。
~ルフレSIDE~
私たちはその後マークのおかげか何事もなくフェリア城に戻ってきたのだった。
「結局…なにも取り返せませんでした…」
エメリナ様を助けることできずに――。
マリアベルさんからあの時合流に遅れたのはフィレインさんを助けていたからだと言っていた。
後方にいたためギャンレルに気づかれずに救出できたものの、エメリナ様はできなかったそうだ。
今、フィレインさんは休養中だ、まだ、意識は戻っていないそうだ…。
「うっ…ひっく。お姉ちゃん…お姉ちゃん…」
「主君のために死ねず、おめおめと生き延びてしまったのですか、私は…」
泣くリズさんと悔やむフレデリクさん。
イーリス軍は落ち込み状態だった。
「これから、どうするつもりだい?」
「おいおい、それを俺に訊くのか?」
「…だね。決めるのは――」
フラヴィア様とバジーリオ様の会話。
結局は決めるのは私たちなんだ。
「クロムさん…ごめんなさい…。私の策が及ばなかったせいで…」
「……お前のせいじゃない。ルフレ、お前はよくやってくれた。
俺はな……自分の無力さにはらわたが煮えくり返ってる…!
くそっ!俺はどこまで無力なんだっ!」
「クロムさん…!」
「俺が……っ!力不足だから……っ!愚かだったから…っ!
何一つ変えられないどころか、せ、世界で一番愛していた…
姉さんを……失ったっ!!
く…うぅ…っ……!……っ……」
クロムさんの言葉を聞いて。
何もできなくて、無力で、愚かで。
「…………
私の手をとってください、クロムさん。」
「ルフレ…?」
「いいですか?私も自分の無力が許せません。
…私たちは、未熟な半人前です。
だから私が、あなたの半身になります。
あなたが何度倒れても、私が手を引いて立ち上がらせます。
だからあなたはもうひとつの手で、エメリナ様がつかめなかったものを
しっかりとつかんでください。
エメリナ様と同じやり方じゃなくていいです。
あなたなりのやり方で、すべての人に希望を見せてください。
それは…あなたにしかできないことなんです、クロムさん。」
「俺にそんな力が…資格が…あると思うのか?」
「はい。足りない力なら、みんなが補ってくれます。
資格をためらうなら、ふさわしい自分にこれからなればいいんです。
少なくとも、ここにいる仲間とマークさんはみんなあなたを信じています。」
クロムさんは仲間を見る。
みんな、そんなの当然だとばかりの目をしていた。
「クロムのおにいちゃんは、ノノを助けてくれた。だから今度はノノが助けてあげる番なの。」
「貴方は私を信じてくれた…だから私も信じるわ。でも…裏切ったら覚悟しといて。」
「…信じていないなら、ここまで共には来ていない。」
「同感です。私は貴方を信じてついてきていますから。」
「私も信じているとも。君との絆というものをね。」
「うん。だってクロムさんは…僕の憧れなんだから!」
ノノさんが、サーリャさんが、ロンクーさんが、ミリエルさんが、ヴィオールさんが、リヒトさんが。
「…………
ルフレ、みんな…俺は、姉さんの仇を討ちたい。
ギャンレルを倒し、イーリスの民たちを守りたい。
ついてきてくれるか?」
「わたし、行くよ。泣いているだけなんてもう嫌だから…!」
「わたくしも。もう大切な人を失いたくありませんもの。」
「エメリナ様のため、それに、クロムのために…!」
「騎士として、この身は主君と共に!」
「共に参ります。同じ心を持つ者として。」
「私も、お供します。いつまでもおそばで、あなたの盾になります。」
「どこにでも…ついていくよ、うん。気づかれなくても…僕も…仲間だから。」
「おらも…手伝うべ。おらは、おらのできることをするべ!」
「ったく、しょうがねえな。いいぜ、俺様に任せとけって!」
「なんというか、熱いねぇ。金にはならねえが、悪くねえ。」
「私も戦うわ。信じさせてくれたあの人のために…」
「ふっ、いいぜ。つきやってやる。」
「私も共にいきます。それが…先輩たちの命に意味があったと証明してみせる唯一の道だと思うから…。」
リズさんが、マリアベルさんが、ソールさんが、ソワレさんが、リベラさんが、スミアさんが、カラムさんが、
ドニさんが、ヴェイクさんが、グレゴさんが、ベルベットさんが、ガイアさんが、ティアモさんが。
「若人の成長は早いものですね。
エメリナ様。贖罪はすべてを見届けたあとに…
今は私も…クロム様と共に参ります。」
最後にフレデリクの言葉。
「…………
…ありがとう、みんな。
俺は――――
――――戦う!」
「決意、したんだね。」
「!!」
入り口からマークさんがやってくる。
「マーク、無事だったのか!」
「もちろん。僕は――君がどこまでいけるか、見届けるよ。
この格好で締まらないけれどね。」
雨でずぶ濡れで、血も浴びていたその姿で微笑んだ。
「マークさん、この布使ってください!」
「いま、手当てしますわよ!」
「この血、全部返り血なんだけどなあ…」
今までの沈んでいた気持ちが消えた気がした。
「いいだろう。もう頭を冷やせとは言わない。
我がフェリア国の軍も、あんたの情熱ごと、ギャンレルにぶつけてやるよ!」
「若いねぇ、お前さんたち。
まぁもっとも、俺も血が騒いでいくらか若返っちまったようだがな。」
「あ、あの、私も…私も一緒に行きます。
エメリナ様には、優しくしてもらったことがありますから。」
「そう、なのか?」
「!!は、はい…
ですから…恩返しをできればって…
私、踊るくらいしかできないですけど…
で、でも、あんまりじーっと見ないで下さいね。
見られてると…うまく踊れないですから。」
「オリヴィエの踊りは天下一品だ。みんなやる気が出るぞ、特に野郎はな。
戦いの指揮を執るのはお前さんだ。大いに使ってやってくれ。」
「俺が指揮を?」
「俺ぁ今回の戦では、大暴れするって決めてんだよ。
俺たちフェリアはフラヴィアの指揮で、ペレジア軍と正面からぶつかる。
その間に、お前らの部隊がギャンレルを討て。
おいしいとこはお前らに譲ってやるさ。」
「しかし――」
「俺は、お前たち――お前と、ルフレを認めてる。
お前は人を引っぱる器がある。ルフレは戦を勝ちに導く才がある。
今はまだ未熟なところがあるが、これからお前たちは大きくなる。」
「バジーリオ…」
「まぁ、そういうことだ。思う存分やってみな。」
「――ああ。」
「おそらく、ペレジアの奴らはすでに動き出しているはずだ。
こっちの気力が落ちている間にケリをつけたいだろうからな。」
「わかった。
ギャンレル……今度こそ、決着をつける!」
決戦は、もうすぐだ。
今回の最後にてみんながそれぞれのコメントを言う場面がありますが。
なぜか、ガイア、ティアモ、ミリエル、ドニの言葉がないんですよね…。
ドニは外伝で任意で仲間になるからなくてもなんとなく理解できますが…。
それなのでこの物語にて入れました。
若干?おかしいかもしれませんが…。
マークのチートが発動しました。
1人なので思いっきり暴れています。
ただ、作者は地の文苦手なので書くことは…ないでしょうが。
マークが言ったとおり、全て返り血です。
いうなれば、ノーダメージ?
作中でも、マークはあまりダメージ受けません。
FEでは、どんだけ1人だけ強くてもクリアは難しいのです。
6章とか。いや、6章だけか。
あそこはNPCでもあるマルスかエメリナ様が死亡するとゲームオーバーですから。
やろうとすれば、6章以外一人でクリア可能。
実際、4章までマイユニ一人でクリアしましたし。
言っておきますけれど、ノーマルの話です。
ハード以上?なにそれできないよ。
次は覚醒でいうなれば第1部終章。
第2部まで間章書くつもりですが(外伝4もその中に入れる予定)。
ちなみに*****の***達は13章からいると考えています。
知っている人は知っているけれど、ちょっと伏せておく。
できれば間章にてカップリングは作っておきたいですな。
二人は無理だけれど。
※今回のマークの情報※(みんなの部屋には11章が終わったあとに書きます)
・ペレジア出身のイーリス育ち(山奥)←何処の山奥かは…
・母と父はペレジア人。そのためマークも自然的にペレジア人。
・ムスタファーとその妻は、マークの母にお世話になったそうだ。
・愛剣のアルカンシェルは、もともと母の持ち物。つまり遺品。
・イーリスへ移り住む際にムスタファーが手筈をしてくれた。
このぐらいかなー?
まとめておくとみんなの部屋にてかきやすくなるため。
ではこのあたりで。