ファイアーエムブレム覚醒 ~虹が生み出した物語~   作:ユイリー

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間章17:かつてありえた未来の一編・1(絶望の未来1)

間章18:かつてありえた未来の一編・2(絶望の未来2)

間章19:ただ一人、帰還する時

間章20:かつてありえた未来の一編・3(絶望の未来3)

間章21:未来では叶わなかった再会



「まさかあの剣が残っていたとはな…というか、分裂ってありえるか?やめてくれ」







第四部 邪竜ギムレー(24章~終章)
第41話


 

 

 

 

~ルフレSIDE~

 

 

ルフェーラさんとシャンブレーさんに案内されてきた洋館。

その中からははっきりと屍兵の気配があった。

中から声が聞こえる。

 

「どうやらこの建物の中にいるようですが…」

 

中に入ってみればその声の主は誰なのか分かった。

 

「ひぇぇぇ、こ、来ないで下さ~い」

 

「く、分が悪いですね…」

 

「盛大に呪ってあげるわ…」

 

「こんなところで足止めを受けるわけにはいかないというのに…」

 

「オリヴィエさん!ミリエルさん!サーリャさん!ベルベットさん!」

 

女性4人だけだろうか?

 

「この声は…ルフレさん!?」

 

「今助ける!」

 

「クロム様、ルフレさん! 屋敷に火が放たれたようです!急ぎましょう」

 

「わかった。ルフレ、行けるか?」

 

「はい。まずは二手に分かれましょう」

 

どうやら屋敷の中央の部屋に捕まっているようだ。

杖が使えるリズさんとマリアベルさんをそれぞれ分かれ、北をルキナとレインに任せて私はクロムさんと左へと進軍する。

 

 

 

 

「ふぅ、みな大丈夫か?」

 

それから数十分後、全員屋敷から脱出する。

もちろん囚われていた女性4人も救出済みだ。

全員の無事が確認できたところで――

 

「みなさんは一緒にあの屋敷に?」

 

「はい。私たち4人とセルジュさんですね。残念ながらほかの方は…」

 

「少しいいかしら?」

 

話している中、アンナさんがやってくる。

 

「盗まれた武器は全部回収できたのだけれど…一つだけ持ち主がわからない剣があって…あなたたちに聞きに来たのよ」

 

「持ち主がわからない剣…?」

 

「もしかしたら最初から屋敷にあった剣かもしれないのだけれど…」

 

アンナさんが見せたのは――

 

「…なんかぼろくない?」

 

「ぼろい…よな?」

 

「! その剣、どうしたの!?」

 

偶然通りかかったチキさんが声を出す。

 

「チキさん、この剣わかるのですか?」

 

「…間違いなければ…」

 

チキさんはアンナさんが持つ剣を見る。

 

「間違いないわ…彼が使ってた剣…昔奪われたと思ったらここにあったのね…」

 

「どういった剣なんですか?」

 

「私がまだ本当に幼かった頃――それこそ英雄王マルスの時代の事。

彼の軍の中に、この剣を使っていた青年がいたの。

もっとも彼は病死して残された剣はとある天馬騎士が受け取ったと聞いたのだけれど…。

その天馬騎士が亡くなったあとは私のもとへ流れ着いたの、ある時まで…」

 

「英雄王マルスの時代の剣、か…」

 

「修復すれば使えるのでしょうか?」

 

「そこまではわからないわ。私のもとにあったときは綺麗に蒼色に輝いたままだったから…」

 

「伝令―!!」

 

空から声が聞こえた。

パリンさんとルクスさんが戻ってきたのだ。

 

「どうした?」

 

「ここからイーリスに進んだ先のところに見慣れた奴らを見つけた。

リヒト、カラム、ソール、ロンクーだった」

 

 

 

 

 

 

 

*  *  *

 

 

 

 

 

訪れた場所は雨がひどく底が見えないであろう崖のところだった。

こちらも屍兵がたくさん出現していた。

こちらはどうやら飛行系、騎馬系が多いようだ。

はやく合流しなければ。

 

 

 

 

「はぁはぁ、よかった。クロムたちと合流できて…」

 

「途中で吊り橋が落ちてロンクーさんたちが来れないのを見てどうしたらいいのかわからなくて…」

 

「途中でファインとセレナと合流できたからだな」

 

「二人だけだったら危険だったよ…。ファインは杖使えたから助かったしね」

 

4人ともにいた男性陣は、吊り橋を渡る際に邪魔が入り、さらに二分に分かれてしまった。

私たちは先に渡っていたソールさんリヒトさんと合流したが、反対側にロンクーさんとカラムさんが残されてしまっていた。

その時、ちょうどよくファインさんとセレナさんが反対側…ロンクーさんたちと合流できたのだ。

 

 

「ごめんなさい…私たちのほうは特に情報が入らなかったです…」

 

「あとは…母さんと父さん、ガイアさんにヘンリーさんね…」

 

あと戻ってきていないのはジェロームさんとグリーンさんの二人だ。

 

「再びいいかしら?」

 

アンナさんがやってくる。

もしかして、例の剣だろうか、チキさんもいる。

 

「例の剣の事ですか?」

 

「ええ…武器屋に確認してもらったのだけれど、修復は難しいみたいなの」

 

「あれ、その剣どうしたの?ぼろいけれど」

 

「本当にぼろいですねー?あ、でも見た目はぼろいだけで実際は…ってことはないですか?」

 

「私も剣が使えるから試したことはあるのだけれど、何も本当にぼろい剣だったわよ?」

 

「もう手入れもされずに放置されてたのね…使えないのが残念だわ……もっともあの剣は使用者を選ぶようだったけれど」

 

「えっ、初耳です」

 

チキさんからの衝撃な事実。

使用者を選ぶって…。

 

「それでも手入れはしないと錆びるわよ」

 

「ふーん…?」

 

セレナさんがちょっと見せてとアンナさんから剣を受け取った時――

 

「えっ!?」

 

綺麗な蒼色が、輝いた。

まるで眠っていたと言わんばかりに先ほどまでボロボロであった剣は、

しかしその面影を見せることなく蒼色に輝いていた。

 

「ど、どういうこと?」

 

「…その剣が、あなたを主と決めたから本来の姿を現した…のかしら」

 

現れた綺麗な刀身をもつ剣。

しかし…どこかで見たことあるような…。

 

「うーん、どこかで見たことある剣ですねー…どこでしょうか?」

 

「あら、ファインも?あたしも見覚えあるのよね…」

 

「……父上が持つ剣に似ていますが…」

 

「「あっ、アルカンシェル!」」

 

ホークさんのつぶやきに私も納得いきました。

 

「あら、知っているの?」

 

チキさんの言葉に私たちはえっと驚愕する。

 

「私は直接聞いたことはないけれど…かつての知り合いが、この剣は〝アルカンシェル”だと教えてくれたわ」

 

「もしかして…マークさんがかつて旅した異界の中に、過去の英雄王マルスの時代にいた…とかじゃないよね…?」

 

「ねぇ、その人の名前って…聞いてもいいですか?」

 

ファインさんが興味があるようでチキさんに視線を向ける。

 

「彼は…彼の名前は〝イーリス”と名乗っていたわ」

 

「イーリス…!?」

 

「すごい偶然ですね…」

 

「んー、でもマークさんの人格にはその名の人、いませんね」

 

「でもこの剣…『蒼剣アルカンシェル』…その人が使ってた剣…」

 

と話している中で、

 

 

「マークには…確か名前が明かされていない人格が一人だけいたはずだが…」

 

ロンクーさんのつぶやくは誰も聞かれずに消えていった。

 

 

 

 

 

*  *  *

 

 

 

 

~???SIDE~

 

 

 

「まったく、ついてないな…」

 

絶賛俺はただいま迷子中だ。

周囲は木々に包まれた森の中。

ヴェルデに変われるのなら変わりたいものだ。

視界が良くてもこんなんじゃわからん。

 

「……やっぱりだめか」

 

竜の祭壇の前でみなに指示をしながら戦っていた。

それがファウダーの笑い声でアンナやホーク達を中へと送った。

しばらくして空気が変わったかと思えば――

屍兵が俺たちを巻き込んでどこかへワープした。

気が付いたら一人、俺はここにいた。

しかもいつもはいる同居人のような騒がしいあいつらの気配ですらない。

消えたか?それとも謎の技術で分裂したとか?

 

……本当はわかってる。

異常なのは俺だ。

何らかの影響で俺はいま、精神状態なんだろう。

だからあいつらと変わることすらできない。

ただ、もしそうなら本体はどうなっているんだ。

俺の手には変わらず『アルカンシェル』がある。

虹色に輝いているが…いつもよりも輝いているような…。

今の目的地はイーリスだな。

イーリス城下町。

皆の行方はどうなのかはわからないが、確実に居場所を知っているものがいる。

エメリナ様だ。

彼女のもとへ行けば何かわかるのかもしれない。

と、歩いているうちに、俺は見つけてた。

 

「――っ!」

 

等しく戻っていなかった、我が家を。

 

 

 

 

 

 

 

*  *  *

 

 

 

 

 

 

~ルフレSIDE~

 

 

 

私たちはイーリスへと戻る途中だった。

 

「クロムさ~ん!」

 

上空からジェロームさんとグリーンさんが戻ってくる。

 

「! どうでしたか?」

 

「残念だけれど、見つからなくて…だけど」

 

「だけど?」

 

「イーリス王城の屋上に屍兵がたくさんいた。おそらく攻めるつもりだろう。報告のため戻ってきた」

 

「なにっ!?」

 

「お父様、戻りましょう!」

 

「ああ、さすがに心配だ」

 

 

 

イーリス城下町に急いで戻ってくるとまだ屍兵はいないようだけど…。

急いで王城の屋上へと上がれば――

 

「!!」

 

屍兵は減っているものの、戦っている者を見れば驚愕する。

 

「母さん!父さん!」

 

「ヘンリーさん!」

 

「ガイアさん!」

 

全員が重傷だ。だが、一番損傷がひどいのは珍しくもマークさんだ。

ティアモさんマークさんのもとにファインさんセレナさんが駆け寄り…

ヘンリーさんのもとにはオリヴィエさんとアズールさんが、

ガイアさんのもとにはロンクーさんセルジュさん、ソルラさんが駆け寄った。

 

「!これって…」

 

私は気が付いた。

マークさんが持つ剣――アルカンシェルが輝きを失っていたことに。

 

「わ、わからないんです…。気が付いたら私たちはここにいて…」

 

「見下ろせばイーリスの城下町だったから…ここにいる屍兵を行かせるわけにはいかなかった」

 

「マークは…ここにとばされてからその状態で…どうすればいいのか僕ですらわかんなくって…」

 

「わかった。三人とも下がってろ。俺たちが片付ける!」

 

重傷の三人を後ろに送る。

マークさんはロンクーさんが肩を回して王城にある彼の部屋へと連れて行った。

 

 

 

 

 

「父さん…目を覚ましてよ…」

 

屍兵を片付けた後、私はマークさんの部屋へ訪れた。

部屋の中でベットに上半身預けたまま泣きながらセレナさんは寝ていた。

私の訪問に近くにいたティアモさんは気づいたようで、

 

「ルフレさん…ごめんなさい…マークさん…まだ目を覚まさなくって…」

 

「ティアモさん…」

 

ティアモさんの傷は治っていた。

ただ、まだ安静とのことなのだが、マークさんが心配でこの部屋にいるようだ。

 

「あれ、ファインさんは…?」

 

「戻っていったわ。こんな顔でマークさんの顔見たくないって言ってたから…」

 

「そう…ですか」

 

もしかしたら、父親の記憶がないからだろうか。

ふと、机の上に置いてある剣に目が入る。

 

「…ティアモさん…マークさんの剣…」

 

「ええ、あたしも気が付いたわ。いつもの輝きがない…マークさんの状態に影響しているのかしら…」

 

近づいてみれば――なんとなく、剣に呼ばれている気がした。

どこかへ、まるで連れて行ってほしいかのように。

 

「…マークさん…この剣、すこしお借りしますね」

 

「ルフレさん?」

 

「なんとなく、この剣が連れて行ってほしいって言っている気がするんです」

 

「…そう…」

 

疲れているのかティアモさんの返事も生々しい。

輝きの失った剣を持ってクロムさんのもとへと行く。

 

「ルフレ、ちょうどよかった。これから虹の降る山にいこうと思う」

 

「わかりました」

 

イーリスに残る者は必然と決まった。

まだ重傷の後遺があるティアモさん、ガイアさん、ヘンリーさん。

その共としてセレナさん、ファインさん、オリヴィエさん、アズールさん。

ソルラさんとソレイユさんが残ったのは驚いたけれど…。

 

「行くぞ、虹の降る山へ!」

 

 

 

 

 

 

*  *  *

 

 

 

 

 

~ソルラSIDE~

 

 

 

クロム叔父様がみんなを連れて虹の降る山へと進んでいった。

本当はついていった方がいいのだろうけれど…そういうわけには行かなかった。

 

「別に心配しなくてもよかったんだがな」

 

「心配しますー!」

 

こっそりと抜け出してはともに歩くのは幼馴染のソレイユ。

それと、父親のガイアである。

自分はエメリナ母様の娘だとは言った。

だが、父親であるガイア父様については誰にも……おそらくマークさんとか事情を知る人しか知らないだろう。

聞いた話だと、母様が生きていると知るのは父様、マークさん他にマリアベルさん、ロンクーさんだけらしい。

そして、今向かう先は…。

 

「ただいま」

 

「ガイアさん?」

 

奥から母様の声がした。

 

「どうかしたのですか?ペレジアに向かったと聞きましたが…」

 

それでも奥から出てこないのは生きていることを隠すためだろう。

 

「まぁそうだな。ちいと怪我…ああもう治っているが、後遺があるかもしれんから今は待機でいるんだ。

それと、前来た時に言ってた子、連れてきた」

 

前言ってた子?

その言葉のあと、奥から母様が出てきた。

 

「あ……」

 

穏やかな、優しい雰囲気があった。

記憶と違いない、母様だった。

 

「あなたが…ソルラ…私の…」

 

「……」

 

「頑張ったのですね…」

 

「あ……母様…」

 

思いっきり抱き着いてしまったが、母様は優しく抱き返してくれた。

父様が私をここに連れてきてくれたのは、今、クロム叔父様たちがいないからだろう。

私は久々の母様の腕のなかで泣いた。

その様子を父様とソレイユは微笑んで見守っていた。

 

 

 

 

 






行方不明の方々が登場するマップは、DLCの絶望の未来編を参考にしました。
この世界でまだギムレーは復活したばっかりじゃないって思われますが…まぁスルーで。
そして登場した新たな武器。
こちらはセレナ専用になっております。
紅(赤)のファインと蒼(青)のセレナと対?になっておりますね。

それでは。
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