ファイアーエムブレム覚醒 ~虹が生み出した物語~   作:ユイリー

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11章:暗愚王ギャンレル

彼らは一人ではない。
けれど、彼は一人だった。

「孤独はいつか、力に飲み込まれる。」

第1部終章です。



第16話

 

~ルフレSIDE~

 

ペレジア軍とフェリア軍の戦全面戦争が始まった。

私たちはその間にギャンレル自身の部隊と戦い早めに決着をつけることだった。

 

「クロム様、フェリア軍から知らせが入りました。」

 

フレデリクさんが急いで知らせを持ってきてくれた。

 

「ペレジア軍主力は現在、混乱状態にあるようです。」

 

「何?」

 

「一部の兵たちが戦いを望まず、反乱や逃亡が相次いでいるとか…

 ギャンレルは彼らの反抗を力で抑えようとしていますが…

 ギャンレルに従う好戦的な兵以外は、次々と軍を離れているようです。」

 

「どういうことだ?いったい何が…

 !もしや、姉さんが……」

 

「はい。エメリナ様の最期の言葉…

 それが、彼らの心にも届いたのでしょう。」

 

そういえば、あの時あった敵の指揮官…ムスタファー将軍も言っていた。

 

『私もエメリナの最期の行ないに感じるところがなかったわけではない。

 おそらく……あの場に居た多くのペレジアの民も同じだろう。』

 

「姉さん……

 俺はずっと…信じてやれなかった。姉さんの理想を。

 俺たちを憎む敵に理想など通じない…そう思い込んできた。

 だが、そうじゃなかった。姉さんが…それを教えてくれた…

 姉さんが…この場にいてくれたら…」

 

どんな言葉をかけるだろう。

 

「…行こう。

 ギャンレルを倒し、この戦争を終わらせる!」

 

「はい!」

 

そして、予測どおりギャンレルがいた。

 

「ごきげんよう、クロム君。いい夢は見られたか?

 もっとも、これから先は悪夢しか見られねぇけどなぁ。」

 

「その悪夢を振り払うために俺たちはここに来た!」

 

「ハッ!てめぇが振り払わなきゃならねぇのは迷いだろうがよ!

 オレが憎くてしょうがねぇ!オレを斬りたくてしょうがねぇ!

 人間なんてのは争い合うしかねぇんだよ!」

 

「……!」

 

「なあ、クロムよぉ?オレとお前は……同類だぜ?

 オレたちはおんなじだ。戦いでしか答えを見つけ出せねぇんだよ!」

 

「……そうだな、同じだ。

 俺は姉さんのようにはなれなかった…敵を憎み、その力で戦ってきた。

 だが、俺の中には今…姉さんの言葉が息づいている。

 今はまだ…わずかな光だ。俺は迷いながら歩むことしかできない。

 だが俺には仲間がいてくれる。迷いも悩みも共にできる仲間が。」

 

「ギャハハハハ!仲間だぁ?くせぇよ。くさくてヘドが出るぜ!

 仲間なんざゴミだろうが!人間はしょせん獣と同じだ!

 獣みてえに戦って!殺して!食うだけなんだよ!」

 

「その結末が、今のお前だ!力で縛ってきた兵に見放されたお前の姿だ。

 お前はここで討ち止めだ。俺が……姉さんの代わりに俺が止めてやる!!」

 

「そうかよ!なら、とっととやってみやがれぇっ!!」

 

戦いがはじまる。

 

「わ、わたしも踊りで皆さんをお助けします。

 で、でも、恥ずかしいから…あまり見ないでくさい…」

 

後方からオリヴィエさんがやってくる。

まだ見たこと無いけれど、バジーリオ様のお墨付きだ。

彼女の活躍も期待しないと。

 

 

~マークSIDE~

 

「そこだ!」

 

僕は敵勇者を倒す。

 

「マークさん!戦いが終わったらそのコート洗いますからね!」

 

「えー、別に大丈夫だよ、このくらい。」

 

「よくありません!」

 

ティアモに注意された。

これでも定期的に洗っているんだけどなぁ…。

 

「さて、左翼は片付いたし。右翼のほうも片付けたみたいだね。」

 

「こちらに来た竜騎士も倒したそうですね。」

 

「よし、僕らも本隊と合流しないと。」

 

合流する頃にはギャンレル本隊と交戦していた。

 

「クロム!」

 

「!マークか…」

 

「…焦らずいこう。ギャンレルを倒してエメリナ様が目指し理想を継ぐんだろう?」

 

「…!そうだな。ルフレ、力を貸してくれないか?」

 

「もちろんです、クロムさん。行きましょう。」

 

「来やがったかクロム!オレにぶっ殺されになぁ!」

 

「姉さんの願った平和を、愛した民たちを守るため…

 ギャンレル!ここでお前を倒す!」

 

仲間の力を信じた男と、孤独で居続けた男の戦いが。

 

「はぁぁ!」

 

「くらぇ!」

 

クロムの剣とギャンレルの剣がぶつかる。

 

「クロムさん、援護します!」

 

これは、一人で戦っているわけではない。

 

「これで終わりだ!」

 

クロムが必殺の一撃をギャンレルに与える。

 

「が…ふっ……」

 

ギャンレルが倒れる。

 

「ギャンレル。お前が負けたのはクロムじゃない。

 お前が負けたのは、エメリナ様だったんだよ…。」

 

僕の言葉が彼に届いたかはわからない。

届かなかったかもしれないし、届いたかもしれない。

それは僕は知ることは無い。

 

「な、仲間なんざ…まやかし…だ……

 人間は結局…一人だ……オレ…は……一人…… ……」

 

ギャンレルはその言葉を呟いて、死んだ。

 

「申し上げます!」

 

イーリス軍の兵士がやってくる。

 

「クロム様!敵軍に白旗が!」

 

「降参した兵と戦うつもりはない。みんなに、戦いをやめるように指示を。」

 

「はっ!」

 

戦いは終わったんだ。

 

 

~ルフレSIDE~

 

その後、フラヴィア様とバジーリオ様と合流することができた。

 

「じきに停戦の使者が来るだろう。ここまでだね。」

 

「勝ったんだな…喜ぶには、なれないが。」

 

「苦い勝ちってのも、いい経験だ。」

 

「うちの犠牲も多かった。まずはそいつらを弔ってやらなきゃね。

 それが済んだら、生きている奴らはまた鍛えるよ。」

 

「すまない、フラヴィア。

 イーリスとペレジアの争いにフェリアを巻き込んでしまった。」

 

「今さら水臭いことを言うんじゃないよ。

 安心しな。ペレジアは金のある国だ。たっぷり賠償金を要求してやるさ。」

 

「あーあー、かわいそうに。うちの王様は容赦ねえからな。」

 

「…はは。フェリアとだけは、争いたくないな。」

 

戦争が終わって、もうすぐ安らげる時がくるのだと私はおもった。

 

「ルフレ……」

 

リズやみんなとともに行こうとした私に、クロムさんが呼び止める。

 

「クロムさん?どうしたんだすか、改まって。」

 

「すまなかったな。お前まで、俺の戦いに巻き込んでしまった。」

 

「そんなこと、今さらです。望んであなたと共に戦ったんです。」

 

「あの戦いの間…

 俺はギャンレルを…奴を倒すことだけを考えていた。

 この命、奴と刺し違えても構わない、そう思っていた…」

 

「そんな……」

 

「だが、ルフレ…マークに焦るなと…姉さんの理想を継ぐんだろうと言われて、

 ふとお前のことが浮かんだんだ。

 俺をずっと支えてくれたお前…俺と共に戦い続けてくれたお前…

 だから、俺は生きて戻れた。」

 

「クロムさん……」

 

「ルフレ。俺はお前を離さない。

 だからお前は…どこにも行かないでくれ。」

 

「ええ、私はどこにも行きません。ずっと、あなたの傍にいます。」

 

きっと、私は初めてあったあの日からクロムさんのことが好きだったと改めて思った。

 

「ルフレ。俺はまだまだ半人前でこれからも迷惑をかけると思う。

 それでも…これから先もずっと、傍にいてくれるか?」

 

「…はい…!」

 

「しばらく、待たせることになる。

 戦災で傷ついた多くの民たちに、もとの平和な暮らしを取り戻す。

 それまで、待っていてくれ。」

 

「待ちます。ずっと…」

 

「ありがとう、ルフレ。」

 

「思い出します…あなたと初めて会った時のこと。

 あなたと私は、本当に不思議な縁ですね…

 あなたと会えて良かった…私、幸せです。」

 

「ルフレには、姉さんの分もしあわせになって欲しい。

 いや、しあわせにしてみせる。」

 

「クロムさん…」

 

幸せな気持ちになった。

これから忙しくなるだろう。けれど、クロムさんとなら乗り越えられると思った。

 

「ねえねえ、みんなー!みた!?クロムがルフレにプロポーズしたよー!!」

 

そんな空気を壊すマークさんの声。

 

「みたー!おめでとう、お兄ちゃん、ルフレさん!」

 

「ノノもばっちりみたよ!クロムのおにいちゃん、おめでとう!」

 

「あっはっはっは!いいねえ!今日は宴会かい?」

 

「若いっていいねぇ。」

 

「ルフレさんのお父様を見つけて『娘さんをお嫁に下さい!』『お前のような若造にくれてやるか!』という

 神竜や邪竜も真っ青な光景もみたいですわ!」

 

「ダメだったら母親かその兄弟だな。」

 

「知っている者でもよいのではないか。」

 

「ちょ、ちょっと待て!お前らいつから見ていた!?」

 

は、恥ずかしくて顔が真っ赤です…。

 

「『すまなかったな。お前まで、俺の戦いに巻き込んでしまった。』ってところから~。」

 

「「ほぼ全部!?」」

 

私とクロムさんの声が重なる。

ほかにもにやにやしているヴェイクさんや、咳き込んでいるフレデリクさん、祝福してくれるソールさんやソワレさん…。

 

「お、お前ら……!!」

 

「ひ、ひどいです、全部見ていたなんて……!!」

 

「あははは~!二人とも顔、真っ赤だよ!」

 

マークさんが腹を抱えながら笑い、そのことを指摘する。

 

「「お前(あなた)たちのせいだろ(でしょう)!!」」

 

「はもりやがった!みんな、逃げるよ!!」

 

追いかけるさながらマークさんたちは逃げていった。

 

 

*  *  *

 

こうして、イーリスとペレジアの戦争は幕を閉じた。

戦後すぐ、クロム王子はルフレと共にイーリスの復興に尽力することとなる。

祖国が受けた傷跡は根深いものであったが、

ペレジアからの多額の補償とフェリアの支援もあって、

イーリスはゆっくりと、かつてのように平和を取り戻しつつあった。

やがてクロム王子は、周囲の求めもあり

心に決めた女性と婚礼の式を挙げる。

その日は、多くの人々が祝福に湧いた。

戦いの傷を癒すかのような穏やかで幸せな日々…

だが、二年後…

その平和に影が走ることはそのときまで、誰も思いはしなかった…。

 





思えば、クロム×ルフレの支援会話で指輪の話をしてないんですよね。
別に二人には重要アイテムではないけれど。
ちゃんと結婚式には貰ったんじゃないですかね、イーリスの家紋付きの指輪。

最後のクロムとルフレの会話。
そして乱入する皆さん。
みんなは見ていた!!
書くのが楽しかったです。

しばらく本編はお休みします。
2年間でのお話を書きたいと思います。
外伝4でアンナさん加入しないと。
それに結婚式や、その他カップリングとか。
(いつの間にっ!?で決めますが、そのあたりなど。)
マークとかも相手とのやり取りださないと。
もう気づいている人は気づいているかもしれないけれど。
フィレインさんも登場するよ。
トライアングルアタックの練習もするかも。

それでは。
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