ファイアーエムブレム覚醒 ~虹が生み出した物語~   作:ユイリー

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17章:死の運命

本当に避けられないのか?それは“運命だから”で片付けてしまうのか?

「そんなの僕が壊してやる。”運命だから”って言葉で片付けたくない。
 “運命”なんて――死人の言い訳だ。」




第28話

~ルフレSIDE~

 

「お堅いそうな面してやがるねぇ。小突いたくらいじゃ効かなさそうだ。」

 

私たちは無事、シュヴァイン要塞についたのですが…

 

「要塞周囲にも敵が大勢いやがる。ちょっとばかし手間取りそうだぜ。」

 

「我々には時間がない。要塞内の敵将さえ討てば敵軍は総崩れとなろう。

 フラヴィア殿たちの軍は、要塞外に布陣する敵軍へお相手していただきたい。

 その間にクロム殿と我々で要塞を落とす。クロム殿、危険な戦いとなるが…」

 

「構わない。

 俺たちは、前へ進むだけだ。仲間と共に。」

 

「ふ…さすがだな。

 全土に散らばる解放軍がここへ集結してくる。

 彼らに希望の光を…あなた方の力を見せてやってくれ。」

 

 

~マークSIDE~

 

要塞の中に侵入し、建物へと入る道は3つ…。

真中がクロムやルフレ、ルキナ、サイリ、リズ、フレデリク、ドニ、スミア、ソール、ミリエル、アンナ。

左がリヒト、サーリャ、ヴェイク、ソワレ、カラム、ベルベット、リベラ、ノノ、グレゴ、フィレイン、ブレディ。

右が僕、ティアモ、ホーク、ロンクー、セルジュ、ガイア、ヴィオール、マリアベル、ヘンリー、オリヴィエ、アズール。

で攻めることになった。

 

「えーと…。」

 

アンナから受け取っていた地図を見る。

アンナだったらこのくらい日常茶飯事かなーと思ってダメもとで聞いたらあっさりくれた。

なんでもこの前の依頼の前金が予想以上多かったらしくその埋め合わせらしい。

うーん…足りなかったら後金で払う予定だったんだけど。

あ、全部僕のポケットマネーだから!

で、入手したこのシュヴァイン要塞の地図は、確かに入口3つ。

僕の前方は地図と見たままおなじの広い場所になっている。

クロムたち真中はすぐに二手に分かれた道。

一つは左、もう一つは扉が付いた右…。

左は少し進んだ先で右に進む通路となっている。

 

「ん?」

 

この地図の左上の小部屋…宝物庫になっているみたい。

時間があったら見てみるかな…

 

「父上、どうかされましたか?皆さん、行ってしまいましたが…。」

 

「あれ?」

 

気が付いたらホークとティアモ以外のみんなはすでに戦っていた。

 

「あ、うん、なんでもない。ちょっとこの要塞の地図を手に入れたから見ていたんだ。」

 

すぐに言えなかったのはクロムたちがさっさと決めてしまったからだ。

まあ、この軍の軍師はルフレだし、僕はほとんど輸送隊護衛だしねー。

今は人数多いから僕も前線に出られるけれど。

 

「ホーク、この部屋に行ってくれないかな?これも渡しておくよ。」

 

「わかりました。」

 

と、地図と扉の鍵と宝の鍵でも渡しておく。

しかし…ここにある階段…不穏な気配がある…。

注意しておかないと…。

 

「……あ。」

 

その予想は当たってしまった。

 

 

~ルフレSIDE~

 

私たちは真中の入口に入ってすぐに左右分かれたところについた。

 

「これは…。」

 

「分かれ道…ですかね。」

 

マークさんほど視力があるわけでもないですが、どうやら左の道は左のチームと合流できそうです。

右側は…

 

「扉があるわよ。でもあたしの鍵開けであけちゃうけれど。」

 

「アンナさん!知っているのですか?」

 

「知っているっていうか、地図を入手したから見たの。それもマークにあげちゃったけどね。」

 

そんな笑顔で言わないで下さいよ…。

 

「つまり、左右どちらもいけば合流できるんだな?」

 

「ええ、そのはずよ。」

 

というわけで二手に分かれて私とクロムさん、サイリさんにルキナ、アンナさんが右へ行くことになった。

 

「あれは…」

 

「ホークさん?ホークさん!」

 

「あ、クロム様にルフレ殿。」

 

ホークさんがこちらに気づいた。

 

「どうしたんですか、ここで…。」

 

「父上がこの小部屋を気になっているそうで今、向かっているんです。」

 

そうしてホークさんが見せたのはシュヴァイン要塞の地図。

 

「しかし、一人で大丈夫なのか?」

 

「本当はもう一人ついていただいたほうがよかったのですが、そうは言えない状態だったので…。

 クロム様やほかの皆さんに話したほうがよいかと思って。」

 

ホークさんが言った言葉は、少し前に進み、右側を見ればすぐにわかってしまった。

それと同時に戦況は不利になった…。

 

「あ、あれは…解放軍の!?」

 

右側のチームが戦っていたのは紛れもない…解放軍の者だった。

 

「マークさんがいませんが…。」

 

「それが…今までの出来事を振り返ってみますが…。」

 

 

~回想(ホーク視点)~

 

父上に頼まれていつ行くべきか、一人でいくには危険と思ったので誰を頼むか考えたところ――

階段に、複数の若者たちが現れた。

そしてふいに現れた賢者風の男。

 

「あらぁ~?頃合いねぇ~?

 さぁ、あなたたちっ!

 帝国への忠誠心、見せてもらうよ~~~!!

 オーッホッホッホッホ!!惑い、疑い、恐れなさ~い!

 答えの見えぬ、泥沼に沈みながらネ~!」

 

そういって男は消えた。

突然の出来事に驚いたが、襲いかかってきたのでみんなで対応していた。

そんな中、

 

「ホーク。」

 

「?どうしましたか、父上。」

 

「今からあの小部屋に行ってくれないかな。

 ついでにクロムたちにもこのこと話しておいてほしい。

 最低でもすぐに合流できると思うよ、クロムたちのチームにアンナがいたからね。」

 

「…わかりました。ここはお願いします。」

 

そういってから私はすぐにその場所へと向かうことにした。

…本当にすぐにクロム様方と合流できると思いませんでしたが。

 

 

~回想終了~

 

「以上です。残念ながら父上がどこに行ったかはわかりませんが…。」

 

その時、奥から爆発音がきこえた。

 

「今の音は!」

 

「クロムさん、行ってみましょう。」

 

「ああ!サイリとアンナはそのままロンクーたちの加勢に行ってくれ。

 ルキナはホークと同行してくれ!」

 

「わかった!」「わかったわよ。」「わかりました。」

 

私はクロムさんとともに奥へと進んでいった…。

 

 

~マークSIDE~

 

あの男を見たとき、嫌な予感がした。

それと同時に消えた瞬間、会話声がした。

男と、女の声。

そこで得た情報は。

 

・女の声は、フェルスという将軍。つまり、ここの敵将。

・さっきの男は、エクセライという軍師。そう、軍師。

・話の内容を聞く限り、エクセライという男はキモイ。

 

以上だ。

だが、それと同時に奴がとりそうな策を思いついてしまった。

もしかしたら“彼”を助ける方法があるかもしれない。

だから。

 

「ホーク。」

 

「?どうしましたか、父上。」

 

「今からあの小部屋に行ってくれないかな。

 ついでにクロムたちにもこのこと話しておいてほしい。

 最低でもすぐに合流できると思うよ、クロムたちのチームにアンナがいたからね。」

 

「わかりました。ここはお願いします。」

 

ホークが行った後、僕も目的地へ行った。

すなわち、敵将がいるところに。

 

「皇帝陛下よりお預かりしたこの要塞、決して誰にも渡しはせぬ!」

 

「それは置いといてさ、僕はあなたにすこし聞きたいことがあるんだよね…。

 たしか…フェルス将軍、だっけ。」

 

「なぜ、名前を知っている!」

 

まあ、普通敵の名前知っているのって、良いでも悪でも有名人だからねぇ。

 

「さっきの会話で聞こえたんだよ。僕、耳がいいから。」

 

「くっ…。」

 

「僕が聞きたいのはさっき現れた男。エクセライっていうんだっけ。

 その男、軍師なの?これでも僕、軍師見習いだから気になるんだよね。」

 

「それがどうした。」

 

相手は本当にわからないという顔だ。

だが、今の答えで僕はわかった。

さっきの男がエクセライっていう名前のこと。

そして、ヴァルム軍の軍師だということに。

 

「僕が聞きたいのはそれだけだよ。

 じゃあ、はじめようか。」

 

相手はおそらく正義感のある人なんだろう。

さっきの会話でそう判断した。

だから、正々堂々と僕も相手に合わせる。

 

「剣士かと思ったが魔道士か。」

 

「それは違うよ。ダークナイトに近いと思えばいいよ。」

 

僕が取り出したのは魔道書。

それもシェイバーではない(シェイバーは魔道書なくても使えるけれど)。

炎魔法の、ボルガノン。

この間、アンナに頼んだ一覧リストの一つ。

あとでミリエルにあげようと思っている。

 

「ふっ…相手に合わせるつもりか。」

 

「そっちのほうがいいかなって。

 ――正々堂々やるには。」

 

「面白い、来い!!」

 

同時に魔道書を開く。

同時に魔法を放つ。

 

「「ボルガノン!!」」

 

その場に、爆発が起きた。

 

 

~ルキナSIDE~

 

ホークさんとともにその小部屋へ向かっていると、途中でほかの皆さんと合流していままでのことを話しました。

帝国側にまわった解放軍――数は多い。

皆さんにとりあえずその場所に向かうよう言い、私たちはその小部屋へ向かった。

 

「あれ、扉が…」

 

開いていた。

しかもすぐそこに盗賊がいたので倒した。が、

 

「!」

 

扉の奥にヴァルキュリアの敵がいた。

 

「危ない!――ライトニング!!」

 

ホークさんが魔法を放つ。

見たことのない――いや、今までの戦いで見たけれども――魔法で敵を倒す。

 

「敵はこれまでですかね。」

 

「そのようです。ホークさん、ありがとうございます。」

 

「いえ、お互い様ですし。」

 

改めてその部屋をみる。

どうやら宝物庫になっているようですが…。

 

「宝箱がありますね、2つ。」

 

「本当ですね。」

 

ここまでの敵が1つ宝の鍵をもっていましたが…。

ホークさんはなんのためらいもなく宝箱に鍵をさす。

カチャリと音がして中からはリングが出てきた。

 

「これは…レッグリングですね。」

 

初めて聞いたものですが。

そしてホークさんがもう一つの宝箱に鍵をさす。

 

「父上から1つ渡されていたのですよ。」

 

「それで、ですか。」

 

中から出たのもまた違うリング。

 

「これは…祈りのリングですね。」

 

「お母様も持っていたような…。」

 

とりあえず宝物庫はこのぐらいでしょう。

 

「みなさんと合流しましょうか。」

 

「そうですね。」

 

宝物庫を後にした。

 

 

~ルフレSIDE~

 

あの爆発したところに来てみると――

 

「う…ぐっ…ここまでか…

 ヴァルハルト様…人の夢、人による世界の支配…

 我が目で見ることは…かないませ…なんだ…」

 

ボロボロの敵将と、無傷のマークさんがそこにいた。

 

「あ、クロム、ルフレ…。」

 

「マークか。」

 

「敵将は討ったよ。…僕は少し外の様子を見てくるよ。」

 

そうしてマークさんは立ち去った。

 

 

~マークSIDE~

 

「父上。」

 

ティアモと共に外の様子をうかがおうとしたところ、ホークに呼び止められた。

 

「宝物庫で入手したものです。」

 

とレッグリングと祈りのリングを渡された。

 

「あー、レッグリングはそのまま持っていていいよ。

 この祈りのリングは誰かに渡すかもしれないけれど。」

 

「わかりました。」

 

レッグリングを返し祈りのリングを受け取る。

さて、どうするか…。

 

 

~ルフレSIDE~

 

しばらく後、外の様子を見に行ったまま戻ってこないマークさんとティアモさん除くみんな集まった。

外にいたバジーリオ様やフラヴィア様も。

 

「…シュヴァイン要塞は落とした。

 しかし、要塞周囲では敵軍が我々を包囲しつつある。」

 

「敵か…あれも、元解放軍のようだな。」

 

「面目次第もない。背を押してくれるはずの友軍に囲まれるとは…」

 

「大変だよ。」

 

そこへマークさんとティアモさんが戻ってくる。

 

「北方、南方見に行ったけれど、

 ヴァルハルトとレンハのけん制に向かった解放軍は壊滅。

 残った兵たちはヴァルム帝国側に寝返ったようだよ。」

 

「何だと!?数十万の兵が集まっていたのだぞ!」

 

「脅しに屈しちまったってところか。」

 

「まぁこういう戦局じゃよくあることさね。」

 

「くっ…それで、ヴァルハルトとレンハの動向は?」

 

「両軍ともに、ここ、シュヴァイン要塞に向けて進軍中だよ。」

 

「絶体絶命ってやつか…

 完全に負け…だな、今回の戦いは。」

 

「痛み分けにすらならない、か。」

 

「…………」

 

「ルフレ?」

 

「――ここを出ましょう。」

 

「それに賛成だね。ここを出たほうがいい。」

 

マークさんが賛成する。

賛成するってことは同じことを考えていたのかもしれない。

 

「正気かい?周りは全部敵だらけなんだよ。」

 

「ヴァルハルトたちの軍が着けば逃げることすらできなくなります。

 ですが、今なら――」

 

「今、要塞を囲んでいる敵は元解放軍…命が惜しくて帝国側についた者たち。

 僕たちが囲みを破るのを命がけで阻止はしないだろう。」

 

「問題は抜け出したあとだ。逃げるつもりはないんだろう?」

 

「レンハとヴァルハルト…個別に叩ける機会は今だけです。」

 

「では、どちらを集中して攻めるか?」

 

「いや、残念だが間に合わぬ…

 一方と戦う最中に、もう一方に背後をつかれることであろう。」

 

「…二手に分かれましょう。」

 

「!ただでさえ少ない軍を分けるってのかい?」

 

「そうです。主力はレンハの軍に。

 そして少数の兵はヴァルハルトに向かいます。」

 

「少数の兵でヴァルハルトに勝てるとは思えねえが。」

 

「勝たなくていいんです。時間さえ稼げば…」

 

「負けながら時間を稼ぐ、か…」

 

この策が通るかわからない。通ったとしても厳しい戦局だろう。

 

「完全に負けることなく逃げ帰る…極めて難しい指揮になるな。」

 

誰もが沈黙になった。

そんななか、沈黙を破ったのはバジーリオ様だった。

 

「……よっしゃ、わかった!じゃあそいつは「僕に譲ってもらえないかな。」おいマーク、俺が言おうとした言葉とるな!」

 

「えー…」

 

「それにそんなおいしい戦場は若造にはもったいねぇだろ。」

 

「おいしいって…一番危険な戦場になるんですよ!」

 

「だから、だよ。」

 

「ルフレ、行かせてやんな。

 馬鹿は馬鹿なりに内心、あんたに感心してんのさ。

 この状況でも全くあきらめず、わずかでも勝ち目を見出すあんたにね。」

 

「とにかくそっちには俺が行く。お前はクロムをしっかり支えてやんな!」

 

私はマークさんのほうもみる。

 

「僕はね、一番危険な戦場だからこそ行ってみたいんだよ。

 異界で僕は散々危険な戦場に行ってきた。

 ある世界では軍のリーダーが友人だとしてきた人から反逆者として軍を向かわされ、故郷も奪わされ、友人を救うための手がかり、そして世界のために暑さと寒さと危険な道を進まなきゃいけないときがあったし…

 ある世界ではやはり軍のリーダーが濡れ衣着せられて、それでも戦い続けて、戦いの果て、友軍と偽った敵に騙され、僕らには空から隕石が飛び交う始末…

 ある世界ではいろんな意味で終わった世界で自分たちの軍の者、しかも力のある者以外が動かず、しかも動いたとしても敵として、自分たちが悪とされ、最後にはその世界で神と呼ばれた者と戦うことになったり…とかね。

 振り返ったとき、確かに一番危険な戦場だったなぁって言える。

 でもそれはその世界でのこと。

 僕はこの自分の世界で自分にとって“一番危険な戦場”を、自分で見つけたいんだ。

 だから、今のところ一番危険な戦場に行ってみたい。

 それだけだよ。」

 

「バジーリオ様…マークさん…。」

 

「それじゃあ、僕は先に準備していくね。」

 

マークさんが準備へといった。

 

「俺も行くか。」

 

バジーリオ様が行こうとしたとき、

 

「だめです!」

 

ルキナが止めに入る。

 

「ルキナ…?」

 

「バジーリオさん、行ってはだめです。

 あなたは未来で…ヴァルハルトと戦って死んだんです!」

 

「何!?」

 

「…そいつは参ったな。

 ルキナ、俺を討ち取ったのは誰だ?ヴァルハルト本人か?」

 

「はい。そう聞いています。

 今、あなたがヴァルハルトのもとへ行けば同じことが起きます。

 それをわかっていて…みすみす死なせることはできません。」

 

「…わかったわかった。ありがとうよ、ルキナちゃん。

 せいぜい気をつけて行ってくるとするぜ。」

 

「ま、待ってください!私の話を…」

 

「今、誰かがヴァルハルトを止めなきゃ、俺たちに勝ち目はねえんだよ。

 安心しな、ルキナ。お前の言葉は無駄にはしねえ。

 奴と戦えば俺は死ぬ。なら、戦わなきゃ良い。

 いくらでもやりようはあるさ。」

 

「でも…!それで運命が変わらなかったら…!」

 

「ルキナ、そんなに心配するなって……絶対に大丈夫……そう大丈夫さ!

 だってこの私も行くからね!」

 

「バカ言ってんじゃねえ!!お前が死んだらフェリアはどうなるんだよ?」

 

「バカ言っているのはそっちさっ!

 フェリアはこれから二人で……二人で守っていくに決まってんだろうがっ!」

 

「ふはははっ!ふははははははははっ!

 クロム、ルフレ、すまねえ。やっぱ、こいつも連れてくわ!」

 

「ああ。フラヴィア、バジーリオは任せたぞ。」

 

「ああ。必ず連れて帰ってくるよ!首輪着けてでもね!!」

 

「そんじゃ、ま!いってくらあ。」

 

「バジーリオさん……!」

 

「大丈夫だ。俺は必ず生きて戻る。

 覚えておきな、若造。

 運命なんざ死人の言い訳だ。

 俺たちを決めるのは運命じゃねえ。俺たち自身の、あがきだ。

 生きる、ってのはそういうことなんだぜ。」

 

運命なんざ死人の言い訳だ。

その言葉が深く刻まれた気がした。

 

 

~マークSIDE~

 

「マークさん……」

 

「大丈夫だよ、ティアモ。死にに行くわけじゃないから。」

 

「それはそうだけど…」

 

準備の中、ティアモとホークが来た。

心配してくれたのだろう。

 

「あ、そうだ。」

 

僕は急いで紙に書く。

 

「ホーク、頼みがあるんだけれど。」

 

「何でしょう。」

 

ホークに書いた紙を渡して、

 

「そこに書いてあることを頼みたいんだ。

 頼めるかい?」

 

「……できるかどうかはわかりません。

 ですが、やれることはやってみます。」

 

「ありがとう。」

 

さて、そろそろバジーリオ様の方も準備ができてるかもしれない。

 

「行ってくるよ、ティアモ、ホーク。」

 

相棒のクラウドも連れて。

 

 

 

「お待たせしましたか?」

 

「いや、こっちこそ遅れたかと思ったぜ。

 ルキナから止めにはいったからな。」

 

どうやらフラヴィア様も行くことになったそうだ。

少数の兵――主にフェリアの軍だが――それだけでどのくらいヴァルハルトの軍を足止めできるか。

 

「この軍は回復手がいないからね。回復薬もっていかねえと。」

 

「僕も杖使えるけれどね。」

 

こうなるとわかっていたから杖はたくさん持ってきた。

 

「そういえばあんたは使えてたね。」

 

「二年前のあれか…」

 

おそらくフィレインのことだろう。

 

「あ、そうだ。これを渡しておくよ。」

 

バジーリオ様に祈りのリングを渡しておく。

 

「ん?これは…。」

 

「お守りみたいなのと思ってよ。いらなかったらこの戦い後でも返してくれればいいし。」

 

「おう、わかった。

 よし、行くぞ!」

 

もう策は始まっている。

この一手がどうなるか…。

 

 

視界が悪い大雨、しかも周囲は木々の中、僕たちは戦っていた。

北方へヴァルハルトの軍に。

進みつつも退く。退きつつも進む。

 

「小さくまとまれ!乱れずに退くんだっ!」

 

「と、とは言ってもね!この前方からの騎馬隊の突撃……

 正直堪えるなんてもんじゃないよ!!」

 

「堪えるしかねえんだよ!

 フラヴィア、だから俺はお前をここには連れてきたくなかったんだ…」

 

「ふん!バジーリオ様とは思えない、いじらしいセリフじゃないかい!

 そう思わないかい、マーク?」

 

「そうだねー。――リザーブ!」

 

正直、前方がどうなっているかはわからない。

視力はいいもののそれは自分視点だけだ。

前方に味方がいればふさがって見れないものだし。

しかし……敵は()()()()()()気がするけれど……。

 

「う、うるせえ!だが、このままじゃ終われねえ。

 フェリアが元は蛮族の国だってこと…帝国の堅物どもに教えてやるぜ!」

 

「はははっ。いいねえ!同感だよ!」

 

「僕はフェリアの人ではないのは確かだけど――あれは…。」

 

前方で兵が次々となぎ倒されている。

そこにいるのは赤い鎧を着た騎馬兵。

 

「な、なんだありゃ……!?兵が次々となぎ倒されていっている!?」

 

「少数精鋭の騎馬隊……?い、いや違う!!

 あれは……たった一騎!!」

 

「うぬが、将か?」

 

「出やがったな…!」

 

ヴァルハルト……!

相手はバジーリオ様に襲う。その一撃はバジーリオ様の体力半分ほど持って行かれるほど。

対してバジーリオ様は反撃するも回避され、もう一撃くらってしまう。

このままだと確実にバジーリオ様は死ぬだろう…。

 

「な、なんだこりゃ……!本当に圧倒的じゃねえか……!?

 ……これが、ヴァルハルト!帝国の……覇王か!!」

 

「ほう…我が一撃を受けられる者がレンハ以外にもおったとは。」

 

「やべえな……!こりゃ、本気で敵わねえわ。

 おい、フラヴィアっ!!マークっ!!お前らっ!!今すぐ全力で逃げろ!!」

 

「あ、あんたを置いて行けるわけないだろ!!」

 

「食い止めるだけで、俺は精一杯なんだからよ!こいつは本物の化け物だ!

 ちっ!結局……ルキナの言っていた未来通りになっちまうのかよ?」

 

「そうは…させないよ!何のために私やマークがいるのさ!」

 

ヴァルハルトは再び赤い斧を振り下ろす。

というかよく今までの話を待ってくれたなぁ。

その攻撃をフラヴィア様が庇ってガードする。

 

「このままじゃ終わらせねえぞ!」

 

バジーリオ様が必殺の攻撃をヴァルハルトに食わらせる。

だが――

 

「くっ、間に合わない……!」

 

フラヴィア様の声が聞こえた。

次の攻撃は確実に受けるだろう…

ヴァルハルトが斧を振り下ろす瞬間――

 

「させないっ!!」

 

僕は乱入し、ヴァルハルトの攻撃を剣で抑えた。

 

「ぬっ…!」

 

今僕はバジーリオ様の前、フラヴィア様の右前ぐらいに立っている。

 

「ここは撤退するよ!」

 

「マーク…。」

 

「……フラヴィア。クロムに、こいつを渡しといてくれ…。」

 

「こ、これは……!?」

 

後ろでバジーリオ様はフラヴィア様に赤い色の玉を渡す。

 

「あぁ…宝玉だ。いいか、お前は生きてそれをクロムに渡すんだ…!」

 

「嫌だねっ!そんなものは自分で渡しな!!

 私はあんたと共にいる!!」

 

「馬鹿野郎!!

 俺が、最後に残せるもんを…無駄にすんじゃねえ…!

 お前はクロムのもとへ走れ!

 前フェリア王の最後の命令だ!!行けーーーーーーーーーっ!!」

 

「バジーリオーーーーーーーッ!」

 

フラヴィア様は赤い玉――【緋炎】の宝玉をもって、走っていく。

ほかのフェリアの兵も。

 

「おい、マーク。」

 

「ん?僕は逃げるのは最後だよ?」

 

ヴァルハルトとの距離をはかりつつ、バジーリオ様の話に付き合う。

 

「これでいいのか?」

 

実は知っていた。

あの祈りのリングの効果を。

あれはHPが10より下のとき、同ターン時(11-HP)×10分の回避率が加算される。

つまりHP1のとき必ずと言ってもいいほど回避するということだ。

(聖戦の効果。覚醒だとかなり違うので何とも言えないが、HP1ならば確実に回避できると思う…が、

 その時のヴァルハルト側の命中が94%だったのでなんとも言えない)

 

「うん、このまま、死人でいて。」

 

ファウダーからの見張りの敵を振り払う手は1つだけ。

死ねばいいのだ。

死んだとすれば見張りもつきにくい。ある意味賭けだ。

まあ、そうなればたくさん同じ顔、同じ名前のアンナに頼るだけだけど。

僕は再びヴァルハルトの方を見る。

 

「うぬが我の相手でもするというのか?」

 

「当然。足止め係だよ。」

 

ヴァルハルトが斧を振り下ろす――だが、僕はかわす。

 

「読みが甘いね!」

 

必殺の一撃を食らわせる――その間にバジーリオ様は見事なまでにかっこ悪く逃げて行った。

 

「くっ…。」

 

さっきのバジーリオ様の攻撃が響いてきたのか。

これならヴァルハルト()()は追撃してこないだろう。

 

「クラウド!」

 

雨でかわいそうだから雨が当たらないあたりにおいてきた相棒を呼ぶ。

するとすぐにやってきて僕は乗って一歩退く。

一方ヴァルハルト側は部下と思わしき兵がたくさんやってくる。

それを見て

 

「トルネード。」

 

と、一発風魔法をやってから逃げた。

次の目的は、ヴァルハルトの軍が帝都に戻るよう仕向けること。

これをするとクロム側も被害くらうかもしれないけれど…

ルフレも土地勘ある(と思う)サイリがいるんだ。

うまく遠回りになるかもしれないけれど。

 

「ボルガノンの再登場かなぁ…。」

 

そう呟きつつ、僕は逃走した。

 

 




文字数9453だって!信じられませんよー


逃走しなくても現時点でヴァルハルトに勝てるほどの力を持つマーク。
でもそれは裏ワザ。まだ明かすべきじゃないね。

今回登場した祈りのリングフラグ、わかった方はいらっしゃるでしょうか。
メタですが、アイテムには名前があるとおもいます。うん。
3DSだって、鉛筆でもタオルでもどこかしらそれっぽい記入があると思うんです。
つまり、ホークが祈りのリングだとわかった=聖戦またはトラキアのアイテムということに…。
トラキアには祈りのスキルはあってもリングはないですし。
オリジナルは基本、覚醒だけですので聖戦でのアイテムになります。
さて、バジーリオVSヴァルハルトのとき、

「あれ、バジーリオ、HP1?もしかして…これ使える?」

っておもったのでこうなりました。
効果は出ているだろうけどその前にマークが乱入しちゃった☆

ちなみに、
覚醒の「レクスカリバー」
暁だとランクSSなのでちょっと使いづらいなあっておもったので、
この小説だと聖戦と同じ「トルネード」にします。
効果はレクスカリバー(覚醒)と同じです。
本文でマークが使っていたのはトルネードもといレクスカリバーです。

さて、今回はかなり長くなってしまいましたがここまでです。
一言感想くださればなによりです。

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