ファイアーエムブレム覚醒 ~虹が生み出した物語~   作:ユイリー

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21章:五つの宝玉


本編、再開です。


「できる限りのことをしていく。それだけだ」





第三部 ギムレー教団(21章~23章)
第38話


 

 

 

 

 

~ルフレSIDE~

 

 

 

遺跡でファインとレインを仲間に入れて私たちはイーリスへと戻ってきた。

また、情報を探す途中、クロムが寄りたいところがあると言い、私はついて来た。

そこは―――クロム自警団の拠点。

 

「クロムさん、どうしたんですか?急に…」

 

「少し考え事を……な」

 

私は周囲を見渡す。

ここにいたのはほんのわずか。

それ以外は王城で仕事していたり戦場に立っていたりした。

それでも。

 

「懐かしいですね……この場所。

クロムさんに助けられて、自警団のみんなと初めて会ったのがここでした。

私にはその前の記憶がないから、すごく……大事な思い出です」

 

「そうだったな。お前と出会ってからはずっと、戦いの連続だったような気がするよ」

 

「望んだ戦いなんて、ひとつもありませんでした。

いつも戦うことに迷って、立ち止まって、振り返って。

それでもクロムさんは先頭に立って、たくさんの人の想いを背負ってきました」

 

「お前がいた。仲間がいてくれた」

 

「これからもずっといます」

 

「残る【黒炎】の宝玉の行方は…まだわからない。

【覚醒の儀】はナーガの炎をその身に浴び、精神と肉体の苦痛に耐えることで神竜ナーガの力を授かることができる……らしい。

もし耐えられなければ命を落とすそうだが……」

 

「命を落とす……?あの、大丈夫なのでしょうか…」

 

「えー、父さん…死んじゃうの……?」

 

急に声をかけられて私は驚きながらも声の方を見る。

そこにはルキナとレインが来ていた。

 

「聞いていたのか。あまりいい趣味とは言えないな」

 

「お行儀の悪いことをしてしまい、申し訳ありません、お父様……

声をかけようと思ったんですけれどおふたりの間に入りづらくて……」

 

「ごめんなさい、父さん…」

 

「まあいい。心配するな、ルキナ、レイン。俺はどんな苦痛だろうと耐えてみせる」

 

「クロム様、失礼します」

 

そこへフレデリクさんが入ってきた。

 

「どうかしたのか?」

 

「ペレジア王より知らせが届きました。

ペレジアがもつ【黒炎】の宝玉をクロム様に返還したい、と」

 

「なに……?」

 

「我々が【黒炎】を求めていることを嗅ぎつけたようです。

ペレジア城へクロム様を招待し、そこで返還の儀を行いたいとの話ですが…

クロム様を狙う罠である可能性は十分にあります」

 

「ああ。ペレジア王ファウダー…あの男は信用できない。

だが…そうだな。招きに応じると伝えてくれ」

 

「よろしいのですか?」

 

「ああ。姉さんの心を継ごうという者が、話し合いを拒絶するわけにはいかない。

それに何より、奴が【黒炎】についてどこまで知っているのか吐かせたい。

おそらく戦いになる。皆には戦闘準備をさせておいてくれ」

 

「炎の台座はいかがされますか?置いて行くことも考えられますが…」

 

「いや、俺が持とう。奴がこちらを見張っているなら…盗まれる危険がある。

ペレジア王ファウダー…奴の狙いを確かめるぞ」

 

 

 

 

 

~マークSIDE~

 

 

 

僕は久々に輸送隊の方を顔出しに行っていた。

十中八九、【黒炎】はペレジアにあると踏んでいる。

だからこそ僕は今のうちに武器の補充をしていた。

 

「ねえ、父さん」

 

「うん?」

 

必要な物をまとめている時、ファインが声をかけてきた。

 

「剣の扱い方を教えてほしいなって」

 

顔を上げればファインは『紅剣アルカンシェル』を持っていた。

 

「私、ヴァルキュリアだけど、この剣だけは使えるみたいなんだ。でも実際うまく使えているのかわからなくて…」

 

「できれば私にも教えてください」

 

どうやらホークも来ていた。

 

「うーん、ちょっと待っててね。これをまとめてアンナに出してくるから」

 

「はーい」「わかりました」

 

 

 

 

アンナに必要な物を書いたメモを渡した後、僕は訓練所にて二人を連れてくる。

 

「それじゃあ、まずは基本的な動きでも見てみようか。まずはファインからだね」

 

「はーい!よろしくお願いしまーす!」

 

「ファインはヴァルキュリアで騎馬系だけど、どうする?僕はどっちでもいいけれど…」

 

「馬に乗れないときもあるので両方ともお願いします!」

 

「はいはい」

 

ファインは発見時、自分の馬を持っていなかった。

しかしあの遺跡の近くに二匹の馬がいたのだ。

どうやら主とはぐれていたみたいなのだが、それがどうもファインとレインの愛馬のようで、再会を喜んでいた。

どういう原理だろう…。

なお、レインの愛馬はクラウ、ファインの愛馬はラウドという。

うん、誰が親なのかわかっちゃったよ…。

なお、二匹は兄弟らしく、親は例の戦場で主と共に亡くなったとも聞いた。

それはとにかく。

ファインとホークの手合わせをしているうちに知らせが入った。

 

伝令によれば僕は外で待機――どうやらペレジア王城に行ってもそんなにたくさんいくわけにはいかないしね。

 

 

 

 

 

~ルフレSIDE~

 

 

ペレジア城につき私たちは案内の元、とある場所へと来た。

しかし……

 

「どうだ、ルフレ?」

 

「はい。この部屋へ通されるまで…城内のあちこちに兵が隠れていました」

 

「やはり、か。穏便にはすまないようだな」

 

しばらくするとファウダーとインバースがやってくる。

 

「あら、いらっしゃい。私の王子様」

 

「ようこそ、クロム殿」

 

「宝玉…【黒炎】を返還したいと聞いたが…」

 

「ほう、ずいぶんと性急な。それほどまでに宝玉が欲しいと?

だが、炎の台座に、五つの宝玉…あれらは危険なもの、我らにとっては憎き仇だ」

 

「仇…それは、初代イーリス聖王がギムレーを倒したから…ですか?」

 

 

同行していたルキナが聞いた。

 

「その通りだ、異邦人よ」

 

「! 異邦――」

 

「危険は手を打てるうちに排除せねばな」

 

「どういうつもりだ?」

 

「炎の台座と宝玉をこちらへ渡していただこう」

 

「そんな!またイーリスとの間で戦争を始めるつもりですか!!」

 

「はて…それを決めるのはそちらだ。さあ、台座を渡せ」

 

「断る」

 

「では、交渉は決裂だ。実力行使にうつるとしよう」

 

その言葉でまわりの空気に重りがかかる。

 

「クロムさん、こっちです!」

 

あらかじめ用意した逃げ道を使い、私たちは脱出をはかる。

外にはマークさんやセルジュさんたちもいる。

そして、出口が見えた。

 

「もうすぐだ!あそこから脱出―――!?」

 

走っているクロムさんの目の前に、ファウダーが現れる。

ワープだろうか。

現れたファウダーはクロムさんを攻撃した。

 

「ぐ…っ!?」

 

「一度逃れたところで…しょせん運命は変わらぬ…クク」

 

「そんな…お、お父様ぁっ!」

 

「さあ。炎の台座と宝玉を渡せ」

 

「断るっ!」

 

「ふ…ふはは…ではルフレよ!」

 

「っ……!」

 

ファウダーに名を呼ばれたとたん、頭痛が走る。

体が自由に動けない。

 

「ルフレ!?」

 

「さぁ、炎の台座と宝玉を我が手に運んで来い」

 

「う…うぅ…!あぁっ!!」

 

体が勝手に動く。

やめて、抵抗しようにもびくりともせず私の体はクロムさんのもとへと行く。

 

「ルフレ!お、お前、何を…!」

 

「そうだ、それで良い。よくやったぞルフレよ…

これで、炎の台座と宝玉をすべて我が物となった…

では、儀式の場に急がねばな…」

 

勝手に動いた私はクロムさんから炎の台座と宝玉を奪い、ファウダーに渡してしまう。

そしてその場でファウダーは【黒炎】をはめ、台座は完成した。

そのままワープして立ち去ったのだ。

 

「ま、待て……っ!くっ…!」

 

「は…!はあっ、はあっ!わ、私は…何を…!」

 

どうやらファウダーが行ったことで私は解放された。

 

「大丈夫か、ルフレ!」

 

「ご、ごめんなさい、クロムさん…炎の台座を…」

 

「炎の台座は必ず取り返す!今はここを切り抜けるのが先だ!!」

 

「わ、わかりました…!」

 

 

 

 

~マークSIDE~

 

 

 

城から脱出したクロムたちと合流した。

どうやら交渉は決裂――実力行使になったため逃げてきたのだ。

しかし出口間際でファウダーが現れルフレを操って奪われたとのこと。

 

「…私は…なんてことを…」

 

「大丈夫だ、まだ間に合う。追うぞ、ルフレ」

 

「ですが…あの男の前に行くと、また操られて…

……っ!この血のせいなのでしょうか。あの男の術に惑わされるのは…あの男が、父親だから…」

 

「完全に操られたわけじゃない。気持ちを強く持て!

お前は、あんな術には負けない!次は必ず打ち勝てる!」

 

「…クロムさん…」

 

「立ってください、ルフレさん。貴方には、やるべきことがあるはずです」

 

「…でも、私は…」

 

「過ちだったとしても、今なら取り戻せる!いや、取り戻すんだ!そうだろう?」

 

「……ごめんなさい。ありがとうございます、みなさん…」

 

さて、ギムレー教団の行方を調べないと…。

 

 

 

 

~ルフレSIDE~

 

 

マークさんたちがギムレー教団の行方を調べているなか、私はルキナに呼び出された。

 

「…お母様。内密にお話したいことがあります」

 

「ルキナ…話って…」

 

その表情は真剣なものだった。

決意と後悔が入り混じったものだった。

 

「お父様のことです…私、元いた世界でも…お父様には優しくしていただいたんです。

私が幼い頃…お父様が亡くなるまでは…」

 

「そうだったんですね…」

 

「お父様の話はたくさん聞きました。

どんなに勇敢な人物だったか、どんなに悲しい最期だったか…

お父様にまたお会いしたい…私はそう思いました。

お父様に会って、色々な話をして…そして、お父様の命を私が救ってあげたい…」

 

「クロムさんのことが大好きだったんですね」

 

クロムさんの事を話すルキナは嬉しそうに、微笑んでいた。

 

「…ごめんなさい…お母様…私はいくら謝っても…許されないことをしようとしています」

 

苦痛な顔でルキナは言ったあと、私に剣――ファルシオンを向けた。

 

「ルキナ?」

 

「……動かないでください。…私は今から…お母様を殺します」

 

「!!」

 

「私の知る未来で…あなたはお父様を殺しました。そう、あなたが殺したんです」

 

「私が…クロムさんを…!?」

 

「…今まで、確証はありませんでした。

私が聞いた話では、お父様は最も信頼していた仲間に裏切られたとしか…

この世界でお父様とお母様の絆を知れば知るほど…ありえないと思っていました。

それでも、わかってしまったんです。

お母様はファウダーの支配には逆らえない。お母様は未来でお父様を殺した…そしてお母様はもうすぐ、その手でお父様を殺す」

 

「……」

 

「運命を変えるためには、こうするしかないんです…!!

私はもう、あんな未来にしたくはない…あんな…闇に閉ざされた絶望の世界…

だから……だからっ!こうするしかないんですっ!

……私にはもう……こんなやり方しか……っ!」

 

「ルキナ…」

 

「せめて…苦しまないようにします…。

抵抗しないでください、お母様…」

 

「……ええ、わかりました」

 

「お母様…どうして…ですか?どうしてそんなに優しい顔を…

私はお父様と世界のために…あなたを殺そうとしているのに…」

 

「私が死ねば、クロムさんはたすかるのでしょう?

あなたも、皆と幸せに暮らせるのでしょう?

それなら…良いんです。戦についても、マークさんがいます」

 

私が、クロムさんを殺す。

それは、以前から見ていた夢のなかで私がクロムさんを殺す夢を。

なぜかはわからない。

もし、あれがルキナの未来での出来事なら――私は未来、クロムさんを殺すだろう。

それならば、ここで死んだ方が阻止できるのではないのか?

軍師なら、私でなくてもマークさんがいる。

 

「お母…様…」

 

「大丈夫ですよ。一瞬で終わらせてくれるのでしょう?

ルキナ…私の娘…あなたはどうか幸せになってください…

ああ、一つだけ心残りがあるとするとレインを生んであげられないことでしょうか…」

 

「……!!そんな、お母様…!」

 

「……さぁ、ルキナ…」

 

「……!おかあ…さま…!うっ…うぅっ…!!」

 

ルキナは泣いていた。

 

「…で…できません……!!やっぱり私には…お母様を殺すなんてこと…!

……っ……っ…ごめん…なさい…ごめんなさいお母様!私…私は…っ!」

 

「ルキナ…」

 

ルキナは向けていた剣を下す。

するとクロムさんがやってきた。

 

「ルキナ……気がすんだか?」

 

「お父様、さっきの話を…」

 

「ああ。聞かせてもらった。ルキナ、お前が俺のためを思ってしたことなのはわかった。

だが、無用だ。俺はルフレを信じている。俺とルフレは今までずっと…苦楽を共にしてきた。

俺とルフレは二人で一人、俺たちはそう誓ったんだ。その絆は、何があろうと断てるものじゃない。

俺は運命より、絆を信じる」

 

「お父様…」

 

「それに、ルキナ。お前との絆も。

元の世界では、お前はまだ幼かった。だが、ここではお前も仲間なんだ。

同じなはずはない。運命は、変えられるんだ」

 

「……わかりました。

ごめんなさい、お母様…私は決して許されないことをしました…

未来がどうなるのか…私にもわかりません。でも私も…信じます。

お父様と、お母様を…」

 

 

 

 

 





21章クリアのセーブ後に最後のシーンがはいるのですが、通常とマイユニが親、マイユニが恋人だとセリフが変わるんですよね。
実際、親としてのデータと通常のデータを見比べたらやっぱり違ってるなっと。
ただ、データ的には恋人同士のは見たらしいけれど、この場面では見てないんですよね。
一時、支援集めしてた時に埋めたのでしょうか…。


なお、レインとファインの愛馬を出させております。
ネーミングセンスはないですが…まあわかりやすいってことで。
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